終末の異世界で生き残るため、TS魔法少女となってスパチャを稼ぐことになった話   作:星野純三

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第23話

:え、なにが起きた?

:爆発? 決闘とは関係ないよね?

:上からなにか降ってきたようにみえた

:魔族の襲撃だ

:は? 王都に? どうやって?

:飛んできたっぽいな……

:でもアリスちゃんは想定内っぽいこといってるぞ

 

 

 魔族の出現でとり乱しているようにみえた王子と王女だったが、あれは茶目っ気溢れた演技だ。

 

 おれは事前にディアスアレス王子に呼び出され、例の屋敷の例の部屋で、決闘の裏の目的を聞いていた。

 これは、どこにいるかわからない魔王軍のスパイをあぶり出すための作戦でもある、と。

 

王国放送(ヴィジョン)システムのおおまかな仕様は、別にいいふらしているわけじゃないが、隠してもいないからね。これまでの作戦で、魔王軍もアリスの存在は認識しただろう。その弱点を探るのは当然のことだ。当然、アリスをサポートするシェルの存在にも気づいているに違いない」

 

 でもシェルは、戦場で徹底的に隠れている。

 おれがそう指示しているからだ。

 

 シェルこそがアリスの力の源泉であるから、という意味もあるが……。

 それ以上に、シェリーをこれ以上、危ない目に遭わせたくないからだ。

 

 ディラーチャとムリムラーチャの姉妹の禁術を防ぎ、返す刀で拘束してしまった手際をみてもわかるように、共に戦うならかなり強力な助っ人になってくれることは、もちろん承知しているのだけれど。

 

「もしかして、妹を囮にして魔王軍を釣り出すんですか」

 

 おれは王子を睨んだ。

 王子は、はっはっは、と笑う。

 

「もちろん、きみの可愛い妹さんを危険に晒すつもりはない。彼女は我々にとっても、大切な大魔術師の一番弟子だからね。限りなく本物に近い幻影をつくってもらう。そのための魔法は、アリア婆様が片手間で構築してくれたよ」

 

 ディアスアレス王子は、大魔術師リアリアリアのことを「アリア婆様」と呼ぶ。

 ちなみに妹のマエリエル王女は、普段は「リアリアリア様」だが、時折、気を抜くと「アリア婆様」になるらしい。

 

「妹の安全が保証されるなら、おれは構いません」

 

 同じ質問をディラーチャとムリムラーチャにもしたという。

 姉のディラーチャは、魔王軍を倒すためなら、と一も二もなく了承したようだ。

 

 妹のムリムラーチャは少し戸惑った末、「ディラ姉がいいなら」としぶしぶ承諾した。

 

 ちなみにあの姉妹は、今に至ってもおれがアリスでシェリーがシェルであることを知らない。

 秘密は知る者が少ないほどいい、とはディアスアレス王子の言葉である。

 

 かくして、決闘の準備の裏で、魔王軍のスパイを発見するための作戦が開始された。

 

 闘技場の警備のほか、多くの近衛騎士団が私服で観客に混じり警戒する。

 怪しい者をチェックして、場合によっては拘束する。

 

 途中経過を聞いたところでは、各国のスパイがめちゃくちゃ摘発されてしまったらしい。

 まあ、そりゃどの国だってアリスたちの戦いをナマで見られるとなったら偵察させるよな……。

 

 で、肝心の魔王軍のスパイとおぼしき者はさっぱりみつからなかったようで、裏の作戦は失敗か、と思ったのだけれど……。

 

 決闘の最中、アリスとムルフィの戦いはまさにクライマックスというところで、シェルとテルファの幻影が攻撃された。

 もし本物があそこにいたなら、いともあっさりと、一撃で殺されていたことだろう。

 

 派手に爆発まで出してみせて、攻撃した魔族もそれが幻だと気づかず高笑いしていたのだから、本当に精緻な幻であったのだろう。

 さすがは、このためだけにリアリアリアが構築した精巧な幻の魔法(ミスリード)である。

 

 つーかシェリーはともかくディラーチャも精巧な幻の魔法(ミスリード)を数日で習得してしまったのだから、やっぱり優秀なんだよなあ。

 

 なおこの精巧な幻の魔法(ミスリード)、幻の維持に大量に魔力を必要とし、術式そのものに王国放送(ヴィジョン)システムと螺旋詠唱(スパイラルチャント)を組み込んでいるため、普通の魔術師は覚えていても行使、維持することができない。

 今回の決闘では螺旋詠唱(スパイラルチャント)禁止となっているが、じつは王族の端末から精巧な幻の魔法(ミスリード)用の魔力だけは融通していたのだ。

 

 このあたり、今後もサポーターを守るために必要な処置の実験、といったところなのだろう。

 その初回で、いきなり大当たりを引いてしまったわけだが……。

 

 そう、大当たりだ。

 見事に釣り出された青い肌の魔族を、おれは知っている。

 

 魔王軍の最高幹部、六魔衆のひとり。

 

 王家狩り(クラウンハンター)

 そのふたつ名を持つその存在は、ゲームでも大暴れした魔族であった。

 

 魔族同士で名前を呼び合う場合、彼はヴェッラクス、と呼ばれている。

 だがプレイヤーも、そしてゲーム中のキャラクターたちも、王家狩り(クラウンハンター)という名の方がよほど印象に残っていた。

 

 そして、現在のこの大陸においても、この魔族は王家狩り(クラウンハンター)と呼ばれていた。

 単独で敵の中枢に進撃しては王の首を狩る暗殺者として、ヴェルン王国でも特に要注意の存在であると認識されていたのだ。

 

 それがいま、こうしてアリス(おれ)の近くに現れた。

 おそらくは、おれたちを狩るために。

 

 はははっ、光栄だね。

 魔王軍はアリス(おれ)のことを、王に等しい戦略的目標と定めてくれたってわけだ。

 

 と――テルファが、びしっと上空に浮かぶ王家狩り(クラウンハンター)を指さす。

 

王家狩り(クラウンハンター)、あなたがわたくしたちの一族の里に現れた日のこと、ひと時も忘れませんでした。父も母も、友も想い人も、すべてあなたに殺されました。里のすべての者たちの仇、我ら姉妹がとらせていただきましょう」

 

 そうか、彼女たちの里を襲ったのも、こいつか。

 彼女たちの里もまた、魔王軍にとって王家に等しい戦略目標だったというわけだ。

 

 しかしテルファの宣言に対して、王家狩り(クラウンハンター)は首をかしげた。

 

「踏みつぶした虫のことなど、いちいち覚えてはいないな」

「あなたは――っ」

「落ち着いて、落ち着いてテルファちゃん!」

 

 激昂するテルファの肩をシェルが激しくゆする。

 一方でムルフィは、とみれば、こちらは表情を消して、じっと無言で頭上の王家狩り(クラウンハンター)をみつめていた。

 

 おれはムルフィの手をそっと握った。

 

「アリス」

「いっしょにいこう、ムルフィちゃん」

 

 ムルフィが、ゆっくりとうなずく。

 よし、少しは緊張が解けたかな。

 

 決闘といっても、さきほどまでのあれは、命のやりとりをする気もない児戯、こんなもの、準備運動に等しい。

 

 いや、アリスはムルフィの炎を突破したとき派手に火傷を負ったけど。

 それもさっきからシェルがこっそりと遠隔治療の魔法(リモート・ヒーリング)で治療してくれているから、もうじき完治する。

 

「観客のみなさん、冷静に退避してください。近くの騎士団の指示に従ってください」

 

 アナウンサー(おうじ)が慌てず騒がずの退避を促している。

 突然の魔族の存在に呆然としていた闘技場の観客たちだが、私服の近衛騎士団が声をあげて誘導しているおかげで、混乱は最小限に抑えられているようだった。

 

 さて、王家狩り(クラウンハンター)が観客たちを狙い始めたら厄介なんだが……。

 幸いにして、青い肌の魔族は、さきほど挑発したアリスに対して三つの目でガンつけするのに忙しい様子であった。

 

「アリスびっくりしたよ、いくら魔族のおつむが弱いからって、こんなみえみえの釣りに引っかかるなんて」

 

 とりあえず、追加で煽っておこう。

 

「わざと引っかかったのかな? とか少し思ったけど、シェルとテルファを倒したって自慢して高笑いするんだから、ちょっといい逃れができないよね、ざこざこお兄ちゃん?」

「貴様――っ」

「っていうかレスバもできないなんて、生きていて恥ずかしくないのかな?」

 

 

:おれもアリスちゃんにざこざこお兄ちゃんって呼ばれたい

:わかる

:あの魔族がちょっと羨ましい

:レスバできないと生きていけない国、それがヴェルン王国

 

 

 変態お兄ちゃんたちはちょっと黙ってて?

 

 自らを真種(トゥルース)と呼ぶ彼らは、人類を下等種と見下している。

 その下等種に欺かれ、こうして大衆の目前でいいように罵倒されているというのは、さぞ屈辱なことだろう。

 

「下等種の幼体ごときがっ」

 

 思った通り、空中の王家狩り(クラウンハンター)は大闘技場の中央にいるおれたちに対して、連続して魔力弾を放ってくる。

 合計で、数十発。

 

 やべっ、これはちょっと煽りすぎたか?

 と、そのとき――おれたちの全身に膨大な魔力が注ぎ込まれた。

 

 

:やってくれ

 

 

 一行のコメントが目を惹く。

 

 IDはディアスアレス王子のものだ。

 ずっと避難指示を出しながら、王国放送(ヴィジョン)システムを切り替えて、端末からの螺旋詠唱(スパイラルチャント)を可能にしてくれたようである。

 

 ちなみにリミッターについては、まだ設定されていない。

 この決闘を優先するということで、そっちの準備にリアリアリアがかかりきりだったからだ。

 

「そのお子様に翻弄されてるんだから、よわよわすぎるよね! ざーこざーこ♪」

 

 おれとムルフィは肉体増強(フィジカルエンチャント)と同時に地面を蹴り、左右に分かれて上からの砲撃を回避する。

 土煙が舞い、上空からおれたちの姿を隠す。

 

 王家狩り(クラウンハンター)は、更に連続して魔力弾を打ち出した。

 こちらの姿がみえなくても構わない、とばかりの絨毯爆撃だ。

 

 時間を稼がせてくれるのは助かるけど、サポーターからもいまのおれとムルフィの姿はみえていないだろう。

 シェルはなんとかするだろうけど、テルファは上手くやっているだろうか?

 

「ん。姉さん、さすが」

 

 ムルフィの声が土煙の向こうから聞こえてくる。

 あっちもなんらかの方法で魔力リンクを維持できているらしい。

 

「さあムルフィちゃん、反撃ですわ!」

「わかった」

 

 テルファが声をかけ、ムルフィがそう告げた次の瞬間、頭上で派手な爆発音が響いた。

 アリス(おれ)はおおきくジャンプして、一度、土煙から跳び出す。

 

 みあげれば、王家狩り(クラウンハンター)の巨体が爆炎に包まれている。

 ムルフィの火球の魔法(ファイアボール)が直撃したようにみえた。

 

「この程度の魔法がわれに効くか!」

「そうでも、ない」

 

 ひと呼吸置いて、土煙からムルフィが飛び出す。

 こちらはアリスと違って魔法で飛行しているようで、重力を無視した急角度で上昇する。

 

 そのムルフィに対して、王家狩り(クラウンハンター)が腕を突き出す。

 魔力弾が発射されようとして――。

 

 赤い閃光が王家狩り(クラウンハンター)の掌の先で生まれ、そして即座に爆発した。

 王家狩り(クラウンハンター)は不意の爆風で吹き飛ばされる。

 

「ぬ――っ」

 

 王家狩り(クラウンハンター)の四本ある腕の一本が、その半ばから消し飛んでいた。

 

「われの魔法が、暴発しただと?」

「ん。誘爆の魔法(インドゥークション)

 

 

:うわっ、禁術だあれ

:ムルフィちゃん、禁術なんて使っちゃ駄目でしょ

:いや、つい先日、王都の聖教寺院が対魔王軍に限って解禁のお触れを出してる

:え、あれってムルフィちゃんに禁術を使わせるため?

 

 

 コメント欄が騒がしい。

 アリス(おれ)との決闘じゃ禁術なんて使わなかったしな。

 

 当然だ、さすがの聖教も、対人での禁術を解禁するわけがない。

 それに切り札は、隠せるなら隠しておいた方がいい。

 

 誘爆の魔法(インドゥークション)の場合、強力な魔術師ほどその被害に遭いやすく、暗殺に便利すぎるという理由から禁術指定されていたらしい。

 

 つまり強力な魔法を行使する魔族ほど、誘爆の魔法(インドゥークション)の餌食になりやすい、ということでもある。

 不意を打っての攻撃なら、なおさらであった。

 

 もっとも、彼らの強靭な身体を貫けるだけの魔力を供給できるか、という問題は依然として存在する。

 ムルフィがこの一発の誘爆の魔法(インドゥークション)に膨大な螺旋詠唱(スパチャ)を込めたからこそ、相手にあれだけのダメージを与えることができた。

 

「下等種ごときが、われの身体に傷つけるなど!」

「下等種ごときに傷つけられるひ弱な身体が悪いんじゃないかな? くふふっ」

 

 アリス(おれ)自己変化の魔法(セルフポリモーフ)で背に白い翼を生やし、宙に舞い上がつつ、積極的に煽っていく。

 武器を槍に変化させ、螺旋を描いて突っ込んでいくが……。

 

 王家狩り(クラウンハンター)は慌てた様子で翼をはためかせ、アリスの突進をおおきく避けた。

 おいおいおい、男らしく殴り合おうぜ、旦那さんよぉ。

 

 あ、これもしかして、アリスも誘爆の魔法(インドゥークション)を使えるとか思ってる?

 はっはっは、おれが使える魔法は、未だにふたつだけだぞ!

 

「あれ~? もしかして魔族のお兄ちゃん、アリスのことが怖いのかなあ?」

「このわれが! 汚らわしい貴様らごときと! じかに刃を交える必要など!」

 

 激昂しつつも、魔族はまた、大量の魔力弾を放ってくる。

 おっ、今度は誘爆の魔法(インドゥークション)にひっかからず撃てたね、えらいえらい。

 

 実のところおれが聞いた限りでは、誘爆の魔法(インドゥークション)には非常に厳しい条件があり、着弾したあと、その場を動かないこと、というのが絶対条件のひとつであった。

 王家狩り(クラウンハンター)がアリスの攻撃を避けるため移動した時点で、その条件を満たさなくなる。

 

 というか相手が余裕かまして静止していなければ決まらない魔法である、ということだ。

 

 青い肌の魔族はそれに気づいているのか、いないのか。

 なんか魔力弾を無事撃てたことに露骨にほっとしてる様子だから、暴発覚悟で撃ったっぽいかな?

 

 ここまで優位に戦いを進めて来られているのは、相手を上手く誘導できているからだ。

 このまま逆上してくれていればいいのだが……。

 

「小癪な! かくなる上は――っ」

 

 王家狩り(クラウンハンター)の手が下を向く。

 あっ、まずい。

 

「飛びまわる蠅より先に、地上の蟻を潰してくれる!」

 

 青い肌の魔族は、観客席に向かって無数の魔力弾を放った。

 その先には――無防備なシェルとテルファがいる。

 

「姉さん!」

 

 ムルフィが、きびすを返して観客席の方へ向かおうとした。

 そこに、待ってましたとばかりに放たれた王家狩り(クラウンハンター)の魔力弾が直撃する。

 

「ははっ、はははっ、所詮は下等種の幼体! この程度のことで惑うとはな!」

 

 ムルフィのちいさな身体がくるくる宙を舞う。

 

「ムルフィちゃん!」

 

 おれは慌てて、ムルフィを追った。

 観客席を襲う魔力弾をいまから追いかけても仕方がない、シェルたちを信じるしかない、と瞬時に判断する。

 

 だが――。

 

「大丈夫ですよ」

 

 大闘技場の全体に、澄んだ女性の声が響いた。

 観客席が黄金色の光に包まれ、その光に触れた魔力弾が、すべて、跡形もなくかき消える。

 

「わ、われの魔法を打ち消しただと!?」

 

 王家狩り(クラウンハンター)が目を剥いて驚く。

 

 実際に、すさまじいばかりの結界魔法であった。

 テルファでもシェルでも、あんな堅牢かつ大規模な魔法は行使できないだろう。

 

 

:え?

:なにが起きた?

:大闘技場全体に結界が張られた

:うちの国、いつの間にそんな魔道具を?

:魔道具じゃないだろ

:魔法? いったい誰だよ

:こんなことできる人、ひとりしか知らん

 

 

 いつの間にか、シェルとテルファの前に、背の高い女性が現れていた。

 青髪緑眼で、耳の端が尖っている。

 

 大魔術師リアリアリアだった。

 

 おれはリアリアリアが結界を張る様子を横目でみながら、回転しながら落下するムルフィの下にまわりこみ、その身体をキャッチする。

 

「ムルフィちゃん。観客席はリアリアリア様がなんとかしてくれるみたい」

「ん……」

「シェル、音声オフ」

「わかった」

 

 一時的に王国放送(ヴィジョン)システムの音声を切ってもらった。

 ここから先の会話は、放送で流れない。

 

「ねえ、ムリムラーチャちゃん」

 

 おれは本名で彼女のことを呼ぶ。

 

 ムルフィはおおきく目を見開いた。

 安心して、とばかりに微笑んでみせる。

 

 ムルフィは理解を示した、というようにちいさくうなずいた。

 

「ムリムラーチャちゃん。あなたたち姉妹は、ずっとふたりきりだったかもしれない。ムリムラーチャちゃんにはディラーチャちゃんしかいなくて、ディラーチャちゃんにはムリムラーチャちゃんしかいなかった。長く辛い旅で、お互いだけが頼りだったかもしれない」

 

 おれはゲームでの彼女を知っている。

 全身傷だらけで、いつも険しい目に憎悪を浮かべて、全人類を呪い魔王軍に与していた彼女を。

 

 互いが大切だった、という以上に、これまで互いだけしか頼るものがいなかったのだ。

 

「でも、いまはアリスたちがいるよ。リアリアリア様がいるよ。王国放送(ヴィジョン)端末の向こう側のひとたちもいるよ。わたしたちはひとりで戦うわけじゃない。ふたりでもない。みんながいる。――だから」

 

 おれは王家狩り(クラウンハンター)の方を向く。

 わかった、とばかりにムルフィはおれから手を離すと、上空の青肌の魔族に攻撃魔法を放った。

 

 いっけん火球のようにみえるそれを、王家狩り(クラウンハンター)はまたおおきな動きで回避する。

 うん、やっぱり未体験の厄介な魔法に戸惑っているな。

 

「音声オン」

「はい、兄さん」

 

 おれにだけ聞こえているのだろうシェルの声に、ちいさくうなずく。

 

「さあ、ムルフィちゃん。――いこう」

「んっ」

 

 アリス(おれ)とムルフィは、互いに入れ替わるように宙を舞いながら、王家狩り(クラウンハンター)との距離を詰めた。

 

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