三十二話 ハロウィン
21:40
ハロウィン当日、京と琴音は夜蛾学長と家入さんと一緒に後方待機を命じられていた。
「…………どうして……………」
バリバリ前線で戦う気であった京は仮設テントの隅でいじけて丸くなっていた
「…………私も彼がここにいるより前線で暴れさせたほうが良いと思うんだけど…………」
「上の連中は『五条悟』と『宿儺の器』が『特級呪霊』達と相打ちすることを望んているんだろう……まだ、禪院の息がかかった彼が生き残ったほうが良いという考えだろうよ……………」
「…………俺も戦いたかった…………『精霊』と呼ばれるほどの『特級』と……」
「いい加減、機嫌直してください、護衛任務も立派な任務なんですから」
「『五条』が前線いる時点でもう終わるじゃん、何から家入さん守るのさ」
「……じゃあハロウィン限定のスイーツ食べてのんびり待ちましょうよ、美味しいですよ?栗とサツマイモのクレープ……………五条先生がこっちに寄越すのは弱い呪詛師だけでしょうから」
「クレープは美味しいんだけどね?………それほとんど学長一人で十分じゃない?」
「五条先生にもし万が一何かあったら飛びだせばいいじゃないんですか?」
「いや、ねぇだろそんなこと」
Prrrrrrr
スマホが鳴る
「????虎杖?………はいもしもし…………」
「やっと繋がった!!!虎杖だけど!!五条先生が封印された!!俺はナナミンと合流する!!学長と家入さんに伝えて!!」
「………わかった、連絡ありがとう虎杖……宿儺さんもお手柔らかに頼むよ……」
「え?なんですく…ピッ
「………学長……家入さん……五条先生に何かあったみたいなんで………」
ザクッ
「『呪術界』、切らせてもらいますね………」
名刀『文幸』が夜蛾学長の腹を貫く
「…………桐ヶ谷…………お前…………」
「家入さんいるし死ぬことないし、俺に刺されたなら言い訳も立つでしょ?『呪傀』何個か壊させてもらいますね」
夜蛾の呪傀を何体か呪力で捻り潰す
「京様!!どういうことですか?」
「琴音もミミナナもこれからは邪魔だから」
『
琴音の姿は消え、指輪が2つ落ちる
「………私は刺さないのかい?」
「家入さんは夜蛾学長を治療してここで待っててください、どうせ生きてるか死んでるかわからないけど沢山戦闘不能の人が来ると思うから」
「………そうか……………君も行ってしまうのか……」
桐ヶ谷は落ちた指輪を拾うと家入の言葉を待たずに帳に向かって飛び出していた。
22:00
桐ヶ谷は帳の近くをゆっくりと歩きながら入れそうな場所、切れそうな場所を探す。
「キシシシシシシ………本当にいいのかい?」
「ああ、帳を破ったら『陣』の中にいる『術師』と『補助監督官』以外の人間を食え……間違えて真希姉さん食べるなよ?」
「君は本当に面白いね………『呪霊』の私とも『刻印』を結ぶだなんて」
「………ずっと琴音の中にいたならお前も『刻印』が自動でついてると考えただけだよ……術師じゃない人間は、件の虎杖とナナミンが戦った『特級呪霊』が人間を改造するからな、いるだけ無駄な被害を生むだけだよ。他の『呪霊』に食われたりするよりマシだろう……」
「なんだ気がついてたんだ」
「『コトネ』はお前が産んだ『魂』だろ?『漆姫』お前が本物の『禪院琴音』だ」
「正解!!東北で婆さんにアノお茶呑まされた時は焦ったけどね!!」
「そうかい……………とりあえず今日は頼むよ『琴音』」
「はいはーい!!アイシテルヨ、ダーリン」
『漆姫』(禪院琴音)は双子の体を借りて京の影から『生得領域』に潜っていった。
京は目隠しを外し『すべて』を見渡す。
『桐ヶ谷流剣術』『中段』『月穿』
助走をつけた打突で帳に力尽くで穴をあける
『陣』
「『範囲』は指定したよ」
(あら、こんなに食べていいのね)
『領域展開』〜漆黒暗影庭〜
帳の中と外に作られた領域内に影が蔓延り非術師を飲み込む
(……………ごちそうさまでした……美味しくないのも混ざってたけど………あら、今頃帳が上がってるじゃない)
「……ちっ、他の『術師』に悟られないように………」
この時、その場にいた『術師』と『呪霊』の強者達が誰一人気がつかない中で唯一。京だけが『呪力』の概念の外の気配を感じ取る
「…………やべえ…『琴音』………ひさしぶりに興奮してきた………」
(どうしたの?)
「『本物』が近くにいやがる………」
(ふーん、そう。)
「しかもこっちに来やがった。」
「……てめぇ………『術師』か?」
「………その顔………全く無い呪力………やっと会えたぜ……『本物』の一人………『禪院甚爾』……………」
「俺を知ってる奴ってことは『術師』だな?死んでもらうぜ」
「………『琴音』は手を出すなよ……折角の『本物』の味が落ちる」
『
刀をしまうと構える
禪院家の『本物』と禪院家の『懐刀』が拳を交える。
死合を続けて何分が経ったのであろうか。
時間の感覚を無くすほどの充実した時間。
本気で殺し合っても許される相手に夢中になっていた。
(あのさぁ………楽しんでるところ悪いんだけど……)
『
(これ以上の『圧縮』は難しいよ)
(うるせえ、久しぶりの『本気』なんだ黙ってろ)
時間を圧縮して既に30回を越えて亜音速に達していた
それでも対応する『禪院甚爾』に驚きつつもお互いの打撃をぶつけ合う
(…………あと…………直毘人さんと真希姉さんとナナミンが特級と接敵して『領域』に入れられたわ……)
「はぁ!?マジかッぐふぉっ!!」
甚爾の蹴りが脇腹に決まりビルの壁に叩きつけられる
「痛ぇええええええ!!『琴音』ぇ!!」
(仕方ないわね)
『反転術式』で修復される。
「悪いがアンタの親戚連中が大変そうなんで、逃げさせてもらうよ」
『漆黒霧雲』
『投影呪法』『
桐ヶ谷は黒い霧の中、全力で駆け出す………が。
「………やべぇ………普通じゃほとんど見えない霧の中、見えない速さで逃げてるのに、距離は離せているけどこっちに付いてきやがる……」
(ダーリンの目より優秀かもよ?)
「………そうかもね……怖いねぇ『天与呪縛』」
井の頭線渋谷駅に突入する
「あ!!伏黒!!」
「桐ヶ谷!!領域内に先輩たちが!!」
「知ってる!!『領域』使えるか!?」
「ああ!!」
「んじゃ突っ込むぞ!!あとで、ゲストも来るから期待しててね!!」
「何いってんだ!!早く行くぞ!!」
『『領域展開』』
二人の若きの天才が戦地に赴く。
渋谷事変、時系列間違えてたらゴメン