第1話
「高度3000フィート、作戦高度まで残り500フィート!」
「作戦高度まで、あと75秒、74、73、」
「高度2700切りました。」
その声を聞き、私は返事をする。
「分かりました。部隊各員は戦闘準備を求めます。」
「バードイーターから連絡。敵、対空砲沈黙とのこと。」
「分かりました。」
「残り3秒、3,2,1,0!!!」
手袋の中が汗でにじむ。
何にしろ、自分には指揮する初めて作戦だ、緊張するのは当然だ。
「シャドウモルフォ、出撃願います。」
そう彼女が発すると、sound onlyと書かれた画面からは
『こちら、シャドウモルフォ。アキレアナ
心がない声が聞こえる。
『こちらはアドニス002、同じく了解。』
『ネスティラ003了解っス。』
「ネスティラ003私語は禁止のはずです。」
『スイマセン。気を付けてるはずなんですけどね。』
その声はオペレーターの声により消される。
「出撃まで、3.2.1降下!!」
格納庫にはピーっと笛の音が響き、巨人が発進する。
『降下を確認。クエイクスネーク発進求めます。』
「ブラックマンバ001、了解。」
「ハブ002―....
通信が途切れていく。
『隊長、ミノフスキー粒子濃度、上昇。』
「分かった。今回の作戦はスマトラ島のティターンズ残党の鎮圧、もしくは無力化。元々、仲間と言え容赦はするな、殺す気でいけ。だが、殺すな。」
『命令が矛盾していますよ。隊長、まぁ、こんな場所で死ぬ気はサラサラないですけどね。』
音声はノイズがかかり聞きずらい、
『こちら、クエイクスネーク。降下成功、応答求む。』
「こちら、シャドウモルフォ、了解。どうぞ。」
『状況把握、感謝する。』
『作戦目標まで300m。バードイーターは目標地点への降下願う。』
『こちら、ゴライアス001了解。降下開始、目標地点の座標を求む』
「こちら、アキレアナ001。了解、そちらに座標を送る。どうぞ、」
『了解、座標を無事に受信。感謝する。」
『ハブ002、目標地点より視認。敵、ジムタイプ1、ザクタイプ2、』
「了解、作戦指揮権はアキレアナ001より移行。各部隊は目標地点つき次第待機求める。」
『ネスティラ003、目標地点に着きました。』
「ネスティラ003はewacの使用を許可。索敵開始を求む。」
『ネスティラ003、了解。索敵開始まで3,2...』
『こちら、コバルトブルー003。貴官らと合流、作戦指揮下に入る。』
『解析結果出ました。敵、ジム・クゥエル1、ハイザック2、洞窟内からの反応。十近いです。』
「了解。60秒後に作戦開始。アドニス002はネスティラ003の護衛、クエイクスネークは俺と合流し突入。バードイーターは待機。」
『了解した。』
『こちら、バードイーター。待機座標求む。』
「分かった、今送る。」
『作戦開始まで、あと15、14、13....』
UC.0088 5月6日、某基地。
「何で私たちは集められたのかな。レボロス?」
「知らない、俺に聞くな。俺たちは負けたんだ....。」
「もう、勝ち負けじゃなくて。今ある命を大事にしてよ。」
「....そうだな。」
「あ、でもここには100人くらいいるよ。あ、誰か来た。」
前にひげ面の勝者の軍服を着た、オッサンが口を開く。
「貴様らがここに呼ばれたのは他でもない。ネオ・ジオンによる戦いが始まった、しかし、今の連邦には誰かさんたちのせいで人員も実力も足りない。だから、ティターンズの残りカスの貴様らが呼ばれた。」
文句に近い演説が始まった。
「銃殺刑に等しい行為をした。貴様らが生かされた挙句、もう一度戦えることを感謝しろ。」
それは酷く冷酷で家畜を見るような目だった。
そんなことを当然了承する輩はいない。
一人の男が不満をぶつけた。
「ふざけんな!お前らが統制が執れてないせいでこうなってるんだろ!!」
「元をたどれば貴様らが原因だ。」
「その原因に頼ろうというのか。抜かすな!!」
「そうか、不満なら帰ればいい。まぁ、五体満足で帰れるとは思わんがな。」
「どういう意味だ。」
「そのままの意味だよ。」
現場は恐ろしい程に静寂に帰り、喋る者はいなくなった。
空気が凍った。
「まぁ、いい。これから部隊を分ける。その後はそれぞれの艦に移動しろ。命令だ。」
『作戦開始!!フラッシュグレネードを投げます。』
その1秒後、激しい閃光と共に突入が開始される。
「作戦開始!!」
ビームサーベルを抜刀し、戦闘が開始される。
狙いは角突きのハイザック、指揮官の可能性が高い。
「ブラックマンバ001は角無しをハブ002と003はジム・クゥエルを無力化しろ!俺は角有りを潰す。殺すなよ!!」
『『『了解!!』』』
ジム・クゥエルはスナイパーライフルを装備している。
遠距離射撃されると厄介だ。
ハイザックはmmpマシンガンで牽制射撃、ヒートホークを構える。
それに対して俺はシールドを構えた、 前進をする。
バルカンで威嚇し怯ます、 間合いに入る。
流れるような動作。
「終わり.....だ。」
腕を切り落としてからの回し蹴り。
マシンガンを構え、1発、2発、頭部はスクラップに。
そのまま、基地内に突入。
基地と言えど鉄の採掘場跡を利用したものだから洞窟に近い。
僚機がバズーカを撃つ、少しして黒煙。
突入。
『敵確認、ジムⅡ2、ジム改1、バーザム1、マラサイ2、ザクⅡf21、ドムタイプ2、ゲルググ1!!』
「なぜ、ジオンが一緒にいる?」
『分かりませんが、協力関係なのは確かです!!』
ジムⅡに接近、シールドでメインカメラを破壊。
もう一機はサーベルで両脚を切り裂き無力化。
ジム改は後ろから接近。
ビームサーベルの一突き。
バックで回避。
関節狙いの発砲、破壊してからの一発。
沈黙。
バーザムはスクラップ。
ザクⅡf2は頭部破壊による鎮圧。
残り5。
まだ枚数は不利だ。
「あ~、レボロスとは違う隊だ。残念...。」
「俺は馬鹿と離れられて嬉しいよ。」
「酷いこと言った!泣いちゃうよ私。」
「勝手に泣け。」
セルは子供のように頬を膨らませる、フグみたいだ。
正直言って鬱陶しい。
「部隊を確認次第、さっさと移動しろ!!」
おっさんは五月蠅い、吐きそうだ。
移動を開始していく。
少ししてから部隊のメンバーと顔を合わせた。
「俺はケン、よろしくな。」
「ヘンリーだ。同じくよろしく!!」
「俺は、レボロスだ。....よろしく。」
部隊名はブラックモルフォ、第一部隊アキレアナ。第二部隊アドニス、第三部隊ネスティラの三小隊で編成された部隊だ。
UC.0088 5月11日 旧フィリピン パラワン島
ジムカスタムは膝をつき動かなくなる。
『おい、おい!。レボロス、囲まれたぞ!!」
画面越しからの声。
『ぐぁッ、う、腕が!...。死にたくねぇ、死にたく......』
ヘンリーがミンチにされた。
俺もダメか.....。
夕日が紅く照らしている。