領域の支配者   作:ルルーラ・ランドー

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四十六話『呪いの組み立て』

仙台コロニーの前に到着する。

 

ちなみに道中で気がついたことだがいつの間にか乙骨は仙台から出ていた。

 

「乙骨先輩、東京に戻ったな……………じゃあ自分先に入りますね。」

 

「ええ、彼女なら貴方が入れば様子を見に来ると思うわ」

 

京はコロニーに侵入する。

 

どうせやることないので見晴らしのいいマンションの上で座って待つことにした。

 

「あ、もしもし?俺です。京です」

 

『京様、いま仙台ですよね?』

 

「うん。そうだけど。」

 

「今、真上にいます。」

 

「はい?」

 

声の方を見上げると琴音が鬼の形相でトリコロールカラーの鵺の上から見下ろしていた。

 

「…………と、とりあえず、弾丸ツアーおつかれ……」

 

「日本海上空って寒いんですよ」

 

ここで、琴音はあるミラクルを起こしていた。

呪力をかなり用いて全速力で日本海を横切った琴音。

おそらく東京コロニーに向かっていれば宿儺と裏梅と鉢合わせていただろう。

 

幸運にもコガネからコロニー外に出ているという情報を得た彼女は他の強者を探して別のコロニーへ行くと当たりをつけていたのである。

 

そうなると、次に向かうのは乙骨が居た仙台コロニー。

他にもポイントを多く持つ泳者が多い仙台はマストで行くだろうと予想し、向かうべく日本海を通ったことで東京から『浴』のために京都へ向かった宿儺の探知から逃れられたのである。

 

そんな事を二人は知る由もなく。

 

「無事で何より」

 

「今は何してるんですか?」

 

「強いやつ待ってる」

 

「………乙骨先輩は東京向かいましたよ」

 

「しってっしー…………平安時代の術師に会いたいんだよ」

 

「そうですか。」

 

「…………」

 

「…………」

 

「結構、派手な鵺に乗ってきたんですけど、誰も来ませんね」

 

「スポ狩りするような奴らは乙骨先輩が始末したんでしょ」

 

そんな話をしていると、マンションの階段口のドアがガチャリと開く。

 

「スウィートな気配を感じたと思ったら……デート中だったかい?」

 

「違うけど……」

 

「コガネ、目の前の泳者のお名前を教えてください。」

 

『石流 龍』

 

「待人はこの人で合ってますか?」

 

「いや、違う。俺が合いたいの女性の術師だ。」

 

「はぁ………………また女性ですか……」

 

「……たしかに」

 

「良い男っていうのは何人も女作ってなんぼだろ。」

 

「………いや、そういう話ではなくて。」

 

「んで、俺はやる気ないんだけど?戦う?」

 

「いや、俺は食後のタバコ吸いに来ただけだ。見晴らしが良い所で吸いたくてね。烏鷺に会いたいなら大きな声で呼ぶと良い。どうせ何処かから見てるだろう………例えば上とか。」

 

「んな、アホな…」

 

京は呆れて石流を警戒するが琴音は釣られて空を見上げる。

 

「…………………コガネ。全裸女の名前を教えて」

 

『烏鷺亨子』

 

「マジ?……………あ、本当に全裸のねえちゃんが浮かんでる…………?」

 

「嘘でしょ」

 

「烏鷺!!……コイツらが会いたがってるぞ。」

 

石流の呼びかけに烏鷺は降りてきた。

 

「何?わたしに何か?」

 

「烏鷺さんに現代に蘇った最強の術師『宿儺』と平安時代の呪術について聞きたくて………その前に服着ませんか?」

 

「今なんて言った?」

 

「服着ませんか?」

 

「違うその前」

 

「平安時代の呪術について……」

 

「もっと前!!!」

 

「現代に蘇った最強の術師『宿儺』」

 

「嘘でしょ……何でアイツも蘇ってるのよ……」

 

「ちなみに万さんが初デートに誘ってココに来ます」

 

「何してくれてんのよ………早く逃げるわよ」

 

「はい?」

 

「逃げないと殺される………」

 

「じゃあ、隠れ家にちょうどいい場所があるのでそこにいきましょう。」

 

「石流、お前はどうする?」

 

「お前さんがビビるほどの大物ならいっぺん見てから死ぬのも悪くねえなぁ」

 

「あっそう。」

 

「では行きましょうか。」

 

京は烏鷺を連れてある場所に向かう。

おそらく現在、高専よりも安全な隠れ家。

東北の魔女の家。

 

到着してノックするも返事はない。

 

「婦人は不在ですかね?」

 

「そうかも?人の気配もしないし……」

 

バリンッ

ガチャッ

 

「鍵は空いてる……」

 

「今、結界壊しましたよね?」

 

「触ったら割れただけだからセーフだよ。」

 

「変なことには巻き込まないでくれよ……」

 

中に入ると机の上に置き手紙があった。

 

『勝手に入った京へ。今年の冬は寒くなりそうなのでハワイで冬を越そうと思います。家は休憩に使っていいけど棚には触るなよ。

 

琴音ちゃんは好きに使っていいからねぇ。

 

10/28 不知火』

 

 

 

「…………………怖っ……」

 

「死滅回遊回避してたんですね。よかった……」

 

「ありがたく使わせてもらおう。ここはある意味高専よりも隠れてるから。琴音、お茶を頼む。烏鷺さんはどうする?」

 

「…………日本茶はあるかしら?」

 

さて、ココからが本題である。

 

「お茶が入る前になんで宿儺が復活したのかを話せ。というか復活させたバカは誰だ。」

 

「えっと………俺も聞いた話なんだけど………」

 

宿儺の変遷

 

羂索が作った器の虎杖が自ら取り込んで制御

なんか使えるから指集めてから処刑ね by 現代の『無下限』使い

『無下限』使い封印

現代の『十種の影法術』使いの伏黒に乗り移る

 

「何やってんのよ……」

 

「知るかよ。俺同期だけど高専違うし……」

 

「はぁ……現代ならアイツの影に怯えずに暮らせると思ったのに………」

 

「そんなにヤバかった………んだろうねぇ。」

 

「………呪術師も非術師も関係ない。アイツにとっては同じなんだ。村も街も奴の前では塵に消える。皆、宿儺を崇拝し、機嫌を取ることしか出来なかったんだ……」

 

椅子の上で頭を抱えて小さくなる烏鷺は宿儺が平安の世に残した伝説の数々を語りした。

 

うつむいて話し続ける彼女に声がかかる。

 

「そんなに俺が怖いか?」

 

聞き覚えのある声に驚き顔を上げると、机の対面に恐怖の象徴。

宿儺が座っていた。

ゴミを見るような表情。殺気。圧倒的な呪力量が目の前にいるのが宿儺だと認識させてくる。

 

「…………あ…………あ…………」

 

「お茶が入りました」

 

「ありがとう琴音。」

 

一瞬瞬きをすると座っていたのが京だと思い出す。

 

「烏鷺さんもどうぞ。どうです?似てましたか?」

 

「宿儺じゃない………!宿儺じゃないんだな……」

 

「………俺の術式、『投影呪法』はね。ただただ、『映す』だけなんですよ。俺が見たもの、誰かが作ったものを『映す』だけ。

 

だから、何か映す『映像』を作る必要がある。

過去の文献にあったんですよ。烏鷺さんの術式。

『空』でしたっけ?」

 

さて、ここで京の術式『投影呪法』と呪術の考え方について明らかにしていこう。

 

まず、呪術師とは『精密機械』である。

大体を

『肉体』→『ハードウェア』と『メカ部品』

『術式』→『ソフトウェア』と『アプリケーション』

の大きく2種類に分けることが出来る。

 

『肉体』で言うところの目は『カメラ』に耳は『マイク』にといったところだろうか。

 

過去にも語ったかもしれないが、一般人はハードウェアとソフトウェアが噛み合っていない人を指す。

 

M◯cのパソコンのCPUをWind◯wsやLin◯x対応の器物に乗せても動作しないのと同じである。

 

その場合アプリケーションである『術式』を持っていたとしても意味をなさない。

 

京の術式は『投影呪法』はカメラ(目)で写し取ったものを再生するのが元々の力である。彼の呪術の飲み込みの早さは彼の術式の補助と努力あってのものである。

呪力を鋭く研ぐことが出来るのは過去に『宿儺の指』を取り込んだ呪霊と対峙したことがあるからである。

 

両親が無くなった日

彼もその場にいた。そして、まだ高専生だった夏油に命を救われたのである。

 

宿儺の斬撃を真似ていた呪霊を真似てでき上がったのが無刀による居合であった。

 

彼の術式の価値に気がついた直毘人は禪院家で『投射呪法』と共に『あらかじめ脳内で動画を作る』ことを学ばせる事とし禪院家に加えようとしたのである。

 

結果、新たな特級術師が生まれた。

 

でも五条や宿儺、甚爾の域には届かない。

そこで考えたのが映像だけを作る術者を帯同させること。

 

当初、双子の姉で試そうとしたがスペックが足りないだろうと諦めていた。そこに現れたのが琴音である。

 

『修学旅行』で発覚した『器』としての才能は最高の編集用PCにできることを意味していた。

 

対象の術師を『生得領域』に取り込み、『術式』を解析し、時に自らのスペックやOSが合わない時にハードウェアとしてその術師を飲み込む。

 

こうして京は琴音をインプットするだけならば自分以上の術師に組み上げたのである。

 

「………烏鷺さん。ごめんなさい。」

 

薄暗い部屋の影が烏鷺を包み込む。

 


 

「………流石は平安の術師。容量がもう殆どありません。歌姫先生を出してきて正解でした。」

 

「あ、うるさくないと思ったらそうだったのか。」

 

「ミミナナさんも一時的に圧縮してますけど……」

 

「取り込んだ人格はもう削除しよう、ハードとアプリケーションあれば補助はもう必要ない。」

 

「………わかりました。」

 

「これからが仕上げだよ。」

 

「本当にやるんですか?」

 

「そりゃ、それが目的だもん。」

 

「リスクに対して成功率が低すぎます。」

 

「いいや、絶対に成功するよ。裏付けのために資料室襲撃したんだから、あと、聞いた話だけど日車さんみたいな術師も居るんだ。

 

『我が日本の法律は呪術にも適用される』」

 

「………そういうものですか?」

 

「昔、ノイマンやジョブズが呪術師であり、彼らが呪術を元には電子計算機とかこういうのを作ったんだって言ったろ?結果として君は最高の術師になったし、『十種の影法術』だって組み上げられたじゃないか。最初に法律を作った時に呪術師が絡んでる………もしかしたら羂索が絡んでてもおかしくない。」

 

「………だとしても……」

 

「大丈夫、琴音なら出来るさ。さあ、先ずは市役所行こうか」

 




烏鷺は宿儺の影響でメンタルやられてデバフがかかっています。

原作『死滅回遊編』が終わるまで、番外編「日常回」どこら辺を読みたいか。

  • 禪院家の日常
  • 双子と行く特別一級術師の仕事見学会
  • ピク○ンが来た
  • 卒業旅行の一コマ
  • 京都校の日常
  • 桐ヶ谷流剣術講習会
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