博麗神社はこの幻想郷では名の知れた場所であるらしく、なんでもこの世界を囲む結界を管理している場所なんだとか。その結界は博麗大結界と呼ばれ、俺がもといた世界とは干渉し合わないようにしているらしい。
そんなことを社蓄ことルーミアに教わっていると、だんだんと森の出口が近づいてきた。
「そういや俺悟りの妖怪にも会ってんだけど妖怪って皆ロリっ子なのか?」
「そんな訳ないでしょ。後、妖怪って基本的に長寿だからあまりそういう扱いはやめといたほうがいいわよ?」
と、ルーミアに呆れ顔で言われた。
「それに、今は封印されてるからこの姿だけど。私って元は身長高かったし」
いかにも嘘をつくときの胡散臭い話である。そこで俺はちょっとからかってみる事にした。
「いかにも嘘って感じの言い回しだな」
「嘘じゃないわ。別にこの身長を気にしてるわけじゃないし」
軽く流されてしまった。さっきの弄られまくりの彼女は何処へ行ったのやら。
これ以上は無駄だと思い、俺はからかうのをやめた。というかクールキャラにまでなっている。
「神社にはよく行くのか?」
「たまに友達と遊び場にすることがあるし、よく行くほうだとは思うわ。
そのせいで参拝客がいなくて、妖怪神社って二つ名があるんだけどね」
そういうと彼女はくすくすと笑った。このとき中身は大人の女性なのだと実感した。
「さっきお前が俺を食おうとした時急に闇に包まれたような気がしたけどあれは…」
「私の能力。闇に包まれたって言うのも間違ってないわ。周りからは[闇を操る程度の能力」って呼ばれてる」
暫く他愛のない会話をしながら歩を進めていると長い階段の上に構える鳥居のようなものが目に移った。
「なあ…あれって…」
「ええ。あれが博麗神社。巫女さんがいると思うから声を掛けてみましょう」
とは言ったものの、流石にこの階段を自力で登るのはきついので15段目ぐらいまで跳躍する。
「へえ…なかなかやるじゃない」
「そういうお前は飛べるんだな」
「まあね。それじゃあさっさと上っちゃいましょうか」
こうして何回か跳躍した後鳥居の前まで辿り着き、それを潜って神社に入ったのだが…
「いないわね…」
「おいおい…」
巫女さんとやらは不在だった。
「買出しにでも行ってるのかしら…いやでもあの貧乏巫女に限ってそんなこと…」
「おい今さらっと失礼なこと言ったよな…」
巫女がいないのは不覚だったが、神社に来て何もせずに帰るのはあれなので賽銭を入れていくことにした。
チャリーーン
賽銭の心地いい音が鳴り響いた。
スーー
俺がお祈りをしていると、奥の障子が開かれ中から…巫女が出てきた。
「あら…お賽銭入れてくれるなんて珍しいと思って出てきたら…ルーミアと…見ない顔ね…」
「そうだった…霊夢のもう一つのあだ名はぐうたら巫女…異変でもなけりゃ出てこないんだった…」
「惨々な言われようだな…この巫女…」
出てきたのは、洋服から離れた大きな袖が特徴的な独特の巫女服を着た紅白の巫女だった。
「あんた…もしかして外来人?」
「はい…」
勘はいいようだ。一発で言い当てるとは…
「わかった。私は(博麗霊夢)あんたは?」
「俺は黒葉漣です。この世界には昨日来ました」
「そう。ちなみにどんな風に?」
「まるで紙を裏返したように一瞬で。それこそ神隠しのような」
霊夢は「そう…」と零すと、何かを考え始めた。俺がここへ来た経緯についてだろうが、神隠しの意図については俺は見当がつかない。いったい何のために…
「わかった。あんた寝る場所はあるの?」
「はい。地霊殿に…」
そういうと、霊夢は驚いた表情で…
「「あんた地底に住んでる訳?!」」
ルーミアと共に声を上げた。