スーパーロボット大戦Z 魔王が進む覇道   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回刹那とグラハム、青葉・ディオと雛・ビゾンなどの戦いが始まりましたが決着はまだ先の話となります。


第十話 思いを剣に乗せて

紅き彗星と蒼き流星となったガンダムルシファーとガンダムダブルオーライザーは銃弾や砲撃などが飛び交う戦場の中を斬り結びながら何度もぶつかるように飛び交っていた。

 

『そうだ!この戦いだ!!私はこの戦いをずっと待ちわびていたのだ!!』

 

グラハムのガンダムルシファーが、ムラクモとサミダレを振るい進路の妨げになっているガレスを斬り捨てると刹那と沙慈のガンダムダブルオーライザー目掛けて真っ直ぐ突っ込んでくる。

 

『生きてきた・・・!私は、この為に生きてきたっ!!』

 

グラハムは狂気をその身に宿し、刹那との待ち望んでいた戦いが出来ることに感謝しながらムラクモをガンダムダブルオーライザーの右肩に向けて振り下ろすのをガンダムダブルオーライザーは右手のGNソードIIIで受け流しながら距離をとる。

 

『たとえ悪逆皇帝の傀儡と成り果てようとも、この武士道だけはっ!!』

 

グラハムは叫びながら腰に装備されている八本の投擲ナイフ《GNウルズナイフ》をそれぞれ両指の間に挟み、ガンダムダブルオーライザーに向けて投擲する。それをダブルオーライザーはGNビームマシンガンとGNマイクロミサイルの同時射撃で打ち落としながらガンダムルシファーを攻撃する。それをガンダムルシファーはムラクモとサミダレを鞘に戻しブライクニルブレイドとプロミネンスブレイドを構え、ブライクニルブレイドで迫り来るビームを凍結させて撃ち落とし、プロミネンスブレイドを振るって炎を纏った斬撃を飛ばしてGNマイクロミサイルを爆散させる。

 

『そうまでして・・・!』

 

『そうまでしてなのだ!!』

 

刹那の叫びを、グラハムは更なる叫びで一蹴した。ガンダムルシファーは爆煙の中を突き進みガンダムダブルオーライザーに近づくとブライクニルブレイドを振り下ろすのをGNソードIIで受け流そうと受け止めるが、ブライクニルブレイドの刀身から発せられる冷気によってGNソードIIが凍っていくために刹那はGNソードIIを捨て、反対の手に握るGNソードIIでブライクニルブレイドを切り上げてガンダムルシファーの手から叩き落とすとそのままGNビームマシンガンをガンダムルシファーの頭部に放つ寸前に、ガンダムルシファーがガンダムダブルオーライザーの腹部を蹴りつけてその反動で距離を取ることで防いだ。

 

『勝利だけが望みか!?』

 

『他に何があるっ!!』

 

ガンダムダブルオーライザーはGNソードIIIをライフルモードに変更してガンダムルシファーにGNビームを連射しながら接近を仕掛けてくるのをガンダムルシファーはプロミネンスブレイドで迫るGNビームを切り払いながらガンダムダブルオーライザーにこちらも近づき、2機のガンダムは互いに頭突きをするかのように頭部をぶつけ合い、プロミネンスブレイドとソードモードに変形させたGNソードIIIがぶつかり合い火花を散らす。

 

『決まっている・・・!未来へと繋がる、明日だっ!!』

 

『この戦いに勝たずして明日などない!!』

 

ガンダムルシファーとガンダムダブルオーライザーは一度互いに距離をとると、ガンダムルシファーはプロミネンスブレイドを収納し背部のルシファーブースターの翼の一部を分離・変形させた《ダークネスブレード》を両腕に装備させるとカメラアイを輝かせる。

 

『さあ!純粋なる戦いを、共に楽しもうじゃないか!!』

 

闘志に激ったグラハムの雄叫びと共に、ダークネスブレードを構えたガンダムルシファーがガンダムダブルオーライザー目掛けて突撃してきた。

 

 

 

『雛っ!!聞こえるんだろ雛!!』

 

『渡瀬・・・青葉・・・。ゾギリアの・・・敵』

 

青と白のヴァリアンサー《ルクシオンネクスト》の外部スピーカーから渡瀬青葉が《ネクターライフル》でクーゲルを撃ち抜きながら、目の前にいる乗るピンクのヴァリアンサー《カルラ》の中にいるヒナ・リャザンに必死に声をかけるが、コックピットのヒナは暗く濁った、光の無い瞳は敵である青葉を見つめながらカルラの大鎌付きネクターライフル《ネクターバレットライフル》でルクシオンネクストに斬りかかってくるのをルクシオンネクストは二本の《ネクターブレード》で防ぐ。

 

『青葉!』

 

『貴様の相手は俺だっ!!』

 

『くっ!?邪魔をするな!!』

 

赤と白のヴァリアンサー《ブラディオンネクスト》の隼鷹・ディオ・ヴェインバーグが青葉を援護しようとブラディオンネクストを飛ばそうとするも紫の重武装ヴァリアンサー《ネルガル》が両腕に装備した《ネクターバレットバズーカ》による苛烈な砲撃に晒され、ブラディオンネクストも迫るネクター弾と榴弾を《ネクターライフル》で撃ち落とすので精一杯になっているため青葉の援護に向かえないでいた。

それはディオだけでなく飛鷹葵たちチームDの《ダンクーガノヴァマックスゴッド》、藤原忍たち獣戦機隊の《ファイナルダンクーガ》、ゲイナー・サンガの《キングゲイナー》、明神タケルの《ゴッドマーズ》たちZEXISもアルフリード・ガラントの黒のヴァリアンサー《アルシエル》、タルジム・ヴァシリーの緑のヴァリアンサー《オーガ》、ラーシャ・ハッカライネンの水色のヴァリアンサー《クリシュナ》、さらに新たにルルーシュの配下に加わった60m級の巨大ロボット《メガトン級ローグ》である蒼き鋼鉄のサムライ《ムサシ》、白き白馬の騎士《アーサー》、赤と黒の重武装の巨兵《マキシマスブレイズ》たちメガトン級ローグたちと30m級のローグ部隊を相手取っているため青葉のフォローに回れないでいた。

 

『聞こえる青葉!?あなたとディオが戦っている2機のヴァリアンサーは強制的にカップリングが行われているわ!!』

 

『なんだって!?』

 

シグナスの艦橋のサブモニターでカルラとネルガルを見ていた自由条約連合の特務士官にしてヴァリアンサーの研究者エルヴィラ・ヒルが、険しい表情で叫んだ内容に青葉は迫り来るカルラのネクターバレットライフルをかわしながら思わず大きな声を上げてしまう。

 

『エンファティアレベルを上げるための薬物投与・・・。場合によっては、意識を一方向へ向けるための精神制御・・・。ヴィルヘルム・ハーンならば、ルルーシュ皇帝のギアスとは似て非なるそれらの被人道的な方法で、無理矢理カップラーを養成することも有り得るわ!』

 

エルヴィラのその言葉に、青葉たちに動揺が走った。

 

『つまり、雛が敵に操られているってことかよ!?』

 

『そしてそのバディはビゾン・ジェラフィルか・・・!』

 

青葉が叫び、《ゴッドガンダム》のドモン・カッシュが唸った直後、彼らの目の前でアサルトライフルを構えていた5機の無頼改が上から降ってきた紫色のビームに包まれた巨大な光弾が無頼改たちを破壊し地面に降り立った。紫色の光弾が弾けると同時に姿を現したのはドモンにとっての師匠であると同時に強敵として何度も立ち塞がりドモンの腕の中でその命を終えた存在である東方不敗・マスターアジアの愛機である翼の生えた黒きガンダム《マスターガンダム》だった。

 

『マスターガンダムっ!?その機体に乗っているのはまさか・・・!!』

 

《ライジングガンダム》のレイン・ミカムラがマスターガンダムを見てそのパイロットの名を叫ぶよりも先にマスターガンダムの周りに3機のガンダムが降り立った。

巨大な翼を持つ鳥を彷彿とさせる白いガンダム《ガンダムヘブンズソード》、堅牢な装甲で覆われた2本の巨大な牙と四つの砲塔を携えるガンダム《グランドガンダム》、三本足の紫色のボールに胴体と頭部が収納されているガンダム《ウォルターガンダム》。かつて《デビルガンダム四天王》と呼ばれドモンたち《シャッフル同盟》を苦しめた4機のガンダムが並び立つその光景はドモン達だけでなくZEXIS一同にも強いプレッシャーを与えるものだった。

 

『久しいな、ドモンよ』

 

『その声はやはり師匠っ!?何故生きているんだ!?あなたはあの時確かに───』

 

動揺しながらもドモンはマスターガンダムに乗る東方不敗に対して声を上げた瞬間、一瞬にしてゴッドガンダムの前に移動したマスターガンダムはその手にビーム状のムチ《マスタークロス》を布状のムチにしてゴッドガンダムに斬りかかるのを既のところでゴッドガンダムのビームサーベルが防ぐ。

 

『この愚か者がっ!!戦いの最中で動揺するなとあれほど教えたであろうがっ!!』

 

『ぐうっ!?』

 

マスターガンダムはマスタークロスを解除するとそのまま残像が残るほどの激しい拳と蹴りによるラッシュを繰り出しそれに対してゴッドガンダムもまたラッシュで応戦し、それによって2機の間には竜巻のように荒れ狂い始め、誰も近づけることができないでいた。その間にもガンダムヘブンズソードたちはデビルガンダムの生み出したデスアーミー、デスビースト、デスバーディを引き連れ《ガンダムマックスター》のチボデー・クロケットや《ノーベルガンダム》のアレンビー・ビアズリー、《ガンダムローズ》のジョルジュ・ド・サンド、ライジングガンダムのレインたちシャッフル同盟とその関係者を中心にZEXISに攻撃を仕掛けてきたために青葉とディオの援護に迎えないでいた。

 

『くそっ!雛ぁ!!』

 

『落ち着け青葉!!』

 

雛が洗脳されて無理やり戦わされていると聞いて頭に血が上ってしまった青葉はルクシオンネクストを飛ばし、カルラに向けてネクターブレードで斬りかかろうとするのをディオは止めようとするがそれを妨害するようにネルガルのネクターバレットバズーカのネクター弾が放たれ、それに既の所で気づいた青葉はルクシオンネクストのシールドで防ぐが一部溶解してしまった。

 

『渡瀬青葉っ!!貴様という存在をこれ以上許しておけない!!今日こそは俺とヒナが、貴様を殺す!!』

 

『ふざけんなっ!!ヒナの意思を無理やり捻じ曲げて操ってる奴が何言ってやがる!!』

 

両手に一丁ずつ持ったネクターバレットバズーカによるネクター弾と榴弾をショットガンのように広範囲に乱射するネルガルに対してルクシオンネクストはネクターバレットライフルとネクターブレードで撃ち落とし捌きながらネルガルに接近するとネルガルにネクターブレードを袈裟懸けに斬りかかるが、ビゾンはネルガルの《ネクターランス》で防ぎ2機の間に激しい火花が散る鍔迫り合いを繰り広げる。

 

『ヒナを守るのは俺だ!!貴様如き蛆虫がヒナに近寄るなど許されないんだよっ!!貴様も他の連中のようにこのコンスタンティンの大地に沈めっ!!』

 

『冗談じゃないぞ!!こんな所で死んでたまるかよ!!』

 

狂気と憎悪に満ちた顔でビゾンはネルガルのコックピットの中から青葉とルクシオンネクストを睨み、両腕のネクターバレットバズーカをゼロ距離で砲撃しようとするがその寸前にルクシオンネクストはネクターブレードを振り下ろして砲身の位置をずらすことに成功し直撃は避けられたがその余波で体勢を崩したルクシオンネクストに対してネルガルはルクシオンネクストの胴体を蹴り飛ばしてシュナイゼル軍のカールレオン級に叩きつける。そしてその隙をつくかのように急降下してきたカルラがその手に握るネクターバレットライフルの大鎌を振り下ろしルクシオンネクストを切り裂こうとするもカルラの接近に気づいた青葉はすぐに距離をとって斬撃をかわし、カルラの大鎌はカールレオン級の動力部を斬り裂いたことでカールレオン級は墜落していくがカルラはそれを無視してルクシオンネクストに対してネクター弾を連射する。

 

『ゾギリアの敵・・・排除・・・』

 

『やめてくれ雛!!』

 

感情の籠っていない呟きを零しながらルクシオンネクストに対してネクターバレットライフルの大鎌を振るって来るカルラに対してネクターブレードで防ぎながら青葉はヒナを止めるために必死に声を上げるが、ヒナは容赦なく機械的に青葉の命を狩るためにネクターバレットライフルの大鎌はルクシオンネクストの装甲を削り、カルラの攻撃に合わせてネルガルも襲ってくるため青葉は徐々に追い詰められていた。

 

『死ねぇっ!!渡瀬青葉ァ!!』

 

『させるかっ!!』

 

ビゾンの叫びと共にネルガルのネクターランスがルクシオンネクストの胴体に向けて突き出されるが、その槍先が刺さる寸前にブラディオンネクストが割って入りネクターランスをネクターブレードで弾き、その胴体を蹴り飛ばしながらルクシオンネクストと共にカルラとネルガルから距離を取った。

 

『すまねぇディオ・・・』

 

『礼はいい。それよりも青葉、分かっているな』

 

ディオは青葉に確認するように訪ねながらもその視線はカルラとネルガルから逸らさないでいた。

 

『手を貸してくれるのか、ディオ?』

 

『そのつもりだ』

 

『でも、相手はカップリング機で、他にもルルーシュとシュナイゼルたちの機体が入り乱れてて・・・』

 

『なんだ? 今更尻込みするのか?自信がなくなったのなら引っ込んでろ!!』

 

『何っ!?』

 

ディオの冷たい一喝に青葉は気色ばんだが、ディオはそんな暇も与えないかのように冷たく厳しい声で言った。

 

『頭を冷やしてよく考えてみろ。あんな無理矢理のカップリングに俺たちが負けると思うか?』

 

『っ!・・・負けねえ!!』

 

青葉は、ルクシオンネクストの操縦桿をグッと握りしめた。

 

『だったら決まりだ。そしてこの機を逃がしたら、もう雛を取り戻せるチャンスはないと思え。お前の持ち前の意地と根性を使ってでも必ず成功させてみせろ。いいな!?』

 

『ああ・・・!よっしゃっ!!』

 

ディオの檄を受けて、青葉は気合を入れ直すように自分の両の頬をパンッと勢いよく自分の手で張った。

 

「・・・彼らの覚悟も決まったようだね。まさにここが正念場というものだ」

 

シグナスの艦橋にて倉光源吾が、ディオと青葉の覚悟に安堵したように言ってから、エルヴィラがディオと青葉たちにこう呼びかけた。

 

「わかってると思うけど敵はカルラとネルガルだけじゃないわ!他の敵機に注意しながら、カルラとネルガルを連携させないように心がけて!!」

 

大切な存在を助け出すために、青葉はバディであるディオと協力してカルラとネルガルに戦いを挑むのだった。

 

 

 

 

『ラ・カァァァン!!』

 

『ゲオルグかっ!!』

 

バイオゾイドとゾイドたちの残骸が至る所に転がっている中、通常のバイオトリケラより一回り以上巨大な《バイオギガトリケラ》を操るディガルド四天王が1人、ゲオルグは因縁の相手である《ソードウルフクラッシャー》とラ・カンに対して怨嗟の声を上げるとその巨体を揺らしながらソードウルフクラッシャーに向けて突進し二本の巨大な角《ヘルツインホーン》で貫きにかかるのをソードウルフクラッシャーは軽々とバイオギガトリケラを飛び越えその背中に腹部の《208mm2連装ショックカノン》からメタルZiの弾が放たれるが、バイオギガトリケラの頭部の盾である《フレアシールド》の側面の角から周囲を覆うように《電磁バリア》を発生したことで、メタルZiの弾はバリアに弾かれる。

 

『まったく、本当に厄介な相手だよっ!!』

 

『同意だな』

 

ロン・マンガンの《バンブリアングランド》とセイジュウロウの《ソウルタイガーブースト》もまたそれぞれの部隊のゾイドたちと協力してバイオギガトリケラに攻撃を仕掛けるが電磁バリアの前に尽く防がれていた。

 

『神の威光を理解せぬ愚者共がっ!!我が前にひれ伏せぇ!!』

 

ゲオルグは狂信者のように狂った叫び声を上げながらバイオギガトリケラは大地を揺らしながらメタルZiの弾を放つ目の前のセイバータイガーとコマンドウルフの胴体をヘルツインホーンで貫き、背後から襲いかかって来るバイオメガラプトルに対してヘルアーマーで覆われた尻尾で薙ぎ払う。ルルーシュの策によってその数を大きく減らしたはずのディガルド軍のバイオゾイドたちだが、ディグから無尽蔵に出撃するバイオゾイドたちは最初の戦闘で失った数以上のバイオゾイドたちがラ・カンたちジーン討伐軍のゾイドたちを中心に巨大な津波が如く勢いで大地を埋め尽くさんばかりに襲いかかり、その勢いによってジーン討伐軍のゾイドとバイオゾイドたちは次々と破壊され大地にその骸を転がしていた。

 

『くっ!どうすればあのバリアを突破できるんだっ!?』

 

《ムラサメライガー》がエヴォルトし《ムゲンライガー》となったコックピットの中でルージ・ファミロンはバイオギガトリケラの強固すぎる電磁バリアを突破できないことに歯噛みしていた。それは同じようにバイオギガトリケラに攻撃を仕掛けているガラガの《デッドリーコング》、レ・ミィの《ランスタッグブレイク》、ソウタの《ランスタッグ》コトナ・エレガンスの《レインボージャークウインド》、ザイリン・ド・ザルツの《バイオヴォルケーノ》を中心に攻撃を仕掛けるがバイオギガトリケラの電磁バリアの前に誰もが為す術がないと思ったその時だった。

 

『────ようやく見つけたぞ。ゲオルグっ!!』

 

怨嗟の籠った憤怒の声が響くのと同時に空気を揺らすほど凄まじい轟音が聞こえ、バイオギガトリケラの電磁バリアに砲撃が当たりその威力によってバイオギガトリケラは数メートルほど地面を削りながら後退させられてしまった。ルージたちが砲撃の放たれた方角を見るとそこにはバイオギガトリケラの数倍はあろう巨大なスピノサウルス種のゾイド《ジェノスピノ》が両脚部の側面に装備している巨大なロングキャノン砲《A-Zロングキャノン》の砲身の先から煙を上げていた。

 

『貴様はヴォルフ!!生きていたかっ!?』

 

『あぁ生きていたさ。貴様らディガルドを滅ぼすために俺はここにいる!!』

 

ヴォルフの声に答えるようにジェノスピノはZ-Oバイザーで覆われた瞳を赤く輝かせ咆哮を上げた。その咆哮を聞いたゾイドとバイオゾイドたちの半数近くがジェノスピノを恐れ後ずさる。そしてジェノスピノは一直線にバイオギガトリケラに駆け出した。無論、それを黙って見すごすなど有り得ずバイオラプター、バイオメガラプトル、サザーランド、グロースター、暁、無頼改、ビルゴIII、ザムザザーなどディガルド軍やシュナゼル軍の機体がジェノスピノに対して襲いかかるが、その攻撃はジェノスピノの装甲を傷つけることも出来ずジェノスピノの巨体にぶつかり弾き飛ばされるかあるいは踏み潰されていく。

 

『ゲオルグゥゥゥ!!』

 

『ヴォルフゥゥゥ!!』

 

ゲオルグとヴォルフは互いに憎悪を籠った声を叫びながらバイオギガトリケラとジェノスピノは互いにその巨体をぶつけ合わせる。一瞬拮抗したかと思えたがジェノスピノはバイオギガトリケラのヘルツインホーンを噛み、顎の力だけで持ち上げるとそのまま勢いよく地面に叩きつける。その衝撃によってバイオギガトリケラの装甲の一部がヒビ割れ、ヘルツインホーンの右角も歪んで横に倒された。追撃を仕掛けるようにジェノスピノはバイオギガトリケラを踏みつけようとした瞬間、バイオギガトリケラは電磁バリアを張ることに成功しその攻撃を防ぐ。

 

『無駄だ!!神が私に与えて下さったこの力の前では、貴様ら蛆虫の攻撃など恐るるに足らず!!』

 

ゲオルグはジーンから与えられた電磁バリアに対して絶対的な自信を持ちながらヴォルフにそう吠えるが、ヴォルフはそれに対して猛獣のように目を鋭く細め、口角を上げその鋭い犬歯を覗かせるとジェノスピノの力を解放させた。

 

『ジェノスピノ、進化解放!!エヴォブラストー!!』

 

エヴォブラストを発動したジェノスピノの半円を描く背鰭として背中に収まっていた《ジェノソーザー》が展開し、回転ノコギリ状に形状を変化した。唸りを上げて回転を始めるジェノソーザーは勢いよく電磁バリアが張られたバイオギガトリケラに向けて振り下ろされた。

 

殲滅破壊(ジェノサイドクラッシャー)ァァァ!!』

 

ヴォルフの雄叫びに合わせるようにジェノスピノもまた咆哮を上げながらジェノソーザーの勢いを強める。それは電磁バリアをまるで熱したナイフでバターを切るかのようにジェノソーザーは電磁バリアを容易く切り裂き、そのままバイオギガトリケラのヘルアーマーに深々とめり込み、金属の削るような音を響かせながら胴体を真っ二つに切り裂かんとしていた。

 

『ば、馬鹿な!?神が与えてくださった力が!?我がバイオギガトリケラが!?』

 

ゲオルグはまるで悪夢を見せられているかのような気持ちで現実を認められないとばかりに動揺していた。コックピットの中でアラートなどが鳴り響き破損した計器の破片が飛び散ったり蒸気が噴く中でもヴォルフから告げられた最後の言葉はしっかりと聞こえた。

 

『じゃあなゲオルグ。後で貴様の所の神気取りのクズもそっちに送っといてやるからゆっくりと待っていな』

 

『ヴォルフ!!貴様ァァァ!!』

 

ゲオルグはヴォルフに対して怨嗟の声をあげながらもヴォルフを討とうとバイオギガトリケラを動かそうとしたが、ゲオルグがバイオギガトリケラを動かそうとしたのと同時にその胴体を真っ二つに切り裂かれ、ゲオルグは爆散したバイオギガトリケラの炎の中に飲み込まれた。

 

『そ、そんな・・・あのゲオルグをああも簡単に・・・』

 

ルージは何度も自分たちを苦しめた相手であるゲオルグがまるで赤子の手をひねるかのように容易く倒してしまったヴォルフに対して恐れを感じるのと同時に[[rb:運命の騎士>ナイトオブフォーチュン]]の力の一端を見て驚愕した。

しかしそんなことを思うのも束の間、バイオギガトリケラの頭部を踏み砕きながらジェノスピノは次のターゲットを見つけたと言わんばかりに唸り声をあげるとA-Zロングキャノンの砲身を動かす。

─────その砲身の先にはバイオヴォルケーノとランスタッグがいた。

 

『────っ!?危ない!!』

 

いち早く気がついたルージはムゲンライガーから《ハヤテライガー》へとエヴォルトさせて一気に加速してその勢いとハヤテライガーの全体重を乗せた体当たりをジェノスピノの右足にぶつける。それによって砲身の向きを僅かにずらす事は出来、放たれた砲弾をルージの声で気づいたザイリンとソウタはギリギリ避けられたが彼らの周りにいたジーン討伐軍のゾイドは避けられずバイオメガラプトルとランスタッグたちの胴体を抉り、さらに着弾した場所はクレーターのように地面が抉れ、その周囲には装甲を砕かれたか足や頭部などを失ったゾイドたちの骸が転がっていた。

 

『ちっ!邪魔をするな!!』

 

ヴォルフは苛立ちを隠さず舌打ちをしながら足元にいるハヤテライガーを右足で蹴り飛ばすとハヤテライガーはサッカーボールのように勢いよく地面を数回バウンドしながら破壊されたギアナ級地上戦艦に叩きつけられる。

 

『『ルージ!!』』

 

『てめぇ、やりやがったな!!』

 

コトナとミィがルージを心配するように悲痛な声を上げながら倒れたハヤテライガーに向けてレインボージャークウインドとランスタッグブレイクを飛ばす中、仲間をやられて頭に血が上ったガラガはジェノスピノに向けてデッドリーコングを走らせると背中に背負っている棺桶のような箱《ヘルズボックス》からメタルZi製の武器である大鎌とメイスを取り出しさらにヘルズボックスから2本のメタルZi製のサブアームを展開させ飛びかかる。さらにそれに続くようにセイジュロウのソウルタイガーブーストも残像を残すほどの速度でジグザグに動きながら背後からジェノスピノに飛びかかる。どちらの攻撃も当たれば並大抵の敵ならば倒せる攻撃だ。しかし彼らの前に立ち塞がるのは数多に存在するゾイドたちの中でも最上位に君臨する力を持ったジェノスピノ。

 

『その程度の力で、ジェノスピノが止めらるかっ!!』

 

ジェノスピノは背後から飛びかかってきたソウルタイガーブーストをその巨大な尻尾で薙ぎ払い、デッドリーコングに対しては大鎌とメイスをその頑強な装甲で受け止めそのままデッドリーコングの胴体に頭部をぶつけ空に向けて弾き飛ばした。エースであるゾイド乗りの3人が瞬く間に倒される姿を見てジーン討伐軍のゾイド乗りはその事実に動揺を隠しきれないでいた。しかし機械兵が操作するディガルド軍のバイオゾイドたちに恐れなどという感情を持たず、群がる蟻のようにジェノスピノに襲いかかる。

 

『邪魔だ、雑魚共がっ!!』

 

ジェノスピノは迫り来るバイオラプターやバイオメガラプトルたちに対して口腔内の《A-Z高熱火炎放射器》から5000℃の火炎を薙ぎ払うように首を横に振って放ち、、火炎に包まれたバイオラプターやバイオメガラプトルたちのヘルアーマーごとその体を飴のように溶かし、炎をかわしたバイオスピノとバイオケントロたちをジェノソーザーで両断あるいはA-Zロングキャノンやジェノソーザーに備え付けられた《ソーザーバルカン》、頭部のキャノン砲で撃ち抜く。

ヴォルフの怒りに応えるようにその[[rb:暴力>ちから]]を存分に振るう灼熱の破壊龍は殺戮を楽しむかのように咆哮を上げるのだった。

ディガルド軍とジーン討伐軍のゾイドたちは互いの敵に攻撃をしつつも、この中で最も脅威な存在であるジェノスピノに攻撃を集中させているのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

『どうした、その程度で終わりか藤堂鏡志朗!!』

 

『くっ!?』

 

ペルセウスが振るう鎌型MVS《ハルパー》を斬月の制動刃吶喊衝角刀で受け止めるが、一瞬拮抗したかと思えばペルセウスは腰部に搭載されている《コアルミナスソード》を展開し斬月の胴体に突き刺そうとするが、既のところで輻射波動障壁を展開し防御すると斬月はペルセウスから距離をとる。

無傷のペルセウスに対して斬月は左腕と左翼の飛翔滑走翼を斬り落とされ、機体の装甲の至る所に罅が入っており関節部からは火花が散っていた。

藤堂はもちろん、斬月は強かった。ブラックリベリオン後、ラクシャータが新たに彼の専用機として開発した高性能のワンオフ機体であり、主武装である対ナイトメア戦闘用大型刀《制動刃吶喊衝角刀》による剣技はもちろん、その機体の特徴のひとつとなっている赤い鬣のようになっている防御兵装《衝撃拡散自在繊維》と輻射障壁を用いた、藤堂本人の技倆を活かした格闘戦は、《第七席(ナイトオブセブン)》の枢木スザクのかつての愛機である《ランスロット・コンクエスター》も含めたラウンズ専用機とも互角に渡り合えるほど申し分のないものだった。

しかし対するマリオのペルセウスは、ロイド・アスプルンドとセシル・クルーミーというブリタニアのトップクラスのナイトメア技術者2人が『人間が乗る』という機動兵器の大前提を完全に無視して趣味で高度のハイスペックを追求し、あらゆる最新技術を詰め込んで造り上げた第九世代KMF《紅蓮聖天八極式》と《ランスロット・アルビオン》といった超高性能機(ハイエンドクラスモデル)のデータを元にフリーでありながらロイドやセシル、ラクシャータ・チャウラーと同等の技術を持つナイトメア技術者であるルキナ・ヘファイストスが様々な機動兵器たちのデータを合わせた結果、紅蓮聖天八極式とランスロット・アルビオンに並ぶ第九世代KMFとして完成させられたのがマリオとマーヤの乗るペルセウスとアキレウスだ。

ペルセウスはランスロット・アルビオンを上回る機動力と運動性能を発揮した上で、攻撃と防御にも使えるエナジーウイングと、ギャラハッドのエクスカリバーと同等の力を持つハルパーと腰部と両肩部に搭載されたコアルミナスソードによる近接戦闘、実弾とハドロン砲を使い分けるライフル《レーヴァテイン》による遠距離戦闘など、スーパーロボットを相手にしても十分な火力を保持していると言っても過言では無いほどの火力を見せつけてきた。

そんなナイトメアの最高峰の一機に入るペルセウスの前に、藤堂の斬月は部下たちと連携をしながら奮戦するもその圧倒的な力の前に旗色が悪くなり始め、それを援護しようとマーヤたちによって機体を損傷し新たな機体に乗り換えた朝比奈と千葉、彼らに足止めを食らわされているアキトたちW-Zero部隊のアレクサンダたちも中々近づけず、その他黒の騎士団団員、無人機であるブレイディフォックス部隊、ヴァリアンサー部隊も次々と倒されていく。

 

『ZEXISやゼロ(ルルーシュ)がいなくても・・・俺たち黒の騎士団は負けねぇんだよ!!』

 

『ついこの間までゼロを旗にしていた癖に随分と都合のいいことだな!!』

 

ペルセウスの黒紫のエナジーウイングから放たれる紫水晶の光弾による激しい豪雨を避けながら玉城真一郎はフル装備の暁による腕のハンドガン、バズーカ、グレネードランチャーをペルセウスに向けて一斉掃射しながら叫ぶのをマリオはハルパーで迫り来る実弾を切り裂きながら玉城の暁に近づくとその頭部を掴み、近くにいた杉山賢人の暁に向かって投げ飛ばしながら吠える。

 

『ルルーシュがいなければ何も出来ない役立たず共が!その命、ここで散らせ!!』

 

マリオはレーヴァテインによるハドロンショットと実弾による斉射で黒の騎士団団員たちの無頼、無頼改、暁たちを撃ち落としながらハルパーで鹵獲機であるジンクスの胴体を斬り裂く。

 

『マリオ!!』

 

『この野郎!!』

 

仲間がやられたことに怒りを隠さず肆番隊隊長黒森愛華と拾番隊隊長荒井正和の暁の発展機である《鳴月》がペルセウスに対して廻転刃刀を握りながら襲いかかってくるが、その刃が届くよりも先にハルパーから放たれた斬撃波によって為す術なくコックピットごと両断され、爆散してしまった。

 

『黒森隊長─っ!?』

 

『このクソッタレがぁ!!』

 

『うわぁぁぁ!!隊長たちの仇だぁぁぁ!!』

 

仲間が次々とマリオによって殺されていくのを見て錯乱した団員たちが怒りで我を失いながらもマリオに突撃を仕掛けるも冷静さを失った連中に遅れをとる訳もなく無慈悲にその命を奪っていく。

 

『チィっ!?このままじゃ黒の騎士団の連中が全滅しちまうぜ!!』

 

『分かっています!!ですがっ・・・!!』

 

舌打ちをしながらアシュレイ・アシュレイが《アレクサンダ・レッドオーガ》のヒートソードでシュナイゼル軍のユーグリットの胴体を突き刺しながら《アレクサンダ・ドローン》を操るレイラ・マルカルに対して声をかけるが、レイラも接近してくるブレイディフォックスに対して《アレクサンダ・Type-02》リニアアサルトライフル《ジャッジメント》で迎撃しながら必死に頭を悩ませていた。

 

『って言っても向こうの心配なんてしてる余裕なんかないけどねっ・・・!!』

 

『コイツら、ユーロ・ブリタニアの連中より強い・・・っ!!』

 

成瀬ユキヤと香坂アヤノの《アレクサンダ・ヴァリアント》が向かってくるグロースター・グリンダとサザーランド・グリンダたちに対して折り畳み機構を備える大型電磁加速砲《リニアレールカノン》と対ナイトメア戦闘用可変ソード《オーガス・ロングレイ》で迎撃をするが、敵の強さの前に苦戦を強いられていた。そしてレイラたちが黒の騎士団の援護に迎えないのは日向アキトと佐山リョウが相手をしている存在もあるためでもあった。

 

『どうした?もっと本気でかかってきたらどうだ』

 

『野郎っ・・・!!』

 

『この男、強いっ・・・!!』

 

オダ・ノブナガの操る白のカラーリングの鎧武者の姿をした大型イクサヨロイ《ザ・フール》が大太刀を振るう度にリョウの《アレクサンダ・ヴァリアント》とアキトの《アレクサンダ・リベルテ》に落雷が振り下ろされるのをアキトたちはインセクトモードに変形してかわしながらジャッジメントでザ・フールに攻撃を仕掛けるが、ジャンヌ・カグヤ・ダルクの水色の大型イクサヨロイ《オルレアン》が展開する旗を思わせる《聖なる光のベール》によって防がれる。

 

『ノブナガの邪魔はさせないわよ!!』

 

ジャンヌはオルレアンの槍をリョウのアレクサンダ・ヴァリアントに向けて突き出すが、リョウはアレクサンダ・ヴァリアントをインセクトモードからナイトメアモードに変更させ、その手に両刃の斧《対ナイトメア戦闘用可変アックス》を装備し槍を弾くとそのままオルレアンに可変アックスを振り下ろすがオルレアンも槍で防ぎながらアレクサンダ・ヴァリアントにたいして反撃を仕掛ける。そしてアキトのアレクサンダ・リベルテもまたザ・フールに対して折り畳み式格闘兵装である刀で斬りかかるのをザ・フールは大太刀で受け止め、互いにそのまま機体が傷つくのもお構い無しに刀と大太刀による斬り合いを始める。

 

『くっ!?』

 

『いいぞ、もっと見せてみろ!!貴様の力を!!』

 

ザ・フールの大太刀を刀と左腕のブレイズルミナスで受け流しつつジャッジメントで反撃を仕掛けるがザ・フールは大太刀で迫る弾丸を切り伏せながら雷をアレクサンダ・リベルテに向けて降り注ぐ。藤堂たちがマリオたちによって追い詰められている同時刻。扇たちは藤堂たち以上に追い詰められていた。

 

『死ね!死ね!死ねぇぇぇ!!』

 

マーヤは狂ったように増加装甲をパージさせたアキレウスのグングニルで斑鳩の護衛艦であるカールレオン級戦艦の動力部を貫き撃墜させると、そのまま護衛部隊の暁、無頼改たちに襲いかかる。アキレウスの通った場所は破壊された黒の騎士団の戦艦や機体たちの残骸が蔓延り、仲間を次々と無慈悲に殺していくマーヤとペルセウスの姿を見て団員たちの間に恐怖が伝染し動きが鈍り中には逃走を図ろうとした者もいたが、背を向けた瞬間ペルセウスの凶槍に貫かれ絶命していくため団員たちは助かるためにマーヤを殺そうと一心不乱に攻撃を仕掛けるもそれは命を刈り取られるのを少しでも伸ばすだけの延命行為でしか無かった。

 

『マーヤさん・・・っ!!』

 

『躊躇うなっ!!一瞬でも気を抜けば死ぬのは俺たちだぞ!!』

 

『だけどこのままじゃ・・・っ!!』

 

絶え間なく襲い来るブレイディフォックスの攻撃をかわしつつ迎撃をしているのはパラメイルやカタクラフトなどと同じく別世界の技術で造り上げられた機動兵器《AMAIM》。その中でも特殊な機体である自律思考型AI《I-LeS》を搭載した3機の《MAILes》。白と赤のカラーリングに剣戟特化の高機動機《ケンブ斬》、青のカラーリングに銃撃特化の重武装機《ジョウガン改》、黄色のカラーリングに大型の《リアスカートウイングユニット》を装備した滑空能力を持った《レイキ改》にはそれぞれ専用のI-LeSである赤い狛犬型のアバター《ガイ》、白い狐型のアバター《ケイ》、青い鹿型のアバター《ナユタ》がケンブ斬たちのパイロットである椎葉アモウ、鉄塚ガシン、紫々部シオンたちのサポートを行いつつ無人型AMAIMの戦車砲塔のような胴体に四肢をもつ無骨な外観で、頭部ユニットは胴体最前部に突き出た《ソボーテジアマン》、人型に近いスマートな形状が特徴的な真紅の《ニュウレン》、人型から離れた二足歩行で逆関節の独特な脚部形状とサブアームが特徴的な《バンイップ・ブーメラン》たちを操り善戦するも無人型AMAIMの性能差によってソボーテジアマンたちの損耗は激しかった。

 

『ちくしょう!!このままじゃこっちの機体が先に尽きちまう!?』

 

『やはりゴーストを元にしたAIを搭載しているだけにこちらの機体が数歩劣るっ!!』

 

ガイとケイは無人型AMAIMを操作しながらブレイディフォックスを破壊するもそれ以上の数を破壊されるためその差は一向に広がるばかりだった。それが分かるだけにアモウたちの間にも動揺と焦りが強くなっていた。

そしてそんな彼らを嘲笑うかのようにアモウたちの前に恐るべき亡霊はその姿を晒すのだった。

 

『────見つけたぞ椎葉アモウ!!』

 

『なっ!?』

 

声が聞こえたのと同時にケンブ斬に斬りかかってくる黒いAMAIM───《ブレイディファントム》の両腕のクロー状のヒートブレードが付いた《マルチガントレット》をケンブ斬の主武装であるケンブ斬の全高程ある大型の剣《超熱振式戦闘長刀》で受け止めるが、機体とのパワーに差があるのかケンブ斬は弾き飛ばされ地面を転がる。

 

『アモウっ!?』

 

『アモウくん!!』

 

『大尉の邪魔はさせんっ!!』

 

ガシンとシオンはアモウを襲った黒いAMAIMに攻撃を仕掛けようとジョウガン改は二丁のマシンガン《40mm携行短機関砲》を、レイキ改は薙刀《超熱振式薙刀改》を構えるが2機の前にシールドを構えた有人仕様のブレイディフォックス2機に阻まれケンブ斬の援護に迎えず足止めをくらう。

 

『今の声・・・その機体に乗っているのはブラッド・ワット大尉ですか!!』

 

『そうだ』

 

ケンブ斬の体勢を立て直しながら目の前のブレイディファントムの外部モニターから聞こえた声に聞き覚えのあったアモウはパイロットの名前を叫ぶとブラッドはアモウの言葉に応えながらマルチガントレットのクローを折り畳み、その両手にソードを構えてケンブ斬に斬り掛かる。ブレイディフォックスの想定以上のスピードで繰り出される斬撃に機体の装甲に絶え間ない傷を作りながらアモウはケンブ斬の超熱振式戦闘長刀で受けとめる。

 

『野郎っ、安全装置の類を極限まで削ってその分のリソースを全部出力のリソースに注いでやがるっ!?』

 

『それじゃあ中の人はっ!?』

 

『命知らずか、ただの戦闘狂か・・・兎に角タダじゃすまねぇ』

 

ガイからブレイディファントムの出力の異常さの原因を伝えられたアモウはパイロットの安全を無視してまで力を求めるブラッドに対して戦慄していた。

 

『グハッ!?ハァ・・・ハァ・・・少し動かしただけでこの体たらくか・・・だがっ!!』

 

ブレイディファントムの殺人的な加速によって軽く血を吐いたブラッドは手の甲で口端の血を拭うと息を荒らげなら操縦桿を握る手を強め、モニター越しにケンブ斬を睨みつけながらブレイディファントムを動かす。

 

『それでも私はこの機体に乗る!!この機体で戦う!!これこそが私の求めていた力っ!!私はこの瞬間を待っていたのだ!!まさに命懸けだっ!!』

 

ブラッドは手に入れた力に陶酔するかのように思いの丈を叫びながらケンブ斬に斬り掛かる。アモウの援護をしようとレジスタンス組織《八咫烏》のメンバーである熊井ゴウケンと馬崎エイジの《ジョーハウンド》、協力者の1人であるアレクセイ・ゼレノイ少尉の《ルイツァリジアマン》、八咫烏の同盟メンバーである《アジア自由貿易協商》のニュウレン、《オセアニア連合》のバンイップ・ブーメラン、《大ユーラシア連邦》のソボーテジアマンたち無人機AMAIMを引連れて援護をしようとしたがルルーシュ軍とシュナゼル軍のモビルドール部隊たちの猛攻によって足止めをくらい援護に迎えないでいた。

それによって斑鳩の防衛戦力はさらに削られ、斑鳩の防衛戦力は黒の騎士団のナイトメア部隊と鹵獲機部隊、シュナイゼルから与えられたデストロイガンダム、グレイズアイン、アプサラスIII、バウンド・ドッグなどのモビルドールのみとなっており、その数は着実に減っていき黒の騎士団の運命は風前の灯となっていた・・・

 

 

 

『見えた!ウラノスとネッサローズ!!』

 

黒の騎士団が追い詰められていたのと同時刻。ウォーダンたち第一独立師団とノイエDCの防衛ラインを仲間たちの協力を得て突破したオルドリン・ジヴォンはランスロット・ハイグレイルのモニターにルルーシュの旗艦であるウラノスとマリーベルたち大グリンダ騎士団の母艦であるネッサローズを捉えた。ウォーダンたちの防衛ラインを突破できたのはオルドリンたちグリンダ騎士団のレオンハルト・シュタイナーのブラッドフォード・ブレイブ、ティンク・ロックハートのゼットランド・ハート、ソキア・シェルパのシェフィールド・アイ。マサキ・アンドーのサイバスター、リューネ・ゾルダークのヴァルシオーネ、ピースマークのオルフェウス・ジヴォンの烈火白炎、ズィー・ズィーベンの月下紫電、紅月カレンの紅蓮聖天八極式、デューカリオンのカタクラフト部隊である界塚伊奈帆のスレイプニールマスタング小隊の界塚ユキと網文韻子、ライエ・アリアーシュ、鞠戸孝一郎たちのアレイオン部隊、マクロス・クォーターのS.M.S小隊の早乙女アルトのVF-25メサイア、ミハエル・ブランのVF-25G、ルカ・アンジェロー二のRVF-25、オズマ・リーのVF-25S、カナリア・ベルシュタインのVB-6 ケーニッヒモンスター、ピクシー小隊のクラン・クランのクァドラン・レア。

 

『流石にルルーシュ皇帝が乗る母艦の近くだけあって守りが硬いにゃあっ!!』

 

『だけどここさえ突破すればルルーシュたちは目と鼻の先!!』

 

迫り来るサザーランド・グリンダ、ザクIII、量産型ゲシュペンストMark-IIたちをシェフィールド・アイのACOハーケン、紅蓮聖天八極式の飛燕爪牙と呂号乙型特斬刀で迎撃しながらソキアとカレンは突き進む。戦力の殆どが前線に出ているため数は全体の戦力の中でかなり絞られているが、優秀なパイロットと最新鋭の機体たちの前にカレンたちは中々ルルーシュたちの旗艦に近づけないでいるがそれでも確実にその数を減らしていた。そして半ば辺りまで突き進んだところでそれらは現れた。

 

『─────止まりなさい愚かな反乱分子たち』

 

その声が聞こえると同時に紅蓮聖天八極式たちの前に独特な翼型のフロートユニットを持った頭部に一本角が生えた銀のカラーリングの騎士風の機体《ブリュンヒルデ》が身の丈ほどある巨大な槍を構え、その背後に先端に鋭い刃の生えた4枚羽根のフロートユニットを持った双刃の槍を構えし重装甲の青いカラーリングの機体《ロスヴァイセ》と鋭利な装甲をしている巨大な大剣を構えし頭部に2本の角を生やした紫のカラーリングの機体《オルトリンデ》、騎士の甲冑を思わせる装甲に弓矢を構えし赤いカラーリングの機体《シグルドリーヴァ》、両腕にガトリングシールドを装備しリアスカートアーマーと背部にブースターを追加した《グフ・デスペラード》、漆黒のカラーリングの両腕にブレイズルミナスを装備した2振りのMVSを構えた《ヴィンセント・アビス》、アマネセールに酷似したマリンブルーのカラーリングをした蛇腹剣を装備したナイトメア《エストレージャ》が立ち並んでいた。

 

『その声はマリーカさん!?』

 

『まさかルルーシュ皇帝の下にいたとはっ・・・』

 

ブリュンヒルデの外部スピーカーから聞こえたマリーカ・ソレイシィの声を聞いてレオンハルトとティンクは思わず驚いて声を上げてしまう。

 

マリーカ・ソレイシィ。かつて一時的にグリンダ騎士団に所属しオルドリンたちと何度も共に戦場で戦ったことのある元第十席(ナイトオブテン)ルキアーノ・ブラッドリーの親衛隊グラウサム・ヴァルキュリエ隊の一員であった。彼女がオルドリンたちの敵として立ち塞がるという現実に動揺を隠せないでいた。

 

『マリーカさん!!どうしてあなたがルルーシュ皇帝の配下になっているんですか!?』

 

オルドリンはマリーカに対して思わずそう声を上げてしまう。それに対してマリーカは一瞬悲しそうに顔を歪ませたが直ぐにその表情を冷徹なものに戻すと語り始める。

 

『ルルーシュ陛下は永き戦乱によって混沌と化したこの世界を平定する力を持ったお方。腐敗しきった三大国家を、他者に判断を委ね自ら責任を取らず都合のいい結果だけを求める愚者となった民を、都合のいい言葉で自らの行いを正当化する腐った軍人を、それらを含めた愚かな者たちにルルーシュ陛下の偉大なる力を知らしめ、その力を持って世界を平和にするんです』

 

マリーカはルルーシュの力とルルーシュの目指す未来を思い出し、頬を赤らめ光悦とした表情となる。そんなマリーカの見たことの無い表情を見てオルドリンたちは息を飲む。

 

『ごちゃごちゃと五月蝿いのよ』

 

そんな中、カレンはマリーカの話しなどどうでもいいと言わんばかりに吐き捨て、紅蓮聖天八極式の呂号乙型特斬刀を構えるとブリュンヒルデに向かって飛ばし、呂号乙型特斬刀で斬り掛かる。それをブリュンヒルデは身の丈ほどある巨大な槍《アラドヴァル》で受け止めると互いに火花を散らしながら鍔迫り合いをする。

 

『私はルルーシュを止めるためにここに来ている!!その邪魔をするってんならぶっ飛ばしてやるよ!!』

 

『やれるものならやってみなさい!!陛下を裏切った薄汚い雌犬がっ!!』

 

そのままカレンとマリーカは互いに汚い言葉で罵りあいながら紅蓮聖天八極式とブリュンヒルデを動かし呂号乙型特斬刀とアラドヴァルを何度も衝突させながら戦闘を始める。そしてカレンが飛び出したのを合図にロスヴァイセたちルルーシュのもう1つの親衛隊深淵騎士団(アピスパラディン)の機体たちがオルドリンたちに襲撃を開始する。

 

『さぁ、お姉さんと踊りましょうか!!』

 

『くっ!?』

 

双刃の槍《ゲイボルグ》を回しながらロスヴァイセを操る更識刀奈はシェフィールド・アイとドッキングしたランスロット・グレイル・ワルキューレとブラッドフォード・ブレイヴに斬り掛かりながら背中の《エスパーダユニット》の刃から斬撃波を飛ばす。

 

『皇帝陛下こそがこの世界唯一の希望。それを邪魔するというのならここで朽ちなさい!!』

 

『悪いがこっちもそう簡単にやられてやれねぇんだよ!!』

 

エウルア・ゼフィロスの操るオルトリンデの黒き大剣《サンダルフォン》がサイバスターのディスカッターと切り結びながらオルトリンデは胸部の《ハイメガキャノン砲》から拡散させるようにメガ粒子砲を放つが、サイバスターはその機動力でかわす。

 

『落ちなさい!!』

 

『そう簡単にくらってたまるかよ!!』

 

シノン・へカーティアが操るシグルドリーヴァの握る強弓《アルテミス》から放たれるビームとガンダニュウム合金製の矢がVF-25メサイアたちに降り注ぐがアルトたちはそれを持ち前の機動力で回避しながら反撃する。

さらにはシャルロット・デュノアのグフ・デスペラード、スノウ・フェアウルフのヴィンセント・アビスが深淵騎士団所属のサザーランド・アビス、グロースター・アビス、ジンクスIII、ギラ・ズール、ジルスペイン、ヴァルシオーブ、量産型νガンダム、シールドライガー、ジェノザウラーなど多種多様の機体を引き連れティンクやミシェルたちに襲いかかる。

ルルーシュたちの喉元まで迫ったかと思えば麗しき深淵の戦乙女たちに阻まれその刃は未だ届くことは無かった。

 

『ふふっ、さて彼らは次にどのような手を打ってくるのでしょうね?』

 

その様子を上空から蒼き重力の魔神《グランゾン》の中でシュウ・シラカワはカレンたちの抵抗を見ながらそう呟くのであった。彼の周囲にはザーツバルムのディオスクリアと彼に付き従う元火星騎士のクーロン卿の紅のカタクラフト《ヴォルケーノ》とヒルデガルド卿の深紺のカタクラフト《ジルコニア》が同じようにその様子を伺っていた。

 

 

そしてあらゆる勢力が殺し、潰し合いをしている中で黒の騎士団以上に追い詰められ今にも沈みそうになっているのはミスルギ皇国の勢力であった。

既にエンブリヲがジュリオに与えた劣化量産型ゲッタードラゴンやジガンスパーダ、シャンブロたちモビルドールやミスルギ皇国の無人飛行兵器《ピレスロイド》、志願兵たちのナイトメア・モビルスーツ部隊たちは全滅し、ジュリオが乗る皇族専用の母艦《エンペラージュリオⅠ世》の護衛は僅かばかりの《ムラサメ》、《ダガーL》、デストロイガンダムなどの護衛機が数十機程度しか残っておらず、ルルーシュ軍の水中用ゾイドのサルコスクス種のゾイド《ガブリゲーター》やシュモクザメ型ゾイド《ハンマーヘッド》、ウロッゾ、ゼー・ズール、ゾノ、キャンサー、パイシーズ、ポートマン、ポートマンII、トリロバイト、ゲッソー、シーリオンたちの水中部隊による猛攻を受けて今にも沈没しそうになっていた。

 

「右舷第4ブロック破損!海水が浸水し始めたためシャッターを下ろします!!」

 

「第6・第8護衛部隊からの通信途絶!!」

 

「ピレスロイド残り18機!!」

 

エンペラージュリオⅠ世の艦橋にいるオペレーターたちからの残酷な報告が次々と上がる度にジュリオは開戦当時の余裕のあった表情は崩れ、敵をろくに倒せない無能な味方たちに対して顔を真っ赤に染め罵るように叫ぶのもやめ、今にも自分の乗るこのエンペラージュリオⅠ世が落とされ殺されてしまうのではないかと顔を青ざめ体を恐怖で震わせていた。

 

(あ、有り得ない・・・我々選ばれし民であるミスルギ皇国の人間が、マナも使えないノーマと同じ劣等種族に追い詰められるなどあっていいはずがない!!)

 

自分たちを優れた人種であると信じて疑わないジュリオにとってルルーシュたちマナを使えない人間たちに敗北することなど決して認めたくない事実だった。

 

『苦戦してるようだなジュリオ陛下』

 

「え、エンブリヲ様・・・」

 

艦橋のモニターからラグナメイル《ヒステリカ》に乗っているエンブリヲからの通信が来たジュリオは思わず立ち上がり縋るようにエンブリヲに声をかける。

 

「え、エンブリヲ様、私はどうすれば・・・」

 

『心配する必要は無いさ。ルルーシュを殺すための策は既に用意してあるじゃないか』

 

エンブリヲの言葉にジュリオはハッとなり、後方に待機させていたある1隻の小型艦に乗せている小娘共の存在を思い出した。

 

「し、しかしあの小僧があの小娘たちを盾にしたところで動きを止めるのでしょうか・・・?」

 

『問題ないさ。あの少女たちはルルーシュにとってのアキレス腱のような存在だ。彼女たちを使えばこの程度の危機など容易く解決できるさ』

 

エンブリヲからの話を聞くうちに徐々に青ざめた表情から一転して嬉々とした表情に変わり始めルルーシュの悲痛な顔を浮かべるのを想像しただけで笑いが混み上がりそうになるのを耐える。

 

『では頼んだよジュリオ陛下』

 

エンブリヲは最後にそう言い残すと通信を切った。黒くなったモニターを暫く見つめたあとジュリオは部下たちに指示を出し始める。その選択が、彼の死をより残虐なものにすることに気づかずに・・・




あとがき
今回色々な人達が衝突しそれぞれの相手との戦いが始まりましたが、今回は区切りがいいということでここで切らせていただきます。次回は刹那とグラハムたちの続きや他の場所での戦闘を書いてからジュリオたちの策というか人質作戦を行おうと考えています。既に誰が囚われているか予想の着いている方もいるかもしれませんが、人質はルルーシュだけじゃなくてZEXISやその協力者たちに対しても有効になり得るようかなりの人物達がいることだけはここで伝えておきます。今回も色々とオリキャラやオリジナル機体が登場しているのでそろそろ設定まとめた方が良さそうですよね・・・。それから双眸のオズを知っている方々はマリーカさんのキャラが違うことに驚いているかもしれませんがこの作品ではルルーシュに昔から絶対の忠誠を誓っているのでレオンハルトくんとのルートはありません。レオンハルトくんとマリーカさんの絡みが好きな人は申し訳ありません。
それでは次回の更新はもう少し早くなるように頑張りたいと思います。

ルルーシュの未来はどちらがいい?

  • 原作通り悪逆皇帝
  • オリジナルとして賢帝
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