北国に住む高校生なんだけど、災難に遭いまくってます。助けて。   作:ひいちゃ

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さぁ、いよいよ最終回ですぞ!



第4話:米谷くん、電車の遅れに振り回される

 俺は米谷宏行。中倉観汐や清田美佐子のクラスメートだ。

 

 いたって普通の男子高校生の俺だが、まさか俺にまで災難が降りかかるとは……

 

* * * * *

 

 さて、あるクリスマスの夜……クリスマスと言ってる時点で、「ある~」も何もないよな……俺は電車でクリスマスパーティの会場に向かっていた。

 嬉しいことに、俺は一人ではない。俺の前には……

 

「? 何独り言言ってるの、米谷くん」

「い、いやなんでもない……」

 

 クールな物言いで聞いてくる彼女。そう、俺は清田と一緒に電車に乗っているのだ。

 俺としてはマンモスラッキーだぜ。

 

それにしても……

 

「結構混んでるよな……」

「そうね……。言っとくけど、こんなに密着してるからと言って、変な気持ちになったりしないでよ。なったら絶交よ、絶交」

「わ、わかってるって」

 

 今が帰宅ラッシュの時間帯だからか、満員電車に乗り合わせてしまった俺と清田。

 案の定、ぎゅうぎゅう詰めにされとります。

 なんとか平成……もとい平静を装ってるけども、なんというか、その……俺も健全な男子でありまして……

 密着してる清田の体の感触と、彼女の芳香に反応するのは自然な成り行きといいますか……

 

「ちょっと、変な反応しないでよ、絶交よ、絶交っ」

「わ、わざとじゃないって……」

 

 『どこ』が『どんな』反応したのかは、ここでは秘密にしておく。一応この作品は全年齢向けなんだ。

 

 …………

 

 さて、まず乗り換えの駅に到着。だけど……

 

「大雪のため……」

「電車の運行に遅れが生じております……」

「皆様には……」

「ご迷惑をおかけしますが、ご容赦ください……ね……はぁ……」

 

 まぁ確かに、学校から、最初の駅に着くまでの間にも雪は降ってたけどな。まさかそこまでとは……

 

 仕方ないので、適当に時間をつぶすことにする。

 清田は普通に読書……俺は……

 

「米谷くん。ゲームなんかしないで、たまには本読んだり、勉強したりしたら? 三学期の勉強についてこれなくなっても知らないわよ」

「失礼だな。俺はゲームばかりしてる人間じゃないぞ、ほれ」

 

 と、俺は清田に持っていた携帯ゲーム機を見せた。そこに映されていたのは、ゲーム画面ではなくて一面の文字。

 

「あら、小説」

「どうよ」

 

 そう、俺は気に入った小説を、ゲーム機に入れて読んでいたのだ。

 

「でも、これ、ラノベじゃない?」

「ははは……」

 

 …………

 

 さて、そうこうしてるうちに、電車が到着。

 着いたばかりのおかげか、俺と清田は楽に空いてる席を確保し、座ることができた。

 だが……

 

「なかなか発車しないわね」

「まぁ、運行に遅れが出てるみたいだしな。仕方ないだろ」

「そうね」

 

「ただいま、運行変更のため、ただいま入りました列車が先に発車いたしまーすっ」

 

 なんだってえええええ!?

 

 俺は慌てて清田に声をかけ、隣のホームに入った電車に飛び乗った。

 

 …………

 

 そして俺たちが慌てて飛び乗った電車は走り出したわけだが……

 

「……変な気起こしたらダメだからね?」

「……わ、わかってるよ。というか、この態勢で、どうやって変な気を起こせっていうんだよ……」

 

 そう、俺たちはまたも満員電車に乗り合わせたわけだが、今回はお互い横に並んでいる。

 こんな態勢では、変な気を起こせと言われても無理だな、うむ。

 

「それにしても暑いわね……」

「……そうだな」

 

 満員電車の中は暑い……

 

 …………

 

 そしてそれから数十分経過。

 

 やっと満員状態から解放され、俺は清田と席に座っていた。

 清田は俺の前の席で横になって眠っている。

 

 と、そこに、車内に間もなく目的地に着くとのアナウンスが流れた。

 俺は清田を揺さぶって起こそうとした……が、その前に清田が起きてしまったようだ。

 ちぇ、残念。

 

「ん、お、おはよう……そろそろ着くみたいね」

「お、おう……」

「あら……前の席開けて寝かせてくれたのね。他の人もいるのに、こんなことしなくていいのに」

「そ、そうか、ごめん」

 

 と、そこで清田は少しほほを染めた。

 ほんのかすかで、俺でなければ見抜けないほどだけどな。

 

「で、でも……ありがと……」

「お、おう……」

 

 そして列車は到着した。

 

…………

 

 そして列車を降りた俺と清田は、雪降る街を、パーティ会場に歩いている。

 

「すっかり遅くなっちまったな」

「そうね。着いたらちゃんと謝らないとだめよ?」

「お、おう……」

 

 そんな会話をしながら会場に到着。すると……

 

 ぱぱぁん!

 

 中に入った俺たちを、ライスシャワーの雨が出迎えた。

 

「よう、やっときたな」

「待ってたよ~、二人とも」

 

 そう言う雅人と中倉に、目を点にしている俺と清田の二人。

 

「ニュースで大雪で電車が大幅に遅れてるってやっててな」

「これだときっと、みさたちも遅れてるだろうなって思って、待ち構えててあげようと思ってたんだよ~」

 

 そう言いながら、にこやかに笑う二人に、俺たちもつい笑顔になる。

 遅れてきて大変な思いをしてる俺たちに、こんなサプライズを用意してくれたことに、なんとも胸熱になる。

 

「必要なかったな」

「そうね」

「? 何がだ?」

「いいや、なんでもない」

 

 そう言って二人で顔をぷるぷる

 

「さて、それじゃパーティ始めようぜ。おなかすいちまったよ」

「そうね」

「うんー。今日は私が腕を振るったんだよ~」

「今日は盛り上がろうぜ!」

 

 そして俺たちは楽しいパーティの中に飛び込んでいった……

 




全4話、ありがとうございました!

これもひいちゃが数十年前に遭遇した出来事が元になっています。
さすがに意中の娘と一緒にというシチュエーションではありませんでしたし、電車に乗っていた理由もパーティとかではなく、単純に帰宅というだけですがw

さて、これにて完結。楽しんでいただけたら幸いです。
改めて、ありがとうございました!
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