転生したからとりあえずハッピーエンドに導く   作:零之悪夢

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借り物の樹

今、振り返ると様々な出来事があったと思う。こちらの方では1年ほどだったとは思うが。

 

炎上汚染都市 冬木の最初に召喚された俺はこの世界でしか見られない物を見てきた。

 

第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン

 

第二特異点 永続狂気帝国 セプテム

 

第三特異点 封鎖終局四海 オケアノス

 

第四特異点 死界魔霧都市ロンドン

 

第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム

 

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット

 

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

 

そして此処、終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン。まだ、この先に物語はあるが一区切りだ。

 

 「七つ目の特異点を越えてきたその強運、今は素直に称賛させてもらうよ」

 

 「レフ・ライノール……!」

 

そう、ここから魔神柱と戦わなければいけない。あの大量に蘇ってくるあいつ等と、だ。

 

 「久しぶり、というべきだろうが……お前らを見ていると怒りがこみあげてくる」

 

ああ、”あれ”根に持ってるんだ。普通にヤバいから斬っただけなんだが。長い長い説明を話しているあいつを無視してここからの事を考える。どうやってもロマニ……ソロモンの力を借りなければゲーティアは倒せない。その後の処理は……俺がやろう。

 

 「レフ・ライノール、魔神柱に変貌……!マスター、指示を……!」

 

 「今更………!!」

 

話はいつの間にか終わっていたらしい。まあ、直ぐに終わるだろう……パーティがえげついからな。

 

 「じゃあ、俺も加わるか」

 

現在のパーティーメンバーは青王、エミヤ、兄貴。後ろに俺とマシュと言った感じだ。まあ、前衛のメンバーがスキルマ、フォウマ、宝具レベル5、聖杯で120まで行ってるんだよなぁ。礼装も頭おかしいし。

 

 「―――斬ッ!!」

 

 「ナッ…………!?」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)連打してる時点でちょっと…………。そこからただ斬るだけでもまあ、死ぬか。

 

 「私は不死身だ。我々は無尽蔵だ。この空間全てが我々なのだから!」

 

 「そうですか…………なら、また倒せばいいだけです」

 

おおう。強気ですね、アルトリアさん。

 

 「うん、倒せばいいだけだ。俺達の旅路で出会った皆と一緒に行けば!!」

 

 「ええ、その通りです」

 

後ろから、坂本真綾の声が聞こえる。ああ、これを生で聞けるのは少し興奮する。

 

 「ですが―――そんな私達を信じた人間が居るのです」

 

 「ああ、俺は皆を信じてる」

 

そう、これを俺は知っている。誰よりも前に立ち、誰よりも傷ついている隣に居る人間(マスター)を!!

 

 「聞け、この領域に集いし一騎当千、万夫不倒の英霊たちよ!本来相容れぬ敵同士、本来交わらぬ時代の物であっても、今は互いに背中を預けよ!人理焼却を防ぐためではなく、我らが契約者の道を開くため!」

 

やっぱり、此処までは出来ないなぁ。やっぱり本物ってすごいな。

 

 「我が真名はジャンヌ・ダルク!主の御名のもとに、貴公らの盾となろう!」

 

後ろからどんどんサーヴァントの気配が増えていく。このマスターは縁を使って、すべてのサーヴァントと契約したのだ。

 

 「マスター!!行こうか!!」

 

 「そうだ!!俺達はソロモンを倒して、人理修復を成し遂げる!!」

 

魔神柱を倒し、玉座へと向かう。周りに敵は出てくるが、俺が持ってる刀で一瞬で終わる。先へ、先へと走る。

 

 「―――ここが、玉座」

 

 「東部観測所、兵装舎、生命院、沈黙。西部情報室、管制塔、覗覚星、沈黙。英霊どもも思いの外やるじゃあないか」

 

禍々しい気配。その先に居る獣、ビーストⅠ。この緊張感は”あの時”以来だろうか。

 

 「我々が消えることがないにせよ、ここまで敗戦を重ねるのは、予想外だ」

 

 「魔術王、ソロモン…………」

 

 「遠方からの客人を持てなすのは王の歓びだが、あいにく、私は人間嫌いでね」

 

その玉座の近くに立つ、俺達が倒さなければいけない敵。いつも通りとはいかないが、勝つ。

 

 「此処に人間は一人しかいないけど?」

 

 「ふっ、貴様が代表となったと言う訳だろう?」

 

ピリピリとした空気がこの辺りを包む。そして、彼の宝具についての話が始まった。彼……魔術王ソロモン。いや、ゲーティアは指輪を全て持っていると勘違いしているはずだ。指輪はすべてロマニが全て持っている。

 

 「いいぞ、得意の玉砕芸というヤツか!特等席で拝見させてもらおうじゃないか!貴様らの徒労を、貴様らの無力を、貴様らの挫折を!心ゆくまで、我々に捧げる時だ!」

 

魔神柱を出しながら戦闘態勢に入った。まあ、直ぐに終わる。何故なら。

 

 「遅い、もっと早く準備しておくべきだ」

 

居合。タイミングを合わせ、斬る。出る、斬る、出る、斬る。それを繰り返す。本体を彼らに任せ魔神柱をただ、斬っていく。

 

 「くっ、小癪なァ…………!」

 

 「ちゃんと考えて編成しような?そっちは過剰戦力、こっちは手薄だ」

 

援護するはずの魔神柱はこちらで処理をしているので、あちらでは本体しかいない。

 

 「神代流、一の型 <瞬>」

 

”一瞬”で近づき、斬りつける。その刀は俺がオリジナルで作り、鍛造した刀。魔力は果てしなく込められている。

 

 「その攻撃、私の核まで届いたぞ…………」

 

来る。本能でも、理性でも危険と感じて後ろに飛ぶ。その判断は間違ってはいない。

 

 「これが、本当の姿」

 

 「即ち、人理焼却式―――魔神王、ゲーティアである」

 

ここから、本番。どうやってもマシュの消滅は避けられない。それでも、彼は耐えられるだろうか。

 

 「ではお見せしよう。貴様らの旅の終わり。この星をやり直す。人類史の終焉。我が大業成就の瞬間を!!!第三宝具、展開。『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』———さぁ、芥のように燃え尽きよ!!!」

 

彼の前に、マシュが立つ。盾を構える。安心してくださいと言っている。それが、たまらなく悲しい。

 

 「其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷――顕現せよ、『いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)』!」

 

自分も消える可能性がある。他の皆も守りたいが、そんな暇はない。自分に”結界”を張り、逃げる。

 

 「―――いつも、先輩に守られてばっかりだったから。だから、私が守ります」

 

 「マシュ――――」

 

消えた。マシュもその周りに居た英霊も。ただ、其処に居たのは人類最後のマスター(藤丸立香)と俺。

 

 「まあ、此処で怒ったところで意味はない。どうせ、この先も見えている。だから」

 

 「何?」

 

前に出る。その影に居た俺も後ろから着く。

 

 「なあ、そうだろう?奏」

 

 「任せておけ、マスター(藤丸立香)。しかし、このままだとこいつは死なないぞ?」

 

 「まあ、其処は僕に任せて欲しいな」

 

本物が歩いてくる。誰にも彼の歩みを止めることは出来ない。彼は覚悟ができているから。

 

 「良く戦ったよ、立香君。だから、任せて欲しい」

 

ドクターの体が光る。これが、本物の王。

 

 「本物の、魔術王―――」

 

 「我が名は、魔術王ソロモン。ゲーティア。お前に引導を渡す者だ」

 

この先は見える。だから、後の事は任せてもらおう。

 

 「大丈夫、直ぐに君にバトンタッチするよ」

 

指輪がきらりと光った気がする。そう、見えただけかもしれないが、輝きが見えた気がした。

 

 「神よ、あなたからの天恵をお返しします。………全能は人には遠すぎる。私の仕事は、人の範囲で十分だ。第一宝具・再演」

 

その宝具は、神に指輪を返還する。要するに、”自分を消す”と同義である。そうしないと勝てない事を分かっていたから。

 

 「後は、任せていいかな?」

 

 「ええ、後の事はお任せを。貴方が居なくなってもどうにかします」

 

 「ああ、なら安心だ…………」

 

そうして、光の粒子となって消えていった。任せてもらった事だし、本気を出そう。見せたことのない姿を顕現させる時が来た。

 

 「さて、死ねるようになったが。まあ………直ぐに死んでもらっていいか?」

 

 「直ぐに死ね、と?殺せるものなら、殺してみろ!」

 

さあ、”彼女”の力を借りよう。コイツに対抗できるのは、これしかない。

 

 「マスター令呪を3画使ってくれ」

 

 「分かった。ゲーティアに止めを刺してくれ」

 

彼の手の甲が光る。そうして俺の体に膨大な魔力が回ってくる…………”これなら”と思い開放する。

 

 「第二霊臨、解除。霊装、開放」

 

それは、きっと。彼女への後悔が詰められている。

 

 

――――――――――――――――

 

奏が令呪を使ってほしい、と言ってきた。奏は令呪を使わなくても宝具を撃てるし、魔力供給する必要ない英霊。それが、魔力を要求してきた。なら、何か秘策がある。そう踏んで奏にありったけの魔力を渡した。

 

 「えっ…………」

 

 「ふむ、()にしてはすこし華美だが……まあ仕方ない」

 

その姿を言うなれば、マタニティドレスを男性用にローブの様にした。と言った方が良いだろうか。ただ、見た人を魅了し美しいと言わせるような服装だ。

 

 「さて、ゲーティア。()は少々、特殊でね。”君の宝具は効かない”様になっている」

 

奏の体から何かもわっとした空気が辺りを包んだ。結界……エミヤが教えてくれた無限の剣製の様な固有結界なのだろうか?

 

 「それがどうしたぁ!!…………な、何ィ!?」

 

 「<輪廻楽園(アイン・ソフ)>。ここでは()が法であり、君は何もすることは出来ない」

 

法。要するに此処は一つの国であり、奏が法律を作ることができる独裁者。ゲーティアであってもこの法は破ることができないらしい。

 

 「くっ…………宝具が無くとも、貴様を殺して見せるッ!!」

 

 「”君に動くことは許されていない”。ついでに”彼に攻撃することも禁止だ”」

 

何もできない。とは、こういう事を言うのだろうか。全てを封印され何もできなくなった時自分がどうすれば良いのかを理解するのだろうか。

 

 「では、終幕としよう。今に見せよう、()の最強を…………<   (アイン)>」」

 

 「な、何だ。これはァァァ!?」

 

消えている。核ごと消えている。存在を消されている。

 

 「さあ、じっくりと消えていくがいい。彼に与えた絶望を君が受けるがいい」

 

 「く、まだ。私はァ…………」

 

 「まあ、一つ言うなれば。彼をずっと見守っておくといい。彼はどんなことがあっても諦めることは無い」

 

そうだ。絶対に諦めないとずっと言い聞かせてきた。今までも。これからも。

 

 「くっ、フハハハ!!そうか。私に足りなかったのは…………そういう事か」

 

 「せいぜい見守っておくが良い。ゲーティア。彼の旅路を」

 

そうして粒子となり消えていった。でも、ゲーティアが消えた時に一瞬だけ、本当に一瞬だけだが。奏の隣に”誰か”いた気がした。女の人で。とても美人だった。そして彼と…………奏と手を繋いでいた。それがどうしてか、”悲しくて”。

 

 「さて、()の力でカルデアに戻るとしよう。マスター。捕まっていると良い」

 

 「…………ああ!!」

 

そうして、俺達カルデアの聖杯探索(グランドオーダー)が終わりを告げた。

 

―――――――――――――――――

 

 「…………終わった、か」

 

カルデアに戻り、マシュも帰ってきて。一件落着とは言えないが、元通りの生活に戻る…………はずではない。この先、亜種特異点に空想樹の切除がある。だけど、一つ思ったことがある。”本当にこのままだと藤丸立香一人で耐えられない事があるのではないか?”と。

 

 「本当は、やりたくないんだけどなぁ…………」

 

やるしかないと思い、マスターの部屋へと向かう。

 

 「なあ、マスター。君に、これを託したいんだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして渡したのは一つの”<刻々帝(時計)>”だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(第二霊臨)
???の霊装











次回、彼は。選択する。


 「お前に、全部託す。だからこの先はひとりでやれ」

 「この想いは絶対に曲げちゃいけないんだ」

 「先輩は、どうして。そんなに強いんですか?」

 「そうだな…………たぶん、奏のせいだと思うよ」

 「呪いが何だ。そんなもの、俺が引き受けてやる!」

 「来いッ!奏ッ!」

 「さあ、夢を終わらせよう」

終わりが来る。そして始まる。過去と向き合う時が。
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