術式が『ホワイトグリント』ってマ? 作:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ
「転校させていただくことになりました」
そう切り出した時のクラスメイト達の反応は様々だった。驚く者や、どうでも良さそうな顔をする者もいる。果てには「こんな奴いたっけ?」と他のクラスメートと話始める者
も。
陰キャ、とよく呼ばれていた。だが別に誰かの取り巻きになったり、同級生から人気を得ようとしたわけじゃない。小遣い稼ぎの事を考えれば独りでいる方が何かと都合がいいのだ。寂しいか、と問われれば別に寂しくはなかった。そもそも両親は既に他界しているし、今の自分は一人暮らしである。だが一部の生徒―――特に女子生徒数名―――からは名残惜しそうな目で見られた。うち数名には見覚えがあった。この高校二年間で告白してきた奴らだ。全員フッても負けじとばかりに告白を繰り返してくるうざったらしい女、というのが第一印象だった。予想通り、今日一日中そいつらに囲まれた。
―――ハーレムなんて嫌だ。
前世じゃむしろハーレムを望んでいた身ではあるが、いざハーレムが出来たとなるとこれが面倒くさい。誰か一人に相手すれば嫉妬されるし、かと言って全員の相手なんてできやしない。この転校でハーレムが消えるならそれはそれで良かった。
「あれーどうしたの?君、なんか表情落ち込んでない?」
「別に。面倒なことになったと思っただけです」
今俺は車の中に居る。どこかの誰かさんに仕事を押し付けられて胃を痛めていそうな運転手―――伊地知さん運転の下、呪術高専に引っ越すのだ。引っ越す、と言ってももう荷物は渡してあるので、後は俺自身が行くのみであった。
「そろそろさー、君の術式の事、教えてくれてもいいんじゃない?」
「嫌です。どうしてもというのなら追加でカネをもらいますが?そもそも、私が今貴方側についているのは貴方から支払われるカネと、貴方側につくことで得ることのできるバフがあるからです。そのどちらか一つ欠けるだけでも私は別の陣営につく。そのことをお忘れなく」
「手厳しーい。もっとフレンドリーに行こうよー」と、五条が笑いながら語り掛けてくる。それを横目に車窓から外の景色を眺める。もう山道?―――のような道に入っているようで、時折がたがたと車が揺れる。だがこれが妙に心地いい。そしていよいよお目当ての呪術高専に到着した。
「君は何のために
「…入学試験か何か、ですか?」
「質問に答えるんだ」
「―――包み隠さずすべて言わせていただきますが、カネのためです」
「では、何故そのために戦う?」
「…私は善人ではない。故に、私は人を助けるという私にとって厄介で不利益な行為はしない。私は私のために生きる。そのためならある程度のリスクを犯すし、人だって殺す」
「…その確固たる意志を、どうか人助けに転換してほしいものだな―――合格だ。私は夜蛾正道。君は?」
「