史上最強の弟子ケンイチ ダメージカンストRTA   作:内弟子虐待おじさん

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学生 活人の道編

私、命の危機!なRTA、はーじまーるよー。

 

先日命を救ってくれた久我館要さんを、とりあえず家に招待します。

……おっ、『ワルキューレ』の人達も連れてくるらしいですね。

最大限の警戒をされていますので、最高級のもてなしをしましょう。

まあ、テーブルはないんですがね。

 

そして、口調は性格のせいで固定です。

タキシード姿の美男子社長が品性を疑う口調でパソコン片手に床に置いた皿からながら食いをする姿は確かにシュールですが、とりあえずフレイヤ姉さんには気にせず話していただきましょう。

 

ここで、『武器との一体化』という話が出てきます。

まあホモくんは武器を使わないので格闘漫画でも読みながら半ば聞き流すようにしているんですけどね。

 

ここで周囲にいたワルキューレの皆さんにマナーのなさを咎められますが、無視します。

ウチでテーブルがあるのは手術室と病室だけなので。

 

とりあえず武器をしまっていただくために一旦全て回収しつつ、フォークがなかったのでサイを使います。

安心の沖縄産ですね。

ちなみに奥の部屋にはサイもいます。

問題のアフリカ産ですね。

 

ここで久賀舘さんの武器を回収しなかったことについて問われますが、選択肢はやはり連打しかできません。

『臓器売買はヤクザの仕事』『ヤクザは嫌いだ』『半ば体の一部と化している』と奪わなかった理由を簡潔に表現しましょう。

つまり、彼女の持つ武器は野獣の角に近しい程の一体化をしているということになりますね。

 

フレイヤの現在の戦闘力は原作時点で言うとDオブD当時のソレです。

つまり、まだ『弟子級』でも上が大勢いる状態となりますね。

 

スリーオブカードの中では原作だと末席だったわけですが、現時点ならバーサーカー相手の勝率は十分と言えます。

……しかし、まあ確かに達人には遠いと言わざるを得ませんね。

 

ここで彼女から『神武不殺の精神』について話されますが、ホモくんのルートは『殺人拳』でも『活人拳』でも『外道』でもない『道なき道(その他カテゴリ)』に分類されているため、この話については特に触れません。

 

食後、サイを食洗機に投入しつつフレイヤ姐と『タイムパラドックス立体異次元将棋5D』で遊びます。

実は彼女は頭は良い方で、スポーツ医学では最新の分野にまで触れる最先端の大学に入ることが確定しています。

 

なので必要とされる『知能』ステがべらぼうに高いこのゲームを主人公さえ天才だったら一緒に遊ぶことができます。

 

ちょっとサイの洗浄が終わるまで将棋を異空間から指しつつ、同時に『なぜチームにいるのか』の質問をこなします。

 

……おっと、動揺したのか手痛い失策の一手。

ですが、こちらがかけようとした王手に近づく一手対して一瞬で10手前に遡ってタイムパラドックスを引き起こし、カウンターを仕掛けてきましたね。

ですが、敢えて二次元的な初歩の技である舟囲いを5手先に仕掛けて先に王手を取る捨て身の作戦に出ましょう。

それに気づいたのか異空間から飛車を送り込んできましたね、賢い作戦です。

 

食器洗いが終わったのでワルキューレの皆さんにはお帰りいただきました。

ホモくんと久賀舘さんは将棋に夢中です。

なにせ、このゲームは異常に頭を使いますからね。

 

Z軸方向から香車……おっと、この態勢はあちらも返し技にして必殺の態勢である『全次元舟囲い崩し』に移ろうとしていますね。

『全次元舟囲い崩し』はバルハラ陣を思わせる必殺のフォーム、王将が新島式脱皮術を使えなければ脱出はまず不可能ですね。

では、こちらも陣形を過去に遡って組み直します。

 

崩すまでの手数を計算し直したフレイヤ姉は自駒でできる陣形を考え直してやや高飛車の陣形です。

ですが彼女の駒配置は想定していない駒が一つありますね。2つ前の時間、1つ下の異次元からの刺客、まさかの『桂馬』で時空王手です。

 

この王手から逃れる方法はありません。

全次元全ての穴を塞いだ『次元馬四方封じ飛び地獄車固め』によって、次の一手でどの駒を動かしても打開できないことが決まりました。

試合完了です。

 

こういうミニゲームが沢山あるのも本作の特徴です。

みなさんも遊んでみて下さいね、鳥獣戯画ゲームとか。

『APARO〜SHADOWS MUAY THAI〜』みたいな死にゲーだって劇中劇でできるのが本作です。

 

久賀舘さんには普段のトレーニングより疲れるゲームだのとんでもねえゲームだのなんだのと文句を言われますが、とりあえずこちらは回りましょう。

キサラちゃんを待つまでの時間、右足を軸に回り続けましょう。

 

ぐるぐると4倍速。

ついでに歩法もそろそろ我流に近づける必要があるため、平地でスケートをするような変態駆動をしつつ、4回転(クアドロプル)アクセルからの8回転トゥループ。

……おっと、キサラちゃんがやっと来ました。

貧血気味だったので梁山泊で超人の血を輸血して来たらしいです。

 

なんかやべぇ効果とかありそうですが別にありません、ただ偶然血液型が同じだっただけです。

正確に言うと同じ血液型の人がいなかったので超人が血液型を作り替えました。あの人ならなんでもできる、はっきりわかんだね。

 

おっと、コレは別にドーピングじゃないです。

せいぜい、全ての病気や毒が無効化されるだけです。

キサラちゃんの毒耐性はアフリカに存在する殆どの細菌、植物、動物の毒にしか働きませんし、まあちょうどいいくらいの強化ですね。

 

健康なキサラちゃんもできたので、今回はここまでとします。

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

「よく来てくれたっすね、要ちゃん。……噂に違わない美人さんっすね、でも聞いてたからそんなに感動は無いっす。次から美人さんと出会うときは前情報無しで会いたいっすねえ?」

「……そんなものなのか。」

 

異常なほどに変な奴。

部屋に招かれたことから何から、まあ抱いたのはそんな感想しかなかった。

近ごろアフリカ象の目撃証言が相次ぐ地区に住む、15歳の若き大富豪。

噂だけで情報量に頭が痛くなりそうな奴だったが、まあ確かに噂に恥じない雰囲気である。

 

「そういうもんだと思うんすけどねえ。とりあえず、今日はシェフを読んだから味は期待して欲しいっす。靴は脱がないで大丈夫なんで、座布団に腰掛けて欲しいっすよ」

「……この家にはテーブルも椅子も存在しないのか?」

「医務室と事務室、病室になら全部あるっすよ」

 

そして、どうやら異常なやつの家は異常らしい。

昨日助けたあの女の子の親友だとか言っていたが、よくもまあ……

よくもまあ、これで交友関係が続くものである。

 

「……あの、社長。テーブル、今からでも発注しませんか?」

「テーブルでご飯食うの、なんか嫌なんすよ。……あ、要ちゃんはどうっすか?」

「私は普段はテーブルを使う。……当然のことじゃないか?」

 

話の振り方が雑だったり、まあ色々と変な感じがする。

この男、もしかしてかなりヤバい人間なのではないか。

昨日のあの少女の野生っぷりとは別の、まるで別の生き物を見ているような……

 

「あ、そういや家にいた頃は母さんは使ってたっすね。質問に答えてくれたし、なんか一つ質問していいっすよ。中国とロシアとイギリス以外の国家機密とか、その辺もわかるんでなんでも!」

「……武器と一体化する方法を知っているか?」

「改造人間……のことじゃなさそうっすね。技術的なことなら知らないっす、無手なんで」

 

どうやら、彼は本当に知らないみたいだ。

手づかみで料理を食べているが、どういうことなのだろうか。

……まさか、食器が本当に皿しか無いのだろうか。

 

「……食器はどこに行った?」

「元からないっすよ?君たちは食器を必要とするタイプの人間なんすか?」

「貴様っ!我々を愚弄したな……!」

 

彼の『ズレ』は、確かに愚弄のようにも見えてしまうものだ。

だが、彼女らはどうも間違えている。

 

一つ、まずこの男に愚弄する気がないこと。

二つ、敵地のど真ん中と言える状態で、無警戒に戦闘を始めようとしたこと。

 

「なぁんだ、言ってくれたらこういうのを用意したのに……いや、やっぱり準備不足だったんすかねえ、僕の」

「なっ……⁉︎武器が、全て……」

「っていうか私のサイ!いつの間に⁉︎」

 

──三つ。この男相手に、ただ武器や人数を活かしても戦いにならないということ。

 

恐らくだが、コイツはまだ『達人』とやらではないのだろう。

だが、限りなくその領域に近い……言うなれば『妙手』、その中でも恐らくは上位の実力。

この男と自分が戦ったなら、全力で気合いを読み、防御に全神経を注いだ上で、やっと一手。

……それ以降は、防げるかどうかわからない。

そんな男だからこそ、一つ疑問だ。

どうして、自分の武器は奪わなかったのか。

 

「キサラちゃんと仲良くなってほしいと思ってゲームとか色々用意してたんすけど、キサラちゃんは輸血しに行かなきゃだし食器はないしって……どうしたらいいんすかねえ、今から買いに行くとか?」

「……その前に、私の武器を狙わなかった理由を聞きたい」

「要ちゃんは臓器狙いのヤクザの家に友達を連れて行くんすか?」

 

奇妙な語り口。

なんともこの男らしい、と思いつつも、とりあえずは首を横に振る。

そもそも、そういう連中とは関わらないのが吉だ。

 

「そういうことっす、僕もヤクザは嫌いなんすよねぇ」

「……何が言いたい?」

「要ちゃん、腕がいいっすね。その武器をサイのツノとかウマの脚みたいに使いこなす姿が目に浮かんで来そうなくらいっす!」

 

言っていることが、やっとわかった。

この男はどうやら、自分のスタンスである『武器との一体化』を早くも見抜いているらしい。

いい目をしている。

もしも『妙手』でさえなければ、ワルキューレにスカウトしたいくらいだ。

 

「……しかし、私の棒はその二つとは違うな」

「確かにそうっすね。……相手が死んでもいい、みたいな感じが無いっす。なんていうか、『気高く優しい気あたり』……って感じっすかね」

「そうだな、『神武不殺』だ。相手を一撃で殺める修羅道ではなく、私はあくまで活かす武の道を行くつもりでいる」

 

だが、恐らくこの男は別のスタンスを取っている。

活かさず、殺さず。

相手を殺しもしないが、重篤な後遺症(トラウマ)が残るような傷を付ける者の雰囲気だ。

 

相容れない。あまりにも、馴染まない。

だが、離れてもいない。……それが気持ち悪い。

 

「……ゲームというのはなんだ?」

「5Dタイパラ将棋っすね」

「普通の将棋なら多少心得があるが……」

 

よくわからないゲームである。

ともあれ、この場で他にこのゲームを好みそうな面子もいない。

ならば、どんなものなのかでもやってみようではないか。

 

「じゃあ……ローカルルールは無し。『後の先』の性質を持つボードゲームなんで、開発者の僕が先に打つっす」

「なるほど……王将を取れば勝ちでいいんだな?」

「そうっす、次元も時も超えてIFすら捻り潰す勝利をして、より『定義上イレギュラー及び誤差の類でなく強者である』方に軍配が上がるんで、リアルな話持ち時間を互いに1分以内で合わせた『1分将棋』にすると喧嘩や戦が『巧い奴』が勝つって感じのデザインなんすよ」

「そうか。……なら、私はそのルールで打たせてもらおう、ここは準達人の胸を借りたい所だ」

 

情けない話だが、武術に於いて力量は絶対。

達人どころか、私ではまだ『妙手』にすら遥か遠い未来の話なのだ。

……なんでもできるこの棒でも、埋められない力量差が存在する。

だから自分は鍛える。

例えば、目の前の男のような者が悪に染まった時、倒すために。

 

「んじゃ……『X3Y1Z1時間1次元1』に存在する歩を『X4Y1Z1時間2次元1』に。要ちゃんのターンっすよ」

「ふん……周りには常用者(ツネポン)がパーティしていると思われそうだな」

「あれ、世紀の天才二人の対局には見えないっすか?」

「このどこを取ればそう見えるのか……仮にそう思われたとして、周りが取る反応は同じようなものだろう?『X1Y1Z1時間1次元1』に存在する香車を『X1Y2Z1時間2次元3』の場所に置く。では、あなたの番だ」

 

だが、恐らく今のままではダメだ。

今の方法では、この男に勝てない。

 

「えいっ!……ところで、要ちゃんはなんでチームにいるんすかね?」

「……私は、『拳聖』様に教えを乞うために、だ。あの方なら、私に『神武不殺』の道を極めさせてくれるだろうからな……」

「え、あの人『外道』側に限りなく近い武術家っすよ?」

「⁉︎ッ……!」

 

そして、そう考えていた矢先の質問で思わず動揺してしまう。

座標の設定ミス。……予定より一手先に動いてしまった。

頭を抱えたと同時に、やはりアイツは動いた。

 

「なに動揺してるんすか。要ちゃんは不良グループに関わってくるような大人が……本気でまともな武術家だと思ってたんすか?」

「……情けないことに、思ってたよ。お爺ちゃんには特に聞かされてなかったからな……」

「悲しいことっすけどね、まともな武術家なら禁断の技を又聞きで盗まれたのに『弟子で実験する手間が省けた』なんて言わないっす。ってか、弟子で実験するのがおかしいんすよ」

 

思わず、深いため息を吐きながら将棋を打つ。

……と、そこでようやく気がついた。

そういえば、活人側にもそう言うことをやってる施設があるじゃないか。

何やら、最近預かった『延長確定お試し版内弟子』とやらで実験を行ってる活人拳側の施設が。

最近、なんか地蔵とか担いで歩いてるせいで悪い意味で若干有名になったあの道場が。

 

「……梁山泊は」

「あそこは保護も兼ねてる上に弟子が不死身の子なんでニュアンスが違うっすよ、そこ『次元馬四方封じ飛び地獄車固め』っす」

「ぐぅ……しくじったか!」

 

案外、長引いた決着。

どうやら、私は案外このゲームの世界に入り込んでいたみたいだ。

 

「……随分と疲れるゲームだな、コレは。まるで訓練だ」

「訓練じゃなくて、コレは『選別』のために作ってるんすよ。良い将がいたら、是非ともうちで取り立てたいなーって。……そうだ、キサラちゃんがまだっすね……」

 

何やら考えながら、彼は独特の歩法で地面を滑り始めた。

香車みたいに真っ直ぐで、桂馬みたいに奇怪で。

なんというか、本当に……

 

「まるで……将棋だな」

「おっ、次元移動しちゃうっすか?とーっ!……てやあ!」

「いや……まあ、次は普通の将棋を打ちたい。次に来ることがあれば、だが」

 

そしてクルクルと空中で回り出した彼には、あえて触れない。

それより先に、まず言うべきことがあったからだ。

 

「……キサラ。怪我は大丈夫なのか?」

「久賀舘さん!……あれ?なんであなたがここに……」

「あははっ、結構早かったっすね!」

 

まさかまさかの、奇跡の再会。

だが、それはどこか、これから先起こる何かの始まりの合図のようにすら思えるのだった。




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