【転生】転生した先が激ヤバな件【おまけ込み】 作:アーヴァレスト
「うわぁすげぇ数、このゴミ国家潰すのにこんな戦力出してくんなよただでさえ勝ち確だろうがよ、クソが」
(恨み言と愚痴と嫌味を同時並行でこなすのはお前だけだと感心するがな、何故いま中央にいる?)
「どっかの悲観してやる気のない准将が無駄死に行かないか心配と予感的中したら牽制する目的があってな」
秘書から緊急入電でグランミュールのレーダーが捉えたレギオンの総数が報告された
その数は北部方面軍単体だけでこれまでの最大値を霞ませる、1000万以上
戦力差は大雑把に見積もって1.5万対1、絶望ゲーだ
そして今いるのは中央の軍本部、ジェローム准将がやらかさないか心配と、その予感的中の場合の牽制のためにいる
「ジェロームおじ様ッ!!」
そして予感は悪い方が的中した、やらかそうとしていたのだ
歩いて上がってる途中でヴラディレーナの声がするのでそのままあがる
そしてふたりが俺に気づき···
「あっれー、准将どしたのこんなとこで?」
そう言った瞬間、ほうけていた准将の腹に全力の一撃を見舞った
「がっ!?」
「お前何してんの?今まで絶望と諦観を抱いて、現状を変えようとはしてなかったのがよ?」
「だが、軍人としての誇りを捨てた訳では無い!!」
「だったら約束くらい守れや。どっかの誰かに首都の守りは任せろと息巻いたのは誰だ?あぁ!?」
俺は今でも、あの時の言葉を覚えている
絶望し、諦観を抱いていた彼を自身の味方にしようと思い声をかけたあの時の返事を
だからこそ今日ここに来た訳だが、いやはや
「あんたがやる事はこれから先にもあんだろうが!!死に急ぐような真似をするな愚か者ッ!!それにグランミュールはまだ健在だ!!そう易々と突破などさせてたまるか!!」
「しかし、今の大軍ではいずれッ!!」
「お前もだヴラディレーナ、見くびるなよ、我らが北部方面軍を!!この時がいずれ来ると想定して新兵装に新装備、戦争に関わるありとあらゆる物を最新化している!!」
2人に見せたのは各種兵装、装備による戦況のリアルタイムデータが眺めるデータパッド、そこには損傷軽微で耐えるグランミュールの防護壁と迎撃砲の稼働状況、そして損害規模のデータが分かりやすくグラフで表示してある
損害は今のところ兵装と装備品以外には全くなく、人的被害に関してはゼロだ
そこまで精強な軍を、俺は北部方面軍指揮官として着任した年からたった5年で作り上げた
「よって、あんたの出番は到底来ねぇ!!諦めて後進の俺たちに任せろってんだよオッサン!!」
「くっ···」
「それでも、首都を任せられるのは軍本部であんたしか居ないのも事実だ。俺とヴラディレーナは前線の指揮で国を守る。だからあんたは、首都でやれる事をやってくれ」
「分かった···」
そう言って彼は俺に頭を下げて階段を降りていった
先程までの悲壮な覚悟の顔ではなく、どこか悔しそうに
だが止められたのならばこれで良い、相手から悪く思われようとも
「中将···」
「と言ってもなぁ···耐えられて多分72時間なんだよなぁ···」
「ちょっ!?」
俺の思わぬカミングアウトにレーナが慌てる
「お前何慌ててんの?72時間って事は3日も猶予期間あんだぞ?お前はその間にプロセッサ達と体勢を整えて反抗作戦を行えるようにしろ、それだけの余裕は俺と北部方面軍が意地でも作ってやる」
「わ、分かりました!!」
「気張り過ぎるなよ、それは思わぬ弱点になる。なぁに普段より5000倍ほど数が増えただけだ、戦術や戦略で如何様にもなるさ」
俺はそう言ってレーナの肩を掴み、告げる
「お前のやるべきを事を為せ、少佐」
「はっ!!」
さて、中央でのダルい作業は終わりだ、俺の戦場に戻るか
「それじゃ俺は基地に戻りますかね、ルセット!!」
「外に用意してあります、早くお乗り下さい!!」
「よし、わかった!!市街地は全力で飛ばせ!!俺権限でもみ消してやる!!」
「了解です!!基地まで最短最速で帰ります!!」
俺の秘書、ルセットは既に車を用意していた
俺が信頼する部下の一人だ、そして自身も優秀なハンドラーでもある
俺にスカウトされる前は周りの軋轢に耐えながら優秀な戦果をあげていた数少ない人物でもある
俺がスカウトし、俺の責任の元に自由にやらせた結果才能が開花し、他のハンドラーでは成し得ない、それでこそ今のヴラディレーナですら足元に置くレベルの能力を有する
「ルセット、俺を基地に置いたら逃げてもいいぞ」
「ご冗談を、私も基地で戦います。あの子達を前線に出しておいて、私だけ何もせず座して待つなど出来ませんから」
「死ぬなよ」
「中将こそ、基地に戻ったら前線に赴くのでしょう?」
「あぁ、俺に関しては心配無用だ。勝利の女神様がいるからな」
現在の状況を見る、グランミュールはまだ健在だ
しかしプロセッサの子達に負傷者が出始めた
装甲にはまだ問題があった様だ、次の改修で改善しよう
幸いにも負傷者だけで死者はいない、まだ大丈夫だ
「勝てると思うか?」
「
「理由を聞こう」
「ここまで兵器を高効率で運用し発展まで成し遂げたのは、一重に貴方の兵器に対する理解度が高いからです。そしてサンマグノリア共和国のドクトリンが間違っているものであると洞察し、それとは大いに異なる北部方面軍のドクトリンでこれまで多大な戦果を上げてきた。それら全てを俯瞰してみれば、今のグランミュールの戦力を適切かつ最大効率で運用出来る指揮官は貴方だけです」
「そうか、ならば期待には応えねばなるまい」
そして2時間、俺は基地に帰着しそのままの足でこの時のために開発した機体群の一つ、ST-84 サヘラントロプスに乗り込みシステムを起動させる
(システムは問題なく稼働、姿勢制御機構も正常に動いているな)
「武装システムも問題ない、行くか」
REX形態で出撃する。行く先はレギオンの前面、最前線だ
その間に機体の最終チェックと俺の操縦の癖に合わせたフィッティングを行う
「よし、そろそろか···」
「敵、距離4500!!有効射程です!!」
「電磁加速砲で牽制射撃を行う!!敵の大型目標の反応を出せ!!」
「了解です!!マップデータリンクします!!」
即座にでてきた敵のデータを見ながら、俺は告げた
「撃発ッ!!」
初弾を打つ、光の矢のように見える超電磁砲の光跡が一瞬見え···
重なっていた敵の大型目標を2体同時に貫通した
「よし、これならばレギオンに対抗可能だ!!」
その後も現れた大型目標を優先的に処理する。そうすると当然敵はこちらに集中する
小型目標が来た瞬間、アーキアルグレネードで敵を腐食させ機能停止させる
同時に、エネルギーを奪える場合はこれを奪い、自機の超電磁砲用スーパーキャパシタに蓄電する
「全武装、正常動作確認!!行けます!!」
「了解だ!!お前達も気張れよ!!」
「はいっ!!中将!!」
後方では部下たちが迎撃砲を最大効率で運用してくれている
それだけでは無い、様々な役職の職員が己の任務を全力でこなしている
「俺が情けない姿を晒せねぇよな、こうなればァァァァァ!!」
そして、真の姿である直立二足歩行形態に移行する
「知るがいい、レギオン。これが人間の、人類の力だ!!」
そしてアーキアルブレードを抜いて構え、地面に突き立てる
しばらく後に、レギオンの前線の地面が突然現れた謎の金属塊で隆起し、数千機が同時に破壊された
「そして怯えてすくみ、震えるがいい!!これからお前達を全て破壊してやる!!」
サヘラントロプスは俺の叫びに答えるように、絶叫のように聞こえる音を出した
その正体は機体の構造に加えて摩擦、あるいは振動によって発生した音が有機的な、それこそ動物の叫び声に感じられるものだ
「さぁ、生存をかけた決戦を始めるぞ」
その瞬間、俺にとっての戦争が始まった
次話にて神父登場