北国に住む高校生なんだけど、災難に遭いまくってます。助けて。 作:ひいちゃ
さて。俺……北志雅人が転んでから数日後。
打撲もすっかり良くなって、あの災難から脱却した……かに見える。
だが! 次なる災難は、もう目の前に迫っていたのだ!
* * * * *
「ごほっ」
「どうしたの、雅人くん?」
ちょっとせきが出た俺に、そう声をかけたのは、俺の従妹、中倉観汐だ。
とても優しくて明るい、妹の朝陽とは偉い違いの
「朝陽をバカにするなー、とりゃーっ」
「ぐはっ。こ、こいつめーっ」
「朝陽をバカにするからだよー。へへーん」
本当に小憎らしくて、生意気な奴だな、朝陽は。
観汐の爪のあかでも飲ませてやりたいぜ。
まぁ、それはともかく。
「あぁ、なんかのどがな」
「風邪かなぁ? 今日はもう休んでたほうがいいよ」
「あぁ、そうさせてもらうよ」
そう、このときは、ただせきが出るくらいで、すぐよくなるだろうと思ってたんだ。
ところが……。
「ごほごほっ」
「ちょっと、雅人くん、うるさいよ~。大丈夫?」
「ちょ、ちょっとやばいかも; 済まないけど、ドロップ剤と砂糖湯持ってきてくれるか?」
その俺のお願いに、観汐はやれやれという表情を浮かべると
「うん、わかったよ」
「悪いな、観汐」
「うん、悪いよ」
「……」
「それじゃもってくるね」
「あ、ちょっと待て」
「え?」
……
「うー、なんでぐりぐりするのー?」
「やかましい」
お前が余計なこというからだろうが。
まぁ、それはともかく。
俺は、観汐が作ってくれた砂糖湯でのどをうるおし……。
砂糖湯は、しょうがが少し利いてて、体が温まっておいしかった。
本当にどーのこーの言いながらも、こんな風に気を利かせてくれるのがうれしい。
今度あいつが風邪ひいたときは、そのお返しに、砂糖湯を作ってあげないとな。
そして、ドロップ剤をなめながらベッドに入った。
ところが。
「げほげほ! げーほげほげほっ!」
俺の風邪の前には、ドロップ剤も非力だったらしい。
ドロップ剤がとけきると、またのどからせきがわき出てきてしまう。
「げーほげほげほっ!」
「ちょっと、雅人くん。うるさいよ~」
その夜、ずっと俺はせきに苦しめられることになったのだった……。
* * * * *
翌日の夜。
「うーん……」
二つの缶を前に、俺は悩んでいた。
「雅人くん、何悩んでるの?」
「いや、晩御飯の時に呑むのは、缶チューハイを開けるか、それともノンアルにしようか悩んでてな」
「はい?」
観汐が「何言ってるんだこいつ」というような顔をして、こちらを見てくる。
……。
「うー、何も言ってないのに、なぜぐりぐりするのー?」
「顔に書いてあったぞ。 『何言ってるんだこいつ』って」
「うー……。それで?」
「いや、風邪薬飲むんだったら、やはりアルコールはいけないだろうなぁ、って思ってさ。でも酒は飲みたいし、どちらにするべきか……」
俺がそう答えると、観汐はまたやれやれといった感じでため息をついてきた。……やはり、ぐりぐりが足りなかったか。
「それ以前に、私たち高校生なんだから、お酒飲んだらダメでしょ?」
「あらあら、雅人さん、学生さんなのにお酒を飲むんですか? それはいけませんね」
「イ、イエ、イッテミタダケデス、ソレダケデストモ」
すごみのある笑顔で聞いてくる菜織さんに、俺は慌てて汗だらだらで返事を返す。それを見て、やはりというか朝陽は馬鹿笑い。オノーレ!!
何はともあれ、俺は缶チューハイを諦め、ノンアルを呑みながら、晩御飯のおじやを食べたのであった。
今回の件も、せきで苦しい思いをしたということは本当です。ドロップ剤と砂糖湯を持ってきてもらったことも。(さすがに持ってきたのは母でしたが)
あと、元々は1000文字に満たなかったので、エピソードを付け足してあります。
次回も、よろしくお願いします! 感想もらえると嬉しいです!