辿り着いた幻想
「俺達はいつかもう一度再会する。だから・・・向こうでも頑張れ」
「うん。いつか・・・絶対」
その言葉を最後に、相棒と別れてから早5年。俺[黒葉 漣]は極普通の高校生として生活している。剣道部に所属しており、5年前から無敗の座を守り抜いている。
そして、今日も普段どうり帰宅する・・・はずだった。
「え?」
俺は驚きを隠せない。自分の意識が途切れたわけでもなく、まるで漫画のコマのように景色が移り変わったのだ。無理もない。
周りには木々が生い茂っており、人影は見当たらない。まさに大自然といった感じだ。
「ワープってやつか?いったいいつの間に・・・」
しかし、俺には心当たりがあった。神隠しのようなものにあって辿り着く場所。
そして、別れた相棒が向かった場所。
「幻想郷・・・」
相棒の言っていたこの地の名前。何でも管理者による神隠しに遭うか、何者からも忘れ去られたものが行き着く場所らしい。つまり、つい先ほどまで仲間と部活をしていた俺は、なんらかの原因で忘れられたか、神隠しに遭ったことになる。
しかし、もし後者なら、主犯はなんらかの理由があって俺を攫ったことになる。
そして、俺には一つ目的ができた。
「あいつも・・・どっかにいるんだろうな」
そう。再会を約束した相棒にあうこと。目標ができた俺は、その場から歩き出した。
それからしばらく森を歩き続けた。しかし、いくら歩いても景色が変わる気配はない。
「ったく、迷いの森にでも迷い込んだってのか?」
そんな言葉が出るほどこの森は広い。そして、先ほどから誰かにつけられていることも分かっている。
「さっきから俺のことつけてきてなんなんですか?」
「あれ、気付いてたんだ。これまで無意識下で私に気付いたのは博麗の巫女さんぐらいだったのに」
後ろから帽子を被った緑髪の少女につけられていた。
「それで、なんでつけたんですか?」
「無意識だから」
「成る程。趣味はストーキングっと」
「違います!!」
急に感情的になった。うん。おもしろい。
「私の能力は無意識を操るの。それは自分にも反映されるから、無意識の内にだれかについていってしまうときがあって・・・」
「それでストーキングを・・・」
「だからストーキングいうな!!もっとあるでしょ?こう・・・可愛い子供が知らない人についていっちゃう・・・みたいな」
「ふむ・・・つまり「私は可愛い子供だから・・・」と・・・うわあ・・・」
「あああああああ!!!」
うん。すっげえ楽しい。
「と、とりあえず名乗っとく。私は[古明地 こいし]悟りの妖怪よ。心は読めないけどね」
「俺は黒葉 漣。幻想入りした外来人です」
「外来人か・・・もしかして家ないんじゃない?」
まったくそのとおりである。いわゆる異世界転移をした俺には家がない。それに俺の持ってる通貨がこっちで使える確立は限りなくゼロに近い。
「なら・・・私の家、来る?」
ん?この子今何と申した?私の家?冗談じゃない。こんなロリと一緒に住むなど・・・
「ロリじゃないから!!」
「何で心読むかなあ!!」
「あれ?確かに・・・なんで読めたんだろ・・・」
「知りませんよ・・・」
こっちに聞かれても知るはずがないので勘弁してほしい。そう思っていると、こいしは真面目な顔をしてこちらに向き直った。
「それより、話しずらいから敬語はやめてくれない?」
確かにそうだろう。片方だけ敬語なのも不自然だ。
「わかった。でも本当に良いのか?住まわしてもらうなんて」
「別に良いよ。家広いから部屋はいくらでも余ってるの」
「えっと・・・こいしってお嬢様かなにかで?」
「ええそうよ。わかったならひれ伏しなさい」
そういうと、こいしは得意げに胸を張った。ロリっぽいのに胸だけはあるよな。ロリのくせに。
そう思っているとこいしはいきなり顔を赤くして胸を隠した。うん。やっぱこいつ心読めるだろ。そして弄り甲斐がある。こうして俺はこいしの自宅へと歩みを進めるのだった。
まずは読んでいただきありがとうございました。小説自体ほぼ初めてなので色々と雑な点があるとは思いますが、これから学んでいこうと思いますので、どうか温かい目で見守っていただければ幸いです。基本的に不定期投稿にはなると思いますが、どうか宜しくお願い致します。