この素晴らしい影使いに祝福を!   作:メヴィ

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遅れてごめ~んね!


決戦 ベルディア カズマ視点2

 「あ、それ私が解いておいたわよ?」

 「……ファッ?」

 「そうなの?」

 

 アクアが言うとキィラは初耳だと言う顔をしている。

 ……ちょっと待ってくれ、もしかして呪われてるのに気づいてなかったのか……?あとアクアはキィラにたかるのやめろよ。普段から世話になってんだからよ。

 

 「ふ、ふっざけんなぁぁあ!?俺の!スキルが!何故駆け出し冒険者に一度ならず二度も!?さっきの聖魔法といい!お前本当に駆け出しかぁ!?」

 

 デュラハンはついに子供みたいに地面を踏みつけながら癇癪を、起こした。

 まぁ、そうなるよな…俺だってお前の立場なら叫ぶぞ。

 

 「プークスクスクスクスw呪いを解かれたのに気づかないの!?マジウケるんですけどw」

 「えっとアクア、笑うのは可哀想じゃないかな…」

 「こんなの笑わない方が無理でしょwm9(^д^)www」

 「……そっかぁ…」

 

 デュラハンに指を指して笑うアクアとそれを困った顔で見るキィラ。

 ……やっぱりあいつ女神じゃなくてキィラが女神じゃないか…?

 あ、そうだ。あいつの足元を凍らせればキィラのサポートになるんじゃないか?動かない今がチャンスだ!

 

 「えぇい!もう良いわ!!狂影!貴様さえ殺せればこんな所すぐに「クリエイトウォーター!!」___なんだ貴様!?」

 

 「くっそ!あわよくば直撃を狙ったがそううまくいか…な……あ…」

 

 キィラは俺のクリエイトウォーターに巻き込まれたのかずぶ濡れで転んでいた。

 キィラはふらふらと立ち上がって俺を見た。キィラはなんで……?と言いたげな顔をしている。

 

 「カズマ……?」

 「い、いや違うんだ!こうしたかったんだよ!フリーズ!!」

 

 今度はキィラに当たらないように水と一緒にデュラハンの足を凍らせて動きを封じる。

 よし!うまく行った!

 

 「キィラ!今だ!!」

 

 俺が声をかけるとキィラはデュラハンにかけよって…殴った…?

 

 「あ、あれ?」

 

 殴られたデュラハンは地面に叩きつけられて土煙をあげた。

 ……キィラって魔法職…だよな?今までは影の槍とかで串刺しにしてたし……あれぇ…?ッあ!?

 

 「キィラ!無事か!?」

 

 

 デュラハンに追撃をしようと飛び上がったキィラが突然の吹き飛ばされて俺の後ろまで吹き飛ばされた。慌てて駆け寄ろうとすると俺の身体は何かが当たる感じがした。

 

 「カズマッ!」

 

 目の前ではキィラがまた腕を横に付き出していて、それをみた瞬間に俺は全身を地面に擦り付けていた。

 

 「いってぇ…なんだっ…て……」

 

 体を起こしてキィラを見てみれば、キィラはデュラハンに斬られていた。

 

 「……は?」

 

 キィラの胸元は血だらけで、そこから血が溢れ続けてて、キィラの服を赤く、赤黒く染め続けていた。

 キィラは口からも血が溢れてて、立ち上がろうとしても転んで、何でだ…?なんで、キィラが死にかけてるんだ…?

 

 「…愚かだな、狂影」

 「いったい、なぁ…ゴフッ」

 「……ぁ」

 

 キィラと目が合った。キィラの方が怪我をしてて、死にかけてるのに、いつもみたいな優しい目で、俺を見ている。

 キィラは酷く安心したように口をすこしだけ、動かした。

 

 『よかった』

 

 俺が、俺を庇ったから、キィラが?俺がキィラの側に行こうとしなければ、キィラは防御が出来たんじゃないか?

 ドサリと音がして、見るとデュラハンがキィラを足で踏みつけて大剣を突きつけていた。

 「やめてくれ

 

 デュラハンは、キィラを殺すつもりだ。

 目の前で、すぐ近くにいるのに、からだがうごかない

 「うごけよ……なんでッうごかねぇんだよッ!」

 

 「貴様とは一騎討ちをしたかったが、この機会を逃すわけにはいかん。さらばだ狂影」

 「……

 

 キィラの胸に大剣が突き刺されて、地面を染める血が一層増える。

 キィラは一瞬だけ体を震わせて、動かなくなった。

 

 「あ……あぁ……!」

 

 俺は、目の前が真っ暗になって、キィラとの思い出が甦ってきた。

 最初に出会った時、一文無しの俺たちに貸してくれた金、

 トードに飲み込まれて涙目になって

 頭を撫でられて照れて

 

 『がんばってにぇ……///』

 噛んで、顔が真っ赤になって

 

 『ゆ、ゆっくり食べてね……?』

 手料理にがっついてる俺たちを心配してくれて

 

 『んゅ…』

 気持ち良さそうに寝ていたキィラが、死んだ

 

 

 

 「……本当に、愚かだったな。こんな男の為に命を捨てるとは…狂影も無駄死だ。___貴様も死いってぇ!?__はぁ!?なんでお前生きてんの!?」

 「…ぁ……?キィ…ラ…?なん、で」

 

 突き飛ばされたデュラハンの後ろにはキィラが立っていた。白くて長い髪を赤く汚して、立っていた。

 

 「き、キィラ!無事だっ」

 「ゴファッ!?ゴホッエホッ!」

 

 びちゃりと赤い塊を吐き出したキィラの顔色は、真っ青だった。みた感じ、出血は止まってるがどう考えても致命傷だ。

 

 「オェ…ボクが、あんな攻撃で死ぬと思った?_____さぁ、第二ラウンドを始めようか!!」

 

 そう言って再び影を纏ってデュラハンと戦いを始めた。

 

 

 

 戦いを再開してすぐには俺は動けなかった。だって、さっきまで死んだと思ってたのに、生きててくれた。それを受け入れるのに時間がかかって。

 なにも出来ずにただ眺めていた。

 

 「おいカズマ!何をぼうっとしているんだ!」

 

 突然、胸元を捕まれて持ち上げられた。

 

 「だ、ダクネス」

 「今のキィラに任せておくつもりか!?」

 

 ダクネスの指の先にはデュラハンと殴りあっているキィラがいた。でも、何かがおかしい。

 

 「今のキィラは瀕死のままだ!どう考えても火力が足りていない!__だからと言ってッ我々が入れる隙も、火力も無いんだッ!」

 

 捕まれている胸元からギリギリと音が鳴った。

 

 「今の我々に出来ることは…何も……「水だ」…は?」

 

 さっきからの違和感の正体がわかった。

 

 「あいつは水を異様に避けてる。なら、あいつの弱点は水だ!クリエイトウォーター!!」

 「だからなんなのだ貴様は!?水遊びがしたいなら「水だぁぁあ!!」やかましいわ!?」

 

 俺がそう叫ぶと回りにいた冒険者達はクリエイトウォーターでデュラハンを狙ってくれた。

 

 「ねぇねぇカズマさん。何で水遊びしてるの?バカなの?」

 

 ……この駄女神以外は

 

 「お前なぁ!?あいつは水が弱点なの!お前も水の女神なら水の一杯や二杯は出せるだろこの駄女神!!」

 「む、私なんて洪水クラスの水くらいだせますけど!?」

 「出せるのかよ!?なら早くやれよ駄女神が!!」

 

 俺が叫ぶとアクアは腕を組んでプイッと横を向いた。

 今そんなことしてる場合じゃないんですけどぉ!?

 

 「嫌よ!力を貸してほしいんなら謝って!馬鹿にしてごめんなさいって地面に頭を擦り付けて全身全霊で謝って!!!」

 「いまそんなことしてる場合に見えんのかよ!?いいから早く出せよこの駄女神ィッ!!」

 「また言った!?また駄女神って言った!!__もういいわよ!水の女神アクア様の力をその身で体験させてあげるわよ!!__ちょっとキィラ!今からすごいの出すからそいつ押さえといて!」

 

 

 両手を突き上げてアクアが詠唱を開始すると空には大きな雨雲が出来上がっていた。

 キィラはアクアに言われた通りデュラハンを……何で抱きついてんだ?

 キィラは地面から影を生やしてデュラハンを拘束しながら抱きついて、顔に水をかけていた。

 

 数秒もすればアクア詠唱が終わり、空からは大量の水が滝のように降り注いできた。

 デュラハンを拘束していたキィラはデュラハンと一緒に水に飲み込まれていって、その水は津波のようになって今度は俺たちを襲い始めた。

 

 「ちょ!?出しすぎ!アクアもういいからぁッごぷぁッ!?」

 

 限度ってもんがあるだろ駄女神が!!

 

 

 

 

 

 そしてアクアの作り出した濁流に俺たちは全員巻き込まれて流された。

 パンツまでグッショリだよこんちくしょう……

 なんとか起き上がると、近くには大剣を杖にしてプルプルしているデュラハンがいた。

 キィラを探すと瓦礫の陰でぐったりとしていた。

 急いでかけよって呼吸を確認するとしっかりと息をしていて気絶しているだけみたいだった。

 

 「お、お前ら……馬鹿なのか!?おお馬鹿なのかッ!?頭おかしいぞこのアークプリースト!!」

 「ふ、ふふふ……これが女神の力よ……カズマ!やっておしまいなさい!」

 「今度は俺が相手だデュラハン!覚悟しとけよおらぁ!?」

 

 キィラを殺しかけたんだから只で死ねると思うなよ?

 

 「ハッ!殺される狂影ただ見ていただけのお前に何ができる!?」

 「ああそうだよ!けどな!俺だって冒険者なんだよ!レベルアップだってするんだからさっきまでの俺だと思うなよ!?喰らえ!

       スティールッ!!

 

 そしてスティールの光が収まったとき、俺のての中にあったのは

 

 「あ、あの、その……

 「クヒッ♥️」

 

 デュラハンの生首だ。愛してるぜスティール!

 さて、どうするか……首を持ってないと体は動かないみたいだからギルドで晒し首にしても良いんだが……ルナさんが気絶しそうだからやめておこう。

 ………野球でもするか?

 

 「おいデュラハン!野球しようぜ!お前ボールな!」

 「野球ってなんだよ!?」

 

 ふむ……野球は伝わらんか……てかバット無いしどっちにしろ無理だな…キャッチボール……バレーボール……は、痛そうだからやめとこ。

 

 「よ~し!皆!サッカーしようぜ!」

 「ブヘッ!?」

 「さっかー?」

 「サッカーってのはな!手を使わないで、足だけを使ってボールを扱う遊びだよぉ~!!「くぁwせdrftgyふじこlp!?」オラ!」

 「お、起きたかキィラ」

 「えっと、あの首は…?」

 

 目を覚ましたキィラにさっきまでの一連の流れを説明すると、スティールで首が盗れたことに驚いているようだった。

 キィラが濡れたせいかぶるりと震えた。

 よし、俺がさりげなくマントを「わっ!?」……タイミングわりぃなこのボール(デュラハン)。串でも刺して団子にしてやろうか?「ばるす!」ヒェッ……

 

 その後、デュラハンはキィラの目潰しがトドメにピクピクと痙攣するだけになった。

 それでもキィラはデュラハンを離さずに光が無い瞳で睨んでいた。

 正直めっちゃ怖い!大丈夫だよね!?アンデッドになってたりしないよね!?

 俺が怯えているとダクネスが話を切り出してくれた。

 ありがとう変態。

 すぐさまアクアがデュラハンを浄化して終了だ。

 

 「ふぃ~…」

 

 いやぁ…なんとかなったなぁ……でもなぁ、

 横を見るとキィラがデュラハンが浄化され、天に上っていく光を見ていた。

 ……本当に、生きてて、良かった。「カズマ」

 

 「…ん?」

 「カズマ、お疲れ様」

 

 テディベアの用に足を伸ばしたまま座ったままだが、お礼を言ってくれるキィラは光に照らされてとても綺麗に見えた。

 

 「おう!キィラもお疲れ様!」

 

 

 

 

 




シリアスと曇らせられる方の視点って難しいです……こんな駄文を最後まで読んでくださってありがとうございました!
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