スーパーロボット大戦Z 魔王が進む覇道   作:有頂天皇帝

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前書き
今回からルルーシュとシュナイゼルの決戦が始まります。何話かかるかまだ分かりませんが頑張って書いていきます。今回スザクが少し厳しい展開があります。


第八話 開戦

旧神聖ブリタニア帝国首都・コンスタンティン。初代ブリタニア皇帝が納めていた頃は緑豊かな自然溢れる土地として繁栄を築いた都市だったが、第二代ブリタニア皇帝の息子たちによる次代の皇帝を巡っての争いと他国からの侵略戦争によって豊かな自然は見る見るうちに消えていき、そして第五代ブリタニア皇帝が誕生した時に彼の力が暴走したことをきっかけにコンスタンティンは滅びを迎え、生き残っていた者たちは恐れるようにコンスタンティンから遠く離れた地にある新天地を目指し新たに作りあげた首都こそが現在のペンドラゴン。

 

草木も枯れ果て枯渇した大地にかつて栄えていた名残であるかのように崩壊した都市と港には今、現代のブリタニア皇族であるルルーシュとシュナイゼルが向かい合い、それぞれ率いる軍によって陸海空の全てを多種多様な機体たちが埋め尽くさんばかりに並んでいた。

 

ライは自らの新しい愛機()である機体のコックピットの中でモニターに映るシュナイゼルたちが用意した部隊を見据える。

 

大量のフレイヤを搭載しているだろう天空要塞ダモクレスを中心にしてログレス級浮遊航空艦、カールレオン級浮遊航空艦、ハーフビーク級戦艦、斑鳩、スキップジャック級戦艦などが半円形の陣形を取っているシュナイゼル軍は完全な混成部隊であった。

 

(敵はシュナイゼル率いる旧皇帝派のブリタニア軍、そしてディガルド武国軍と神聖ミスルギ皇国軍に・・・やはり、黒の騎士団が来たか)

 

バハロス島に潜伏し、ダモクレスの完成に力の大半を注いでいたシュナイゼル一党はビスマルクら《皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)》を除いて通常戦力に乏しく、あとは各地で生き残って抵抗を続けていた旧皇帝派のブリタニア軍のナイトメア部隊やその他艦船などの兵器をかき集めるだけかき集めてきたもの。一応、そのシュナイゼル一党の中にもエース級の騎士はいるにはいるが、コーネリアやナイトオブラウンズには遠く及ばないもの揃いで、せいぜい皇帝陵やヨコハマ租界などかつてルルーシュに愚かにも刃向かった旧公爵連合軍クラスのもの。あとは寄せ集めの頭数に頼っただけの、どんぐりの背比べというに相応しい、お粗末な現状だった。


これを補っているのがディガルド武国の大量のバイオゾイドとラスタル・エリオン率いるアリアンロッド艦隊、ジュリオがエンブリヲから新たに与えられた力である新型モビルドールたちと非戦闘員たちを人質に無理やり従えているドライクロイツと地球艦隊・天駆を含めた別世界の戦士たちだった。そしてゼロ追放の一件から一般団員たちからの支持が離れていく中何とか首の皮一枚を繋いだシュナイゼルとの共闘を約束した黒の騎士団の部隊もいる。さらにその後方にはDr.ヘルの機械獣であるガラダK7やダブラスM2、キングダンX10に酷似した機体たちが大量に待機していた。戦力として確かにかなり大きく立派なものであるが、中核となるダモクレスのシュナイゼルと、黒の騎士団現総司令の扇、ディガルド武国のジーン、アリアンロッドのラスタル、そしてミスルギ皇国のジュリオとの間で権限が分散しているのは、あまり好ましいことではないというのは、ライにも理解できた。果たして一個の軍隊として、どこまで統一された動きができるのか・・・。

 

(そして一方で、僕たちのブリタニア軍は・・・)

 

これに対し、ブリタニア皇帝のルルーシュ軍は純正部隊である。ライも含めた《運命の騎士(ナイトオブフォーチュン)》十二騎士が率いる各個師団と、マリーベル・メル・ブリタニア率いる大グリンダ騎士団こそ損失は免れたが、帝都ペンドラゴンの消失によって内政機能が麻痺した本国との連携が難しくなったのは明らかな痛手だった。さらに、各植民エリアの常駐軍は、ライたち12人の麾下にあたる各個師団の半数と共に他の超合集国連合軍も含めた残存する反乱勢力との対峙によって動きを封じられている。

 

ここに揃ったのは、ゼハート・ガレット率いるガフランやバクトなどのヴェイガンのモビルスーツを中心に編成された第一機甲師団、アレン・フォルネウス率いるグレイズやランドマン・ロディなどエイハブリアクター搭載モビルスーツを中心に編成された第二機甲師団とそれに加わったヒナ・リャザン、ビゾン・ジェラフィル、アルフリード・ガラント、タルジム・ヴァシリー、ラーシャ・ハッカライネンを中心としたゾギリア軍のヴァリアンサー部隊。モニカ・クルシェフスキー率いるギアス兵と化したロイヤルガードや皇族の私兵たち、ルルーシュに忠誠を誓った純血派や弱小貴族たちを中心としたサザーランドやヴィンセント・ウォードなどのナイトメアで編成された第三機甲師団。ルミナス・アルカディア率いる元ナンバーズや脱走した黒の騎士団によるモビルスーツやナイトメアを中心に編成された第四機甲師団とそれに加わったブラッド・ワッド大尉を中心とした北米同盟のAMAIM部隊。

 

ヴォルフ率いるデスレックスやスティレイザー、ストームソーダなど多種多様なゾイドと獣人たちのガンメンたちによって編成された第一機獣師団。エスデス・フリューゲル率いるギルラプターやダークホーン、スナイプテラなど多種多様なゾイドとザーツバルム伯爵とその傘下である火星騎士たちのカタクラフト部隊によって編成された第二機獣師団。

 

ミリアルド・ピースクラフト率いるかつてゼクス・マーキスとして付き従ってくれたOZの兵士たちとキア・ムベッキ、クン・スーンら率いるジット団、マスク、バララ・べオール、マニィ・アンバサダを中心としたキャピタル・アーミィなどを加え、モビルスーツやモビルアーマーを中心に編成された第一混成師団。ティア・エリザベート率いるヒュッケバインMark-IIやゲシュペンストMark-II、多元世界の機体とアンジュやヒルダ、タスクたちアルゼナルのパラメイル部隊を中心に編成された第二混成師団。アリサ・ヴィエルジェ率いる量産型ゲッターロボ‪α‬や量産型グルンガスト弐式などのスーパーロボットやオダ・ノブナガ率いるイクサヨロイ部隊を加えてスーパーロボットたちを中心に編成された第三混成師団。

 

ウォーダン・ユミル率いるビルゴIIIやトーラス、ジンクスIIIなどのモビルドールとバン・バ・チュン大佐率いるノイエDCのリオンやバレリオン、ガーリオンなどのアーマードモジュール部隊を中心とした第一独立師団。グラハム・エーカー率いる元アロウズの兵士たちによるモビルスーツとモビルアーマー部隊。更にルキナ・ヘファイストスが開発した新型モビルスーツなどを加えた機体たちを中心に編成された第三独立師団。

 

そしてモビルスーツやモビルアーマー、ナイトメア、パーソナルトルーパー、特機、ゾイドなどの中で特に優れた機体とパイロットたちによって結成されたルルーシュの親衛隊でもある第零騎士団。マクギリス・ファリド率いるギャラルホルンの改革のために立ち上がった若い将校たちで結成された革命軍。マリーベル・メル・ブリタニア率いる大グリンダ騎士団とルルーシュから貸し与えられたジェレミア・ゴッドバルトやロロ・ランペルージなどの優れた兵士たちだ。

 

そして部隊の中心にルルーシュの旗艦にして戦略級巨大戦艦ウラヌスとそれを護衛するようにログレス級浮遊航空艦、カールレオン級浮遊航空艦、ホエールキング、ハンマーカイザーたちが並んでいた。

 

しかしいずれも統制は取れたもので、一部はギアスで絶対の忠誠を誓わされた連中だが、ほとんどの兵士はルルーシュに付き従うことを自らの意思で決めたものたちだ。

ルルーシュの命ならばその命を捨てることに躊躇いなど無いものばかりだ。しかしこちら側の問題点としては兵のほとんどが指揮官としての経験のない下級貴族であり上級貴族のほとんどがギアス兵となっているため個々人の精神の柔軟さを失った猪武者となっており戦闘指揮官として失格だった。それに対してシュナイゼルナイゼル軍本隊を構成する寄せ集めのブリタニア軍騎士や軍人、アロウズも含めたシャルル派の地球連邦の残党兵たちにも含まれている精鋭も頭数だけであとはどんぐりの背比べ程度だが、彼らも決して無能(おかざり)の戦力ではなく、さらに向こうには藤堂、ナイトオブラウンズ、エンブリヲ、ガエリオ、ゲオルグといった一線級、そして超一線級の指揮官がいて、侮れない相手であることに変わりはなかった。

 

そしてもうひとつ懸念すべきなのは、ZEXISだ。先日、ナイトオブラウンズを離反したノネットらグリンダ騎士団が多元世界から来たクロガネやヒリュウ改、デューカリオンと共にZEXISに参加し、その精強さに磨きがかかったと聞いている。

 

(さて・・・勝利の女神は、どちらに微笑むことやら)

 

胸の中でそう呟いたライは、ゆっくりと指を噛んで、窓の向こうのダモクレスとシュナイゼル連合軍を見据える。決戦の趨勢はどう転び、そしてどちらに軍配があがるのか、この段階ではライはもちろん、誰にも全く予想がつかなかった。

 


「ほう・・・これはこれは」

 


ダモクレスの中枢司令室で状況を見守っていたシュナイゼルのところに通信が入ったのは、じりじりと互いに接近を続けていた両軍が戦闘可能領域に突入する直前のことだった。

 

「オープンチャンネルか。・・・フフ、我が弟ながら大胆なことだ」

 

受信の表示が流れた通信画面を見て、シュナイゼルは不敵に微笑み、カノンに指示を出した。カノンの操作でパッと画面が切り替わる。
映ったのは、白い皇帝衣装に身を包んだ黒髪の少年────。

 


『ごきげんよう────シュナイゼル・エル・ブリタニア』

 


ルルーシュ軍の中央後方に陣取る、新たに皇帝専用旗艦として創りあげられた戦艦《ウラヌス》の艦内なのであろうか。豪奢な椅子に座り、なぜか背後に1匹の黒猫を従えた神聖ブリタニア第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが優雅に、皮肉たっぷりに挨拶してみせた。

 

 


ダモクレスを守るようにして、超級の護衛艦2隻と共にその前方に陣取っているダモクレスの正面に展開している旧皇帝派の精鋭ナイトメアフレーム部隊。
その中には、《皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)》専用機────《第一席(ナイトオブワン)》ビスマルク・ヴァルトシュタインのギャラハッド、《第三席(ナイトオブスリー)》ジノ・ヴァインベルグのトリスタン、《第四席(ナイトオブフォー)》ドロテア・エルンストのパロミデス、《第五席(ナイトオブファイブ)》エルドナ・フォーレスのアレスタント、《第六席(ナイトオブシックス)》アーニャ・アールストレイムのモルドレッド、《第七席(ナイトオブセブン)》枢木スザクのランスロット・アルビオン、《第八席(ナイトオブエイト)》デシル・クォーバーのギラーガ・カスタム、《第十一席(ナイトオブイレブン)》アーカード・ヴァレンタインのサフィール、《第十三席(ナイトオブサーティン)》バレット・ギュスターヴのボールスの8機があった。
王位簒奪をした偽帝の討伐という大義のために、その先陣を切ろうとしていたシャルル・ジ・ブリタニア直属の騎士団の目には、ルルーシュ軍の中央を守るようにして佇んでいる8機の多種多様な機体が映っている。

 

『フン、来たかシャルル・ジ・ブリタニアの飼い犬共が』

 

超大型メイスを右手に構えるガンダムバルバタウロスシュトルゥムの外部スピーカーから聞こえるアレン・フォルネウスの声に、ナイトオブラウンズは表情を変えた。さらに

 

『あなた方が現れることは予想できた事だわ』

 

『その声は・・・!』

 

『モニカか!?』

 

同じくその8機のうち、翡翠色を基彩としたカラーリングの2振りの赤黒い剣を構えたナイトメア《フローレンス・フィオーレ》の外部スピーカーから聞こえてきた女性、元《第十二席(ナイトオブトゥエルブ)》モニカ・クルシェフスキーの声に、ドロテアとジノが表情を変えた。

 

『流石は《皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)》とその直属部隊。大したものね』

 

『貴様っ・・・!!』

 

さらにその8機のうち、ランスロットと似て非なる二本角を頭部に生やした重武装・重装甲の禍々しい右腕をした白銀のナイトメア《ベディヴィエール・ディアマンテ》の外部スピーカーから聞こえるアリサ・ヴィエルジェの小馬鹿にするような物言いにエルドナは操縦桿を握る手を強める。

 

『まさかこんなところで貴様に出会うとはなデシル』

 

『ゼハートっ・・・!!』

 

そしてさらにその8機のうち、ガンダムレギルスのコックピットの中でギラーガ・カスタムに乗っている死に損ないの元兄であるデシルを見下すようにそう言うと、デシルは歯噛みしながらゼハートを睨みつけていた。

そしてまた8機のうち、先頭に立つガンダムエピオンの外部スピーカーからミリアルド・ピースクラフトの声が聞こえてきた。

 

『お待ちしておりましたよ皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)の皆様。新帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアへの供物としてその命を捧げたまえ』

 

『ミリアルドさんっ・・・!!』

 

不敵な笑みを浮かべながらのミリアルドの歓迎呼び掛けにスザクは顔を歪める。

 

ガンダムエピオン、ガンダムレギルス、ガンダムバルバタウロスシュトルゥム、フローレンス・フィオーレ、ベディヴィエール・ディアマンテ。ルミナス・アルカディアが騎乗する深紅の大型ナイトメア《モルガン》をコアユニットとして稼働するナイトギガフォートレス《モルガン・アヴァリス》。ティア・エリザベートが騎乗する青紫色の準特機クラスの巨大ロボット《ゲシュペンスト・シヴァ》。グラハムが騎乗する赤と黒を基調としたカラーリングのソレスタルビーイングの《ガンダムエクシア》に酷似したモビルスーツ《ガンダムルシファー》が並び立つ。《運命の騎士(ナイトオブフォーチュン)》12騎士の8人が駆る8機の機体の威容さに、アーニャは息を飲んだ。

 

『どの機体も凄い力を感じる・・・』

 

『それにそこの黒いモビルスーツ・・・!乗っているのはアレン、お前なのか!?』

 

モルドレッドの外部スピーカーから漏れたアーニャのつぶやき、ジノの叫びに対してティアとアレンはそれぞれ答えた。

 

『ふふっ、あんな愚帝に仕えていた節穴の騎士たちかと思えば、ルルーシュ陛下が我々に与えてくださった機体の素晴らしさを理解する程度の頭は持っているようですね』

 


『久しぶりだな、ジノ・・・。お前とはできればこういう形で再会はしたくなかったよ』

 

続けてミリアルドはガンダムエピオンのビームソードを構えながら告げる。

 

『本来ならばあなた方の御相手は我々が務めるのだが、君たちの相手は彼が務める』

 

ミリアルドがそう告げたのと同時にビスマルクたちとミリアルドたちの間の空間が斬り裂かれその隙間から現れたのは体の周りを12本の大型ソードビット兵器《クラウ・ソラス》が装備された背中に背負う巨大な白銀の十字架状のもので覆われた紺碧のカラーリングの騎士王を思わせる80m級の巨大な機体《アーサー・イルジオン》が姿を現した。アーサー・イルジオンから放たれる圧倒的な威圧感に歴戦の戦士であるビスマルクたち皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)やその直属部隊ですら圧倒されていた。

 

『────あなた方の相手は《終焉の騎士(ナイトオブゼロ)》であるこの僕とこのルルーシュから与えられた新たな剣───アーサー・イルジオンが相手をしましょう』

 

アーサー・イルジオンの外部スピーカーから聞こえるライの声を聞いて、愕然となりかけていたところで、我に返ったスザクが再び大声で呼びかける。

 

『目を覚ませ、ライ!!クルシェフスキー卿とミリアルドさんたちも!!今なら、まだ戻れます!!』

 

無能なる暗君(シャルル・ジ・ブリタニア)の騎士らしい傲慢で愚かな事だな枢木スザク』

 

グラハムが、冷たく吐き捨てるようにしてそう答えた。かつてブリタニア・ユニオンやアロウズで肩を並べて共に戦ってきたころには感じられなかったその冷たさと鋭さに、スザク、ジノそしてアーニャとドロテアは思わず息を呑んだ。

 

『シャルルとシュナイゼル、そしてナナリーとコーネリアのように愚かなる皇族と貴族が創り上げたブリタニアのせいで、かつてのルルーシュ陛下も含めた無国之民たちが血と涙をこの世界に流し続けた。「競い、奪い、獲得し、支配せよ。その先に未来がある」────生殺与奪を体現したそのブリタニアの文化には虫唾が走り、その文化を広めてきたシャルル・ジ・ブリタニアにこの身とこの剣を迷うことなく捧げてきたかつての私自身には、羞恥と怒りしか覚えるものがない』

 


『その通りだ。シャルル・ジ・ブリタニアによって毒された帝国と地球連邦は、今日ここで終わりを迎えなければならない。あるべき世界、あるべき秩序へと戻る為にも、ルルーシュ陛下が新たなる皇帝と地球連邦の代表に立たなければならないのど。それは先のペンドラゴンにおけるシュナイゼルとナナリーの暴挙はもちろん、シャルル・ジ・ブリタニアの歴史を見ても一目瞭然・・・!旧悪なるブリタニアの時代は、我々とルルーシュ陛下によって終焉を迎える運命にある!!』

 


『っ・・・!』

 

モニカとミリアルドに勢いよく論破され、スザクは言葉を失った。

 

『それらを踏まえれば、目を覚ますのは君たちの方だよ・・・スザク』

 

そこへライが、冷然とした声でスザクに追い打ちをかける。

 

『君たちがブリタニアに忠誠を誓うのであれば、モニカやあへゆさゆたちと同じく僕の仲間になるべきだ。敵同士に戻った関係とはいえ、僕もできることなら、君たちを撃つという真似はしたくはない。そしてそれを踏まえて最初に一度だけ言っておくが・・・君たちでは、僕とは勝負にはならない。これまでの戦いを知っているのならば』

 

さらに冷然とした声で告げてきたライに、スザクもランスロット・アルビオンのコクピットの中で気圧されそうになった。
ジノ、アーニャ、ドロテア、デシル、アーカード、バレットもともに気圧されかけた、その時だった。

 

 

 

 ◆◇◆◇◆

 

 

 

『────そこまでだ、ライ!!』

 


スザクたちの怯懦と困惑を断ち切るかのように、ビスマルクが一喝を飛ばす。

 

『我等はシャルル陛下に忠誠を誓った存在・・・!シャルル陛下の帝国が腐敗と堕落に満ちているという侮辱(きめつけ)は断じて見過ごせん! そしてその|侮辱>きめつけ]]で旧恩を忘れてシャルル陛下を捨て、帝国を破壊する貴様らと簒奪者ルルーシュは討つ!!』

 


『・・・ヴァルトシュタイン卿か』

 

さらに鋭く重い一喝を飛ばすビスマルクに応えるように、ライがアーサー・イルジオンを進める。
それに対して、ビスマルクもギャラハッドをアーサー・イルジオンの前へ進めた。

 

『ライ!シャルル陛下の恩情で拾われた身でありながらその主君を裏切ったその罪!!その命で贖って貰うぞ!!』

 

ビスマルクはそう叫びながらギャラハッドの背中に背負うシャルル・ジ・ブリタニアが命名した、旧帝国を守護する聖剣として伝わりし紫紺の剛剣《エクスカリバー》の剣先をライが騎乗するアーサー・イルジオンに向ける。それに対してライはギャラハッドを冷酷な瞳で見下しながら異次元から取り出した紅と蒼の2振りの大剣を両手に構える。

 

『生憎だけど、僕が心から忠誠を誓っているのはルルーシュただ1人だけだ。あんな老害に心から忠誠を誓ったことなど一度たりとてない』

 

『貴様っ!!』

 

主君であるシャルルを愚弄されたことにビスマルクは今すぐにでも斬りかかりそうになるのをグッと堪え、操縦桿を握る手を強めた。

 

『短い間とはいえあなた方とは共に戦場を戦ってきたよしみとして、貴様らが忠誠を誓った無能なる暗君(シャルル・ジ・ブリタニア)言葉(おしえ)に従い、勝利を持って示そう───正義は我々にあると!!』

 

『簒奪者の騎士如きがほざくか・・・!!いいだろう、シャルル陛下に背きし背徳者ども。貴様らに世を生きる道理はもはや皆無なり!!』

 

それ以上の言葉は要らないとばかりに二人の間にしばしの静寂の時が流れた。そしてゴトッと廃城から崩れ落ちた瓦礫の音をきっかけにギャラハッドはフローユニットを、アーサー・イルジオンは水色の12枚羽のエナジーウイングを稼働させ互いに突進させた。

 

最初に動いたのは、アーサー・イルジオンだった。背部のエナジーウイングから、ギャラハッド目掛けて蒼玉の光弾と両肩部の大型多目的キャノン砲《ブリューナク》から放たれるハドロンガトリングによる連射が放たれる。

しかし、ギャラハッドはエクスカリバーでそれを薙ぎ払って受け流した後、お返しに右手のスラッシュハーケンを放つ。これを見たアーサー・イルジオンは回避しようとしたが、そのスラッシュハーケンに右腕を捕らえられた。すぐに、しかも的確に。

 

『っ────!!』

 

驚きを隠せないライは、なんとかそのスラッシュハーケンを振り解き、距離をとる。

 

『アーサーの軌道を読まれた・・・!』

 

そう叫びながら、ライがアーサー・イルジオンを再度ギャラハッドに向かわせた時。
ギャラハッドのコクピット内で、ビスマルクの片目が赤く輝いていた。

 

『我がギアスは、未来を読む・・・!』

 

そう唸ったビスマルクには、ライ────アーサー・イルジオンが次にどう攻撃してくるかが、スローモーションではっきりと目に見えていた。
《未来視》のギアスの通り、真っ向から突っ込んできたアーサー・イルジオンの紅の大剣《バルムンク》による斬撃を、エクスカリバーでがっちりと受け止め、弾き飛ばした。

 

『この力、マリアンヌ様以外に使うことがあろうとはな!?』

 

不敵に笑いながら、ビスマルクは引き続き未来視での先読みを繰り返しながら、アーサー・イルジオンと壮絶な空中戦を繰り広げ、僅かだが着実に追い詰めにかかった。皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)たちとその直属部隊、そして後方のダモクレスでモニター越しに戦闘を見ていたシュナイゼルもビスマルクの勝利は揺るが無いものと思い始めていた。

 

『────未来を読むギアス。確かに強力な力だ。ヴァルトシュタイン卿の技量も合わさってかなり厄介だな』

 

アーサー・イルジオンのコックピットの中でギャラハッドによる猛攻を捌きながらライそう呟く。その表情には焦っている様子はなくどこまでも冷静だった。

 

『もし初めて相手をするなら苦戦をしただろうな。だけど』

 

 

────|未来を読む程度の相手なら、既に殺したことのある相手だ《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》。

 

 

『っ!?』

 

アーサー・イルジオンの纏う空気が変わったのを感じたビスマルクは距離をとるように後方に下がった。しかし、それを許さないとばかりにアーサー・イルジオンは一気に加速するとギャラハッドにエナジーウイングから蒼玉の光弾を放ちながら接近するのを未来視(ギアス)でそれを読んでいたビスマルクはエクスカリバーで切り払いながら防御する。そしてギャラハッドに接近したアーサー・イルジオンが横薙ぎに振るった蒼の大剣《デュランダル》をエクスカリバーで受け流す。

 

『無駄だ!!何度やろうとわがギアスの前では貴様の攻撃など───』

 

ビスマルクがそう吠えたのと同時にギャラハッドの両足が突如斬り落とされた。一瞬、何が起こったのか分からないビスマルクは目を見開いてしまうとその隙を見逃す訳もなくアーサー・イルジオンはギャラハッドの胴体を殴り飛ばした。

 

『ぬぅぅぅぅぅぅっ!?』

 

殴られた衝撃のあまりの強さに口端から血を流しながら何とか堪えたビスマルクはギャラハッドにエクスカリバーを構えさせながらアーサー・イルジオンを睨む。

 

『────確かに《未来視》のギアスは強力なギアスだ。それだけで大抵の敵なら倒せてしまう。だが』

 

アーサー・イルジオンの周囲を舞うように浮かぶ12の大型ソードビット《クラウ・ソラス》を操りながらライは淡々と告げる。

 

『それはあくまでも自らの視界に映る未来を読む程度でしかなく、今のように視界外からの攻撃は読めない』

 

『くっ!?』

 

『そして』

 

クラウ・ソラスを周囲に展開させながらアーサー・イルジオンはギャラハッドに接近するとバルムンクとデュランダル、そして12本のクラウ・ソラスによる同時の剣戟の嵐がギャラハッドに放たれる。ビスマルクはこれを未来視(ギアス)で未来を読みながらエクスカリバーで捌こうとするが、

 

『ぐおぉぉぉぉぉっ!!』

 

『圧倒的な手数の前じゃ、例え未来を読んだところで防ぎきれるわけもない』

 

ライの言う通り、未来を読んでいるビスマルクは致命傷となる攻撃は何とか防いでいるが、圧倒的な物量による攻撃にギャラハッドの装甲は抉れ、斬り裂かれていき段々と見るも無惨な姿へと変わっていった。

 

『はぁ・・・!はぁ・・・!』

 

『これで終わりか?第一席(ナイトオブワン)

 

幾度かの衝突を繰り返し再び互いに距離とった両機だが、戦闘前に比べてその様子は異なっていた。ギャラハッドは両足を失い、一部の装甲は剥がれ落ち、装甲にヒビが入り機体のあちこちからスパークと火花が走っていた。それに対してアーサー・イルジオンの装甲には傷一つなく、戦闘開始前と何ら変わらない健在の姿を見せつけていた。それはまるで《第一席(ナイトオブワン)》と《終焉の騎士(ナイトオブゼロ)》の圧倒的な力量差を見せつけられているようでシュナイゼルたちの間に動揺と恐怖が広がっていた。

 

『さて、何か言い残すことでもありますか?』

 

ライは外部スピーカーからビスマルクにそう尋ねながらバルムンクの剣先をギャラハッドに向ける。

 

『舐めるなっ!!まだ、勝負はついていない!!』

 

ビスマルクはそう叫びながらギャラハッドが握るエクスカリバーを大きく構えるとアーサー・イルジオンに斬りかかる。それをライは冷めた目で見下ろすとバルムンクを振り下ろし、エクスカリバーを真っ二つに両断した。

 

『うお・・・っ・・・』

 

ビスマルクの目が、顔が、心からの驚愕に引き攣った。

 

聖剣(エクスカリバー)が、砕けた・・・だと?バカな・・・。シャルル陛下が、銘付けられた・・・帝国最強(ナイトオブワン)の剣が・・・!?』

 

目の前でエクスカリバーを真っ二つに両断されたビスマルクはその現実に驚愕し動きを止めてしまう。その隙を見逃すライではなくデュランダルを構えるとギャラハッドに向ける。

 

『シャルルやマリアンヌのように過去に縋る愚か者よ、過去の栄光と共にここで滅びろ、ビスマルク・ヴァルトシュタイン』

 

ライの声が、冷徹にそう告げるのと同時にギャラハッドの頭上からデュランダルを振り下ろしたその刹那。

 

 

 

『────させない!!』

 

正面からエナジーウイングで全身を覆ったランスロット・アルビオンがアーサー・イルジオンの胴体に衝突し、攻撃の瞬間だったライはその攻撃を避けることも出来ず衝動した衝撃で数メートル後方に下がらされてしまった。

 

『ライ!!これ以上君の好きにはさせない!!』

 

スザクはそう叫びながらランスロット・アルビオンは2本のMVSを引き抜き、アーサー・イルジオンに斬りかかる。ライはその攻撃をデュランダルで受け止めながらスザクを冷たく見下ろす。

 

『スザクか。ハイエナ風情が僕の相手が務まるとでも思ってるのか?』

 

『なら、私たちの相手もしてもらおうじゃないか!!』

 

ジノがそう叫びながらアーサー・イルジオンに向けてハドロンスピアーを放つ。それとほぼ同時に別の場所からアーニャのモルドレッドのシュタルクハドロン砲とドロテアのパロミデスのフィンガーハドロン砲が放たれる。三方向からによる圧倒的火力の砲撃は蜃気楼の絶対守護領域すら破壊しうる威力であり、まともに喰らえばアーサー・イルジオンといえどタダでは済まないだろう。しかし

 

『その程度の攻撃が、通用すると思っているのか!!』

 

迫り来る3つのハドロン砲をライはクラウ・ソラス3本を動かし、真っ二つに斬り裂いた。斬り裂かれたエネルギーは霧散し、ライはランスロット・アルビオンを弾き飛ばすと一旦距離を取ろうと上空に上がる。

 

『おっと、そうはさせねぇよ』

 

しかしいつの間にか上空に待機していたギャラハッドの兄弟機である細身の長剣《カラドボルグ》と盾を構えた灰色のナイトメア《ボールス》とパーシヴァルの兄弟機であるより鋭利的な装甲をしている対ナイトメア専用大型ランスを構えた白亜色のナイトメア《サフィール》、サグラモールの同型機である対ナイトメア専用大型ハルバードを構えた銀色のナイトメア《アレスタント》の3機が各々の機体の武器を上空に上がってくるアーサー・イルジオンに対して武器を振り下ろしにかかる。

 

『舐めるなっ!!』

 

それに対してライはアーサー・イルジオンのバルムンクを横薙ぎに振るい、ゲッター線を帯びた翡翠色の斬撃の衝撃波をボールスたちに向けて飛ばしながら横に避ける。迫り来る斬撃に対してバレットはボールスの握るカラドボルグから同じように斬撃の衝撃波を飛ばすことで軌道を逸らし何とか攻撃をかわす。攻撃をかわした隙をつこうとアーサー・イルジオンの背後に回ったのは、かつてゼハートの指揮官機として使われたモビルスーツである《ギラーガ》を、デシル専用に改良された黒く染め上げられた《ギラーガ・カスタム》が《ギラーガスピア》を構えて突き出して来たが、その程度の攻撃に遅れをとることもなくライは機体を反転させギラーガ・カスタムのギラーガスピアの槍先が届くよりも先にその胴体を蹴りあげるとギラーガ・カスタムの胴体の装甲を歪ませながら後ろに蹴り飛ばされた。そしてライが体勢を立て直した時には半壊しているギャラハッドを支えるスザクの親衛隊であるコノエナイツのメンバーであるレド・オフェンのヴィンセント・ブレイズとシュネー・ヘクセンのヴィンセント・スナイプの前にアーサー・イルジオンに立ち向かうようにスザクのランスロット・アルビオン、ジノのトリスタン、アーニャのモルドレッド、ドロテアのパロミデス、バレットのボールス、アーカードのサフィール、デシルのギラーガ・カスタムが並び立っていた。

 

『シュネー、レド。2人はヴァルトシュタイン卿を連れてダモクレスに帰還しろ』

 

『っ。イエス・マイ・ロード』

 

『枢木卿もお気をつけて』

 

スザクはシュネーとレドに対してそう命令すると、一瞬シュネーは何か言いかけそうになったがここに残っても何の役にも立てないことを先程の短い戦い(蹂躙)を見せつけられたシュネーは理解してしまっていた。レドはスザクたちの武運を祈りながらそのままシュネーと共にギャラハッドを連れてダモクレスへと後退する。

 

『愚かな。折れた剣を守って何になる』

 

ライは既にビスマルクを敵として見なしていないのか撤退していくギャラハッドには目も向けずスザクたちに向き直る。

 

『まぁいい。残りの剣も今ここで叩きおってやろう』

 

ライはそう一方的に告げるとバルムンクとデュランダルを収納し、両手の《ディメンションブレイクハンド》を青白い冷たい光をたぎらせながらランスロット・アルビオンたちに向かって突撃させる。

 

『調子に乗ってんじゃねえぞ!!Xラウンダーでもない雑魚がっ!!』

 

それに真っ先に反応したデシルはライを見下すように叫びながらギラーガ・カスタムを駆り出しギラーガビットを展開しながらギラーガ・スピアで構える。その際にデシルの配下である首輪に爆弾をつけられた奴隷部隊のゼダスMとガフランをクロノスに搭載していた機体操作能力を引き継いだギラーガ・カスタムがゼダスMたちを操り、自らの前に展開させながらアーサー・イルジオンにビームを乱射させる。それをアーサー・イルジオンは右手の輻射波動を障壁のように展開して防御しながら左のディメンションブレイクハンドに3つの輪っか状のワームスフィア《ワームリング》を展開させるとそのまま投げ飛ばし、ゼダスMやガフランたちの装甲を紙のように切り裂き次々と爆散していく。

 

『デシルの奴!!勝手に動きやがって!!』

 

『仕方がない。我々も続くぞ!!』

 

ジノとドロテアは勝手に先行したデシルに対して悪態を告げながらも機体をアーサー・イルジオンに向けて飛ばし、それに続くようにスザクたちラウンズメンバーとその直属部隊のサザーランド・エア、グロースター・エア、ヴィンセント・ウォード、ガレス、サザーランド・イカロス、ジンクスIII、アヘッド、ビルゴIII、トーラス、ウィンダム、ダガーLなど多種多様な機体がアーサー・イルジオンに一斉攻撃をしかけながら迫ってきていた。

しかしその程度の攻撃で落とせるほどライは甘くなく迫ってくる敵機をディメンションブレイクハンドやブリューナク、クラウ・ソラスで撃破していく。しかし、流石に数が多すぎるのか鬱陶しいと感じたライはアーサー・イルジオンの[[rb:第2炉心>・・・・]]を稼働させた。

 

『全てを飲み干せ!!ゲッター・ストーム!!』

 

アーサー・イルジオンが翡翠色のツインカメラアイを輝かせるとアーサー・イルジオンを中心にゲッター線による翡翠色の巨大な嵐《ゲッター・ストーム》を発生させ、その嵐はスザクたちラウンズメンバーの機体と直属部隊たちを飲み込み、飲み込まれた機体は次々と切り裂かれ、爆散し、或いは味方同士の衝突などによって次々と撃沈していき、嵐が解除された時には直属部隊の半数以上が破壊され、スザクのランスロット・アルビオンを除いたジノたちラウンズメンバーや残りの直属部隊の機体はフロートユニットや四肢を破壊された状態で地面に転がっていた。

 

『流石はロイド・アスプルンドの最高傑作とでも言おうか。だがその状態で僕の相手が務まるとでも思っているのか?』

 

ライが言うように、今のランスロット・アルビオンの装甲は傷だらけになり、MVSが1本折れスーパーヴァリスも破壊され、右のエナジーウイングの一部が破壊されていた。

 

『それでも!!』

 

スザクは両目に赤いギアスの輝きを放つと、ランスロット・アルビオンは縦横無尽に動き回りながらアーサー・イルジオンをすり抜ける度にMVSで斬りかかりその装甲に傷をつけていく。ライもそれに対抗するようにクラウ・ソラスとブリューナク、ワームリングで反撃をするが先ほど以上のスピードと軌道に攻撃は尽くかわされていた。

 

『まさかスザク、ルルーシュのギアスを逆手にとっているのか!?』

 

スザクはルルーシュの絶対遵守のギアスによって『生きろ』というギアス(呪い)をかけられ、それによって死にたがりだったスザクは自らの意思で死を選ぶことも出来なくなっていた。だが今のスザクはその力を逆に利用して自らの潜在能力を極限まで引き起こす力として、圧倒的な力を発揮させていた。

 

『ライ!僕は君を倒して、ルルーシュを止める!!』

 

スザクはそう叫びながらランスロット・アルビオンのエナジーウイングから翡玉の光弾を乱れ打ちながら撹乱するように動かし、アーサー・イルジオンを攻撃する。一方的にスザクがライを責めているように見えるが、ランスロット・アルビオンの攻撃はアーサー・イルジオンの装甲を浅く傷つける程度でしかなく、決定的な打撃を与えられていない上に先程のゲッター・ストームを全身を覆うブレイズ・ルミナスで防御したことでエナジーの残量は4割も削られこのまま持久戦に持ち込まれればスザクが圧倒的不利な状況だった。起死回生の一手を狙うスザクは機体を動かしながらもアーサー・イルジオンの挙動を見過ごさず、決定的な一撃を与える瞬間を狙っていた。

 

『驚いたよスザク・・・まさかギアスを逆手にとってこんな闘い方をしてくるなんて。だけど』

 

ライはコンソールを入力するとクラウ・ソラスの刀身部分をパージさせ、刃の部分のみとなったソードビットと鍔から発生させたビームソードビットに分断させビットの数を倍に増やした。

 

『それだけで勝てるほど《|終焉の騎士|ナイトオブゼロ》》は甘くない』

 

『────っ!?』

 

ライの絶対零度の如く冷たい声色に、背筋が凍るようなゾッとするような感覚を感じたスザクは頭で考えるより先に操縦桿を動かしランスロット・アルビオンをその場から離脱させた。その瞬間、先程までランスロット・アルビオンがいた場所を風切り音を奏でながらソードビットによる12の刃が通り過ぎた。さらにランスロット・アルビオンを追いかけるようにビームソードビットがビームを放ちながら接近してくるためスザクは必死にエナジーウイングの翡玉の光弾で相殺させながら相殺しきれなかったビームをかわすが、視認できないほどの速さで迫るソードビットが容赦なくランスロット・アルビオンの装甲を切り裂き、防御に使用したスラッシュハーケンも全て砕かれ右翼のエナジーウイングも斬り落とされたボロボロの状態になっていた。それでも尚スザクはまだ諦めていないのかその瞳に闘志を宿しながらMVSの剣先をアーサー・イルジオンに向ける。

 

『まだ抗うんだね。実力の差をその身をもって分からされているというのに・・・』

 

『まだ終わっていない!!ナナリーのためにも君を倒し、ルルーシュを止めてこの戦いを止めてみせる!!』

 

スザクは決死の思いを込めてそう叫ぶがそれを聞いてもライの心に何も響くものは無いし寧ろスザクに対して失望したのかその目は冷たいものとなっていた。

 

『ナナリーのため、か・・・相変わらず他者を言い訳に戦っているねスザク』

 

『違う!!これは僕自身の意思で───』

 

『違うよ。君は自分の意思で戦ったことなんて一度たりとてない。今までだって上官の、ユーフェミアの、シャルルの、シュナイゼルの、ナナリーのと他者からの命令を何の疑問もなくただ傀儡のようにそれを実行してきただけでそこに自分の意思なんて欠片もないだろう』

 

『違う!!』

 

スザクはライの言葉を振り払うように叫びながらランスロット・アルビオンのMVSを振るわせるが、ライは元の状態に戻したクラウ・ソラスでそれを弾きながら続ける。

 

『その方が君にとって都合がいいからね。何も考えず、ただ言われたことだけを実行する。他者を言い訳に戦う理由を探す君にとってこれ程ありがたいものはないだろう?』

 

『違う!!』

 

ライの蔑みを必死に否定しながらスザクは得意技である脚撃を放つが右足がアーサー・イルジオンの頭部に当たるよりも先にクラウ・ソラスが右足を切り落とす。そしてライは決定的な一言をスザクに告げる。

 

『まぁそれも仕方がないか。|自らの手で父を殺した君にとって生きていくのは地獄のようなものだったのだからね《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》』

 

『──────────!?』

 

ライから告げられた真実(死刑宣告)にスザクは顔を青ざめさせ、操縦桿を握る手が震えていた。そしてその事実はスザクだけでなくルルーシュやC.C.、《運命の騎士(ナイトオブフォーチュン)》やトレーズなど一部の人間たちを除いたこの戦場にいる全ての人間を驚愕させる程のものだった。

 

『枢木スザクの父親にして日本最後の内閣総理大臣であった枢木ゲンブ。最後まで徹底抗戦を唱えながら真っ先に自決されたと言われているが、真実はそうじゃない』

 

ライは大袈裟にアーサー・イルジオンの両腕を広げながら戦場にいる全ての者たちに聞こえるように語り始める。

 

『枢木ゲンブは自らの権力を広げるためにブリタニアに日本を売り渡し、ルルーシュの命を条件にブリタニアでの地位を得ようとした薄汚い売国奴であり、その事実を知った枢木スザクの手によってその命を落とした』

 

ライは嫌悪を隠さずそう告げた瞬間、黒の騎士団などの日本人たちはその真実に驚愕し目を見開かせてしまった。そんな黒の騎士団を無視してライは話を続ける。

 

『当時のキョウト六家の中で枢木家のそこまで高いものではなかった。故に枢木ゲンブはその地位を高めるために当時日本に人身御供として送られたルルーシュとナナリーの2人の存在を疎ましく思っていた連中と手を組み、ルルーシュの命とナナリーを自らの玩具にすることを条件に敗北することがわかった上で占領された日本での地位を得ることを確約されていた』

 

ライが淡々と事実を語る度にスザクはランスロット・アルビオンのコックピットの中で顔を青ざめ、父親を自らの手で殺した事実を語られ、恐怖し体が震えMVSを構えていた腕も下がっていた。

 

『その事実を知った君は一度は父を止めようとした。しかしその程度で止まる訳もなく、君はルルーシュとナナリーを助けるためにその命を奪った』

 

真実を言われ、まともに思考も出来なくなっているスザクにゆっくりとアーサー・イルジオンを近づける。その際にマシンセルによってランスロット・アルビオンによって傷つけられた装甲は復元していき、ランスロット・アルビオンの前まで来た時には完全な姿へと復元していた。

 

『父を自らの手で殺した罪、そしてそれによって多くの日本人が死んでいったことで君は過程を求めるようになった。だけど』

 

ライは冷たくスザクを見下ろしながらアーサー・イルジオンのディメンションブレイクハンドを掲げると青白い閃光を放つ。

 

『過程に拘った結果、君は何も得ることが出来なかった。日本人を裏切り、故郷を取り戻そうとするものたちを殺し、大切なものすら何一つ守れなかった。それが君の今まで選択してきた結果だ』

 

『─────っあ』

 

ライは冷酷な宣言を告げながらディメンションブレイクハンドをランスロット・アルビオンに振り下ろしてくるのを虚ろな目をしたスザクはかわす気力すらわかないのかアーサー・イルジオンの右腕が迫ってくるのをただ眺めていた。だが

 

『────スザクっ!!』

 

死を受け入れようとした瞬間、後方から聞こえてきた叫び越えにハッとしたスザクにアーサー・イルジオンのディメンションブレイクハンドが当たる寸前、ランスロット・アルビオンの胴体をトリスタンのメギドハーケンが絡まり後ろへと引っ張られたことでその攻撃をかわすことが出来た。

 

『ジノか。だが無駄だ』

 

ライは右角が折れ、両脚部を失ったトリスタンを見ながらそう呟くがそのままメギドハーケンに絡まっているランスロット・アルビオンとトリスタンに向けて輻射波動を放ち、紫電を纏った青白い巨大な閃光がランスロット・アルビオンとトリスタンを飲み込まんとばかりに迫った。

 

『させないっ!!』

 

ランスロット・アルビオンとトリスタンの前に割り込むように右肩を失ったモルドレッドを飛ばしたアーニャは3機を覆うようにブレイズルミナスを展開して防御する。一瞬の拮抗を見せたかと思えばそれも無駄足掻きとでも言うかのようにライは輻射波動の出力を少し上げるとそれだけでモルドレッドのブレイズルミナスにヒビが入り始め、機体の関節部が悲鳴を上げ始めた。

 

『えっ・・・ブレイズルミナスが・・・!?このパワーは!?』

 

そしてとうとう耐えきれなくなったモルドレッドのブレイズルミナスが砕け散ると同時にモルドレッドとランスロット・アルビオンを支えていたトリスタンのフロートユニットが損傷による過負荷に耐えきれず爆発し、3機はそのまま地面へと衝突するように落下していった。

 

「ラウンズが・・・全滅・・・!?」

 

「これが、ルルーシュの筆頭騎士ライの実力・・・!?」

 

ダモクレスの司令室のモニターから、《皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)》とその直属部隊がたった一機によって壊滅させられたのを見てディートハルトとカノンは驚愕に目を見開いていた。その中でシュナイゼルは冷静に戦局を立てていく。

 

「枢木卿はともかくヴァルトシュタイン卿たち他のラウンズたちは機体の予備パーツがあるからまだ問題はないとして、流石はルルーシュが選んだ騎士なだけはあるね」

 

慌てた様子もなく微笑みを浮かべる冷静な主君を見て落ち着いたのか、カノンはシュナイゼルに振り返る。

 

「いかがなさいますか、陛下」

 

「ああ」

 

シュナイゼルは、落ち着き払っていた。まるで、この状況も想定の範囲内であると言いたげに。

 


「・・・なかなかに強力なエースを集めてきたものだね、ルルーシュ。だが、ラウンズはあくまでただの前座(挨拶)程度。本番は、ここからだ」

 

 

 

「予定通りとはいえこうも呆気なく敗れるとはな。これは《皇卓の騎士(ナイトオブラウンズ)》が情けないのか、それともそれ程までにライが強すぎたということかな?」

 

ウラヌスの艦橋の最上部にある玉座からライが皇卓の騎士たちを圧倒する姿をモニター越しに見ていたルルーシュは笑みを浮かべながらそう呟く。その後ろで同じようにライの戦う姿を見ていたルルーシュの護衛として待機していたマリーカたちルルーシュ親衛隊はライの圧倒的なまでの力に息を飲んでいた。

 

「陛下・・・!このエリアにシュナイゼル殿下とは別の部隊が来ます!!」

 

同じく艦橋にいて、オペレーター席のひとつに座っていたノエル・フリュンドがモニターを見て慌てたような大声で報告した。

それを聞いて、ルルーシュは表情を一気に険しくした。

 

 

「来たか────ZEXIS!!」

 

 

 

「ほほう・・・。まさに真打ち登場、といったところですな」

 

天空要塞ダモクレスの司令室で、モニター越しについにその姿を現した第三の勢力を見て、ディートハルト・リートが目を細めた。

指揮官席に座っているシュナイゼルも、軽く笑った。

 

「さて、彼らは私につくのか?それともルルーシュに・・・」

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

古都コンスタンティンの旧城にダモクレス、ハーフビーク級戦艦、ディグを中心にして部隊を布陣する北のシュナイゼル軍。草木も生えぬ荒野にウラヌスを中心にして部隊を布陣する南のルルーシュ軍とは、東南方向の山間部からZEXISが姿を現した。

プトレマイオス2、マクロス・クォーター、ドラゴンズハイヴ、真ゲッタードラゴン、エターナル、ネェル・アーガマ、ラー・カイラム、イサリビ、ホタルビ、シグナス、メガファウナ、ゴディニオン、ガランシェール、アークエンジェル。そして先日新たに加わったグランベリー、クロガネ、ヒリュウ改、デューカリオンといった18隻の戦艦を中心に100機を超える機動兵器たちとZEXISの協力者となったジーン討伐軍のゾイド部隊と鉄華団及びオーブ、ザフトのモビルスーツ部隊などが半円形の陣形を組んでいる。

 

「────各機へ! 我々はZEXISとして、この戦闘に介入します!!」

 


プトレマイオスの艦橋の指揮官席から、スメラギ・李・ノリエガがマイクを片手に周囲の友軍、そして東西のふたつのブリタニア軍に向かって、こう宣言した。

 


「攻撃対象は────ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア率いるブリタニア軍、そしてシュナイゼル・エル・ブリタニア率いる旧皇帝派連合軍の両軍です!!」

 

 

「やはりこうなりましたか」

 

「驚くことではあるまい。奴らの中にはあの《自由条約連合》の他にも、スメラギ・李・ノリエガが身を置くソレスタルビーイングもいるのだからな」

 

ウラヌスの格納庫にてルルーシュの最終兵器のチェックを行っていたシュウ・シラカワとゾギリアの科学者であるヴィルヘルム・ハーンはスメラギの宣言を聞いても大した驚きを見せずその手を動かしていた。

 

「しかしZEXISも相手をするとなるとこちらの戦力はかなり削られてしまうね」

 

「うむ。数でいえば最も少ないがそれ以上に質の高い連中ばかりじゃからのう・・・」

 

「心配ないよ」

 

元アロウズのモビルスーツ開発主任であるビリー・カタギリと敷島博士はZEXISの登場に僅かばかり顔を顰めるが、それをブカブカの白衣を着た茶髪のショートカットの少女──ルキナ・ヘファイストスが口角を上げて笑みを浮かべながら告げる。

 

「陛下を守る13の剣とこの守護神が存在する限り、我々に敗北などありはしないよ」

 

ルキナはその瞳に狂気を宿しながら彼女らの前に佇む禍々しき邪神を彷彿させる機体を見上げるのだった。

 

 

同じ頃、シュナイゼル軍の右翼にいた黒の騎士団にも、動揺が広がっていた。

 

「ZEXIS! お前らまで、ゼロ(ルルーシュ)と同じ俺たちの敵になるっていうのかよ!?」

 


「やめろ、玉城。これは俺たちが選んだ道なんだ・・・!」

 

スメラギの宣言を聞き、モニターに映ったZEXISの艦隊を見てやるせ無い表情で大声を張り上げる玉城を、扇が同じくやるせ無い表情で言葉で押し留める。

 

 

黒の騎士団の後方に配置された舞台の中心に布陣するドライストレイガーの艦橋でスメラギの宣言を聞いていたミツバ・クレイヴァレーはZEXISの中にドライクロイツのメンバーであるエッジやアズたちの姿を見て胸元で両手を握りしめながらその顔を悲痛そうに歪めていた。

 

「エッジ・・・アズ・・・みんな・・・っ!!」

 

 

『二手に分かれて、武力介入を開始します! プトレマイオス2、シグナス、メガファウナ、グランベリー、真ゲッタードラゴン、ドラゴンズハイヴ、イサリビ、ホタルビ、クロガネは北のシュナイゼル軍の本隊! ラー・カイラム、ネェル・アーガマ、ゴディニオン、ガランシェール、エターナル、アークエンジェル、マクロス・クォーター、ヒリュウ改、デューカリオンは南のルルーシュ軍の本隊へ向けて進撃!!』

 


『両軍と戦いつつ、最終攻撃目標はフレイヤを擁する天空要塞ダモクレスとする! なんとしてでも、フレイヤによる悲劇は絶対に食い止める────!!』

 

スメラギとブライトが、プトレマイオス2とラー・カイラムの艦橋からそれぞれ指示を飛ばす。
そしてスメラギとブライトをそれぞれ指揮官とする形でZEXISは二手に分かれ、北と南のブリタニア軍へと進軍を開始した。

 

「・・・もう少し考える頭があるかと思ったが、所詮君たちも感情に流されるだけの存在。つまりはコーネリアと同じく、その程度の器でしかなかったということか」

 

ダモクレスのシュナイゼルは、大仰に溜め息をついた。

 

 

「モニカ。手筈通り、前線及び作戦の指揮は任せたぞ」

 


『イエス・ユア・マジェスティ』

 

ウラヌスの艦橋から、ルルーシュがモニカに指示を送り。

 

『僕は本隊に一度戻ります。ゼハート、モニカ、グラハム、ティア、ルミナス、ミリアルド、レイン。奴らに皇帝陛下に逆らったことの愚かしさをその命をもって思い知らせてやれ』

 

『『『イエス・マイロード!!』』』

 

後方で待機しているウラヌスの同型艦である第零騎士団専用戦略級巨大戦艦《アトラス》へ後退しながらライが通信を送ると、ガンダムバルバタウロスシュトルゥム、ゲシュペンスト・シヴァ、ガンダムルシファー、ガンダムレギルスが先行し、それに続くようにフローレンス・フィオーレ、ガンダムエピオン、モルガン・アヴァリスが進撃を開始する。

 

 

 

『ライ・・・本気でやる気かよ』

 

『新型に加えて十二騎士たちの最新専用機・・・。これまで以上の強敵だな』

 

デスティニーガンダム、リ・ブラスタBのそれぞれのモニター越しに引き揚げていくアーサー・イルジオンと、入れ替わりに進撃を開始した6機の十二騎士の専用機を見て、シンが息を呑み、クロウが顔を顰める。

 

『それに敵はライ達だけではない、バン大佐率いるノイエDCにゾギリア、キャピタル・アーミィなど強力な精鋭たちが揃っている』

 

『無論、承知の上だ。その上で眼前の敵は全て叩き伏せるのみ!!』

 

アウセンザイターの外部スピーカーを通して全員に聞こえるようにレーツェル・ファインシュメッカーがそう告げると、全員を代表してダイゼンガーの中でゼンガー・ゾンボルトは力強くそう宣言するのだった。

 

 

『こちらの戦力だって奴らに決して引けを取らない・・・!俺たちの力を合わせればルルーシュ達なんかに負けるわけが無い!!』

 

『各機へ!先ずは右翼に展開しているナイトメア部隊を突破し、ゼロ・・・いや、ルルーシュを目指すぞ!!』

 

斑鳩の艦橋から扇が、その前衛である斬月から藤堂がそれぞれ檄を飛ばすと、黒の騎士団の部隊が一斉に鬨の声をあげて進軍を開始する。藤堂の斬月、千葉と朝比奈の暁直参仕様、玉城と杉山の暁を中心に暁や無頼、無頼改といった黒の騎士団のナイトメア部隊、サザーランド、フラッグ、リーオー、イナクト、ティエレン、トーラス、ジンクスなどの鹵獲機部隊、シュナイゼルから与えられたジンクスIII、アヘッド、ビルゴIII、ジガンスパーダ、エルアインスなどによるモビルドール部隊が進撃を開始する。

 

『エスデス、黒の騎士団たちが進軍を始めたそうだ』

 

地上部隊の中心で待機しているスピノサウルス種の超大型ゾイド《ジェノスピノ》のコックピットに乗り込んだヴォルフは隣で同じように待機しているデスレックスの突然変異種であるティラノサウルス種の超大型ゾイド《オメガレックス》のコックピットで待機しているエスデスに通信を入れる。エスデスはこれから始まるであろう血湧き肉躍る闘争に期待して思わず笑みを浮かべながらオープンチャンネルで同じように待機しているウォーダンとヴォルフと話し合う。

 

『ここまでは、陛下とライの読み通り』

 

『あとは奴らを指定の位置まで誘き寄せてやりゃあ、そこからが本番だな』

 

二人の会話を聞きながらエスデスはゼハートたちが進撃してくる黒の騎士団の前陣と激突するまであと少しの瞬間、ルルーシュがオープンチャンネルで兵士たちを鼓舞するかのように大声で宣言する。

 

『この戦いこそが、世界を懸けた決戦・・・いや、聖戦となる!! シュナイゼルとZEXISを倒せば、我らが覇道を阻む者は一掃される!!』

 


ウラヌスの外部スピーカーの中から、ルルーシュの号令がライ、《運命の騎士(ナイトオブフォーチュン)》十二騎士、マリーベルが率いる新生ブリタニア軍、同盟相手であるゾギリア共和国、ザーツバルム伯爵軍、北米同盟、ノブナガ軍、ギャラルホルン革命軍、ノイエDC、ジット団、キャピタル・アーミィの軍勢へと下される。

 


『世界はブリタニア唯一皇帝ルルーシュによって破壊され、然る後にあるべき姿へと創造されるだろう! 誇り高き新たなるブリタニアの英傑たちよ、死力を尽くして打ち砕くのだ! 敵を! シュナイゼルを!! 天空要塞ダモクレスを!! そしてZEXISを!! 恐れることはない────未来は、我が名と共にあり!!!』

 


『『『オール・ハイル・ルルーシュ!!!』』』

 

 


『ルルーシュは世界の全てに悪意を振り撒く存在だ。世界の敵はこの地で討たねばならない。世界中の人々が待っている・・・私たちの凱歌を。そして願わくば、これが人類にとって最後の戦争であることを祈りたい・・・!』

 


一方のダモクレスから、シュナイゼルも通信用マイクを手に取って旧皇帝派ブリタニア軍、黒の騎士団、ギャラルホルン、神聖ミスルギ皇国、ディガルド武国の軍勢に号令をかけた。

 

 

『全軍!!』

 


『攻撃、開始────!!』


ルルーシュとシュナイゼルが同時にそれぞれ号令を下した瞬間、ルルーシュ率いる西軍とシュナイゼル率いる東軍、ZEXISの距離が一気に縮まった。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

『では予定通り、先陣は切らせてもらおうかっ!!』

 

アレンはそう言うと同時にガンダムバルバタウロスシュトルゥムのツインカメラアイを赤く輝かせ、超大型メイスを構えるとブースターを噴かせ一気に先陣をきっていた暁の前に躍り出ると超大型メイスを振り下ろし、コックピットブロックごと叩き潰し暁を爆散させる。

 

『ま、松本ぉーーーっ!?』

 

『このクソ野郎がーー!!』

 

仲間を殺られ激怒した暁のパイロットたちはガンダムバルバタウロスシュトルゥムに向けて3機の暁が廻転刃刀で斬りかかりそれを援護するように2暁がハンドガンやロケットランチャーで援護射撃を行う。ガンダムバルバタウロスシュトルゥムは超大型メイスて迫ってくる砲撃を防御し、廻転刃刀で斬りかかってくる暁の頭部を掴むと鈍器のように振り回して2機の暁に投げ飛ばす。そして動きが止まった3機の暁を腕部200mm砲で撃ち抜き、背部から伸びたテイルブレードがロケットランチャーを構えていた2機の暁の胴体を貫いた。

 

『っ!?田波・・・ 本田、間中、相澤っ!?』

 

『この、クソったれがぁぁっ!!』

 

コックピットブロックを完全に破壊され、生存が絶望的なのを見せられた黒の騎士団たちは冷静さを失いガンダムバルバタウロスシュトルゥムに攻撃を開始する。しかし、相手はレインだけでないのを彼らはその事が頭から抜け落ちてしまっていた。

 

『アレンばかりじゃなくて、私たちがいるのも忘れないでくれるかしら!!』

 

ルミナスは狂気的な笑みを浮かべながらモルガン・アヴァリスの背部に装備されているハドロンビットを展開すると同時にミサイルコンテナからGNミサイルが放たれ、ミサイルの弾幕によって無頼、無頼改たちが爆散していき、ミサイルをかわした機体をハドロンビットによる小型ハドロンスピアーが次々と貫いていく。

 

『大恩を忘れ、陛下に仇なす愚か者共がっ!!今こそ、懺悔の時だ!!』

 

ゼハートは黒の騎士団に対して怒りを隠さずにそう叫ぶとガンダムレギルスを駆り、目の前のフラッグをビームサーベルで袈裟斬りし、そのままレギルスビームライフルで迫ってくるティエレンやイナクト、ジンクスを撃ち抜く。

 

『切り裂け!バーンスラッシュリッパー!!』

 

ティアはゲシュペンスト・シヴァの背部に装備されている8機の3基の刃の部分をプラズマ化させたことで焼き溶かし斬ることに特化した《バーンスラッシュリッパー》を展開させるとそのままエルアインスとトーラスを切り裂く。

 

『燃え上がれ!!ルシファーよ!!』

 

グラハムはガンダムルシファーのトランザムブースターを噴かせてジガンスパーダに接近すると《プロミネンスブレイド》と《ブライクニルブレイド》を構え、ジガンスパーダを‪✕‬の字に切り裂く。

レイン、ルミナス、ゼハート、ティア、グラハムの5人によって出鼻を挫かれた黒の騎士団はレインたちに攻撃を集中させるがそれを援護するように第一機甲師団のガフラン、バクト、ゼダス、ドラド、クロノス、ダナジン、レガンナー、ウロッゾ、ゴメルなどのヴェイガン製のモビルスーツ部隊と第四機甲師団の暁、サザーランド、グロースター、ザクIII、グフカスタム、ドム・ノーミーデスなどのナイトメアとジオンのモビルスーツ部隊が進軍を開始する。

 

そして中央ではディガルド武国のバイオラプター、バイオメガラプトル、バイオトリケラ、バイオケントロ、バイオスピノなどのバイオゾイドたちが地上を埋めつくせほど大量な軍勢がギャラルホルン・アリアンロッド艦隊のグレイズ、グレイズリッター、グレイズシルト、レギンレイズなどのモビルスーツ部隊が続く。それに対してルルーシュ軍は迫り来るバイオゾイドたちに向けて第一、第二機獣機師団のガノンタス、バズートル、キャノンブル、トリケラドゴス、スティレイザー、ステゴゼーゲ、グラキオサウルス、レッドホーン、ディバイソン、ダークホーン、ゴルドスなどのゾイド部隊とリーオー、トラゴス、ティエレン長距離射撃型、ザメルなどのモビルスーツ部隊、そしてカーペンタリー、雷光、バレリオンやステイギスなど多種多様な機体が絶え間なく砲撃を行う。嵐のような凄まじい砲撃が地面を抉りながらバイオラプターたちを撃破していく。しかし数が多いだけに倒したところですぐにその穴を埋めるようにバイオラプターたちが進軍する。そして第一、第二機獣師団の前衛にまで迫ってきたことでファングタイガー、ラプトリア、ハンターウルフ、ドライパンサー、ギルラプター、アンキロックス、バキゲドス、ナックルコング、アイアンコング、セイバータイガーたちゾイド部隊、マクギリス・ファリドのガンダムバエルと石動・カミーチェのヘルムヴィーゲ・リンカーを先頭にグレイズ、グレイズリッター、フレックグレイズたちギャラルホルン革命軍のモビルスーツ部隊が向かう打つ。

 

『これほどの戦場、この戦いに勝利し勝ち残れば私もまたアグニカ・カイエルのような英雄になれるっ!!』

 

ガンダムバエルを駆るマクギリスは迫り来るバイオメガラプトルの首をバエルソードで切り落しながらハルバードを振り下ろすグレイズシルトの手首を掴み、胴体を貫いた。その後方では石動のヘルムヴィーゲ・リンカーと数機のグレイズリッターが援護するようにガンダムバエルに接近してくるバイオラプターやグレイズたちを迎撃する。

 

『があっはっはぁ!!ディガルドのバイオゾイドめ。貴様ら程度、我が相棒で踏み潰してくれるわ!!』

 

第一機甲師団の部隊長であるゴルバはそう高笑いを上げながらグラキオサウルスの亜種であるグラキオサウルス・ボルケノで迫り来るバイオケントロやバイオトリケラを踏み潰しながらその巨体を活かしてグラキオサウルス、トリケラドゴス、スティレイザーたちと共に味方の盾になるように前陣で行動していた。

 

『進め!エスデス将軍とルルーシュ陛下の敵をその牙で蹂躙せよ!!』

 

第二機獣師団のエスデスの腹心の1人であるリヴァはギルラプターLCのコックピットの中で部下たちに対して叫びながら目の前にいるレギンレイズの首元に噛みつき押し倒すとコックピットブロックを足の爪で貫く。シリュウの宣言に続くようにギルラプター、ラプトリア、ファングタイガー、ドライパンサー、セイバータイガー、シールドライガーたちが素早い動きで翻弄しながらその牙や爪で敵を切り裂いていく。

 

ここまではルルーシュ軍の方が有利に進んでいるように見えるが、左翼に展開しているシュナイゼルとルルーシュの部隊はZEXISの部隊と衝突しているため左翼は混戦状態となっており、それによってほかの戦線も歪みが生じ次第にルルーシュ軍、シュナイゼル軍、ZEXISによる三つ巴の戦いは苛烈になっていく。

 

 

─────勝利の女神が微笑むのは、死神の鎌が振り下ろされるのは、悪魔が嘲笑うのは誰なのか、それは神ですら知りえぬことであり、この盤面を揃えた魔王ですら全てを把握出来ないでいたのだった。




あとがき
とうとう始まりましたルルーシュとシュナイゼル、ZEXISによる三つ巴の戦いが。今回運命の騎士たちが搭乗する機体が軽く登場しましたが本格的な活躍は次回以降となります。ウォーダンとノクスの機体もちゃんと登場させますので暫くお待ちください。今回、両軍で色んな作品の機体が登場しておりますが次回以降でも色んな作品から期待を登場させようかと考えてます。novelAIで運命の騎士たちのイラストを作ろうかと思うんですがどうでしょうか?もし作る場合参考になるような呪文など教えて貰えたらありがたいです。そして今後の展開についてですが、ルルーシュが原作通りの悪玉皇帝になるか原作とは異なって賢帝になるかで現在悩んでおりましてそれによって話の展開も大きく変わってくるので1度アンケートを取らせてもらおうかと思います。この意見を参考の一つとして話を考えようと思うので意見などがあればコメント貰えるとありがたいです。

ルルーシュの未来はどちらがいい?

  • 原作通り悪逆皇帝
  • オリジナルとして賢帝
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