トレセン学園の農園で土にまみれる日々   作:タカハン

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オリジナルウマ娘が登場します。
活動報告に書き込んでくれた方ありがとうございます。今後もオリジナルウマ娘は募集しているので、思い付いた方は該当する活動報告の注意事項を読んでから書き込みお願いします。

重要事項
更新遅れてすみませんでした。
他の趣味が楽しすぎて、なんてのは言い訳に過ぎませんね。本当に申し訳ないです。


バクシンオーとクラウニーとバジルとレタス収穫

さて、今日も作業の時間だ。

 

今日は五十嵐が体調不良で休み、太田は牛舎の運営方針の打ち合わせに行くらしく、今回の作業は俺とウマ娘二人での作業になる。

 

なので幾分か忙しい1日になりそうなものでもあるが、それは今日やってみてのお楽しみである。

 

さて、行きますか。

 

 

 

「鬼頭さんっ!おはようございます!」

 

「おはよう、バクシンオー。今日も元気だな」

 

「当然です!なんたって学ッ級委員長!ですから!」

 

そう話す彼女はサクラバクシンオー。

どうやら学級委員長を務めているようだが、随分と騒がしい娘だ。元気なのは良いことである。

 

「えっと……バクシンオーさん、この方が……?」

 

「はい!クラウニーさん、この方が」

 

「農園の管理者やってる鬼頭ってモンだ。よろしくな」

 

「ちょわっ!鬼頭さん、掠め取らないで下さいっ!」

 

「えっと、はじめまして。クラウニーと申します」

 

成る程な。予約表の名前に見覚えがなかったと思ったら、バクシンオーの友人だったか。

 

ではここで二人の服装を説明しておこう。

バクシンオーはピンク色の上下一体型の作業着で、袖を捲っている。また、黄色の帽子を被っており、白の手袋と長靴を身に付けている。

 

そしてクラウニーは上下一体型の青い作業着を身に付け、こちらも袖を捲っている。今日は暑いからな。そして黄色の帽子を前後逆にして被っており、手袋と靴は黒だ。

しかし……

 

「クラウニー、その作業着は随分と装飾が多いが、自分で付けたのか?」

 

そう。

クラウニーの作業着を見るとあちこちに改造された形跡があり、バクシンオーの物と比べると(色の違いを加味しても)だいぶ印象が違って見えた。

 

「そうなんです。私、裁縫が趣味で」

 

「そうなのか。しかし、作業着は丈夫なものでないといけない。それは大丈夫か?」

 

「大丈夫ですよ。そこも考慮して改造したので」

 

「そうか。まぁ、一応作業の服装は問わないから、作業に支障が無ければ大丈夫だよ」

 

「ありがとうございます」

 

「よし、じゃあ今回の作業内容を説明する。今日はバジルが大きくなったんで植え付け、それが終わったらレタスの収穫だ」

 

「はい!」

「わかりました」

 

「じゃあ軽トラに荷物を積み込もう。二人とも、こっち来て」

 

俺は二人をビニールハウスに誘導すると、説明を始める。

 

「まずはバクシンオー、これがバジルの苗だ。下のかごごと荷台に置いてくれ」

 

「わかりましたッ!」

 

「で、クラウニーはこの収穫用のケースとカマを三セット積んでくれ」

 

「はい」

 

指示をすると二人はテキパキと荷物を積んでくれる。じゃあ俺は植え付けの道具を積みますか。

 

「終わりました」

「こちらも終わりました!」

 

「よし、じゃあ畑に行こうか。っと、その前にどちらが荷台に乗る?」

 

「むむっ、学級委員長としてその言葉は見過ごせませんッ!そもそも荷台に乗って良いものなのでしょうか!」

 

「道交法としても一人なら問題無いし、ここは私有地だから大丈夫だよ」

 

「むぅ、そうなのですか。ならここは私が……」

 

「お、クラウニーが乗るか」

 

「おっとと、少しだけ足場が不安定ですね」

 

「そりゃ立って乗り続ける場所じゃないからな」

 

「ちょわっ!いつの間に!?」

 

「じゃあバクシンオーは助手席だな。時間無いから早く乗ってくれな」

 

「わっ、わかりましたッ!」

 

 

 

「ここ……凄いですね。風が髪をすり抜ける感覚が気持ちいいです」

 

「そうそう、それが荷台に乗る醍醐味ってもんよ」

 

「むむっ、それなら是非帰りは私も荷台に乗りたいですね!」

 

「じゃあ帰りはバクシンオーが後ろか」

 

「この風の中でハマチでも捌けたら気持ちいいでしょうね」

 

「何だって???」

 

 

 

「よし、それじゃまずはバジルの植え付けだな。クラウニー、荷台からバジルのかごを取ってくれ」

 

「わかりました」

 

「ありがとう。さて、やり方は簡単だ。このビール瓶でトマトの株の間の土に穴を開ける。そしたらポリポットから苗を優しく取り出して、穴の中に入れよう。最後に土を寄せて、軽く上から圧をかけて終わりだ」

 

「成る程成る程」

 

「わかりました」

 

「おっと、その後に水をかける作業があった」

 

「最後に纏めて水やりすれば良いのではないでしょうか」

 

「うん、それでも大丈夫だよ」

 

「質問はよろしいでしょうかッ!」

 

「はいバクシンオー、何かな」

 

「何故トマトの間に植えるのでしょうか?これだけ畑が広いのですから、別の場所に植えても良いのでは?」

 

「お、良い質問だな。これにはちゃんと理由がある。コンパニオンプランツと言ってな……」

 

※詳しくは『ニシノフラワーとカーネーションとマリーゴールド』にて解説しています。よろしければどうぞ。

 

「成る程ッ、双方ともに利点があるんですね!」

 

「成る程、為になりますね」

 

「よし、後は何かある?」

 

「私はありません!」

 

「私もです」

 

「じゃあ作業開始!今日は暑いから、休憩挟みながらやってくれよな」

 

「はい!」

 

「わかりました」

 

 

 

「おや、ミミズです。良い土なんですね」

 

「おう、毎年の事ながらだけど、土を耕したり肥料を施したりする時は結構気を遣いながらやってるもんだ」

 

「うん?ミミズが土に何か影響を及ぼすのですか?」

 

「ん、バクシンオーは知らなかったか。ミミズか土ごとエサを食べて、残った土をフンとして出すと良い土になるんだよ」

 

「成る程、それならあまり良い土でない場所にミミズを撒けば良い土になるのでは?」

 

「そこがまた難しいところなんだよな。元の土があまり良い土じゃないとミミズも居なくなるんだ」

 

「成る程、難しいですね……」

 

 

 

「クラウニーのそれで最後だな。じゃあ次はレタスの収穫だ。休憩はいるか?」

 

「私は大丈夫です!」

 

「私も大丈夫ですよ」

 

「ならレタスの畝に移動するか。こっち来てくれ」

 

 

 

「さて、レタスの収穫方法だが……あ、軽トラに道具忘れてきた」

 

「何と、それでは私が取って来ましょう!」

 

「あ、本当?じゃあお願いしようかな」

 

「私も行きましょうか?」

 

「いえ、私一人で大丈夫です!それでは、行って参りますッ!」

 

そう言うなりバクシンオーの姿がどんどん小さくなる。

 

「あ、そういえばバクシンオーさんってあまりスタミナが無かったのでは……?」

 

「え、そうなの?」

 

「はい、ただこの距離なら多分大丈夫だと思うのですが」

 

「どうだろう、ここの農道はあまり整備されている訳じゃないから、君達の走っている芝とは訳が違うと思うけど」

 

「確かに……私はダート専門ですけどね」

 

「そうなんだ。お、バクシンオー戻ってきた」

 

「ぜぇ、ぜぇ、た、只今戻りました……」

 

「お疲れバクシンオー、少し休憩するか」

 

「いえ、大丈夫です……」

 

「膝震えてんぞ。……しょうがない、まずは俺とクラウニーでやるから、少ししたらバクシンオーも来てくれ」

 

「そんな!……いえ、自己管理も学級委員長の務め、ですね」

 

「そうだな。じゃ軽く収穫できるレタスの説明だけしておくか」

 

そう言うと俺は植えてあるレタスの上を軽く押し、固さを確認するとカマで茎を切る。

 

「じゃあ説明だな。レタスの上の部分を軽く押して、これぐらいの固さになっていたら収穫するんだ」

 

「どれどれ、成る程」

 

「成る、程」

 

「で、切り取る場所なんだが、レタスの下側の葉が3枚位残る部分をカマで刈り取ってくれ」

 

「わかりました」

 

「はい……」

 

「じゃクラウニーは道具持ってこっち来てくれ。バクシンオーは休んでくれよな」

 

「はい」

 

「わかりました……」

 

 

 

「鬼頭さん、レタスはどのように置けばよろしいでしょうか」

 

「切り口を上に向けて置いてくれ」

 

「わかりました、わっ、この白い液体は何でしょうか」

 

「それはレタスの成分が溶けた液体だな。それを乾かすために上下逆向きで置いてくれ」

 

「成る程」

 

 

 

「私、今戻りましたッ!」

 

「おうバクシンオー、お帰り」

 

「バクシンオーさん、疲れは取れましたか?」

 

「勿論です!さて鬼頭さん、この柔らかいレタスを収穫すればよろしいのですね!柔らかいのは新鮮な証拠です!」

 

「話聞いてなかったか?」

 

 

 

「よし、終わり!」

 

「中腰は疲れますね」

 

「確かに息が詰まりますね!」

 

「じゃあ恒例の試食タイムと参りますか。といってもそのまま食べるだけだが」

 

俺は収穫したレタスを一つ取り出し、外側の葉をかき取る。その葉は捨て、球状の本体を取りあげる。

 

「ここまで来れば商店街で売っているレタスそのものですね」

 

「おう、で、次は……」

 

レタスの葉を何枚かかき取り、水洗いする。そうしたら食べやすい大きさにちぎり、器に盛る。

 

「さ、食べてくれ」

 

「では私から!……おおっ、取り立てはあまり苦味が無いのですね!」

 

「そうなんだよな。ま、収穫した人の特権って奴だな」

 

ふと横を見ると、クラウニーが随分と手にレタスを持っている。

 

「クラウニー、一度にそんなに食べられるのか?」

 

「あっ、またやってしまいました。私、普段の食事でも食べきれないくらい料理を取ってしまうんですよ」

 

「自分の食べられる限界はわかるんじゃないのか?」

 

「料理が非常に美味しそうに見えて、つい……」

 

ふむ、これは重症だな。

俺は少し屈み、クラウニーと目線を合わせて話す。

 

「クラウニー、君が料理を取りすぎて残してしまった場合、その料理はどうなるか知っているかい?」

 

「残飯、ですよね」

 

「そう、捨てられる。捨てないようにする取り組みも存在するにはするが、基本的にはそのまま捨てられるんだ」

 

「…………」

 

「さてクラウニー、今日作業して、疲れたよな?」

 

「……はい」

 

「農作業は疲れるんだ。それは今日クラウニーが体験した通りだ。そして、農業従事者はみんな苦労して食材を届けてくれる」

 

「……はい」

 

「君が料理を残す事は、その人たちを裏切るに等しい事をしているんだ」

 

「鬼頭さん、それはクラウニーさんに対して言い過ぎです!」

 

「いえ、バクシンオーさん。鬼頭さんの言う通りです」

 

「クラウニーさん……」

 

「ちょっときつい話だったな。でも、わかってほしいんだ」

 

「私、これからは料理を取る時は考えながら頂こうと思っています」

 

「おう、その意気だ。それでも料理を残しそうな時は……」

 

俺はクラウニーの手元からレタスの葉を一枚取る。

 

「他の人に相談して協力してもらえば良い」

 

「鬼頭さん……」

 

「ですね!クラウニーさん、その手のレタス、一枚頂いても?」

 

「……はい、お願いします!」

 

バクシンオーはそれを聞くと、クラウニーの手からレタスを一枚取り、口に運ぶ。

 

「うん、美味しいです!残して捨てるなんてとんでもないですね!」

 

「ふふっ、確かにそうですね」

 

一件落着、かな。

 

 

 

「ところで鬼頭さん、レタスお一つ頂いても?」

 

「良いけど、後で食べるのか?」

 

「ゴールドシップさんに頂いたデスソースをかけたご飯のお供にするので」

 

「ゴールドシップ、ハバネロ収穫にはまだ早い筈だが……待って、デスソースかけたご飯???」

 

「ゴールドシップさんにも似たような反応されましたね、『え、ご飯に?……ま、自由だけどよ……』みたいな」

 

「ゴールドシップが引く程の逸材だったとは……」




食育って大変ですけど大事な事ですよね。
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