領域の支配者   作:ルルーラ・ランドー

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禪院家の日常

琴音が無刀剣術を習得した頃

 

扇さんに稽古を見てもらっていた。

 

「やはり君は筋がいいな……」

 

地下の鍛錬場で躯倶留隊を相手に組手をする。

 

「………何故『禪院家』では『死合』をしないのですか?」

 

「『試合』か?試し合いをやりたいのか?」

 

「いや、命のやり取りの『死合』です。」

 

躯倶留隊士たちに緊張が走る

 

「………家のもの同士で殺し合う必要はそこまで無いだろう?なぜ疑問に思う?」

 

「呪詛師と対峙したときのために斬りなれないとイップスになる術師も居るんじゃないかなって」

 

「確かに……実際に自らが手を下さずとも任務に同行するだけで体調を崩す軟弱な『術師』は多い」

 

「別に………躯倶留隊士これだけいるなら半分ぐらいにしても良いと思うんですけど。」

 

隊士達の緊張感が増す。

 

「『術師』は常に人員不足だ……人は多い方がやれることが多いのだよ……」

 

「そうですね……」

 

隊士達の緊張が抜ける

 

「………今あくびした奴、京の次の相手してやれ」

 

泣きながら前に立つ躯倶留隊士を『剣術』も『術式』も用いずに相手をする。

 

拳と柔術を用いて叩き潰す。

 

地面で伸びてる隊士を片付けさせる。

 

「………………戦意も力もない人間とやっても鍛錬にならんのですよ」

 

「そうか……そうだな、私もそう思う。」

 

扇の眼光に隊士の背筋が伸びる。

 

「信郎に隊士たちの士気が低いと伝えよう」

 

信郎の地獄のしごきが決まり、より一層の緊張が隊士に走る。

 

「死ぬ気が足りてないと思うんですよ………やりませんか?一日寒中滝行と耐久サウナトレーニング」

 

「………信郎に話を通しておこう。」

 

隊士たちは二人が鍛錬場を出ていくまで嫌な汗を流し続けた。

 

 

 

夕飯の時間。

京は食堂で皆と夕飯を取る。

席もこれまで躯倶留隊と同じ下座であったが、今は炳と同じ上座に座っている。

おかわりを盛る琴音も京専属となっており。驚異の回転速度を叩き出している。

これまで一升炊きであった専用炊飯器は二代目になっており。

禪院家で本来使っていた業務用三升炊き炊飯器と同じものになっている。

一代目は女中さんたちの五穀米を炊くのに使っているらしい。

ヘルシーでダイエットになるとかなんとか。

 

目の前に作られた卵焼きのピラミッドを削りながら京はおかわりを要求する。

琴音はラーメン丼ぶりサイズのご飯茶碗に白米を盛り付ける。

 

「うまい!!うまい!!」

 

「やはり、タ○ガーの業務用炊飯器を買ってよかったですね」

 

「次はスープジャー買ってカレー無限に食べてぇ!!」

 

この年のサンタクロースに頼むクリスマスプレゼントが決まった。

 

「………京、新しい修行の件なんだが……」

 

信郎が京に話しかけたとき。

隊士達の箸が一瞬止まる。

 

「…………よくないですか?一日寒中滝行と耐久サウナ」

 

「………確かに良いものだ今度からに組み込もうと思う」

 

「高山ランニングも追加しましょう」

 

「確かに」

 

少しずつ足されていく地獄の修行に隊士達の食欲は落ちていく。

 

「よくもまあ文幸さんはこれだけの修行内容を思いついたね……」

 

「戦場で生き残る『術』は『武術』だけにあらず。生き残るためならこれまでの『型』なんていくらでも捨てますし、言葉で相手を出し抜くための『話術』や絵や音で相手を出し抜くの『芸術』も必要じゃないですか?」

 

「おもろいこと話してるやん?」

 

任務で帰りが遅れていた直哉も食堂に現れ話に混ざる

 

「僕の『術式』も京の『術式』も単純な強さ以外の要素がだからね……京くんなら……『無下限呪術』の『術師』はどんな伸ばし方があると思う?」

 

「自分は勉強が得意というわけではないですが、座学で『無限』に対する概念の解釈を広めるんじゃないですか?『五条悟』は既にかなり広げてると思います。」

 

「そうやね………じゃあ『禪院家宗伝』の『術式』は?」

 

「『投射呪法』も『十種影法術』もベースは『何かに撮す娯楽』という点がベースです。『投射呪法』にはコマ打ちの技術だけでなく『アニメーションの進化』に対しても理解度を深めるんじゃないですか?直哉さんがやってたう○メモとかfpsイジったりとか?」

 

「確かに、直毘人さんはよく愚痴りながら最近のアニメも見てるよなぁ」

 

「『十種影法術』は………なんで『十種』に絞ったんでしょうかね……『十種』という『縛り』は戦いの場で選択肢が少ないのか多いのかわからない中途半端じゃないですか。自分なら『一種』に絞って補強しますし、十種に縛らずに戦うと思いますよ……使い手を自分が知らないので文献からだけですけど。」

 

「ほう………

 

 

 

じゃあ『肉体強化の天与呪縛』はどう鍛えると思う?」

 

 

 

食堂にいた大人たちに今日一番の緊張が走る。

 

「……………うーん。『暗器』と『体術』を極めた上で……座学で『呪術』や『術式』について学びますね。見えてる世界が違うのならば相手の視点と自分の視点の2つを理解して出し抜かないと死にますから…」

 

「そやね………その結果が『甚爾』くんやね……彼は躯倶留隊で『呪術』と『術式』を学んだからね。」

 

「………灯と炳にの修行にも寒中滝行と耐久サウナ加えるか……」

 

「それいいじゃねえか」

 

話を聞いていた直毘人の発言に甚壱が同意する。

ただでさえ地獄のメニューに炳の方々が同行することが決まった隊士達は夕飯が喉を通らなくなる。

 

「………あれ?夕飯めっちゃ余ってるじゃん。貰うわ」

 

タイ○ー JH○-5400の中身を空にした京は『禪院家』の釜から白米を奪う。

 

「………お前はそのコスパの悪さをなんとかせなあかんな」

 

「…たしかに!!……今後の課題ですねー、あはははははは。鮭うめえ」

 

禪院家の人間がお膳を下げていくなか彼の食欲は釜を空にするまで続いた。

 

 

原作『死滅回遊編』が終わるまで、番外編「日常回」どこら辺を読みたいか。

  • 禪院家の日常
  • 双子と行く特別一級術師の仕事見学会
  • ピク○ンが来た
  • 卒業旅行の一コマ
  • 京都校の日常
  • 桐ヶ谷流剣術講習会
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