【転生】転生した先が激ヤバな件【おまけ込み】 作:アーヴァレスト
なおこれがわりと本編に関係している模様
短編1 恋愛ポンコツ女王様
その日私は上司・・・と言うより軍の最高責任者である中将に呼ばれて部屋に来ていた
この部屋は数ヶ月前に起きた大事件の舞台であるが、今は綺麗に片付けられ、普段の執務に使われている
「失礼します」
「入りたまえ」
中からの声に答えて扉を開け、入室すると部屋の主であるオッツダルヴァ中将は普段の執務用の服からカジュアルなスーツに着替えて窓辺に座っていた
「本日は何の用でしょうか、中将」
「向こうとの連絡将校の任を全うしてくれてて助かっているからその激励で呼んだのが主題だが?」
「主題はそれだと思っていましたが・・・まだ他にもなにか?」
「まぁ、それは飲みながら話そうか?」
ルセットさんが入れてくれた紅茶を飲みながら話を聞くことにする
沈黙の数分間が過ぎて私が紅茶を飲み終わるその瞬間、中将が口を開いた
「シンエイ・ノウゼンとはどこまで進んでいるのかね?」
「つっ・・・!?」
思わず、紅茶を吹き出しかけた
考えてもなかったことを言われて頭が混乱する
「な、ななな!?何をいきなり言うんですか!?」
「いやー小隊長ちゃんからお前らの進展がなくてイライラしてるという報告があってな?どこまで進展してんのかなーと思って」
「なっ・・・!?」
私と彼のやり取りを見ていた人がいた!?バレないようにしていたのに!?
「コレとかコレとかコレとか、ずいぶんと仲睦まじいねぇ・・・」
「なんで写真が!?」
「諜報班に頼んで撮ってもらった」
「権力の無駄遣いです!!」
「ダイジョブダイジョブ、キチッと仕事はしてっから!!」
「そんな問題じゃありません!!」
更には写真まで撮られている、とても恥ずかしい・・・と言うか犯罪行為だ!!
「で、君は彼をどう思っている?」
「直球で聞かないで下さい!!逆に聞きますが中将はルセット大佐をどう思っているんですか!?」
「好きだよ、家督問題がなければ今頃ゴールしてるし何なら育児休暇に入ってもらってるかもな?」
「・・・どういう意味ですかそれは?」
家督問題と言われて思考が一瞬止まった、ようやく浮かんだ質問がそのまま言葉になったほどだ
「ルセットの名字は?」
「アルデイシアと聞いてますが・・・」
「アルデイシア家といえば?」
中将の質問に一瞬深く考える、浮かんできた家は唯一つ
中将の実家である銀行系財閥の副頭取の家系だ
「あっ・・・!!」
「そういうこと、副頭取のご息女なんだよ、ルセットは」
なお、ルセットさんは心底つまらなそうな顔だ
そういえば以前、家のことを話題にした時に嫌そうな顔をしていたような・・・
「私の家の事など瑣末事ですよ、中将」
「心底嫌だからと堅苦しい言い方するなよ・・・まぁいいや。で・・・レーナ、君は彼をどう思っているかな?」
「好きか嫌いか、で言えば好きです・・・でも本人に伝えても届くかどうか・・・」
「ヘタレか・・・いや、
「一言余計です!!と言うかそのあだ名、あの人達と中将が広めたものでしょう!?」
「さて、なんのことやら?」
その後も散々イジられ続け、帰れたのは2時間後だった
短編2 ルセットさんが家を嫌う理由
「・・・」
その日の朝、私は休暇に家へと戻っていた。理由としては実家でパーティーを開くからというもの
銀行系財閥のナンバー2が私の実家であるが、家督を継ぐ気は1ナノメートルもない
それは偶然自分の上司になった財閥トップの家の跡取り、オッツダルヴァ中将も同じだ
あちらは家をうまく使い、気がつけば軍のトップに上り詰めた。その手腕は見事と言えるだろう・・・本人の気質は別として
「ルセット!!無事だったかぁぁぁ!!」
「うるさいよ、父さん」
そして私が家の中で最も嫌う人物、自分の父が出迎えてくれる
ちなみに嫌っている理由は単純に、親バカだからだ
一方、ナンバー2としての手腕は私でも参考にすることがあるほど天才的であり、頭取と父がいればどちらかが倒れるまで成長が続くのは間違いないだろうと言われている
「おかえりなさい、ルセット。無事で何よりよ・・・しばらく入院していたと聞いたけど、大丈夫だった?」
「ただいま、母さん。任務だから怪我することくらいはあるし、そこらへんはキチンと対応できる子達がいるから大丈夫だよ」
父さんの後ろから母が出てくる、最近会ってなかったが、母さんも元気そうだ
「夕方からパーティーだから、それまでゆっくり休んでなさい。仕事で疲れてるでしょう?」
「来る前にゆっくり寝れたから大丈夫だよ。このウルサイのがいなければ」
「だそうだぞ夫、静まれ」
鶴の一声で父さんが黙った、と言うか落ち着いた
我が家のヒエラルキーは相変わらずだった
「それで、今日は珍しく速く帰ってきたわね?」
「休みが被ったから・・・」
「あぁ、そういうことね?」
家は別として、彼は私の好きな人だ
今回のパーティーには中将もたぶん参加するだろう
彼に関しては私と分かれて直後、見たことある車に連れ去られたし
「彼のどこが好きなんだ?私には理解できんぞ?」
「国内でも一番の富豪の子息なのに、質素な生活を好んでいるし。何より誰よりも平等性を大切にしているからだよ」
「むぅ・・・」
「それだけではないでしょう?元86の人達に対する真摯な対応や、自分ではなく他の人間たちの貢献を大切にするその姿勢も、ね?」
「うん・・・」
相変わらず、母には私の本心が見えているようだ
そして夕方、パーティーのために準備した服に着替え、私は中将が来るのを待っていた
「よぉ、探したぞ・・・しかしほんと、パーティーってのは人が集まるよなぁ」
「集まらなければパーティーじゃありませんよ、オッツダルヴァ」
「ま、そうだな。ルセット」
カジュアルな服装で現れた中将は相変わらず飾りっ気が1ミリもないシンプルなデザインの服だった
おそらく、オーダーメイドの服でもかなり安いものだろう。だが、その性格とは真逆の気品溢れる佇まいから、高価に見える不思議な事が起きている
そういえば、前にお会いしたエルンスト暫定大統領も似た雰囲気の人だった
「無礼講だよな?」
「紳士の集まりなので控えて下さい」
「はいよ」
そう言って私が手を出すと、彼はさも当たり前のように手を取り・・・
「エスコートしますよ、お嬢様」
「ありがとうございます、紳士様」
パーティーの中へ入っていった
作者・・・後半で死ぬほど砂糖吐いたわ