【転生】転生した先が激ヤバな件【おまけ込み】 作:アーヴァレスト
「さて、中央での仕事はこれで終わりだな」
(まだ終わってないぞ、レイドデバイスのメンテナンスが残っているじゃないか)
「えぇ・・・今言ったら俺どんな目に合うか想像出来ちゃうんですけど?」
(諦めろ、阿呆め)
珍しく中央・・・首都にある仕事部屋で仕事した俺は帰ろうとしたところで避けていたことを同居人であるノインツェーンに言われた
それは自分も使用するレイドデバイスという代物のメンテナンスの事である
ちなみに避けていた理由は彼女がヴラディレーナの親友だからと、数日前の作戦が理由である。あれで過負荷を与えたのは言うまでもなく、ヴラディレーナから話を聞いた彼女が確実にキレるからだ
「行きたくねぇなぁ・・・」
(それがないと少々手間取るのだ、諦めて行け)
「はぁい」
執務をしていた部屋を出る前に今から向かうと連絡を入れる
今は空いているので大丈夫だと返信が来たので一路向かう事にした
「足重いんですけど」
(さっさと歩け)
そうこうしているうちに目的の場所の扉が見える
その扉をノックせずにはいると・・・
「あら、少し早いお着きですね中将閣下?」
笑顔なのに笑顔に見えない表情で俺を見ているアンリエッタ・ペンローズ技術大尉がいた
彼女こそ、ヴラディレーナの親友にしてパラレイドの研究主任を務める、入室した部屋の主である
「で、私の言いたい事がもう分っていると思います・・・」
「いやー、何のことか分かんないなー」
「正座」
「・・・はい」
指をさしたのは座布団の方、そして声はドスの利いた有無を言わせないものだった
「レーナが寝ている時点で分かっているのに嘘つかないでもらえます?」
「いや、ノリで答えた方が良いかなーって」
「重りでも置いてみますか、太ももに?」
「冗談です、すみません」
それから数分間尋問が続いた、それにキチンと返答して反応を伺う
「はぁ・・・レーナもレーナだけど貴方の方にも問題が大ありです、貴方とは違うんですから少しは考えてもらわないと困ります」
「そろそろ正座を解いてもよろしいですか?」
「いいですよ、座布団は椅子に置いてください」
「あーい、で、話の途中だったな」
そう言って俺は対面で椅子に座布団を置いて座る
「えぇ、今回の一件でレーナの脳全体にかなりの負荷が生じていました。正直に言いますが、一日寝込んだだけで済んだのは奇跡的です。常人なら脳機能に障害を負うレベルです」
「マッピングデータはあるな?」
「これです」
渡された資料・・・マッピングデータとは脳の活動分野を示したデータの事である活動分野を示したものだ、そのほとんどが黄色・・・危険域一歩手前の状態だ
「これはまたなんとも・・・」
「これでも落ち着いた方です、作戦終了直後なら即入院コースにしていました」
「俺基準はやっぱダメだったか」
「ダメに決まっているでしょう!!そもそも貴方はこういった事に対してかなりの耐性を有しているんですから!!」
それはおそらく同居人であるノインツェーンの影響によるものだろうと推測している
本人も同じ推測をしており、最適化による環境適応が要因である
それにより、脳への負荷に対して非常に強い耐性を有している
「逆に私が聞きたいくらいですよ、なんでそこまで強い耐性を有しているのか」
「それに関しては今より親密度を上げてくださいとしか」
「一回死んでみますか?」
「冗談です」
俺の冗談にまた恐怖を抱く笑顔で返してきた彼女に即座に冗談だと返して俺は告げる
「レイドデバイスのメンテ頼む」
「そういえばそろそろでしたね、出してください」
「はい」
「なんでこんなにボロボロになるんですか?」
出したものが一部がボロボロになっている者だった
一ヶ月でボロボロになって返って来たデバイスに技師としての彼女から冷たい目が俺に向けられる
「いやー、実戦もやるからねぇ・・・どうしてもこうなっちゃうのよ」
「貴方は実戦でいったいどういう動きをしているんですか!?」
「バク中から側転したり、捻り加えてたりしてるね」
「頭おかしいんじゃないですか?ジャガーノートより高性能なものを開発して自ら運用しているのは聞きましたが、そんな動きに機体がついて来れると思いません」
「バーニアとスラスター増設したからイケるよ、その代わり搭乗者にはとんでもない負荷が来るけどね」
それを聞くとアンリエッタちゃんは呆れ果てたと言わんばかりの顔で俺を見た
「無茶と無謀って知ってます?」
「ぶち壊すためにある概念だな」
「ダメだこの人、諦めもない」
「君は既に経験済みかな?」
俺がそう言うと、その表情が一瞬強張る
これはアタリだ・・・だがこれ以上に踏み込む気もない
「聞いてどうすると?」
「聞く気もないから安心したまえ。ただ、俺は過去に諦めて手放してしまった手があってな・・・今度はそうしないようにしているだけなんだ」
そう言って俺は自分の右手を見る。その手はかつて愛おしんだ誰かを護れなかった手だ、今もその時の事を思い出す事がある
もう二度と、失うまいとそのたびに思い・・・そしてこの世界では奇しくも全て上手く行っている
だが、今でも恐ろしいものは恐ろしい・・・またそうなった時、俺は今の俺ではいられないだろう
「だから、今の地位に必死で上り詰めたと?」
「いんや、それは馬鹿共を蹴落とした結果」
「・・・」
何とも言えない表情で黙り込んだ彼女はしばらくのチェックのあと、新調したデバイスを渡してきた
「今度は壊さないでくださいね、次は金取りますよ」
「あーい、善処するわー」
そう言って俺は最期の目的も果たして北部方面軍の基地へと帰還した
実は重い過去がありそうな主人公・・・