領域の支配者   作:ルルーラ・ランドー

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書き始めたときは思いもよらなかったけどさ。
自分が考えていた『呪術』の理論が合ってると嬉しいよね。


四十五話『領域の再現』

「起きろ」

 

「……あと2時間……」

 

「いいから起きろってんだろ」

 

京はキリモミ回転をしながら壁に突き刺さった。

 

「………いてぇ」

 

どうやら声の主は真希のようだ。

 

「聞きたいこともあるけどそれは後だ。伏黒が姉を死滅回遊から抜けさせ……『ルールが追加されました。』

 

『〈総則〉12 泳社は結界を自由に出入りすることができる。』

 

「マジか、助かるわ」

 

「………どういうことだ?」

 

ゾクゾクッ

 

圧倒的な存在感を二人は感じ、それに向けて走り出す

 

「「宿儺だ!!」」

 

どうやら想定外が連鎖しているようだ。

 

ドゴンッゴッゴッゴッ

 

何かがビルの上から吹き飛ばされてビルを貫通し上空を通り過ぎていった。

 

「ああもう!!!何なんだよ!!!京、またなにかやったのか!?」

 

「いやいやいやいや、しらんしらんしらん」

 

『鵺』

 

「「はぁ!?」」

 

向かう二人を嘲笑うかのように現れた超巨大鵺に、二人は足を止めて攻撃をやり過ごす。

 

こっちは良い。別にさほど本気じゃなかったから。

京をビビらせたのは次の攻撃だった。

 

出力最大の『邪去侮の梯子』

 

「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

宿儺に向けて放たれたその技の余波に京が巻き込まれたのである

 

京は虫の息になりながら回れ右して全力で逃げる

 

(ヤバイヤバイヤバイヤバイっ)

 

構築(コンストラクション)

 

『投射』に使うコマ打ちができないほど冷静さを失っていた京は『構築』で翼を生やし全力で影響外へと飛び去った


 

福島上空。

 

「あっぶねぇ。死ぬかと思った……………ッ!!」

 

「ふんふんふーん♪何着ようかなぁ♪…………ッ!!」

全力で逃げた京は先に仙台へと飛び去っていたデート前乙女気分の万に追いついていた。

 

そして、偶々並行飛行していたため目があったのである。

 

((誰?))

 

勘違いの始まりである。

 

「お姉さんもアレから逃げきた感じですか?」

 

(そういえば……、高専の学生さんよね?要注意人物とか言われていたかしら?)

 

京は津美紀の事を見たことがあったがその時は眠っていたことと、彼の止まらなくなった『陣』の眼が過去に出会っていた津美紀とは違うと伝えているのである。

 

「まあ、そんなところよ。その翼。あなた、もしかして構築術式の使い手かしら?」

 

そして、万も京が手刀で丸太が切れるとか、任務で建物ごと叩き切ったとか『剣士』としての京の逸話しか聞いておらず、呪術師として京を知らなかった。

 

「そうっすねぇ。お姉さんは虫の力使う感じかな?」

 

「ええ、私の術式は……………そう、『装甲虫』よ」

 

((もちろん嘘だけどね))

 

「おねえさんもしかして過去の術師ですか?」

 

「ええ、私はあなた達が平安という時代を生きて…「お姉さん

!!」……な、何よ…」

 

「過去の話を聞かせてください!!!」

 

(何なのこのガキ……)

 

「いやぁ。全盛期の宿儺がブイブイいわせていた平安の呪術界知ってる人に話聞きたかったんだよなぁ。昔の宿儺のリアルな伝説♪現代だと『すごい術師だったけどヤバすぎた』ぐらいの話しか知らないんだ。」

 

「へぇ。宿儺に興味があるんだ……」

 

「一度、うん。稽古つけてもらえたぐらいだけど?すっげぇ強かった。」

 

「あの宿儺が稽古?」

 

「密かに目標としていたことが実行できてテンション上がってるときに顕現してたから喧嘩売ってみたらなんかボコボコにされたあとに『殺されなかった』んだ。多分なにか期待されてるんだと思って…………そうだ、宿儺の領域って見たことあります?」

 

「……ええ、見たことあるわよ」

 

「あの宿儺の領域って閉じない縛りで威力と範囲を拡張してるじゃないですか。コレ、俺もできるかなって試しにやってみたんですよ。」

 

「そう……、宿儺が来るまでにも時間がかかるかもしれないし、少しだけなら付き合って上げてもいいわよ」(いざとなったは殺せばいいかしらね)

 

「やったー」

 


 

福島の山中にて

 

京は『陣』を使う。

 

「これは『帳』かしら?」

 

「『陣』っていう…桐ヶ谷流の『簡易領域』みたいなものです。接近戦ための間合いとりに使います。コレ…………閉じてない領域なんですよ。」

 

「ふーん。」

 

「おそらく、『伏魔御厨子』は『閉じる』領域を『閉じない』ことで成立させている………そこで、お姉さん、収斂進化って知ってますか?」

 

「…………?」

 

「生物進化の過程で全然別種の生物が同じ環境に適応するように進化していくうちに同じような形状や生態に進化するというものです。」

 

「…………なるほど、元々、閉じない『簡易領域』を改造して再現するのね……………良いわよやってみなさい。」

 

「では、まず、下地になる『疑似領域』を張ります。」

 

『疑似領域』〜白紙の台本(クリアノート)

 

その瞬間、視界がすべて白く染まった。

 

『白紙の台本』は京が『投射呪法』を元に作った。

 

『すべての縛りを無くした領域』

 

である。

 

 

 

誰かが線を描かなければ地面もない。

 

何かを落とさなければ重力もない。

 

究極の自由。

 

そのに何ものかに一本線が描かれることで地面が発生し。

 

『万』

 

『桐ヶ谷京』

 

名前が描かれることで登場人物が現れる。

 

「あ、万さんって言うんだ」

 

「………貴方、これ、生得領域じゃないわね?」

 

「ええ、これは飽くまで呪術の基本。『縛り』だけで組み上げた『疑似領域』ですよ。呪術を扱える人間には殆んど効きません。『ちゃんと名前を言えれば』ですけど…………ただ、真っ白じゃ味気ないんで、『背景』ももとに戻しましょうか。」

 

真っ白だった世界が一瞬で山間部の風景に戻る。

 

「ああ、『音』も戻しておきましょう」

 

虫たちの鳴き声が戻っていた。

 

「というわけで、これから『縛り』を何個も追加して『伏魔御厨子』を再現します。」

 

「わぁ〜い。」パチパチパチパチ

 

「まず、この『領域』は『閉じてません』……ですので普通に出入りできます」

 

一応、『可視化』する縛りにより境界線ははっきりとわかるが出入りは自由である。

そして、空間内にあるオブジェクトに『切断』を付与して実行。

 

バシュンッ

 

手始めに自分の腕が輪切りになったので止める。

万さん大爆笑。

 

「えっと、万さんと自分を対象から外して実行と…………」

 

……………………

 

「おろ?」

 

「出力足りてないじゃない。切れたのは葉っぱぐらいかしらね………」

 

「やっぱり宿儺ってすげぇわ…………」

 

「領域の強度を下げてみたら?」

 

「………たしかに。」

 

京は徐々に『領域』の『強度』を下げていく。

 

やっと木の枝が切れたとき。

 

バリンッ

 

『領域』が壊れた。

 

「コレが『生得領域』との差か……」

 

「宿儺と貴男の差よ。」

 

「でも、なんか、掴めそうな気がする………ねえ。万さん強い?」

 

「ぜひ手合わせしたいんだけど、私これからデートの準備しないといけないの。」

 

「じゃあ仕方ないか………」

 

「でも、仙台には強い術師がいるんじゃないかしら?」

 

(彼が暴れてくれたら私はゆっくり準備ができそうね。)

 

「まあ、乙骨先輩がいるけどさ……」

 

「コガネ。……………あらあら、烏鷺が居るじゃない。」

 

「強いの?」

 

「私と同じ時代を生きた術師の女よ」

 

(宿儺に何も出来なかった女だけど……)

 

「どうしようかな。……いろいろ試したいし………」

 

「ちなみに術式は……「言わなくていいですよ」

 

「そう?」

 

「名前だけ知れれば十分。あとは自分でなんとかします。では急ぎましょう。」

 

「ええ。」

 

(私はゆっくり御色直しができそうね)

 

このとき、万は呑気に考えていたが烏鷺が彼の進化のラストピースになることを知らない。

原作『死滅回遊編』が終わるまで、番外編「日常回」どこら辺を読みたいか。

  • 禪院家の日常
  • 双子と行く特別一級術師の仕事見学会
  • ピク○ンが来た
  • 卒業旅行の一コマ
  • 京都校の日常
  • 桐ヶ谷流剣術講習会
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