現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢が牧場を救うのはちょっと大変   作:れべっか

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第1話 桂華競走馬設立裏話

華族や財閥が残っているこの世界に於いて、競馬というのは貴族のスポーツでもある。

誰に言われたのかは忘れたが、「紳士淑女たるものは馬の一頭ぐらい持っておけ」なんて言われたのは私が小学生のとき。*1

この時代の競馬はとても華やかであったと前世の記憶でもうっすら覚えていたので、その言葉に従ってTV中継を見て。

2001年12月に香港までステイゴールド*2の引退レースを観戦しに行くくらい、私は競走馬の所有に前向きになった(ハマったとも言う)。

帰りの機内でアンジェラが先走ってあれこれ手配しようとしたが、結局この話はアイアン・パートナーズの古川通信TOBという騒動が勃発したことで、有耶無耶に終わった。*3

ハゲタカファンドとの喧嘩が一段落した後、すっかり忘却の彼方だったのは、我ながら熱しやすく冷めやすいと言うか。

 

私が馬主になれないと分かったのも冷めた理由の一つかな。

馬主資格の取得条件はいくつかあるけど、そのうち直近2年の所得が一定以上であることを証明できなかったの。ムーンライトファンドの存在は公言したくなかったから。

それ以外の条件はクリアできたのよ、なんと馬主資格に年齢制限はないの。

清麻呂お義父様または仲麻呂お兄様に代理で馬主をやってもらうことも考えたけど、馬主資格の名義貸し行為は違法なのでこれも駄目。競馬には賭博の側面があるのでグレー部分は少しでも排除したいのかな?

一口馬主制度を使って、1人で1頭全口を押さえて疑似的に馬主になることもできたけど、そういう裏道を使うと評判を下げるからこれも却下。

 

結局、私が成人といかないまでも高校生くらいになるまでは馬主はお預け。

そのときに橘から言われたのよ。どっしり腰を据えて競馬に取り組みますよという姿勢を見せることが重要って。

だからポケットマネーからいくらか出すから、私が馬主になるまでの数年間で競馬界の信用を稼げるような手を打っておいてって丸投げしたのよね。

 

それが競馬大好きおじさん(岡崎、天満橋)により、個人馬主ではなく法人馬主として会社を設立して、その法人のオーナー(出資者)として競馬界に関わるという話に化けたのだ。*4

その話を聞かされたのは私が中学生になってから、最初に香港までレースを観戦しに行ってから1年以上も後だった。

 

*1
「その旅路は黄金色に」

*2
作中では香港表記で金色旅路

*3
「お嬢様馬を買い、顔を売り、喧嘩を売られる」

*4
「お嬢様が馬主になるそうです ケイカプレビュー ヒヤシンスステークス」




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