術式が『ホワイトグリント』ってマ? 作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ
今年から受験生だぜぇぇーーーー!!
素直に嫌じゃ
人生、生きるのに必要なのはほんのちょっぴりの実力と金だ。
前世じゃそう思っていた。ガキの頃からニュースには興味があったから、その分人一倍政治家の汚職なんかの報道を見てきた。
俺は面倒が嫌いだ。動かずに飯が出てくるならそれで良いし、働かずにカネが転がり込んでくれるならそれ以上に嬉しいことはそうそうない。だから、俺は大人になって、どこか会社に就職してもそうやって媚びを売って、カネで己の人生の幸福を満たすんだと思っていた。
まさか、高校二年で死ぬとは微塵も思っちゃいなかった。
そして、転生だなんて都合の良いものが実在するとも思っちゃあいなかった。転生した時の俺の転生先での体は6歳。どうにも今までこの体で暮らしてたガキがいたようだった。俺は『俺』だから、今まで通り『俺』として暮らしてた。転生先の両親は突然雰囲気やらが変わった俺に戸惑っちゃいたけど、それでも無償の愛をくれた。
法律という規範が無くともわかる、誰から見てもわかる善人だった。
だから死んだ。
死因は交通事故。よくある事故だ。でもあれはただの事故じゃない。―――葬式の時、両親の棺桶には気色悪い何かがいた。どうにも他の連中には見えていなさそうだった。そこで初めて俺はここが『呪術廻戦』の世界なんだ、そう気付いた。
それから9年。
俺は今17歳。来年には高3で大学受験が控えている。重要な時期、ではあった。周りの同級生も迫りくる受験に備えるためにより一層勉強に力を入れ始めてた。
一方の俺はと言うと、拝み屋のような小遣い稼ぎをしてる(勿論、術式を使っての呪霊払いである)。思いっきし呪術を使っているが、それでも中々原作のキャラクターからの接触はなかった。別に、あんな面倒くさいことに巻き込まれないならそれで良いのだが。
一番は、このまま平穏に終わること。俺はそれを願ってる。
残念ながら、その願いは打ち砕けるのだが。
「君―――これ見えるよね?」そう言って後ろで手を握り、開きまた握っていたのはあの
「?誰ですか?」
「惚けないでいいよー。もう割れてるからね」
割れている、と言ったのか。信憑性は高い。あちらに六眼がある以上、これ以上惚けても仕方がない。
「…ふー、そうですか。それで、何の用です?」
「んーとね、君に転校してもらいたいんだー。呪術師なら、少なくとも君が今してる拝み屋まがいの小遣い稼ぎよりよっぽど稼げるよー」
「…有難い話ですが、お断りさせていただきますよ」
「何でか、理由を聞いても?」
「わざわざ命の危険と隣り合わせの職業をするより、此方の小遣い稼ぎの方がよっぽど良い」
「えー?良いじゃん来てよー」
引き下がらないな、こいつ。それだけ俺をスカウトしたいんだろうが、そんなのは御免だ。
「…来ないなら、引きずってでも連れて行かせてもらうよ?」
「出来るものなら、どうぞ」
刹那、五条の目の前の男の体が青白く光り爆ぜた。爆発により生じた煙が消えた頃にはもうそこには居ない。代わりに、空には白い何かが飛んでいた。
どうしても逃がしたくない。その思いを胸に、五条は正の呪力を右の人差し指に集める。
すると、小さな赤色の球が出てきた。五条はそれを白い点に向け放つ。
イカレ野郎め。時速2000kmの飛行物体に攻撃を当てるなんて、正気の沙汰じゃない。もっと距離を離す必要がある。
だがその思いとは裏腹に、眼前に表示されたタブにはVOBの損傷が拡大していることが書かれていた。
冬の夜空でプラズマの花火になるのか、それとも速度を落として鬼ごっこを始めるか。二択に一つだ。
がこがこと音を立ててVOBが背部から外され、空中分解を始める。それを背に、OBを起動しようとしたところで、上から蹴落とされ墜落した。
矢張りイカレている。こっちはPAを展開していたのに、奴の攻撃一発で全て剝がされた。そして今度はPAの再展開を待たずして、蹴落とされた。まるで人間をやめている様だ。
「で、どう?考えは変わった?」
「…いくつかの条件は吞んでもらう。まず、貴方からの頼み事は全て『仕事』と認識させてもらう。従って、そのたびに金銭を要求させてもらう。これは外せない。…どうだ?無理だろ―――」
「あ、いいよー。代わりに、こっちも一つ提示させてもらうね。君に仕事と金銭を渡す代わりに、君は僕にある程度従う事!まぁ要は僕サイドについてほしい訳」
マジかコイツ。だが今ここでやりあっても勝てる見込みは無い。なら、話を素直に聞く方が良い。
それが例えコイツ陣営に引きずり込まれても。