史上最強の弟子ケンイチ ダメージカンストRTA   作:内弟子虐待おじさん

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テコンドー 資金稼ぎ編

最後の一撃は、クソデカいRTA、はーじまーるよー。

 

今回は不良を倒します。

手加減のテストとして命じられたので、近場の不良グループを全部狩ります。

なので、下準備をします。

まずは『超オーバーキラー』のバステをかき消します。

『超オーバーキラー』は『手加減』と両立できないのでコツをとれば節約できますし、現時点だと『鎬断』を全員に打つことになりかねません。

なので急いで消す必要があります。

 

そして『重心操作』『重い腰』を取ります。

この二つはなかなかコツをもらえないので早いところ取っておきましょう、実は柔道使いのモブは多いです。

まだ残っているので、今回は偶然『決定』の近くにあった『観察眼』を取ります。

こうやってコツをとるたびに使うことで時間は短縮できますからね。

 

ちなみに雑魚を倒した場合、確率で高値で売れる武器や多少のスキルのコツを落とすこともあります。

特に『ブランドロゴTシャツ』とか『輸入品スタンガン』なんかは高く売れるので、換金して設備を購入しましょう。

 

とりあえず喧嘩を始めます。

やり方は簡単、路地裏でイカツい外見のモブを見つけたらダッシュでぶつかりながら駆け抜けるだけ。

たまに偽ヤンキーもいるので注意しましょう。

今回も1発でヤンキーがでました。

 

やることは簡単、モーションの速い『ミドルキック』を連発してガードごと全員の腰を折るだけです。

クリティカル事故が起きないよう、『動の気』は切っておきましょう(2敗)。

とりあえず近くに財布を取られた少年がいたので彼の分を返しつつ、全員の身ぐるみを剥いでボスの居場所を聞き出します。

聞き出す方法は一つ、お仲間さんが持っていた武器の『催涙スプレー』や『バタフライナイフ』、道具の『ライター』を使った脅迫ですね。

今回の人は素直だったので片目が燃えただけで済みました、話が早くて助かります。

 

……せめて帰りのバス賃だけでも残してくれ、と言われましたがおまえはそこでかわいてゆけ。

ナイフを取り出しておいて金を返せばないでしょう。

(悪人にかける慈悲など)ないです。

 

なので、武器や衣服を近くの『リサイクルショップ』で売り飛ばしてからアジトに向かいます。

……お、今回は銃を持ってるキャラがいますね。

 

動くな、と言われますがジグザグに移動しつつ壁を走ったり人の上を走ったりして接近、そのままみぞおちに『ミドルキック』してぶっ倒します。

武器はすぐに拾って収納。

そのまま、ほかの皆さんも死なない程度に殺してあげましょう。

繰り返しますが『気』を使わないでください(1敗)。

 

……はい、どうやらヤクザがバックにいるみたいですね。

なので今度はヤクザが関連している風俗店に入り、店長を頼って(脅迫して)ヤクザを呼んでもらいます。

来るまでの間はテーブルで瓦割りでもやってましょう。

反社の資金源なんて潰してやるのが正解です。

ついでに嬢の控室からコスプレ用の服を全て盗みましょう。

……まあらこの行動に深い意味はありません。来るまでの暇つぶしがてらちょっと金を稼ごうとしただけです。

二度と商売できなくなるのですから、そんなものは必要ないですしね死ね。

 

……おっと、結構すぐ来ましたね。

ナメたガキには殺意MAXで来るので、『気の開放』を使います。

『ハプキドー』でいなしつつ、必殺のミドルキックを打ち込みましょう。

彼が来た方向からまたヤクザが来るので、そっちに進みながら倒すことで事務所を特定していきます。

 

ここで(予想外の)QTE発生。

ロケットランチャーを出されるのでその前にフランケンシュタイナーからのフットチョークで気絶させます。

……ルチャもブラジリアン柔術も習ってないのに固有技をバンバン使ってきますねコイツ。

 

なのですぐにスタイルが二つとも解放されました、はえーよホモ。

ルチャはチャート内での熟練度が上がるからプラスだとして、ブラジリアン柔術は……まあ使いません。

せめて総合格闘技の方を取ってくれたらミドルが成長したんですがね。

 

とりあえずアサルトライフルは射線から外れて蹴り上げればいいだけなので4倍速。

ムービー銃じゃなくても死ぬのがこのゲームなので気をつけましょう(3敗)

 

なんて言ってる間に組長が出てきて、今度は日本刀によるQTEが発生。

……割と判定甘いですね。ガバったと思いましたが普通にへし切ってくれました。拳で日本刀を。

そして、側近の両手両足をロメロ・スペシャルでへし折ります。

スピードが速いからすぐに決まりましたね。

 

とりあえずこの組長は倒し……っと、まだムービーが続いてますね。

あれ、なんで施設が動いて……あれ?

 

な ん で 猛 獣 が い る ん で す か ?

 

組長室の下にいたのはまさかまさかの虎、ゴリラ、ヒクイドリ。

なんと3匹もいます。

……はっきり言って、流石に予想外でした。

確かにヤクザの事務所で戦うと何かしらギミックがあったりはするのですが、流石に動物は予想してませんでした。

ちなみにですが、ホモくんとのサイズ比較からして虎はアムールです。

貴重な虎に何してくれてんでしょうか。

ゴリラもよく見たらマウンテンの方です。

貴重なゴリラを……マジでお前もう許さねえからな。

ヒクイドリだって草食なのに駆り出されて可哀想です。

マジでぶっ飛ばすぞ(過激派)

 

はい、とりあえず戦えば動物のタフネスのせいでリセット確定になるので、『カリスマ◎』によって動物全員をスカウト。

なんとか今回は応じてくれました。

 

結果として、全員を落としてもそれなりに強い組長を倒したのと変わらないタイムだったので続行。

ちなみに組長は怯えていたので靴紐を使って拘束、金庫を蹴り壊して金を全て奪います。

ついでに代紋も回収。

……おっ、この代紋はプラチナ製ですね、さすが組長。

全てのヤクザから奪えばかなりの値段です。

ただのチンピラの銅バッジは一つ千円くらいですが、正規組員の銀なら5千円、幹部格の金なら1万円、そして組長のプラチナは5万円。

というわけで1日で社会人の平均的な月収以上を稼いでしまいましたね。

 

しかも何がいいって、コイツらは警察に頼れませんからね。

なんなら帰り道に全員の両手両足折りながら小便引っ掛けてもいいですが、RTAなのでやりません。

 

帰り道では夕飯の材料と一緒に高級キャットフードを購入します。

バッジを奪いながら調べたところ、高級品意外だとアレルギー物質が多く含まれたり消化できないものが入ってたりするらしいですね。

 

バッジを金の4つ以外売ったので、その金でいい感じのカリカリを購入。

……期限から見るに、とりあえず1ヶ月分の600kgくらいでいいです。

1kgにつき2万の高級品を与えるため、かなりの値段になってしまいましたね。

 

ゴリラやヒクイドリの分の果物や野菜は梨と一緒に買いました。中でもりんごは山形県産です。

農薬の関係上、できれば国産にこだわりましょう。

 

金庫から奪った金は殆ど消し飛んでしまいましたね。まあ諸行無常です。

 

少し時間があるので、隣のコーナーで『リングシューズ』を購入してから帰りましょう。

これは後で使います。

 

連れて帰ったところ、3人とも普通に喜んでくれました。

特に虎を見たキサラのはしゃぎ方はすごいですね。

やっぱりキサラちゃんの笑顔を……最高やな!

 

絶滅危惧種を誓って殺さなかった良い子なので即就寝。

今回はここまでとします、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

「とりあえず、手加減を行う訓練として近くの不良を狩ってくるのぜ」

「ついでに夕飯の材料も買って来てね。冷麺を作るには梨が足りず、参鶏湯を作るには鶏肉が足りない上にそもそもキムチが切れそうなんだよ!鶏肉とキムチはどこ産でもいいよ!ただし梨は山形県産にこだわってるんだよ!」

「ええっ、山形県の梨生産量は28位っすよ?探すの大変そうだな……」

 

まるで日常会話のように言われた命令を前に、私は思わず黙り込んだ。

……手加減の特訓、人間でやったら人間が死ぬのではないだろうか。

最近の自分のおかしさを自覚した今となっては、この発言は看過できない。

 

「じゃあキサラちゃん、先にやっていいっすか?」

「……はぁ、アンタがやるってなるとますます不安だね」

「ダメだったら月李ちゃんを頼るっすよ。行ってきます!」

 

なんだか、既にダメそうだ。

私は朝食として出されたキンパを飲み込むと、またひとつ深いため息を付いたのだった。

 

 

 

 

俺は、つくづくツイてない男だ。

……まさか教えられた近道を通っただけでカツアゲに遭うだなんて、そんな不運の持ち主が何人いるだろうか。

 

「コイツめちゃくちゃ持ってるぜ、ヒャッハー!」

「おいおい、ツイてるなあ!今夜は焼肉だぜ!」

「いや、今夜は冷麺っすよ。とーうっ!」

 

本当にツイてない。

……給食費を奪われてしまったら、明日から昼飯は抜きじゃないか。

本当に、最悪にツイてない。

 

「テメエ、ぶつかって来やがったな!ジャンプしてみろ!」

「やっぱり不良だったっす、『ヒトヒトの鞭』!」

「たわばぁッ⁉︎そのジャンプじゃね……ぇ……」

 

……なにかおかしい。

そう思って顔を上げた。

 

──すると、何故か少年が不良達を薙ぎ倒しているのが見えた。

 

「努力!友情!勝利!」

「ひでぶっ!」

「をろあっ⁉︎」

「あべしっ!」

 

僅かに止まっているところを見れば、異常ほど美しい少年だ。

半袖のシャツから見える体も異常なほど引き締まっており、恐らくこの筋力があのパワーを生み出しているのだろう。

 

「金!暴力!kicks!」

「うれえろお!」

「ぐふあっ!」

「ぐあ!」

 

……強い。

ミドルキックしか打たずに、彼は一撃一殺で次々に武器を持った不良達を制圧していった。

 

「あっ、ライター!……ねえ、二つの質問のどっちかに答えてくれたら片方は教えなくていいっすよ」

「……ひぃ、な、何を……」

「一問目、お前達の組織はどこっすか?二問目、眼球をライターで焼いたらどうなるんすか?」

 

そして、彼は倒れていた1人に近づくと近くにあったオイルライターを開いて火をつける。

そして、それをそのひとりの目元にまで近づけた。

 

拷問のようだが、そうじゃないと分かった。

……だって彼は、本気でどっちも疑問そうな顔をしていたのだから。

 

「おっ、俺たちは『キリングライツ』で、アジトは5丁目のビルです!答えたから、それをしまって……」

「……答えなくていいっす。これから実験するんすからね」

「はわあ!うわぢゃ~!」

 

まるで、蟻を潰して遊ぶ子供みたいだ。

彼は這いつくばっていた人の瞼に火をつけると、そのまま俺が元々持っていた財布を拾い上げる。

 

「……君のなんすか?」

「ぅあ、はい……」

「財布は落とさないようにするといいっすよ」

 

彼はそう言うなり不良の持っていたパースチェーンを外して俺の財布にくくりつけ、こちらへと投げ渡してきた。

 

……あれ、意外といい人なのかもしれない。

 

「さてと、僕は財布を忘れちゃったんで……」

「……ぇ?た、たのむ。帰りのバス賃だけでも……」

「ダメっすよ、山形産の梨は多分希少なんすから。交通費使ってでも探さなきゃっす!」

 

だが、彼は這いつくばる男達全員の財布を抜き取り、スタンガンなどの武器どころが衣服も全て剥ぎ取ってリュックに仕舞い込んだ。

 

助けてくれたけどやっぱり悪い人なのかもしれないな、と思った。

 

「そうだ、君は警察が来たら全裸の変態にカツアゲされたって証言してほしいっす」

「もう逃げたいです……」

「じゃあ別にいいや。気をつけて帰るんすよ!」

 

そう言うと、彼は世界陸上の歴史を変えそうなほどの速度で走り去っていった。

……なんというか、本当に災害のような人だった、と思った。

 

 

 

 

「降伏は無駄だ、本気で抵抗するっすよ!」

「……っ!どこのチームのもんだあび〜っ⁉︎」

 

アジトで俺たちが戯れていた所、突然1人の少年がドアを蹴り飛ばして入ってきた。

……どういう事だ、と思ったが、メンバーを1人蹴り飛ばしている時点で何をやってるのかは明白だ。

カチコミにきやがった、なら殺すしかねえ。

 

「みんな、筋力増強剤(ヤク)キメろォォ!」

「そうだ……これで殺してやるろっ⁉︎」

「おい、なんでお前ぶっ飛んでるれ……⁉︎」

 

急遽、全員にドーピング剤を打たせたが間に合わなかったのが2人ぶっ飛ばされた。

だが、生憎……その程度でビビる俺たちじゃない。

 

「動くな……『拳銃(チャカ)』がある!」

「なら動かないと危ないっすね!」

 

奥の手のマカロフ拳銃に、しかしソイツは怯まずに突っ込んできた。

それもジグザグに、一撃で骨盤を砕かれた奴らの体をすり抜けるようにしてである。

まずい、と思った時には、既に俺は後ろの壁に叩きつけられており。

 

「……おっと。()()()()()()()()()()、ちょっとやりすぎちゃったかもっすね」

「ぐ……っあ……」

 

俺は朦朧とする意識の中で、確かに自分の代紋のバッジが取られようとしていることに気がついた。

どうもコイツはバックの組織まで潰しに行くらしい。

本当に容赦のない奴だ。……本当に、理不尽だ。

激痛と嘔吐感を前にただもぞもぞと動くことしかできない現状に絶望しながら、俺はただ誰かが救急車を呼んでくれるのを待つことしかできなかった。

 

 

 

 

極道というのも、近年は随分とシノギを削り取られてしまっているものだ。

五人以上で集まれば逮捕。

抗争中に事務所を使えば逮捕。

暴力団に協力したら逮捕。

口座を作ることはできない。

携帯電話の契約もできない。

 

そのいずれも、組を抜けて五年以上の者も同じだ。

確か、それは『元暴五年条項』だかいう理由である。

もはやヤクザに許されてるのなんて、もうヤクザであることくらいなんじゃないだろうか。

 

──ちなみにヤクザであることは現行法に反しない。参考までに。

 

「しっかし、俺たちゃそん中でよくもまあ儲けてるよなぁ」

「仰る通りですね。こんな大量の金を溜め込んでるヤクザは今どきそうそう居ねえ」

 

金を数えて笑いながら、ウィスキーをグラスに注ぐ。

そうして昼間から酒盛りをしようとしていた、その時だった。

 

突然、事務所の外から断続的に発砲音が轟いた。

 

「……なんだ、こりゃあ」

「若い衆が揉めてるのかもしれませんね。ですがこちとらぁ、『軍隊』に匹敵する武闘派ですぜ」

「違いねえや。まずやられねえ……」

 

だが、おかしい。

……確かにこっちは超武闘派だが、こんな音がするのはおかしい。

これはまさに、アサルトライフルの発砲音……

 

国内のヤクザ相手に持ち出すものじゃない。

しかも、こんなに大量に。

 

「おい、どこかの組が海外のテロ組織でも連れてきたか?」

「……っ⁉︎監視カメラ、これはまさか……」

 

慌ててカメラを見れば、確かにそこには組員以外何も写ってはいなかった。

どうやら、ただの空騒ぎだったようである。

 

「信じられねえが……馬鹿やってる奴がいただけか?」

「いや……これは、まさか……!」

 

そう思い、安心したのも束の間。

……突然虚空から現れた人影がランチャーを構えていた若衆をプロレス技で投げ倒し、一瞬のうちに締め技をかけて気絶させたのだ。

 

「な……なんだよ、コイツは!」

「わかったぞ……監視カメラに映らねえ速さで動いてやがったな!」

「……!代紋集めはじめやがった、まさか……最初からそれが目的かよ!」

 

聞いたことがある、代紋のバッジは案外高く売れると。

また、帽子などに付けて『ヤクザを倒した』という箔を付けるのに使う命知らずもいるらしい。

 

「……畜生、ぶった斬るぞ!」

「わかりました、本職に手を出した報いを受けさせましょう!」

 

そんなチンピラに負けるわけにはいかないだろう。

日本刀を持ってソイツの前に躍り出た。

 

「よお、レスラーくずれ……もう許さねえからな?」

「しかし組長。子供ですから寛容に……一太刀で殺してあげましょうよ」

 

共に日本刀を構え、少年目掛けて二方向から振り下ろす。

この袈裟斬りは、二つ同時に避けることは困難だろう。

 

──そう思っていたが、事務所の一室には一滴の血とて流れていない。

 

「なん……?」

「あははっ、二人の攻撃に挟まれたら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()避けるんすよ!日梅ちゃんがそうしろって言ってたっす!」

 

流石に恐ろしい相手だ。

話している最中に背後から放たれた斬撃も、裏拳打ちで日本刀を根本からへし折って防御している。

……モノの弱点を理解している。

 

恐らくは、『YOMI』とやらの精鋭部隊だろうか。

ならば、この怪物っぷりも納得だ。

 

「……っ!死ぬならテメエも道連れだ……来い!」

 

だが、こちらには奥の手がある。

壁のスイッチを押すと、ソイツのいた場所の隣から檻が生えてくる。

すると、その中にいた猛獣たちが一斉に声を上げた。

 

「「「GOOOOOO!」」」

「……密輸して金持ちに売るはずのモンだったが、ちょうどキャンセルが出ててな。ソイツのエサになってくれや……」

「……ふんふん、そういう事っすね」

 

駆け出した猛獣を前にしても、ソイツの表情は変わらない。

……せめて怯える様子が見たかったが、まあ別に構わない。

コイツが死んだらチャカで撃ち殺してやろう、と考えていた矢先だった。

 

「──大丈夫、怖くないっすよ」

「「「……」」」

 

──次の瞬間には、その全てが少年を中心に地面に座り込んでいた。

 

何故だ。……頼む、誰か理屈で説明してくれ!

 

「う……うわらば!」

「拳銃はダメっすよ。あの子たちが怪我しちゃうっす」

 

修羅場を幾度となく超えて来た自分だが、動けない。

……金庫を蹴破られても、代紋を全員から奪われても、あまりの恐ろしさに全く動けない。

 

まるで、何回も人を殺してきたかのような匂いがする……

それに、アレは迷いなく人を殺すどころかそれ以上ができる男の目だった。

 

「……そうだ、エサ……出来るだけ美味いのが食いたいっすよねぇ?」

「マーォウ!マアアアアアアアッ!」

「ホーッ!ウホッ、ホーホー!」

「ギーッギーッギーッ!ギーッ!」

「え、『ここんとこ肉続きだから乾き物が食べたくなった』『私は肉以外ならなんでも良いわ』『こう見えて俺、果物とか食いますんでそこんとこよろしく』?……いや、僕がエサになる必要なかったじゃないっすか」

 

正面から組を壊滅させた狂人が、猛獣を連れて去ってゆく。

その姿を見た瞬間に、俺は静かに涙を流していた。

 

「……嘘だ。きっと嘘だ、俺はインフルエンザに罹って吸入剤のせいで変な夢を見ていて、目が覚めたらきっといつもの……いつもの……」

 

現実逃避したくても、できない。

ポケットから携帯電話を取り出すと、俺は震える手で110番に通報した。

 

──あんなのがいるなら、いっそシャバなんかにいたくない。

 

ありとあらゆる悪事をしてきて、ありとあらゆる贅沢を尽くして、そんな日々を過ごした男の末路は惨めなものだ。

……ああ、そうだ。きっと、天罰なんだろうなぁ。

 

「あの……銃刀法違反、その他諸々で自首します……」

『すぐに駆けつけます』

 

警察の対応は迅速だったという。

 

その日、一つの暴力団の組員が全員逮捕された。

……彼らはいずれも深く反省している様子で、恐らく残りの人生は真面目に刑務作業をしながら過ごすことになるだろう。




【アムールトラ】
異名『森の王』
塩漬けの原始人に食われたかわいそうな子。
擬人化しても壊れる船の下敷きになったりするかわいそうな子。
シベリアトラとも言われるデカい虎。
そのデカさと強さと知名度から、よく漫画に出てくる。
人喰い虎の資料などからかつては韓国にいた説が濃いが、朝鮮半島の虎は朝鮮戦争をきっかけに絶滅したとの説もある。
現在、生息数は500体前後。
繰り返される争いの犠牲者は余りにも多く、彼らもまたその統計の一つに過ぎない。
2.5mの高身長。ネコ科なので身体能力はやっぱり高い。
伝説のヤクザ以外の方は、腹を刺された後に二頭のコイツと戦うのはやめておきましょう(人の味を覚えてしまうので)。

【マウンテンゴリラ】
異名『森の賢者』
「俺か、俺以外か」で言うと俺以外の方のゴリラ。
毛が長く、名前の通りアフリカの山に住んでいる。
密猟によって数を減らしており、絶滅が危惧される動物の一つ。
よく挙げられがちな身体能力だけでなく、賢いやり方でアリを食べたりするなどの頭脳面も優れている。
チンパンジーと並んで人間に近いとされる。
800頭前後が現在の生息数とされる。
彼らもまた、我欲のために命を弄ばれた無数の被害者の1匹だ。
身長は平均160cm前後と、人間より地味に低いとされる。
走力は40km前後なので、ジャマイカの某陸上選手とタメ張れる奴が800頭もいるという事実である。
やっぱり脅威じゃん。

【ヒクイドリ】
異名『火喰い鳥』
マリア・タチバナ以外のヒクイドリはほぼ全部こいつ。
嘴も爪も鋭いため蹴りは刃物、突きも刃物のナチュラルボーン殺人鬼。
50kgで走るので、ホラー映画同様車で逃げても無駄。
イメージに反して、普段は割と温厚な方らしい。
鶏より前にコイツが飼育されていたとかいう説もあるため、(通じるようにヒクイドリ語で)話せばわかるいい奴なのかもしれない。
卵も色鮮やか。
こんなスペックをしておきながら150cmくらいの身長。
(諸々から目を背ければ)可愛いね!
ただし声が汚い。ギーッギーッギーッって感じ。

追記:三六号さん、誤字報告ありがとうございます。
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