イチョウ並木に沿った通学路で、白い帽子にコートを纏った美丈夫とセーラー服の少女が相対していた。
「君が上城ミオで間違いないか」
「……あなたもDIOがどうとかいう手合いの人ですか?あいにくですが、その人のことはよく知りません。お引き取りください」
警戒心を露わにしてこちらを睨む赤みがかった双眸に、白コートの美丈夫もとい空条承太郎は、血縁上彼女の父にあたる男のまなざしを思い出した。
かつてエジプトにて仲間と共に死闘の末打ち倒した吸血鬼、DIO。その血を目の前にいる少女は継いでいる。それを一目見ただけで確信させるほど、彼女はDIOの美貌を受け継いでいた。
果たして、ミオはどのような人間か……見た目通りDIOに近いのか、それとも奴の首から下の肉体であるジョースターの血統に近いのか、あるいはどちらとも異なっているのか。それを測るため、承太郎は彼女に接触した。
彼女の言葉を聞いて、承太郎にはひとつ引っかかることがあった。
「“あなたも”ということは……他にDIOのことで声をかけてきた者がいるのか?すまないが、詳しく話を聞かせてくれ」
そう言って承太郎が一歩前に踏み出すと、すかさずミオは二歩後ずさる。警戒の色はより一層増して、剣呑な視線はまるで毛を逆立てて威嚇する猫のようだ。
「お引き取りくださいって、私言いましたよね!?だいたい、話を聞きたいのならまず名乗るのが筋でしょうっ……!」
ただでさえ白い顔色をさらに青ざめさせて、彼女は通学鞄の持ち手をグッと強く握りしめる。そこでようやく承太郎は、自分が名乗っていなかったことを思い出した。あまりにも彼女がDIOに似ていたため、そちらに気を取られていたのだ。
「名乗り忘れていたな。おれは空条承太郎という者だ」
「さようならッ!!」
ミオは承太郎の名を聞いた途端、踵を返し全力で走り出した。なぜなら、彼女は母親から“DIOそっくりなアンタが空条承太郎に関わるのはまずいから、見かけたら逃げなさい”と教え込まれていたからだ。その言葉に従い、ミオはしなやかな脚に全神経を注いで並木道を駆け抜ける。どこかの脇道へ逸れようと視線を巡らせた……瞬間、彼女の前に壁が現れた。急に止まれるはずもなく、顔面からしたたかに激突してしまう。
「きゃあっ!?」
衝撃で目の前に星が散り、たまらずミオはその場に尻餅をついた。涙目になりながらぶつかった先を見上げると、そこには背後にいたはずの承太郎が仁王立ちしていた。
なぜ?どうして?とミオの脳内に疑問符が乱舞するが、目の前の男はため息をつくだけだ。
「やれやれ、人に名乗るよう説いておいて話の途中で逃げ出すんじゃあねえぜ……君に尋ねたいことがあるんだが、話してくれるな?」
「ッは、ハイ……」
承太郎が放つ「YES以外の答えは許さない」と言わんばかりの圧に負け、なすすべなくミオは近くのカフェへ連行されることになった。
主人公の設定
名前…上城(かみしろ) ミオ
性別…女
年齢…14
装備…カチューシャ、セーラー服、
備考…DIOの娘。DIOの生き写しと言える顔立ちであるため、幼少期から何度もDIO関連の事件に巻き込まれたことがある。