キララはリア充にあらず   作:トリケラプラス

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アイドル活動7日目

 ステージ上に三人の少女が姿を現す。ループス?の少女を先頭に次いでリーベリ、遅れてエーギルの少女が持ち場に着く。

 全員の準備が出来たことを確認してセンターの少女、ソラが観客に呼び掛ける。

 

 「皆さん今日はステージを見に来てくれてありがとうございます!今日はユニット甘光として立っていますソラです」

 

 「こんばんは、フィリオプシスです」

 

 「き、キララ……です」

 

 全員の紹介が終わると再びソラが言葉を紡ぐ。

 

 「あたしたち甘光は最初はみんなバラバラだったんだけど。今日のために練習を重ねて結束を強めてきました。今日はそれを一杯見て欲しいです!」

 

 それぞれ種族も出身も職分もことなる少女たちが今この場では一つのユニットとして歓声を浴びていた。

 「聞いてくださいAmaterasu」

 

 照明が落とされ少女たちがスタートポジションへと移動した。

 暗闇を激音が切り裂く。イントロが始まったのだ。光がステージに戻り少女たちは己を果たし始める。

 

 「Ya!そこな道行くオオカミさん 見下げてないで見上げてみて そしたらホラ 私がいる」

 

 まずはセンターにして唯一のプロ、ソラが始める。ロック調の、しかしポップさの残る音に歌詞を乗せる。

 

 「一人の暗い道行も 明るく照らして」

 

 一人の時間はここで終わり。ここからは。 

 

 「「「let go!」」」

 

 甘光の時間だ。

 

 「「「君に届けるよ甘光 今なら辺りもよく見えるでしょ?Hello, world!」」」

 

 三つの歌唱が重なり響いていく。

 

 「「「進みだせ 自分の道 照らす明日を見つけよう 希望の光に進もう 歩み続ければ そばに仲間がいるよ」」」

 

 そう、彼女たちは共に進み舞台を作り上げていく。彼女たちだけではない。このロドスにいるもの全てがそうであった。

 

 「「「だから 下を向かないで 私を見て いつでもあなたを照らす甘光」」」

 

 一巡が終わりまた新たなる回始まる。ここで前に出て来るのは。

 

 「Hi!そこな道行くオオカミさんたち 調子はどうだい?悪くない?」

 

 キララだ。彼女は独特の甘い声をマイクに乗せ唄う。

 

 「それならいいね、楽しいね だけどそろそろお別れの時間 Sunset」

 

 キララのパフォーマンスは彼女の腰に存在する複数の触手も同時に稼働させたダンスだった。他のメンバー以上に集中力を要求される動きである上に彼女の不得意とする人前という環境が合わさり彼女の処理能力は限界を迎えている。そのため。

 

 「また明日ねって甘光 今なら一人も悪くないでしょー」

 

 強く踏み込んだ足元が滑った。

 

 ──ヤバッ……!ごめん!!

 

 対応しきれずキララは後ろ向きに倒れ込む。

 

 「Goodnight!」

 

 その背を後ろから上がってきたフィリオプシスが背で受けとめる。そのまま二人は一回転の後パフォーマンスに戻っていった。三人で重ねるパートだったがソラがその分声を張って盛り上げたこともあり幸い客席に動揺の声はない。

 

 「「「キラキラ光る星空の下コノハのベッドでスヤスヤ 夢の中でも一緒のパーティ 夜通し元気に騒いじゃおう!」」」

 

 一度崩れかけたもののこれまでの練習の成果か彼女たちの本番強さからか。直ぐに立て直し再び騒ぐ。

 

 「「「姿は見えなくてもあなたの心にいるよいつでもあなたを照らす甘光」」」

 

 2つの巡りを終えついにクライマックスへと突入する。これまでとことなりメロディアスな旋律と共に声を届けるのは。フィリオプシス。

 

 「例えどんな困難に押しつぶされそうでも 一人じゃない そんなの仲間と分け合った涙で洗い流そう」

 

 彼女は透き通った歌声を響かせながらあの日のことを思い出す。数年ぶりに誰かと泣き合ったあの日のことを。歌に感情が、記憶が入る。

 

 「雨が上がればほらまた私が照らしてあげる」

 

 「「「甘光」」」

 

 揃った。ここから先どうあってもこのステージはこれで終わる。一切の悔いを残さぬよう三人は声を上げる。

 

 「「「世界を照らそう甘光 今は苦い世界でも いつかは甘くおいしくね」」」

 

 世界が本当にそうなっていけばいいと。自分達の手でそうしていくのだという意志を持って唄う。

 

 「「「だから 上を向いて歩もう みんなと一緒に進もう」」」

 

 それはどこか誓いの言葉のようで。だからこそここに集まるものたちに深く届いた。

 

 「「「いつでもあなたを照らす甘光」」」

 

 音が止み。一瞬の静寂に包まれた次の瞬間。会場は割れんばかりの拍手によって包まれた。

 

 

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