厄払いの刀遣い   作:ユイトアクエリア

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弐話。




弐 少年は目覚める、その手に刀を握って

「...あれ、どうにかできないんですか」

 

思考した言葉がそのまま漏れた。

 

「どうにかできる。できるが...いや、やってもらった方が早いか。こっちだ」

 

彼に手を引かれ、出てきた建物とは違うところに連れられて入る。

見た目は小屋のようだが、中は広すぎる倉庫だった。

 

「こ、こは...?」

「見ての通り、武具庫さ。...まぁ、人がいないからそんなに意味はないけれど」

 

どうにかできる、と言ったからには、それなりに人がいるのかと思っていたが、どうやらそうではないようだ。

 

「別に、あれだけの軍勢が一斉に来るわけじゃない。むしろあれはレアケースさ。...お、これだ」

 

彼が取り出したのは一本の古びた棒状の何か。

 

「握ってごらん。君にあの黒いのが見えたのなら、きっとそれも...」

「...はい」

 

俺は、目の前に差し出されたものを握る。

その瞬間、それは輝き、さっきまで古びてたのが嘘のような輝きを帯びた。

 

「やはり、か」

「これは...?」

「《刀遣い》の刀、だよ」

「《刀遣い》...」

 

聞いたことはなかったが、不思議としっくり来た。

 

「それは《試作の壱》。簡単に扱えるが威力は劣る」

 

...どうでもいい。

これさえあれば、あいつらを消せる。

 

「威力なんざどうでもいい」

 

クルアは驚いているが、関係ない。

 

「...はぁっ!!」

 

武具庫から飛び出し、黒い靄に突貫する。

 

「『業火』!!」

 

刀に炎を纏わせ、突撃する。

やったことなんてなかったけど、自然にやっていた。

こうするべきだって、誰かが教えてくれたかのように。

そうやっていると、かろうじて人型を保っているデカい靄以外、すべて消えていた。

 

「あとはお前だけだ」

「オォォォォォォ...!」

 

それは腕を振り下ろした。

咄嗟に飛び退ると、俺がさっきまでいた場所を腕が穿いていた。

その腕は、地面に埋まって抜けなそうだ。

 

「『豪氷』!!」

 

その腕を凍らせ、割る。

 

「ウォォォォ...」

 

飛び散る氷を足場にして飛び移りながら、そいつの頭らしきものより上に位置取る。

 

「消えろっ!世界の塵!!『業火』!!」

 

足場を蹴り、その勢いで炎を纏わせ、頭に突撃する。

 

その勢いはそれの頭を突き破り、地面を数メートル滑ったところで、ようやく止まった。

 

「ァァァァァ...」

 

振り返って見ると、そいつは俺が突き破った場所から崩れていき、跡形もなくなった。

まるで、そこに最初から何もなかったかのように。

 

『そうだよ。そこには、何もなかった』

「ッ!...誰だっ!?」

 

高く、そしてよく通る、しかし聞いてて不快感のない女の声だった。

近くで聞こえたような、遠くで聞こえたような、そんな声だった。

 

『今は、何もわからなくていい』

「どういう意味だ!」

 

叫ぶが、近くに人影はない。

 

『そのままの意味。理解して...』

「理解して...?...あっ、おい待てっ...!!」

 

声がフェードアウトしていって、やがて聞こえなくなった。

 

「何だったんだ...今の、声...」

 

聞こえた声を考えることと、さっきまでの体の疲労が重なって、俺はその場に倒れた。

意識がだんだん遠のいて、そして、その場でゆっくりと眠りについた。

 

 

 

 




技を使い始めるまでの期間が短いですね、チートですか?
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