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以降も彼女たちは本番に向けて数多くの努力を重ねた。それはボイストレーニングやダンスレッスンといった単純に自身のパフォーマンスを高めるための訓練だけに留まらなかった。
ある時は裁縫室で作業を始めようとしているバイビークにキララが背後から声をかけ。
「あ、あのぅ」
「きゃっ!?キララ……さん?わ、私になにか御用でしょうか……?あ……もしや服飾に関することでしょうか!?」
不意の声かけに若干怯えを見せたと思うと次の瞬間には食い入るように用件を問うバイビークの気迫に圧されたキララはおずおずと自身の要件を切り出した。
「あ~……うん、実はそうなんだ「やはり!どのようなデザインをお好みでしょうか!?キララさんは普段スカート丈の短いデザインを着ていらっしゃ……」
怒涛の勢いで叩き込まれるバイビークの言葉に呑まれつつあったキララであったがなんとか持ち直し要望を告げる。
「ちょ、ちょっとタンマ!作って欲しい……てのは……その~アイドル系の衣装で、資料はこんな感じで……着るのは私だけじゃくなくて三人なんだ」
「なるほど。申し訳ありません……私、少し先走り過ぎてしまいましたね……では、衣装の希望と用途を詳しくきかせていただけますか?」
「うん、実は今度の出し物で……」
またある時は消防設備を点検し終えたショウにフィリオプシスが。
「失礼、ショウさん、フィリオプシスにお時間をいただけますでしょうか」
「これはフィリオプシスさん。小官に何か御用でしょうでしょうか。小官に力になれることでしたら全霊で応えさせていただく所存であります(早口)」
小柄なショウは聴きとるのも困難な早口で頼もしい言葉を返した。フィリオプシスは小さく頷き言葉を続ける。
「今度のレクリエーションにおいてステージの設営を依頼したいのです」
「なるほどそれはなんとも大掛かりな!であれば確かに小官の領分ですね。詳細をお聞かせください!(早口)」
楽曲に関する事柄はソラがヴィグナへと声をかけた。
「ヴィグナお願い!今度のライブの演奏ヴィグナたちに担当して欲しいの!」
ヴィグナの前で手を合わせるソラであったがヴィグナの反応は煮え切らないものだった。
「そうはいってもね。あたしたちの音楽ってロックよ?アイドル系のあなたたちと合うかしら……」
「そこをなんとか!」
ヴィグナは組んだ腕を解きソラへと向き直り。
「わかった……ちょっとみんなと話あってみるわ」
「ホント!?ありがとう~!」
「いってくおくけどあんまり期待しないでね!」
来るステージに向けてそれぞれが動いていた。