領域の支配者   作:ルルーラ・ランドー

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不遜な来客再び

ベテラン補助監督官の佐藤は特級呪霊『桐ケ谷京』を監視する任務についていた。

 

逃げ帰ってきた術師から聞き取りを行い報告書をつくる。

 

「呪霊『禪院琴音』『ミミコ』『ナナコ』を確認。『桐ケ谷京』はサイ○リヤ ○○○○○店を『生得領域』として占拠。中にいた21名の店員と客は全滅していると思われます………と………」

 

話を聞くだけでも帰りたくなる惨状に無言になる。

術師がファミレスに入ってから出てくるまで5時間経過しているのである。

報告を聞く限りでは5分かそこらだろう、つまり、何かしらの方法で術師を欺いていたのか、それとも、時間の流れ自体に干渉しているのか……

 

領域内での時間の流れへの干渉はほぼ対抗策が無いともいえる。

 

ベテラン佐藤の知っている知識……『落花の情』も『簡易領域』も領域内部で必中になる攻撃をカウンターする技であるが、時間の流れそもそもに干渉された場合の対処方法が無いのである。

 

「面倒な呪霊を『五条悟』任せだったツケか……」

 

『領域展開』ができる術師は限られているが優秀な人材は皆夏油による『死滅回遊』の終息に駆り出されているため『特級呪霊』一体のために動かせる人員が足りないのである。もう今日は無理だなと帰り支度をしていると、

 

「オイオイ、何帰ろうとしてんだよ……」

 

話しかけてきた男は一級術師の『坂木』である。

大型の鎚を武器とする術師であり実力はあるが素行の悪さが目立つ術師であったが、任務中に帳に残された一般人に故意に怪我をさせたとして収監されていたはずである。

 

「出られていたんですね」

 

「猫の手も借りたいってところなんじゃねえの?で、中は?」

 

「気をつけてください術師が二人、捻られています。」

 

「中の奴らは全員死んでるんだろ?」

 

「………そうです。」

 

「じゃあ、呪霊に殺された死人は秘匿処理だよな……」

 

「………ええ、そうなります。」

 

「じゃあ何してもバレねえよなぁ」

 

「…………はぁ、何とかできるなら好きにしてください。」

 

 

 

「ご注文のフライドポテトになり……ドシャッ

 

注文を運んできた店員の頭部が潰れる。

 

「ご注文は死体ですかー?」

 

「……はぁ……やめてくれよ……ポテトが血で味が変わるじゃないか……」

 

「フンッ!!」

 

坂木は大鎚を振るうが空を切る。

いつの間にか大座敷に移動していた。

 

上段の間には琴音に膝枕をされてミミコとナナコに大団扇で扇がれる京がいる。

 

「全く…………邪魔しに来るのか……」

 

「っていうか腕疲れるからやめていい?」

 

「いいよ」

 

京の言葉を聞いてミミコとナナコは壁に寄りかかりながらスマホを開く

 

「現代っ子だねえ………………さて、ようこそ、俺の『領域』へ……」

 

「テメェ何しやがった」

 

「『呪霊』の『生得領域』が姿を変えるのは普通だろ?」

 

「いや、俺は『簡易領域』を使ってたはず。」

 

「別に君に攻撃してるわけでもないのに『簡易領域』は関係ないだろう?」

 

「俺がこの『領域の支配者』だからね………すべての常識、自然現象は俺が『定義』する…………君は何時まで『天井』に立っているんだい?」

 

坂木は天井に落ちた。

 

「………『簡易領域』が効かない?」

 

「効いてるよ。ホラッ」

 

ナイフを『簡易領域』に投げ込むと大鎚で弾かれる

 

「『簡易領域』でも重力が操れるわけではない、領域で隔てたところで酸素がなければ死んでしまうだろ?」

 

「そういうことかよ……イライラするなぁ」

 

「………貴方の『簡易領域』は粗野な言葉遣いと違って緻密で繊細だもはや芸術だよ……せっかく外に出られたんだ……俺に付かないか?」

 

「残念だが『縛り』の関係でそれはできねえ。祓わねえと俺が死ぬ」

 

「………そうかい……じゃあ……呪い合おうか……」

 

『疑似領域展開』〜鬼陣闘技場〜

 

「これが噂の『疑似領域』かよ……」

 

「知っててくれて嬉しいよ……」

 

「俺から行くぜ……」

 

坂木から『死地』へ赴く。

彼も1級術師、その中でも武闘派である。彼の術式『重々境地』は持っている武器の遠心力を倍増されるものではあるが術式の副産物で圧倒的なピンチ力と握力が生まれた。

その結果、掴むだけでその部位を破壊するほどの技として完成していた。

勿論『陣』で見えている京には全て避けられる

 

「逃げてんじゃねえよまずは握手からはじめようじゃねえか?」

 

「……その手は駄目だよね……本当に危険っ!!」

 

左手のつかみと右上段蹴りをフェイントに使った大鎚での一撃が脇腹を襲う。

 

「次ぃ!!!!つーかまーえたー!!」

 

よろけた京の左手を掴んだ坂木はそのまま握りつぶそうとするが

 

『閃』

 

「残念……その手じゃ掴めないね」

 

ボトリッと坂木の右手が落ちる

 

「いってえ!」

 

『代役』

 

『構築』『鉄の処女(アイアン・メイデン)

 

二人の京が坂木をアイアン・メイデンに押し込むと閉じられる。

 

「うああああああああああ」

 

『斬』

 

アイアン・メイデンを切るとアイアン・メイデンは崩れ落ちる

勿論中身も真っ二つになっている。

 

「彼の術式と『領域』はキレイに見えたんだけどなぁ……ま、いっか、こいつは死んでもいいやつだったし。」

 

その光景を横から見ていたミミナナが気がつくとファミレスに戻っていた。

 

隣の席には坂木の死体が乗っている。

 

「申し訳ございません。清掃いたしますね」

 

店員たちが死体の処理を始める。

 

「つーか、これ、まだまだ来るのかなぁ?」

 

「……やだなー、めんどうだなー、もっと頑張ってくださいよ先輩…………」

 

「そんなことよりもっと昔の話聞きたいな」

 

「はぁ……まだまだ、話はあるから………

 

 

そうだな、次は………」

 

 

原作『死滅回遊編』が終わるまで、番外編「日常回」どこら辺を読みたいか。

  • 禪院家の日常
  • 双子と行く特別一級術師の仕事見学会
  • ピク○ンが来た
  • 卒業旅行の一コマ
  • 京都校の日常
  • 桐ヶ谷流剣術講習会
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