北国に住む高校生なんだけど、災難に遭いまくってます。助けて。 作:ひいちゃ
今のところ、全4話ですが、評判がよければ、さらに続けるかもしれませんw
感想待ってます!
ある冬の日、俺は用事で出かけていた。
そして、俺はその運命的な場所に出くわしたのだ!
「や、やばそうだな、こりゃ……」
俺の目の前に現れたのは、雪道が踏み固められ、さらに融けた水とかでつるつるに凍った……
北国の悪しき名物、『つるつる路面』だったのだ!
だが、ここを通らないと、目的地にはたどり着けない。
俺は覚悟を決めて……
「……って、そんな大仰なものじゃないけどな」
俺は、その場所に一歩足を踏み入れた。
足を滑らせないよう、注意しながら歩を進めていく。
一歩、二歩……中略……
「よし、もう少し……」
それが油断となったか、俺は重大なミスを犯してしまった!
つるつる路面の一部が傾いていたことに気付かなかったのだ。
そして……
つるっ!
びたんっ!
「うがっ!!」
* * * * *
俺は北志 雅人。 北国の、とある街に住む高校生だ。
とはいえ、元は日本の首都である街に住んでたんだけど、親の事情で、この北国に引っ越しすることに。
さらに、その親が仕事の関係でしばらく帰ってこれない状態になったので、その北国に住んでいる幼馴染の従妹の家にホームステイすることになった、というわけだ。
そして今……従妹のお母さんから頼まれた用事の途中で、こんな災難にあってしまった。
俺は今高校二年。中学二年のころからここに住むようになったわけだが、今まで、中二の冬、中三の冬、高1の冬と、三年とも、最低一回はこのつるつる路面で転んでいる。
まさに俺の宿敵といっても過言ではないだろう。
……そこ、中二病とか言うな。
今年こそは……と思ったが、また敗れ去ってしまうとは……
それにしても、打った右足がすごい痛い。
「や、やべ、これは骨が折れたか……?」
そんな危惧を覚えながら、俺はかろうじて立ち上がり、近くを通りがかったタクシーを呼びとめた。
右足を変に曲げて、痛くならないように、気を付けてタクシーの中に滑り込む。
ふぅ……
「す、すいません。XXスーパーまで……」
そして……
俺はタクシーに待ってもらって、スーパーで用事を済ませ、再び家に帰ってきた。
俺は金を払うと、再び足を痛めないように、まずは体を回して先に足をタクシーから出して、おり立ち、なんとかタクシーから出た。
そして、ダウンジャケットのポケットから鍵を取出し、ホームステイ先の従妹の家……中倉家の鍵を開けて中に入る。
そして俺の部屋に。もちろん、階段を上るときも、細心(?)の注意を払う。
打った足に負荷はかけられないので、先に打っていない左足から踏み出していく。
すごい疲れる。利き足が使えないのが、こんなにつらいとは……
ともあれ、かろうじて部屋にたどり着く。しかし、そこでまた悲劇が!
ベッドに倒れこむとき、足が変な風に曲がってしまったのだ。
そして。
「いてぇ!!」
俺は激痛に、足を抱えてうずくまってしまった。
そこに。
「ただいま帰りましたー」
「雅人くーん、ただいまー」
「雅人ー、帰ってきたよー」
下から聞こえる声。聞き間違えるはずもない。
同居先の主人、従妹の母親、中倉菜織さん。
従妹で俺の幼馴染で学校のクラスメイト、中倉観汐。
そして観汐の妹の、朝陽……小学校五年生の声だ。
俺としては、このまま部屋で休んでいたいところだが、そうもいかない。
俺はおそるおそる、階段を下りて行った。
「お、お帰りなさい、菜織さん……」
「ただいま、雅人さん。あら、どうしたんですか?」
「さっき出かけたときに、つるつる路面で滑って転んじゃったんですよ」
それを見て、きゃははと笑う朝陽。……なんかちょっと憎らしい。
「あはは、雅人、ドジだー」
「なんだと、このっ」
笑って逃げ出す朝陽を追いかけようとしたが、足が痛くて無理だった。
くっ……足が大丈夫なら、とっ捕まえて、その頭にぐりぐりしてやるのに!
「それは災難でしたね。湿布貼るから、そこに座って待っててください」
「は、はい……」
…………
………………
そして夜。
俺は観汐とソファーに座って、テレビを見ていた。
湿布のおかげで、痛みはだいぶひいている。一時は骨折かと思ったが、腫れてないようだし、
ただの打撲だったようだ。よかったよかった。
だがそこで、再び災難が、小悪魔と一緒に訪れた!
朝陽が俺のところにとことことやってきたのだ。
「ん、どうした朝陽?」
「お母さんが、雅人の湿布はがしてこいって。ほら、足出してっ」
朝陽がいたずらっぽい笑みを浮かべているのが気になったが、俺は言われるままに足を差し出した。
すると……
びりびりびりっ
「いてえええええ!!」
朝陽はなんと、湿布を一気にびりびりっと引きはがしてきたのだ!
足がちょっと毛深い俺は、たちまちすごい痛みに見舞われた。
「やった~☆」
「よ、よくもやったな、この!」
「へへ~ん」
してやったりといった笑顔を浮かべて自分の部屋に逃げていく朝陽。
まったく、なんて奴だ。
観汐の爪の垢でも飲ませてやりたいぜ。
「大丈夫、雅人くん?」
「あ、あぁ。なんとかな……」
「でも、気を付けてね。わたし、とても心配だよ……」
「お、おう、ありがとな」
俺の心配をしてくれる観汐がとてもありがたいし、そんな彼女がすごく良い子だと思う。
まったく、あのいたずら小悪魔な妹とはえらい違いだ。
ともあれ、こうして一日は終わった。
だが、これは俺の災難の始まりにしか過ぎないのだった……