比企谷君、ヒーローになる   作:おたふみ

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十二話

日曜日。

 

ニチアサを観終わったあと、幕張メッセ近くの公園に来ていた。マッカン数本と文庫本が入ったバッグを手にここまで来た。昨日は土曜なのに出動は無かった。何かの策か、それとも…。

バッグからマッカンを取り出し一口。うん、美味い。海からの風も心地良い。

甘いモノを摂取しながら、考える。3人目の幹部はほぼ間違いなく葉山だ。一色を使って、こちらの中の人を特定しようとしたんだろう。まんまとバレたがな。だからといって何か仕掛けてきた訳ではない。ん?一色に正体をバラしたかったのか?確かにバレると活動はしずらくなる。

それともう一つ。葉山は誰に使われているのか。何も決められないアイツが…。

 

「比企谷君?」

 

容易く俺の背後を。どこの暗殺者だ!

なんてことを思いながら声がする方を見ると雪ノ下が居た。

 

「おう」

 

「天気の良い日に出歩くと腐敗が進むわよ」

 

「いや、ゾンビじゃないからね」

 

いつも通りのやりとりにホッとするクスクスと笑いやがって可愛いな。

あれ?罵倒されて喜んでる俺ってドMなの?

 

「ところで、どうしてこんなところに?」

 

からかい返してやるか。

 

「ここに来れば雪ノ下に会えると思ってな」

 

「え?そ、それは…」

 

おう、慌ててますな。

 

「冗談だ。ちょっと考えてごとだ。家で考えていても手詰まりだったからな」

 

「そ、そうなのね…冗談なのね…」

 

なんで残念そうな顔するんですか?

…ん?なんで横に座ったの?

 

「それで、貴方は何を考えていたの?」

 

「ん?葉山のことだ」

 

「葉山君?…まさか、海老名さんが考えるようなことを…」

 

「違うからね。アイツの行動が読めなくてな」

 

「?」

 

小首傾げて可愛いな。

 

「次あたり、姿を表すと思うんだが…」

 

俺と雪ノ下の携帯が同時に鳴った。来たか!

 

「ひ、比企谷君、私急用が…」

 

「行くぞ、雪ノ下!」

 

アプリが示した場所へ急ぐ。

 

「比企谷君、私は行くところが…」

 

「どうせ同じ場所なんだ」

 

「え?」

 

驚いて動けない雪ノ下の手を取り動き出す。

 

「ひ、比企谷君…」

 

「話は後だ。急ぐぞ」

 

しばらく行けば黒服さんが待ってるはずだ。

 

 

「八幡?」

 

「ん?ルミルミ」

 

「ルミルミ言うな」

 

声をかけてきたのは、鶴見留美だった。

 

「ねぇ、雪乃の手をつないでどこに行くの?」

 

あ、雪ノ下の手をとったまんまだった。

 

…留美さん、どこでハイライトオフなんてことを覚えたの?まるで、浮気現場を見た彼女みたいな感じになってるよ。

 

「ねぇ、どこに行くの?」

 

怖っ!ルミルミ怖っ!

 

「ち、ちょっと急ぎの用事でな。雪ノ下が道に迷うと…」

 

「留美さん、私とひ…八幡はそういう仲なのよ」

 

ちょっと、貴女はウソをつかない設定でしたよね!何をサラっと言ってるの!

 

「くっ!今日は譲るけど、雪乃より私の方がいいってわからせてあげるわ」 

 

あ〜、ルミルミ行っちゃったよ。

 

「おい、雪ノ下…」

 

「何かしら」

 

「嘘はつかないんじゃないのか?」

 

「『そういう仲』としか言ってないわよ」

 

「なるほどね。それにしたって、なんで煽ったんだ?」

 

「女には負けられない戦いがあるのよ」

 

「よくわらん」

 

「バカ、ボケナス、八幡」

 

「八幡は悪口じゃねぇよ」

 

女はよくわからんね。

 

 

 

 

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