『二十三話 甘い誘惑』
の後ぐらいの話
京は先輩たちが任務で居ないのをいいことに京都校の食堂でスマホと大量のノートを開いて勉強をしていた。
「京様、それどうしたんですか?」
「コレは……………加茂先輩の家の倉にあった書物のPDFデータを印刷したやつ。」
「それって良いんですか?」
「勝手な持ち出し禁止って言われてたからスマホで撮影してPDFにした。」
「何してくれてるんですか?」
「先輩にバレずにやるの大変だったんだよ?」
「はぁ……何やってるんですか………………」
「まぁまぁ………………それよりクイズやろうか。ここからの話は天与呪縛に関して考えないものとします。
Question1.狗巻先輩の呪言は聞こえれば発動します。では電話やスピーカーで聞いた場合。発動する?Y/N」
「発動しますよね。答えはイエスです」
「正解!これは有名な話よね。じゃあ次は………
Question2.電話で聞こえる声は本人の声ではなく機械で合成された音であるため電話とリアルでは声が違うことがあります。このことから分かることは?」
「………………?」
「正解は呪術は概念的に同じとされているものならば現代の物と相性がいいってことだよ。複製されたコピーでも何でも………例えば『リング』って映画の貞子が良い例じゃない?」
「それって確かホラー映画ですよね?」
「『映像』を使って呪い殺したり乗り移ったり………映画の元ネタになった高橋貞子って超能力者じゃなくて呪術師だったんじゃないのかなって。」
「呪いは複製可能…………」
「それもそうなんだけど。重要なのはそこじゃないんだ。」
「はい?」
「逆にさ、そこまで簡単に呪術→データ→呪術の変換ができるなら呪術師も機械化できんじゃね?って。」
「つまり?」
「呪術師をPCと見立てて考えるならば、呪力は電気。呪術はアプリケーションソフトになるわけじゃん。」
「???」
「まあ聞いててな。スマホやパソコンってOSがあるんだけどそれがアプリケーションが動かせるやつじゃないとアプリが動かないんだよ。例えばiPhoneでAndroidのアプリが動かないみたいに。これが呪術師と非術師の違い。でもバッテリーは其々持ってるから電力……つまり呪力は存在してる。」
「………なるほど?」
「呪術………アプリケーションを使って外部出力デバイスに働きかけることで見た目にもわかる呪術が発動する。じゃあさ、受肉体ってどういうことだと思う?」
「それは……OSとアプリケーションを無理やり書き換えてる?」
「おそらく書き換えてるだろうね。そして、乙骨先輩のコピー術式はすっげー高性能のエミュレーターなんだと思う。」
「????」
「わかんなくていいよ。じゃあさ、『領域』ってなに?」
「うーん???」
「答えは物理的にPCboxの中だったり、記録媒体の中だったりするんじゃないかな?サーバー上のデータを弄るより一度ダウンロードしてからのほうが扱いやすいし。」
「…………?????」
「わかんなくていいや………
Question3.六眼ってどういうこと?」
「これはわかりやすく超高性能なパソコンってことですか?」
「そう、正解、正確には『超高性能CPU』を使うことで演算に時間や処理能力を使わないからこそ電力の消費を抑えてるんじゃないかなって………で、俺は何をしようかというと。俺はグラフィックボードを積みたい」
「????」
「映像や画像の処理専用のCPUを積んで処理の負荷を低減したいんだよ。」
「それって……」
「『映像や画像に関する術式』を持った呪詛師の体と術式がほしい………取り出し方がここに載ってる。」
「…………………………」
「最終的には琴音にPCboxになってもらおうと思うんだ。俺は外部出力デバイスでいい。できるだけ自分での処理を簡略化して戦闘に集中したい。」
「そういうことですか……私はいいですよ」
「許可貰わなくてもやるんだけどね………そうか。帳や陣とかの生得術式以外の術式みたいなものってアプリケーションを使わずに直接入力して使ってたのか………そうか………ああ、じゃあ『縛り』ってコマンドみたいなものなのか。そうか、予め色々仕込めるのか………」
京は完全に勉強モードに入っている。
この集中力を学校でも発揮していただきたいものである。
「そーか、グラボだけじゃなくてアレだ。映像取るなら衣装とか美術さんとかほしいし脚本家や作家もほしいな。あとは特撮や合成編集できるアプリケーション。夢が広がるなぁ!!!」
「そうですねー」
テンションが爆上がりしている京に対して琴音は軽く流すのであった。
今後、体や術式や領域を勝手に魔改造されるのを知らずに………
原作『死滅回遊編』が終わるまで、番外編「日常回」どこら辺を読みたいか。
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