領域の支配者   作:ルルーラ・ランドー

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三十一話 先輩からの勧誘

場所は名古屋、廃ビルの中で呪詛師と京が戦っていた。

 

「ふっざけんなよなんでアイツがここにいるんだよ!!」

 

呪詛師の男は目の前の理不尽()への憤りを口にしていた。

 

『閃』

 

呪詛師の足元の床が切り落とされて階下に落下する。

そこに居たのは京である。

 

「くっそぉ、何なんだよお前!!」

 

『断』

 

「…………五月蝿いな」

 

指を軽く振ると呪詛師の首が落ちる。

返り血を拭きながら京は補助監督官に電話して後処理を任せる。

廃ビルを出ると琴音に迎えられる。

 

「お疲れ様です。本日二人目になります。」

 

「残りは?」

 

「市内に呪霊祓いが一箇所、市外にて呪詛師の目撃情報か一人います」

 

「菜々子………負荷はどれぐらい?」

 

「まだまだ問題ないよ」

 

「ありがとう。では次に行こうか」

 

「はい」

 

補助監督官の車に乗り込み次の現場に向かう。

 

「そろそろ正午ですが……」

 

「………お昼か……………朝は何食べたんだっけ?」

 

「……目玉焼きとソーセージとご飯ですね」

 

「そうか………昼何食べようかな……」

 

交流戦を終えて京は通常の任務の他に『呪詛師狩り』をしていた。

呪詛師と言えど人を祓わねばならないことに対して京は精神をすり減らしていたが、それでも祓わねばならない理由があった。それは今後起きるかもしれない『宿儺の復活(Xデイ)』に向けて多くの術師や呪霊を祓い、その魂を糧に自らの『呪力』を補強する必要があるためである。

 

命を取りに来ている狡猾な呪霊ではなく本気で生きるために逃げる人間を祓うのはほとんど狩りであり。ある程度慣れている呪詛師が側にいなければ心が壊れていたかもしれない。そう思いながら日夜狩りを続けている。

 

「呪霊は楽でいい、ほとんどの呪霊は逃げようとしないから……」

 

「そうですね……」

 

「すみません……そこのファミレスに入ってください」

 

補助監督官がファミレスの駐車場に車を停める。

 

 

 

 

「何食べましょうか?」

 

「………コーンスープとオムライスとカルボナーラとチョコパフェ」

 

「……噂通りよく食べるねぇ……相席大丈夫かな?」

 

「貴様!!!」

「………美々子、菜々子、不用意に動いたら消すよ」

 

「はい………」

 

臨戦態勢になった双子を諌めて質問を始める

 

「で、先輩は何しに来たんですか?」

 

「少し僕のフォロワーが気になってね」

 

向かい合っている琴音の隣に『夏油傑』が座る。

 

「……………先輩………もしかして……『加茂憲倫』?」

 

「アッハッハッハ、それも私の名前の一つさ」

 

「…………なるほど……………彼女らには悪いことをしたな」

 

「僕は彼女らにあの儀式を行って『呪力』を抽出しようと思っていたんだがね………儀式を君みたいな使い方をするとは思わなかったよ……長生きするもんだね………それでだ………

 

君、こちら側に来ないか?」

 

「…………勧誘するなら、まず自分の目的からだろ?」

 

「桐ヶ谷!!話が違うぞ!!」

 

「美々子……黙れ……テメエも目の前のコイツも呪詛師である以上は同じ穴の狢だ…………」

 

琴音の体で喋り始める美々子を呪力で縛り付ける

 

「女の子相手に怖いねぇ、それでも『正義の呪術師』かい?」

 

「………俺の『正義』はあの子を祓った時から存在しないよ………でアンタらの目的は?必要ならば『縛り』を作るけど」

 

「いいや、いいよ、君はどうせ喋らないでしょ?」

 

「そりゃどうも」

 

「僕の狙いはね、現行の体制の崩壊さ。日本を人間が支配する国ではなく『呪術師』と『呪霊』が支配する国にすること」

 

「…………その先は?………いやいいや、別になんでも………呪術高専の上層部にも言ってるんだけど『五条悟』が自由な限りは『呪詛師』になるつもりはないね……」

 

「そうかい?じゃあ『五条悟』がいなくなったら?」

 

「そうしたら考えるよ…………」

 

「…………そう、いいことを聞いた、君の今日ターゲットの呪霊と呪詛師はここにいるよ」

 

偽夏油はニコッと笑うとメモをおいて席を立つ

 

「午後は非番にしてあげたからコーヒーは奢りにしておいてくれよ、ゆっくりお昼を食べてくれ………あと、姫によろしく伝えておいてくれよ…………」

 

手をひらひらさせて店を出ていく夏油は店の外に消えていった。

 

「……………美々子、あの偽物は『五条悟』対策を何してるか聞いているか?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「じゃあ、菜々子を………」

 

「待って!!!………私達は知らない………私達は『宿儺の器』に宿儺の指を食わせるとある程度『抑制』のできる『宿儺』が復活するとしか聞いてない」

 

「そう……琴音に戻して………………琴音、今から補助監督の安否確認とか色々しておくから、俺のぶんも先に注文しておいて…………」

 

「わかりました」

 

「菜々子も琴音の中に入れておくから3人で好きなものを選んでおきなさい」

 

「………………はい」

 

指示を出した京も足早にスマホを出しながら店の外に出る。

 

「キシシシシシシ、ちょっと双子に厳しいんじゃない?」

 

「五月蝿い少し黙れよ」

 

影から少し顔を出した『漆姫』を蹴り潰しながら車へ向かう。

補助監督官に頼んで応援を頼みメモの場所に送ると呪詛師の死体と呪霊の残穢があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、禁書棚の儀式を人体で試したり呪詛師を祓わず匿ってる時点で俺ももう『呪詛師』なんだよなぁ……」

 

京は二皿目のオムライスを食べながら独り言を呟いた

 




仕事の関係で更新頻度が下がります。
お気に入り登録と高評価で私の筆が乗ります。
誤字脱字報告も熱心に読んでいただけているのがわかってやる気になります。
何時に読んでるかわからないけどお休みなさい。
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