IS×MTG   作:獅子男

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次話でようやく彩咲人とセシリアの戦いが書けそうです


三話 プレインズウォーカー

あれから一週間がたつ。俺と一夏は授業の後、箒と特訓を毎日して、夕食後は一夏は補修、俺は学校のトレーニング室で筋トレというハードな日々を過ごしていた。つまり……

 

「なあ箒、一週間ISの特訓をしてたのにどうして俺達は一度もISに乗ってないんだ? 」

 

「そ、それはだなぁ」

 

一夏が珍しく箒を押している。まあ一回もISに乗れなかったんだから一夏が怒ってしまうのも無理はない。

でもここの練習用ISはレンタル式らしく、予約も埋まっていたため箒にもそんなに非はないので一応助け舟を出しておこう。

 

「仕方ないだろ一夏、それに今大事なのはどうやってセシリアに勝つかだろ」

 

「うっ分かったよ、でもこのままいくと俺達は訓練機で戦う事になるよな……」

 

「「…… 」」

 

「お待たせしましたー織斑君たちの専用機ですよーー」

 

俺達の不安を払拭するベストタイミングで山田先生と織斑先生が大きなワゴンと共にやって来た。

 

「本当ですかっ」

 

「勿論ですよ、っえい! 」

 

山田先生がワゴンに掛かっていた布を取るとそこには二台のISがあった。

 

「え~t「左の機体が織斑の白式、右の機体が神楽のプレインズウォーカーだ。早速だが二人とも装着してみろ。やり方は覚えてるな。」

 

「「はいっ」」

 

千冬さんが完全に山田先生のせりふを奪っていたが気にしないことにしよう……気にしたら負けだ。

俺と一夏はISの前に行って自分達のISを見る。

 

一夏の白式は文字通り白を基調にしたシンプルなデザインで、スピードに特化した機体なのか、装甲は薄目になっている。

一方で俺の機体、プレインズウォーカーは、灰色の上に黒のラインという平凡な色合いで、一夏の白式より更に装甲が薄く、華奢で今にも折れてしまいそうなボディなので正直不安で仕方がない。あと強いて言うなれば、背部に大きめの円盤が付いているのが特徴的だ。

 

まず一夏が白式に触れると白い光に包まれ、ISを装着した状態で一夏が中から現れた。

一夏がピットを歩いているのを横目に俺も覚悟を決めてISに触れると、頭の中に大量のデータが流れ込み、若干の圧迫感を感じたが、そのまま身を委ねると圧迫感も消え去りISを装着した自分が残った。そして—―—―

 

「error error]

 

謎のエラー表示が俺の視界を包んだ。

 

 

 

 

 

―—―—こんにちは神楽彩咲人です本日ISが使えなくなりました。オワタ……

いやいや、だがISの故障の可能性も残っているはずだ。まだ俺は諦めないぞ。

 

そう思っておれは取りあえず状況を確認する。良く見ると俺の視界にはエラー表示だけで無く、左から右へと向かう矢印が映り込んでいた。なぞりなさいと言わんばかりに……

 

取りあえず矢印をなぞるか……俺は無計画に矢印の始まりに指をあてると思いっきり右へスワイプする。その瞬間に猛スピードで背部に付いていた円盤が回転して俺の目の前で止まった。

 

円盤に目をやると、中心に「set land]と書かれたプレートと4隅に伸びる鎖でふさがれた長方形の窪み。それの周りを10個の同じ形の窪みが取り囲んでいた。

 

 

「篠ノ之さん、俺のカバンにある緑のケースを持って来てくれないか」

 

「分かった、あと私のことは箒でいいぞ」

 

 

この機体のことを何となく理解した俺は、箒にデッキケースを取ってもらった

 

 

「そっか、じゃあありがとな箒」

 

 

箒に礼を言うと早速白青黒赤緑の順で土地を2枚づつセットする。

 

すると真ん中の鎖が外れ、プレートの下にあった[creature]の文字が露わになった。

 

とりあえずクリーチャーを……おっ、これにするか。俺はデッキから「チャンドラのフェニックス」を抜き取って真ん中にセットする。

 

ガガガ……という機械音と共に装甲がせり出し、俺を包みこんで光を放った。光が静まると俺のISは大きく変わっていた。

 

 

赤にオレンジのラインが入ったボディはさっきよりも頑丈そうで、両腕の外側にはとげのようなブレードがあり、頭は下顎が別れた独特の形をしたフェニックスのヘルメットになっている。

 

手元に確認用のバナーが出ていたのでOKを押すと左手に持っていたカードケースが量子化され、ISに吸収され、最適化が完了した。

 

円盤を戻すと隣にいた一夏達が居なくなっていることに気付いた俺はすぐにあたりを見渡す。するとモニターにかじりつく山田先生と箒、それと少し離れたところで千冬さんもモニターを見ていた。

 

俺はISを待機状態にすると、みんなの元へと向かった。因みに待機状態の俺のISは腰に付いたカードケースとタブレット端末だった。

 

モニターを除き込むと丁度セシリアに突っ込んでいった一夏がミサイルの直撃を受けて煙に包まれていた。

俺は試合が終わったと思いどう一夏を励まそうか考えようとしたが千冬さんが「機体に救われたな」と呟くのを聞いてモニターをよく見直した。

煙が晴れるとそこにいたのはさっきとは似て居るようで違うISを纏う一夏が現れた。確かこれは……

 

 

 

「まさか一次移行ですかっ!」

 

 

 

そう一次移行、初期状態から情報がある程度溜まると起こるファーストシフトは、いわば戦うための最低限 の機体状態だ。

一夏が初期設定で戦って要ることなど俺を始め殆どの人間が知らなかったので、とても驚いている。

セシリアもそれは同じで「な、何故ですのっ」と声をあげて大きな隙を作ってしまった。その隙を付いて一夏は刀をビーム刀に変形させる(零落白夜というらしい)と、そのままセシリアに斬りかかった。

セシリアも、それを許す筈は無く直ぐに残りのミサイルを全て撃ち込むが、狙いの甘いそれは全て外れてしまう。

 

 

 

「そんな……クッ、インターセプター」

 

 

彼女はおぼつかない方法でショートブレードを呼び出すと、刃を受け止めようとするが一夏は、簡単に太刀筋を見切るとそのままの速度でショートブレードを躱すように斬りかかった。一夏の零落白夜は、ブルーティアーズの装甲に当たりそのシールドエネルギーを削り切った……筈だったのだが……

 

 

 

「織斑一夏シールドエネルギーエンプティ」

 

 

「「「「えっ……」」」」

 

 

幾つもの驚きがこだまして沈黙が流れる。

そんな中でいつも通りの千冬さんが山田先生を小突くと、山田先生がビク着いてからマイクを握ると。

 

 

 

「ひゃ、ひゃい。しょ、勝者セシリア・オルコット。」

 

 

 

きっと俺を含む何人もの人がきっと可愛いと思ったに違いない。

 

 

 

そんな事をしているとぼうっとした顔の一夏が帰ってきた。

 

 

 

「よう、お帰り。よく頑張ったと思うぞ。」(殆ど見てないけどな)

 

 

「ありがとう。でも俺どうして負けたんだ?」

 

 

 

まだ、心ここに在らずという感じの一夏が腑抜けた声で聞いてきた。わざわざ俺に聞くなよ一夏……

 

 

 

「さぁ、さっぱり分からん。織斑先生にでも聞いてみろ。」

 

 

丁度スタンバッてるしな。

 

 

 

「はぁ、全くお前は何故負けたのかも分からんのか、バカモノが。」

 

 

織斑先生が話を続ける。

 

 

「お前の負けた理由だが簡単に言えばお前が機体の特性を理解していなかったのが敗因だ……」

 

 

織斑先生の話をまとめると、一夏の白式に搭載されたワンオフ・アビリティ『零落白夜』は、バリア無効化能力というMTGでいう『ブロックされない』のような機能が付いて、それは相手の絶対防御を強制的に発動させる一撃必殺に近い大技らしい。しかし、使用中は自分のシールドエネルギーを使い続けるという大きなリスクを持つ両刃の剣なのだ。白式自体がスピード型の低燃費機体でシールドエネルギーが殆どないにもかかわらず能力を使い続けて自滅した事が今回の一夏の敗因だそうだ。

いやいや、ちゃんと先に教えてやれよそれくらい……

 

 

「さてつぎは神楽、お前の番だぞ。」

 

「了解です」

 

 

ちょうど蒼い雫のメンテも終わり俺が戦う番がやって来た。

ISで戦う事は初めてだが、俺と一緒に戦ってくれるものは今までと何も変わらない。

 

 

「こい、プレインズウォーカー」

 

 

 




次は話の前にオリ機体についてまとめます。
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