厄払いの刀遣い   作:ユイトアクエリア

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難しいなぁ、どうしてバトル物にしてしまったんだろうか。


拾参 少年、未来と戦う

朦朧した意識の中、最初にわかったのは、空を飛んでいるということだけだった。

隣には黒ローブもいて、二人で空を飛んでいる。

 

「『ん?』」

「どうしたんだい?」

「『カイトが起きたみたいだ』」

「そうかい。代われるか?」

「『はいよ。出て来い』」

 

声が聞こえると、意識が戻ってきて、肌寒く感じる。

 

「やぁ、久しぶりだね」

「......あんたは、俺なのか」

「うん。前にも言わなかったかな?流石私、とね」

「そう、か」

「驚かないようだね。ひどく冷静、あぁいや、()()()()にも見える」

 

絶望。

そうか、俺は今絶望してるのか。

だから、なにも思わない。

 

「悲しいかい?自分が根源だと聞いて」

「......薄々、そんな気はしてた。弐も作れるし、なぜだか厄災も吸収できるし」

 

おかしいとは思っていた。

 

「なら、どうしてそこで刀を振るうことをやめなかった?」

「世界を、守るためだ」

「自分がその護るべきものを壊しているのに?」

 

ごもっとも、と言わざるを得ない。

しかし、それならそれで策はあった。

払うものをすべて払った後自分で死ねばいいと。

そう考えていた。

 

「はぁ......どこまで行っても、主人公気質の人間だね、君は」

 

黒ローブが着地しようとするので、俺もそれに倣う。

なぜかわからないがやろうと思ったらできた。

 

「私は君の未来の姿さ、君の行動も限定されていると言ったらどうする?」

「それは嘘だな。もしそうなら、俺が世界を救おうなんて考えるはずがない」

「絶望してから、随分と口が回るね」

「何も考えてないからじゃないかな」

 

そう言いながら、刀を抜く。

刀は軽い。

まだ、振れる。

 

「おや、未来の自分に挑むのかい?無謀だなぁ」

「確かに、あんたからしたら、俺は過去の姿かもしれない。けど、俺からしたら、あんたは俺の未来の可能性の一つだ。もちろん、あんたみたいにはならないさ。俺は、世界を護る役目があるからな」

「あぁ、いつになく饒舌だねぇ。そんなことは万に一つもありえないな。君が私になることは確定しているのだから」

「なら、ここで斬り殺す」

 

低く構えて突進。

奴は刀で流すと、俺の空いてる背中に刀を突き立てようとする。

当然、そんなことは分かっているから、無理矢理体を回転させて受け止める。

この勝負は、刀の熟練度や、経験の差ではない。

()()()だ。

 

お互いが自分だと分かっている今、これは言わば自分自身との闘いとも取れる。

あいつは過去の自分と、俺は未来の俺と。

お互いに俺ならば、行動もわかる。

大人びて思考は若干変わるだろうが、それでもわかる。

 

「はぁっ!!」

「うぉぉぉ!!」

 

刀をぶつけあい、いなし合い、捌き合う。

未だに目立った傷がないのも、それを物語っている。

 

「はぁ......しぶといねぇ......」

「それも、あんたは知ってるんだろ」

 

なんてったって、未来の俺なんだからな。

だから、自ずとわかってくる。

 

俺もこいつも、死ぬまで動き続けるって。

 

だから、新しい手を使う必要がある。

 

 

「それは......?あぁ、そういうことか」

「あぁ。俺が作り出した、新しい刀だ」

 

右手に「試作の壱」、左手に「虚構の弐」を握り、黒ローブ(カイト)を見据える。

 

必ず、こいつを殺すと。




そろそろ終わらせる。
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