今回から作品タグに不定期更新を付けました。
最初の数回を毎日更新して今回は一月経過とか不定期としか言えませんからね。
今回は数回ぶりの雑草取り回です。
実際は夏場は雑草取りと収穫を交互にやるかもしれませんが、書く内容が無いよう(エや下)なので今後は収穫メインでやってきます。
不味い、不味いぞ。
今日の作業の下準備として農園の見回りをしたものの、夏の暑さのせいと言うべきか、はたまた先日の雨のせいと言うべきか。
農園の雑草が凄いことになっていた。
しかし、今日は五十嵐も太田も作業に来れないようで、俺とウマ娘で何とか乗りきらなくてはいけないらしい。
「まぁ、なるようにしかならない、か」
そう呟くと、俺は集合場所へと足を運んだ。
「おはよー!鬼頭さん!」
「おはよう、鬼頭君」
「……おはよ」
「おはよう、チケゾー、ハヤヒデ、タイシン。今日も暑いから、体調には気を付けてな」
俺は三人と挨拶を交わすと、一応三人の服装のチェックに入る。服装の制限は無いとはいえ、今日の作業は特に汚れやすいからな。
「チケゾーの服装は涼しそうだな」
「ありがと!ちょっと工夫してみたんだ!」
チケゾーことウイニングチケットは上下分割型の作業着だが、上の作業着の前のジッパーを開けており、中の半袖ジャージが覗いている。作業ズボンに至っては膝上まで捲られており、青い長靴との間に肌が見えている。帽子は緑で、手袋は赤だ。
次にハヤヒデことビワハヤヒデを見る。
「ハヤヒデ、首元暑くないのか?」
「確かに暑いが、日焼けするよりはいいさ」
その長い髪で襟の辺りが完全に隠れているが、作業着に関しては至って問題ない。ハヤヒデらしいと言えばらしいな。
紫の上下一体型の作業着を着こなし、ピンクの手袋とグレーの長靴を身に付け、頭には麦わら帽子を被っている。
「チケゾー程じゃないけどタイシンの格好も涼しそうだな」
「別に。足回りが汚れたら嫌だっただけ」
最後にタイシンことナリタタイシンを見る。
ピンク色の上下分割型の作業着を着ているが、上の作業着の前を開けていて、チケゾーと同じく体操着が見えている。
しかしズボンは捲っておらず、青い長靴の中に裾が仕舞われている。帽子は赤で、手袋は黄色の物を着けている。
「さて、今日の作業だが、農園の雑草取りをやろうと思う」
「「わかった」」
「オッケー!」
「今日は主にトマトの畝をやろうと思う。それが終わって時間があれば別の事もやろう。じゃあ軽トラに道具を積むか」
俺はビニールハウスの中に入ると、雑草取り用の道具、主にゴミ袋を引っ張り出し軽トラに積む。
「さて、三人の内二人は荷台に乗って貰おうかな」
「アタシは、どっちでも……」
「タイシーン!荷台乗ろうよ!」
「ぅえっ!?」
「チケット、あまり揺すると作業どころではなくなるぞ」
「はっ!?ご、ご゛め゛ん゛よ゛お゛お゛お゛お゛タ゛イ゛シ゛ー゛ン゛!!!!!」
「わ、わかったから耳元で大声出すな!」
「スッゴーい!全力で走った時と同じくらい気持ちいいね!」
「だな。タイシンはどうだ?」
「別に。普通」
「ふふっ、帰りは私も乗って良いだろうか」
「じゃあタイシンと交代ね!」
「ちょっ、勝手に決めんな!」
「おや、タイシンは乗り心地が普通だったのでは?」
「っ~~~!勝手にしろ!」
「ごめんってタイシ~ン」
「交代自体はさせるつもりだったんだけどな」
「うわっ、凄い量の雑草ね」
「そうなんだよ。だから今日三人に来て貰って助かったよ」
改めて農園を見回す。
あっちには雑草、こっちにも雑草、見渡す限り野菜と雑草。
「……これを四人で終わらせるのか?」
「まぁ、面倒臭いがやらなきゃいけない作業だからな」
「とっとと始めましょう。やれば終わるんでしょ?」
「タイシンの言う通りだな。チケゾー、ゴミ袋を出してくれ」
「わかった!」
持ってきてもらったゴミ袋を三人に配り、場所の分担をする。
分担した方が効率が良いからな。
「さて、雑草取りのやり方だが、基本的には根っこまで引き抜いてくれ」
「その言い方ということは、例外があるのかな?」
「ああ。もし根っこまで引き抜けなかったらそのままで良い」
「どういうこと?邪魔なものなら全部抜いた方が良いんじゃない?」
「それが難しい所なんだチケゾー。根っこが野菜の根っこと絡み合っている時もあるからな」
「つまりどういうこと?」
「植物は基本的に根が傷付くと植物全体が弱くなってしまうんだ。収穫を控えている野菜なら特にな。無理に引き抜こうとすれば」
「肝心の野菜の根まで傷付けてしまう訳ね」
「タイシン正解。そういう訳で、無理にやらなくても良いから。じゃ、作業開始!」
「ふぅ、やはり暑いな」
「ハヤヒデは冷感タオルとか使わないのか?」
「…………!?……そんなものもあったな。失念していたよ」
「なら次の作業から使ってみたらどうだ?あれ結構涼しくなるぞ」
「それも良いだろうな」
「よし、少し休憩しよう!」
「ふぇ~、中腰は疲れる~」
「おう、水飲みな。お、タイシンのゴミ袋は一杯だな」
「そうね。新しい袋が欲しいかな」
「車に載せてるから、休憩ついでに持ってきな」
「わかった」
「そろそろ再開しようか。ゴミ袋が一杯になったら予備は車に置いてるから」
「わかった!」
「そういえば俺はよく知らないが、君らはこの時期はレースは無いのか?」
「私達ウマ娘は夏の暑さに弱いから、体を酷使するレースは基本的にやっていないの」
「確かに人間の俺にもこの暑さは辛いが、君らとしてはもっとキツいのか」
「この雑草も、この暑さで伸びたのかしら」
「それプラスこの間の雨のせいかな。俺もまさかこんなに伸びるとは思ってなかったよ」
「よし、終わり!」
「疲れたー!」
「しかし、たまに吹き抜けるこの風は気持ちいいな」
「同感。汗かくとこの風が丁度良い」
「さて、時間は……まだ余っているな」
「次は何するの」
「時期的にも丁度良いし、芽キャベツの種蒔きでもしようか。ビニールハウスまで戻ろう」
「オッケー!」
「ふむ、確かに荷台は風が気持ちいいな」
「だね!作業後だから特に!」
「確かに作業後なら格別だろうな」
「……ふん」
「ん?タイシンどうした?」
「何でもない」
ビニールハウスまで戻ってきた俺達は、早速種蒔きの準備をする。
「さて、そもそも皆は芽キャベツは知ってるか?」
「確かに聴き馴染みの無い野菜だな」
「最近テレビとかで聞くけど、アタシも知らないなー」
「確か、小さいキャベツみたいなものでしょ?」
「お、タイシン正解。タイシンの言う通り、普通のキャベツとは別のものなんだ」
「これでしょ、芽キャベツ」
タイシンが自分のウマホを見せてくる。確かにそこには芽キャベツが写っていた。
「何これ!可愛い!」
「ほう、このような見た目なのか」
「そうそう、これが『収穫した』芽キャベツ」
「その言い方だと、収穫前は違う形みたいね」
「いやいや、確かにこのまま生えてくるよ。ただ生え方がなぁ……」
「「「?」」」
「まあ、育ってみてのお楽しみって事で。さ、そろそろ始めようか」
俺は種蒔きに使うポリポットや土を出す。
「じゃ今から種蒔きを始めるよ。まずはポリポットに種蒔き用の土を入れる。そうしたら、土の三ヶ所に指で1cm位の穴を開けて、そこに一粒ずつ種を蒔こう。最後に周りから土を被せて終わりだ」
「成る程」
「何か質問あるかな?」
「大丈夫」
「アタシも大丈夫!」
「じゃ作業開始!水飲みながらやってくれよな」
「そういえば鬼頭さん、芽キャベツっていつ位に収穫出来るの?」
「大体11月から翌年の2月位だな」
「冬場に収穫出来る野菜はありがたいな」
「そうそう、冬場はほうれん草やキャベツ、白菜なんかが収穫出来るけど、それと同時期に収穫する」
「でも冬場の作業は大変じゃないの?」
「大変だよ?それでもやれば収穫が待っているんだ」
「この農園の成り立ちを考えると私達ウマ娘が手伝うべき作業だな……」
「でも君らはトレーニングがある。難しい所だな」
「ハヤヒデ、そこの如雨露で水を撒いてくれ」
「どれぐらい撒けば良いのか?」
「土に水が染み渡る位って言った方が良いかな」
「成る程、これ位かな……?」
「そんな感じ。オーケー、それ位。じゃあ今日の作業終わり!」
「うーん、疲れたぁ」
「ありがとう、鬼頭君。勉強になったよ」
「おう。タイシンはどうだった?」
「まぁ、またやっても良いかもね」
「それなら良かったよ」
さて、そろそろ本格的に収穫シーズンだ。
次は誰が来るのかね?
芽キャベツの本体は調べたい方だけ調べて下さい。