テンプレオリ主VS勝手に恨まれた可哀そうな馬VSダークライ   作:ハロルド作並

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長い長いといわれた一話目。
確かに長いわ。


一話目は最後だけ読んでもええんだよ?

 私は馬だ。それも世界一の名馬である。

 何故私が世界一の名馬と言い切れるのというと、かつてイギリスに君臨していたサラブレットの王セントサイモン。何を隠そう私の前世だ。セントサイモンの生まれわかりの私は世界一なのは当然の事である。私の世話をする下僕どもは、私という至高の存在の世話を出来ることに泣いて感謝するべきだ。だというのに、下僕どもは私を他の塵芥の仔馬と同じような扱いをするのだ。極刑ものである。

 

 しかしながら、私はまだ生まれて四ヵ月程だ。よもや私がサラブレットの神だとは下僕どもも気づきまい。ここはイギリス領よりも広い私の心で許してやろうではないか。泣いて喜べ。下僕どもよ。前世の私ならば嚙み殺してやるとこなのに、私も丸くなったものだ。と、私は今世のママンの至高のミルクを飲みながら思いにふける。

 

 

 

「ぶるるるぅ」

 

 

 あ、ママン。まって。まだまだミルクのみたいよぉ。もっとのみたいからのませてよぉぉ。あれ?そういえば、ぼくの最強を証明するためにたおすべき馬がいたような気がするけど…ま、どうでもいっか!ミルクおいちぃ。

 

 

 ママンのミルクしか勝たん!はっきりわかんだね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その1ヶ月後、私とママンの仲は鬼畜どもの手により、引き離されるのであった。

 ママンはどこにいったぁぁぁぁぁ!この畜生どもがぁぁぁぁ!!私のミルクをかえせぇぇぇっぇぇぇぇぇ!!!!

 

 馬房の中で暴れまわっても、ママンは戻ってこない。私は今生での最も大事なものを失ったのか。ミルク。ああミルク。あなたは何故ミルクなの?一句読み上げてから馬房の壁を蹴る。

 

 怒りの感情に脳が染め上げられる中、一つの可能性に気づいた。

 これはもしや私の才能に恐れをなした、例の近代競馬の結晶とやらの陣営が起こした罠では?

 私とママンのミルクを引き離すことによって、私のコンディションを乱す狙いだったのか…。

 ということは私の世話をしている下僕どもの中の一人に裏切者…ユダがいるな。

 

 何たる非道!このような非道を例え天が許そうとも私は許しておけるはずがない!!!!

 

 この悲しみの連鎖を止めなければならない!地球は人間どものせいで汚染されている!!私がやらねば誰がやるというのか!!!!愛を!!愛を取り戻せ!! YouはShock!!

 

 

 私一人となった馬房――悲しき玉座で私は怒りの咆哮を上げ続けた。

 

 

 つまりは人間どもとディープ何たら許さねえからなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ママン&ミルクカムバァァァァァク!!!

 

 

 

 

 

 

 では、彼は生まれた当初はあのような性格ではなかったと?

 

「はい。彼が生まれた当初は、激しい気性の前兆はとくには見られませんでした。仔馬というのは生後基本的には母馬と共に過ごします。どの仔馬も母馬に寄り添うものですが、彼は他の仔馬以上に母馬に張り付いていつも母馬の母乳を飲んでいました。母馬が大好きだったんですね。私も長い間馬とたずさわってきましたが、あそこまで母馬をしたう仔馬は初めてみたかもしれません」

 

 

 そこまでですか。今の彼を見てると想像もつきませんね。

 

「ははは……。そうですね。世間じゃとんでもないあだ名がいっぱい付けられてますもんね」

 

 しかし、そこまで母馬を慕っていたのなら、乳離れの影響は大きかったのでは…?

 

「ええ…。おっしゃる通りです。仔馬は生後5か月ほど経つと母馬から引き離して仔馬達だけで過ごさせます。乳離れは母子共々ストレスを受けます。母馬も仔馬もお互いを求めて嘶き合うものですが…彼は嘶きとは言えない…それこそ咆哮といえるものをあげ続けましたよ。それから彼は目に見えて変わりました」

 

 どのように変わったのでしょうか?

 

「簡単に言うと人間不信になりました。今の彼を見ると想像つかないかもしれませんが、彼はとても賢いんです。びっくりするくらいに。そんな賢い彼は幼くても気づいたんでしょう。私たち人間たちのせいで、母馬と引き離されたということが」

 

 現役時代のあの強さの秘密にはその賢さも関係していたというわけですか。

 

「そうですね…まあ競争時は半ば本能で走ってる感も多々ありましたが…。それはともかく、人間不信となった彼は仔馬の時から暴れん坊でした。噛み癖や蹴り癖などもあり厩務員をよく攻撃していました」

 

 仔馬の時点から気性の荒さがでていたのですか。

 

「ええ。このままの気性では競走馬になることも難しい。そう考えた私達は気性改善に向けて努力しましたが、結果は散々なものでした。特にあれは酷かった…。

 牧場では猫を飼っているんですが、馬は猫と相性がいいんですよ。気性の荒い馬も猫と一緒に過ごすうちに、大人しくなる馬もいる位です。なので彼の馬房に猫を入れてみたんですが…」

 

 その口ぶりからすると失敗ですか?

 

「失敗も失敗。大失敗です。彼は自分の馬房に入ってきた猫を見るなり、即座に襲い掛かってきたんです。幸いに猫が直ぐに馬房から逃げ出したので、猫に怪我はありませんでしたが。それ以来、猫たちは彼の馬房には近づかなくなりました」

 

 それはまた凄いですね。彼の気性難はどこから来ていると思いますか?

 

「やはり…父や母の父である彼らから受け継いだのではないのでしょうか?彼らは偉大な成績を残した名馬でしたが、気性難でしたからね。父はライオンと呼ばれ、母の父は逃げ馬として期待されながらも、その激しい気性ゆえに、レースが下手で追い込み馬となりましたから」

 

 こういってはなんですが、彼の血統を遡ると凄い血統ですよね。浪漫血統の極みというか。

 

「ははは。よくいわれますよ。うちの祖父から保護している血統だったんですけどね。その血統を保護していくうちに、祖父も父も私もついついロマンを追い求めてしまいましてね。そのせいで、彼が生まれるまでは、鳴かず飛ばずの血統でしたよ」

 

 しかし、その浪漫血統の極みを追い求めた結果、彼が生まれ――血統と称賛さる血筋が新たに誕生しました。

 

「ええ。本当にありがたいことです。彼の子供たちも来年デビューしますからね。願わくば彼の子供に――血統の真の後継者となりえる産馬が登場してほしいものです」

 

 本誌も彼の産馬には期待させてもらっております。本日はご多忙の中、インタビューを受けていただき誠にありがとうございました。

 

「いえいえ、こちらこそありがとうございました。また何かありましたらよろしくお願いします」

 

 

 

 

 200×年10月号 月刊ターフ。

 金田牧場代表 金田正和氏からのインタビュー記事から抜粋。

 

 

 




テンプレオリ主。ますます日本競馬の近代結晶さんにたいして深い恨みを抱く。被害妄想やばすぎ。

勝手に恨まれた可哀そうな馬さん。いったいディープ何さんなんだ…!?

金田正和。オリ主の生産牧場の代表者。以上。
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