禪院直毘人と禪院真依、禪院琴音の葬儀は粛々と行われた。
禪院琴音は『特級呪霊』『桐ヶ谷京』に呪殺されたことになった。
上層部からは『桐ヶ谷京』が現れた場合を考え何人かの術師が派遣されたが、現れることはなかった。
葬式が終わり待ちに待った『当主』の座についた直哉は考えていた。
『桐ヶ谷京』の強さの本質は何なのか?
何故『桐ヶ谷京』は呪霊に至ったのか?
『桐ヶ谷流剣術』の対人戦闘に対する完成度が高すぎるではないか?
考えているうちにある1つの仮説を考えて、葬式会場に残っていたある人に話しかける。
「お師匠さん……お久し振りです」
「おう、直毘人の跡取りか、久しいな」
要注意人物として現在『上層部』からマークされている桐ヶ谷文幸である。
「………今現在、お弟子さんって何人ほどいらっしゃるのですか?」
十数年前、文幸が『禪院家』に武術指南に来ていた頃、直哉の記憶では道場にいた弟子は200人以上いたはずである。
「え?あー、今は京の一人だけだぜ」
「………他のお弟子さんは?」
「京が5歳のときに全員斬り殺したよ」
直哉は絶句した。
「俺たちは戦うための『戦士』で『剣士』だぜ?本気の死合するならどちらかが死ぬに決まってんだろ?」
直哉の感じていた違和感は確信へと変えていく。
思い返してみると親父の最初の言葉『死なない程度に』京向けての言葉だったんじゃないか?
京が持っていた『剣士』や『術師』でないものは斬らないというストッパーを『卒業試験』で壊してしまったのではないか?
俺はとんでもない『化け物』の手綱を離してしまったのではないか?
「本気で刀を極めるんなら人の血は流すのも必要だよな?俺だってそのために海外の紛争中の場所に行って切りまくったりしてたんだから………じゃ、俺は帰るから。」
『要注意人物』『桐ヶ谷文幸』は禪院家をあとにした。
その後、『禪院家』は炳二人と灯二人を失ってしまったため、立て直しが終わるまでは『上層部』からの通達に応えられないことを伝えた。
真希と伏黒恵の行動に関しては『黙認』という形に決まった。
「自分の葬式を見るのは変な感じしますね」
京と琴音は葬儀を影の中からずっと見ていた。
終わったあとファミレスに入っていた。
「っていうか、高専お抱えの術師、私らの気配気が付かなかったね〜」
普通の人からは琴音とナナコのJK二人が夜にファミレスで駄弁ってるようにしか見えない。
席には何故か圧倒的な威圧感により近寄りがたいのだが。
「………あのレベルの術師で師匠は止まらないと思うけどね…………俺は後で食べるから好きに食べな……」
「……………やっぱり人って若い女のほうが美味しかったりする?」
「…………受性が豊かな思春期の奴が美味い……………特に気にしたことがないけど『呪力』の基本は負の感情だから………元気スッキリ健康体の奴より鬱憤が溜まってる奴、後はメンヘラとかは美味いんじゃね?」
「………食事のときに聞かなければよかった……」
「………?そうですか?」
美味しそうにいちごパフェを食べる琴音
「……………琴音はなんでご飯のときにパフェ喰ってんのよ……デザートじゃないの?」
「???…………デザートにサンデーが来ますよ?」
「栄養の偏りとかは『呪胎』には関係ないのかよ……」
「ナナコももう『呪霊』だから関係ないんだけどね」
「そういえば二人の昔話気になるな〜。あんまり話さないし……」
「私も私が来る前の話をあんまり聞かなかった気がします。」
「………そうだね……、少し語ろうか。直毘人さんや真依姉さんの話もあるし、故人を偲んでゆっくりと…………」
なんとなく頼んだポテトを齧りながら桐ヶ谷京は語り始める。
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