この素晴らしい影使いに祝福を!   作:メヴィ

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ダクネスさいきょう

 「依頼をよこじぇぇぇぇええッ!!!!」

 「えぇ…?」

 

 い、今見たことをありのまま話すよ!数日ぶりにギルドに来たボクがクエストボードを見たら泣きながら絶叫するアクアがクエストボードに張り付いてたんだ!とりあえずめぐみんに話を聞こう!

 

 「めぐみん、アクアはどうしたの?」

 「おや、キィラ久しぶりですね。なんでも近くに魔王の幹部が住み着いたらしく、弱い魔物が隠れてしまっていて強い魔物の依頼しか残っていないのです。ですから私達のような駆け出し冒険者は踏んだり蹴ったりです……近々王都から討伐隊が派遣されるようなのでそれまでの辛抱ですね。

 アクアは………まぁまだ酒場のツケが残っているので必死になっているのでしょう。私もそんなに余裕はありませんが……

 「……幹部が近くに……」

 

 めぐみんから聞いた話を整理すると……

1=近くに魔王の幹部が住み着いた。

2=簡単な依頼が無くなって高難易度の依頼しか残ってない。

3=駆け出し冒険者向けの依頼が無くなっている。

 

 うわぁ……アクセル(始まりの町)だって言うのに駆け出し向けの依頼が無いのは……それに高難易度の依頼を出来る人は限られてるし………駆け出しが高難易度に手を出して死なれるのは……よし

 

 「ありがとめぐみん。少し用が出来たから行ってくるよ」

 「む、そうですか。お気をつけて」

 

 ボクはめぐみんと別れ、ルナさんの所に行ってギルドマスターと話が出来るように話をつけて貰った。

 

 そして話し合った内容はこうだ。

 

 ギルドからは、今のところボク宛に王都から指名は来ていないから動く必要は無いとして、アクセルの防衛に回ること。

 明らかに駆け出しが達成出来ないアクセルの街の近くの依頼を積極的に多く受けて欲しいとのことだった。

 

 それの交換条件としてギルドの酒場での飲食を半額にすること。流石に無料にすると付け上がる人も出てくるからね。

 勿論その分のお金はボクが達成した報酬金とポケットマネーから出すことになった。

 ギルマスはそれで良いのかって言う顔をしてたけど今のボクにお金は殆ど必要ないからね……

 

 取り敢えず"冒険者補助期間〟は今日から始められることになった。アクセル付近の高難易度依頼はまだ一件しかないから500万エリスをギルドに寄付しておいた。だって一件だけじゃ酒場が大赤字になってしまうからね。

 

 そういえば、どこからか爆音が響いてくるって噂が立ってるらしいけど……最近よくめぐみんがカズマにおぶられて帰ってきてるし、まさかね……?

 

 そして一週間ほど経ってアクセルの街に警報が響いた。

 

 「緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってくださいっっ!」

 

 ボクはすぐに正門へ向かった。

 正門を守っていた兵士さん達と既に集まっていた冒険者達はとても殺気立っていてピリピリとした空気が張り詰めていた。

 皆が見つめている先には首の無い馬に股がり、自身の首を抱えた黒い大剣を背負った騎士がいた。

 

 デュラハン

 それは生物に死の宣告と絶望を与える首の無い騎士。絶望の末にアンデッドになった騎士と言われている。

 人を凌駕する身体能力と特殊能力を持つアンデッドが何でこのタイミングで来るの……!

 

 「………俺はつい先日、近くの古城に越してきた魔王の幹部の一人だが……」

 

 コイツが魔王の幹部ッ!だとしても、何で街に………まさかアクセルの街(始まりの街)を潰して冒険者の戦力を削ぐ為に

 

 「ま、ままま毎日毎日!!!俺の城に爆裂魔法を撃ち込んでくる頭のおかしい大馬鹿はぁッ!!だぁれだぁぁぁあッ!!??」

 

 「……は?」

 

 爆裂魔法……?まさか最近カズマとめぐみんが出掛けていた理由って……?

 

 「爆裂魔法?」

 「爆裂魔法を使う奴って言ったら……」

 「爆裂魔法って言ったらなぁ?」

 

 だよねぇ……

 ボクを含めた冒険者全員でめぐみんを見ると、めぐみんは近くにいた他の魔法使いに目線を擦り付けた。こら他の人を生け贄にするんじゃないよ。魔法使いさんが困ってるでしょうが。というか何で皆魔法使いさんを見るの?明らかにめぐみんだよ?

 

 「わ、わたし!?何でわたしを見るの!?わたしは爆裂魔法なんて使えないよぉ!!」

 

 話が進まないよ……というかめぐみんが結構ヤバそう。ちょっと青ざめてるし震えてる。仕方ない。ボクも一緒に行ってあげるから……一気に強気な態度になったね?

 

 そしてめぐみんを前にして一緒に前に出るとデュラハンはわなわなと震えながら指を指してきて

 

 「お、お前かぁ!?お前がぁ!毎日毎日俺の城に爆裂魔法をぶちこんでいく大馬鹿者はぁ!!??

 俺が魔王幹部だと知って喧嘩を売ってきているのか!?ねぇ!?ならば!!正々堂々と城に攻めてくるが良かっただろうがぁ!!

 その気が無いなら街で震えてる縮こまっているが良かったものを!!何故こんな陰湿な嫌がらせをするゥッ!?

 この街には低レベルの冒険者しかいないのとは知っている!雑魚しかいない街だと思って放置をしていれば調子に乗って毎日毎日ポンポンドカンドカン撃ち込んできおって………!!!

 あったまおかしいんじゃないか貴様らぁぁあ!!??」

 

 うん…まぁ騎士の成り果てと言うこともあって卑怯なことは嫌いみたいだけど……毎日家に爆裂魔法を撃ち込まれたら怒るよね……いやむしろ今まで我慢していたなら心が広い……のかな?

 敵とはいえ流石に同情するなぁ……

 

 「……フッ!我が名はめぐみん!!アークウィザードにして爆裂魔法を操る者!!」

 「……めぐみんって何だ!馬鹿にしてんのか?」

 「ちがわい!?」

 

 ……本当に魔王幹部なの……?気が緩むって言うか滲み出る好い人感が……生前は慕われてたんだろうなぁ……

 

 「ま、まぁいい。俺は雑魚にわざわざちょっかいを掛けに来た訳ではない。ある調査をしに来たのだ。暫くあの城に滞在することになるが、いちいち城の修理をするのも面倒なのだ。これからは爆裂魔法は使うなよ!?良いな??」

 「それは私に死ねと言ってるようなものです。紅魔族は一日に一度爆裂魔法を撃たないと死んでしまうのです」

 「聞いたことないぞ!?適当な嘘を吐くな!!」

 

 ボクも聞いたことないな……どちらかと言うとアクシズ教徒の方が通じる気がするけど、あいつら頭おかしいし……モウニドトアイツラニアイタクナイ

 

 「どうあっても爆裂魔法を城に撃つのをやめる気は無いと?俺はアンデッドに堕ちた身ではあるが元は騎士だ。無闇に弱者を刈る趣味はない。だがこれ以上迷惑行為を続けるのであれば此方にも考えがあるぞ?」

 

 デュラハンがキレ気味に言うとめぐみんは負けじと言い返し始めた。

 

 「私達だって迷惑しているのです!貴方がのせいで依頼が受けられ無いのです!!それに余裕ぶってられるのも今のうちデス!!

先生!!お願いします!!」

 

 めぐみんは後ろを振り返りながら叫んだ。先生って誰ってアクアァー!?いや確かにアークプリーストはアンデッドの専門家だけれども!

 

 「さぁ!覚悟は良いかしら!?」

 「ほう……これはこれはアークプリーストでは無いか…

腐っても俺は魔王軍幹部。こんな雑魚のいる街のアークプリーストごときで浄化される程落ちぶれていないわ!!

 ……そうだな、ここは一つ紅魔族の娘を絶望させてやろう」

 

 

 「ッ!!めぐみん!」

 

 デュラハンの指から黒い塊が飛んでくる。咄嗟に影で壁を作るがすり抜けてきて……

 

 

 

 「な、なんと言うことだ!死の呪いを解いて欲しいのなら俺の城へ来て言うことを聞けと!!つまりはそういうことなのだろう!?」

 「ファッ!?」

 

 デュラハンの呪いはダクネスがめぐみんを庇って代わりに受けてしまった。皆で駆け寄るが……すっっっっごく恍惚とした顔をしていた。

 

 「だ、だが呪いくらいで私は屈したりしないぞ!!屈しはしないが……!!どうしようカズマ!見るがいいあの兜に隠されたあのいやらしい目を!!あれは私をこのまま連れ帰り、城の拷問部屋で呪いを解いて欲しくば大人しく従えとッ!!凄まじい変態ハードコアプレイをするような目だ!!」

 「えっ………え……?」

 

 デュラハンもダクネスのドMっぷりに引いてるよ……普通死の宣告なんて受けたら絶望する筈が逆に喜んで着いていこうとするなんて人はダクネスだけだと思う。絶対に。

 

 「さぁ私を連れていけ!!さぁッ!!!」

 「ひ、ひぃ!?とにかく!クルセイダーの呪いを解いて欲しいのならば俺の城に来るがいい!!この俺が城の最上階で直々に相手をしてやろう!さらばだ!!!」

 

 デュラハンは迫り来るダクネスに怯えながら去っていった。

……魔王軍幹部に精神ダメージを与えるダクネス…もうダクネスを城に放り込めば解決するんじゃ……?

 

 「セイクリッドブレイクスペル~」ニョニョニョニョニョニョ

 「えぇ……」

 

 呪いすらアクアに浄化されちゃった……本当に魔王幹部なの……?

変態に精神攻撃受けて呪いも一瞬で解除されて……ボクが幹部なら泣いてる所だよ…

 

 

  

 

 

 

 

 

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