現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢が牧場を救うのはちょっと大変 作:れべっか
時系列は本家の「コングロマリット・ディスカウント」とほぼ同時期です。
「長野県上田市の再開発計画に
一条絵梨花から話を聞かされて、私は首をひねりながら、上田市のデータを思い出す。
長野県上田市、長野県東部(東信地方)の中心都市で人口12万ほど、長野市・松本市に次ぐ第3の規模。
1997年に長野新幹線が開業したことで、上野までの所要時間が従来特急の3時間半から1時間半まで短縮され、地域活性化がなんとかかんとか。開業から6~7年ほど経過し、ストロー現象で人口減少に転じたとか言うのだろうか。
北陸新幹線が金沢まで延伸するのはまだ先*1で、新幹線化に伴い第三セクター化した並行在来線を経営支援*2しているが、その第三セクター・信州鉄道*3が将来を見越した投資・開発を計画しているのだろうか。確か信州鉄道の本社は上田市にあったはずだ。
あるいは過去に温泉観光地の再開発を陳情してきた戸倉上山田温泉*4、あれは上田市の隣だし上田市も別所温泉という観光地を保持しているから、それ関係だろうか。それとも、長野県を第三の故郷にと企んだボンクラ親族*5の関係だろうか。
「最初は上田駅前にある帝西百貨店*6の建て替えという話だったんですけどね、駅から西に500mの距離にある帝国煙草*7の工場が2005/6に閉鎖されることになり、約20haの敷地をめぐって、同じく上田駅前にあるデパート・サトーナノカドー*8とショッピングモール開設を争っているんです」
「ああ、帝西百貨店が絡むのね。それに駅から500mの距離に20ha? 駅前のデパート・百貨店がモールに移動となれば必然的に駅前再開発につながるし、市政への影響も大きいでしょうね」
絵梨花の説明を受けて、桂華土地開発だけではないことに納得する。
「案件はそれだけではないのです、市内の地元企業*9の工場が老朽化し、近くに大型病院*10ができたことで、工場移転*11を考えているようです。こちらは約3ha」
「さっきのに比べれば規模は小さいけど、跡地利用で施設がバッティングしないよう調整する必要があるね」
「更に、上田市のごみ処理場は1986年稼働開始ですが焼却炉は耐用年数が20~25年ですので、そろそろ建替時期なのですが、移転先候補はどこも嫌がっており計画は難航しています」
「たばこ工場跡地再開発にかこつけて纏めてやるって腹積もりかしら」
「ゴミ回収車が頻繁に通るので道路計画も込みですからね。あと、市庁舎・県合同庁舎もあと10年くらいを目途に建替*12という話も上がっています」
「えぇぇ…… そこまで案件が続くと、栃木・鬼怒川のリゾート再開発を超える規模ね」
「はい、上田市とずぶずぶの仲になります。上田市は衆院選挙だと長野3区ですが、元総理大臣である野党大物の
「あっ(察し)」
絵梨花がそこまで言えば、だいたいの想像は付く。
「はぁ…… この青写真を描いた人は、『政商』桂華*15に期待してるのね。私が泉川副総理と話をつけるってこと? 恋住総理から派手なことするなって釘指されているのに、もう」
この話がどう転がるかまだ見通しが立たないが、少なくとも桂華のボンクラ親族がこの話に飛びつく前に、義父・清麻呂と兄・仲麻呂へ話をしておかねばならないだろう。
渋い顔をしてこめかみに手を当てるお嬢様であった。