目覚めたのはクルアのアジトの中。
どうやら、また倒れていたらしい。
この頃、業を使うごとに倒れてる気がする。
体が運動の許容量を超えているのか、それとも安心した勢いで倒れているのか。
どちらにせよ鍛える必要はありそうだ。
にしても、この前の。
「なんで俺、厄災取り込んだ?」
明らかに自分の意志ではなかったし、なんだか喋ったような気がした。
「俺は......一体......」
『自分が怖いんだよね、わかるわかる』
行く先々に現れる少女。
毎度毎度頭の中にいきなり入ってきて会話をしだす。
「......いきなり頭に入ってくるのやめてもらっていいか」
『無理、私喋れないもの。理解して』
「せめて、名前ぐらい名乗ってくれない?」
そう言うと、ため息をつく動作をしてから、再び頭の中に話しかけてきた。
『ミラ』
「ミラ、か。......なんか知ってる気がするなぁ......」
たびたびあるこの感覚。
なぜか知っていたり、なぜかわかっていたり。
そんなのがいくつもある。
『うーん......私が言えるのは何もないなぁ』
「......じゃあ話しかけんのやめてもらっていいか。考え事してるからさ」
なぜか知らないが、俺の機嫌が非常に悪い気がする。
というか、なんでさっきから他人行儀に話してるんだ、俺。
「はぁ......何が何だかわかんねぇ......」
とりあえず外に出てみよう。
何か変わるかもしれないから。
「......おや?」
「!......なんだ......?」
ドアを開けて、外に出て一番に目に入ったのは、黒ずくめの男。
黒いローブを着て、頭まですっぽり隠している。
「君は......あぁ、君が......なるほど」
「何一人でぶつぶつ言ってんだ、あんた」
「ふふ。いや、確認だよ」
そう言って、そいつは何かを抜いて、構える。
「......?壱......?」
「あぁ、君が次の所有者か、お手並み拝見、だ!!」
「っ!早い......!?」
刀の扱いに慣れている。
俺みたいな付け焼刃じゃない、戦い慣れした動き。
負ける、俺が負ける。
いや、不思議なことじゃない。
俺は刀を持ったことがない人間で、アイツはおそらくずっとそれを振るってきた。
歴が違う。
けれど、負けられない。
ここで、落ちるわけには。
「......ぅ、うぉぉぉ!!」
「おっと、手加減しすぎたか、さすが私」
「何自分褒めてんだよっ!!」
「ふむ、制度は上がっても怒りで攻撃が単調になるのは、変わらないな」
「うるせぇ!!」
でも、奴の言うとおりだ。
切り抜けるためには。
「『
「!......血まで習得したか、さすがだね」
「黙れっ!
「ッ......人間には効果が薄いんだ、それ」
そういうそいつの体は多少ふらついてるように見える。
ここで畳みかけて、情報を吐かす。
なんだか、俺のことを知ってる口ぶりだったから。
「さっさと、大人しくなりやがれっ!」
「それは、無理な相談だなっ......!」
俺の刀が奴の首筋ぎりぎりを通り、逆に奴の刀はしっかりと俺の脇腹に命中していた。
「ぐっ......な、んで」
「......君には、まだ生きててもらう必要がある。私のためにもね」
「ま、て......待ちやがれ......っ......」
もう何度目だかわからないほど、俺は意識を落としているが。
今回は、本当に死んだかと思った。
モチベガン下がり