トレセン学園の農園で土にまみれる日々   作:タカハン

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10日位ぶりですねこんにちは。
前回の後書きで「次回はもう少し早く投稿出来るかも」と言ったので有言実行でしたね(これまでの投稿間隔見直せ)。

そういえば前回触れ忘れていたのですが、最初の投稿から1年経ったということで。まぁ半年程投稿していない時期があったのが原因ですがね。

さて、雑談はこれくらいにして、今回のお話は小学生の二人が収穫体験に来た話ですね。この小説はアプリ版ウマ娘をベースにシングレが混じった話なのでアニメの設定を入れるかは迷いましたが、アニメの設定というよりかは時間経過のある作品なので作品にとって都合の良い設定を入れた感じになります。

では、どうぞ。


キタとダイヤとニンジン収穫と聖蹄祭

さて、今日も仕事の時間ではあるが、今日はいつもとは毛色が違う。

 

今日はトレセン学園秋の大感謝祭、通称『聖蹄祭』である。

 

いつもはウマ娘達が歩き回っている学園までの道にはウマ娘達が開いている屋台が立ち並び、外部からのお客さんを迎える準備を進めている。

 

さて、そこで農園管理者である俺達も今年から出し物をしてほしいと理事長から頼まれたため、現在は会場のセッティング中である。

 

「五十嵐、ゲートの飾り付けはどうなってる?」

 

「もう終わりましたよ。後は立てるだけですね」

 

「わかった、立てるのは最後だな。太田、テントの組み立ては?」

 

「あと少しと言ったところだ。道具の準備は?」

 

「あとはクワを持っていけば終わりだよ。何とか時間になる前に終わりそうだな。っと、ついでに畑の最終チェックに行ってくるよ」

 

「わかりました」

 

「おう、こっちは任せろ」

 

そう言って、俺は徒歩で畑へと歩く。来場者も徒歩で来るから、その道のチェックも兼ねている。

 

畑に着いたら、持ってきていたクワを既に持ってきていた二つのかごの横に置き、今日収穫する予定の野菜の畝に近付く。

昨日にも試し掘りはしたが、今日サンプルとして使う用に一本引き抜く。

 

畑の横に備え付けられた蛇口に近付き、引き抜いた野菜を水洗いすると、オレンジ色の肌が露になる。

 

「うん。これならお客さんに出せそうだな」

 

そうしたら、かごの中にそれを入れ、畑を後にし、二人の元へ戻る。

 

「太田、五十嵐、畑のチェックは終わったぞ」

 

「おう、こっちも後はゲートを立てるだけだ」

 

「太田さんは反対側を持ってください。鬼頭さんは真ん中を」

 

「わかった」

 

そうしてゲートが立てられると、倒伏防止のために足元を杭で固定する。

全体の固定が終わったので、外観を見る。

 

ゲートの上部分には野菜のイラストが描かれた紙が張り付けられており、中央には『トレセン学園農園へようこそ』の文字が。

フレームは木枠だが、飾り程度に農業用の支柱が使われている。

 

「一週間で作った割には見られる程度には出来たな」

 

「そうですね。これでお客さんを迎える準備は出来たと言ったところでしょうか」

 

太田と五十嵐がそんな会話をしている。

後は細々とした準備をしたら……

 

 

 

「こんにちは!ここって農園であってますか?」

 

「はい。トレセン学園農園へようこそ」

 

ついにお客さんが来た。続々と人が来て、現在八名程のお客さんがここにいる。見渡すと、小学生らしきウマ娘も二人程いる。

 

「これぐらいの人数なら大丈夫かな。じゃあ連れていきますか。太田、五十嵐、次の人達が来たら頼むぞ」

 

「おう」

 

「任せて下さい」

 

「よし。それでは皆さん、作業に移りますのでこちらのビニールハウスに手袋と長靴を用意しています。こちらに来てください」

 

そうお客さんに声を掛け、靴を履き替えて貰い、軍手を一人ずつに渡す。

 

「では畑に参りましょうか。こちらへどうぞ」

 

 

 

「はい、ではこれからニンジンの収穫体験会を始めます。皆さん手袋は手に嵌めましたか?」

 

「「はーい!」」

 

ウマ娘二人から、元気な声が上がる。周りを見ても、全員がちゃんと作業できる格好になっている。

 

「オーケーですね。では収穫方法の説明をしますので、こちらへどうぞ」

 

そう話し、横に置いておいたクワを取り、畝へと近付く。

 

「まずは、クワでニンジンの横の土をどかします」

 

クワを畝の側面に当て、ニンジンまで5cm程の所までの土を掘る。

 

「そうしたら、ニンジンの頭を出すように手で土をどかして」

 

指先で掘るように手を動かし、オレンジ色の頭が飛び出す。

 

「後は真上に引き抜きます」

 

ズル、と音が鳴り、土にまみれたニンジンが掘り出される。

 

「後はかごに入れて終わりですね。掘るのは一人辺り三本までにしてください。何か質問はありますか?」

 

すると、男性が一人手を挙げる。

 

「では良いですか?」

 

「どうぞ」

 

「なぜ一人三本までなんですか?沢山ありますよね」

 

「はい。この後収穫したニンジンを皆さんで試食して貰いますが、あまり多いと食べきれなくなりますよね」

 

「なら私が食べます!」

 

「ちょ、ちょっとキタちゃん」

 

「ははは、ウマ娘は頼もしいですね。でもそれ以外にも、まだ沢山来場者が来られると思うので、その人達の分も考えて、一人三本までと決めました」

 

「成る程、わかりました」

 

「ではこれから収穫に参ります。説明通りに私が掘りますが、もう一人か二人、クワで掘って頂きましょうか」

 

「なら私がやりたいです」

 

と、さっき声を上げた子ではない方のウマ娘が手を挙げる。

 

「わかった。じゃあやり方を教えよう。名前は?」

 

「サトノダイヤモンドって言います。ダイヤって呼んでください」

 

「うん。じゃあダイヤ、このクワを持って、こっちに来て」

 

俺達はさっき掘った所の次の植わっている所の横に来て、ダイヤに説明をする。

 

「クワは、軽く振り上げてから、土に刺すように動かすんだ」

 

「こう、ですか?あっ、ごめんなさい!」

 

ダイヤのクワの振り方は、初心者にしては良い方だったが、切っ先が土ではなくニンジンへと食い込む。

 

「大丈夫だよ。これでも食べられるから。ほら、もう一回やってみよう」

 

「は、はい。ほっ」

 

ザク、と今度はちゃんとニンジンの横にクワが入る。

 

「よし、じゃあそのままクワを手前に引いて」

 

「こう、ですかね。わっ、本当に出来た」

 

「上手い上手い。じゃあ掘り出すのは……もう一人のウマ娘の子かな」

 

「私ですね!キタサンブラックって言います!キタって呼んでください!」

 

「うん。じゃあキタ、まずは手で掴める位土を掻き分けて」

 

「えっと、こうですか」

 

キタが両手で土を掘り、ニンジンの頭が露になる。

 

「そうそう。そうしたらニンジンを跨ぐように立って、ニンジンの頭を掴んで」

 

「ふんふん」

 

「そうしたら、ゆっくり引き抜こう」

 

「よっ、と。わぁ、抜けました」

 

「上手く出来たな。じゃあかごに入れて終わりだ」

 

「はいっ!教えてくれてありがとうございます!」

 

「今のが、収穫のやり方です。では私達でニンジンの横を掘って行きますので、皆さんで収穫をお願いします」

 

 

 

「ダイヤは誰か応援しているウマ娘は居るのか?」

 

「私、マックイーンさんのファンで、いつもレースを観ているんです」

 

「おー、マックイーンか。良いね。キタは?」

 

「私はテイオーさんが大好きです!あの姿には憧れますね!」

 

「成る程な。因みにその二人も今年この農園で手伝ってくれたよ」

 

「「そうなんですか!?」」

 

「うん。トマトの種蒔きを一緒にやったよ」

 

「トマト……因みにこのニンジンを作ったのはどなたでしょうか?」

 

「全体の管理をしてたのは俺だけど、種蒔きにはタマモクロスとオグリキャップが来てくれたよ」

 

「おお~!二人とも有名な方ですね!」

 

「キタちゃん、私もニンジン抜いてみたいな」

 

「うん!じゃあ交代しよう」

 

「ん、今度はキタがクワ係か。振り方は大丈夫か?」

 

「大丈夫です!こうですよね?……ん?……あー!」

 

「ははは、キタもニンジン抉っちゃったか」

 

「す、すみません!」

 

「大丈夫だよ。ダイヤ、抜けそうか?」

 

「やってみます……わっ、抜けました!」

 

「おお、上手いね」

 

「ダイヤちゃんごめんね」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

 

 

「よし、では皆さんそれぞれ収穫を楽しんで頂けたようで」

 

「はい!楽しかったです!」

 

「普段やれないけど、面白かったです」

 

キタとダイヤも、周りのお客さんも楽しんでくれたようだ。

中には顔に土が付いている人もいる。流石に土にまみれたまま試食をさせるわけにはいかないので、顔は洗って貰おうかな。

 

「すみません、そちらの方、顔に土が付いているので、こちらで洗っていって下さい」

 

「えっ?おや、土が……。恥ずかしい」

 

「農業ではあるあるですよ」

 

そう話しながら全員を蛇口に案内する。

 

「では、まずは顔を洗って下さい。……今日の体験はどうでしたか?」

 

「年甲斐も無くはしゃいでしまいましたね。昔を思い出しました」

 

「おや、昔何かやられてらしたのですか?」

 

「学生時代は農業高校に通っていたので……まあ、落ちこぼれでしたが」

 

「いやいや、農業高校に進んでいただけでも私にとっては羨ましいものですよ。私は高校出てから農業に興味が出てきたものでして」

 

「という事は、もしや独学で?それは凄いですね。独学でここまでの農園を造り上げたとは」

 

「私一人の力ではありませんでしたがね。うん。綺麗になりましたね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「では、ニンジンを洗いましょうか。ニンジンは……」

 

と、かごの底から作業前に洗ったニンジンを取り出す。

 

「これぐらい、土は全て洗い落として下さいね」

 

「はい!」

 

 

 

「わっ、綺麗なオレンジ色!」

 

「おう、ニンジンは種類によって色が違うけど、これは普通の五寸ニンジンなんで普通にオレンジ色だな」

 

「オレンジ色以外もあるんですか?」

 

「いわゆる京野菜と呼ばれる野菜には赤っぽいニンジンもあるし、黄色や紫のニンジンもあるよ」

 

「へぇ~ニンジンもカラフルなんですね」

 

「カラフルな野菜と言えばパプリカやラディッシュなんかもあるけど、ニンジンも負けず劣らずで種類もあるんだよな」

 

 

 

「よし、では洗い終わったので、ビニールハウスに戻りましょうか。お、次の一団が来ましたね」

 

見ると、五十嵐が十人程のお客さんを連れて畑に来ていた。

 

「おーい、五十嵐」

 

「おや、鬼頭さん。そちらは終わりましたか?」

 

「おう。後は試食だけかな」

 

「成る程、ではこちらは任せて下さい」

 

「おう。……では、行きましょうか」

 

 

 

「では、まずは皮を剥きましょうか」

 

ビニールハウスに着くと、調理器具を出してから調理に入る。

水洗いは済んでいるので、ヘタを切り落として、皮を剥く。

 

「キタ、ダイヤ、キッチンに立った事はあるのか?」

 

「私はたまにお母さんを手伝いますね」

 

「私は……あまり」

 

「ん、ダイヤは経験無しか。なら少しでもここで得た事を経験にしていってな」

 

「はい!あっ、剥き終わりました!」

 

「よし、じゃあ次はニンジンを縦に切ろう」

 

まずは縦に切り、半分にする。そうしたら次はもう一度半分に縦に切り、1/4にする。

 

「じゃあ次は、大体1cm角に切ろう」

 

「えっと、どう切ろう」

 

「そうだな……俺なら、この1/4のニンジンの断面を下にして、半分の所を切る。そうしたら、もう片方を広い面を下にして、半分に切るかな」

 

そう言って、その通りに切ると、大体1cm角のニンジンの棒が出来上がる。

 

「こんな感じ。ほら、やってみて」

 

「えっと、半分にしたら、また半分に……わぁ、出来ました!」

 

「上手いね。じゃあ他のもやっちゃおうか」

 

そう言って、他のニンジンを切っていく。二十本はあるので、さっさとやってしまおう。

 

「切り終わりました。次は……?」

 

「お、じゃあこの器に全部入れちゃって。俺は冷蔵庫からソース持ってくるから」

 

冷蔵庫のドアを開け、積まれていた三つのタッパーを取り出す。

蓋を開け、備え付けていた紙皿三つの上にそれぞれソースを乗せる。

それをお盆に乗せ、お客さんの元に戻る。

 

「では皆さん、収穫したニンジンを野菜スティックとして食べていって下さい。ソースは三つ。どれもマヨネーズをベースにしていますが、明太子を入れた物、ケチャップを混ぜてオーロラソースにしたもの、味噌と混ぜたものがあります。お好きなソースに付けて食べて下さい」

 

「じゃあ、いただきます!」

 

「では私も、いただきます」

 

「いただきます。……おお、明太子は粒々が良いですね」

 

「オーロラソース、ちょっと酸っぱいですけど美味しいです!」

 

「味噌は味に深みがありますね。美味しい……!」

 

「うん、じゃあ俺も」

 

まずは明太子。

明太子の辛味が甘いニンジンととても合っていて旨い。

オーロラソースはキタが言った通り酸味が強いが、マヨネーズのまろやかさが酸味を中和してくれる。

味噌は独特のコクがあり、幾らでも食べられそうだ。

 

「キタ、ダイヤ、今日はどうだったか?」

 

「凄く楽しかったです!」

 

「ニンジンもとても美味しかったですし、作業も新鮮で楽しかったです」

 

「そっか。二人はトレセン学園に入学するの?」

 

「はい!ここに入るのは難しいって聞くので、今猛勉強中です!」

 

「成る程ね。今は何年生だっけ」

 

「五年生です」

 

「そっか。ならあと一年半だな」

 

「トレセン学園に入ったら、ここの手伝いも出来るんですよね」

 

「うん。あくまで希望者で、トレーナーと相談の上でだけどね」

 

「トレーナーさんが付いたら、絶対ここに来ます!キタちゃんも来るよね?」

 

「勿論!ダイヤちゃんとも畑やりたいし、テイオーさんとも一緒に出来たら良いな」

 

「うん!私も、マックイーンさんと一緒に作業したいな」

 

「そっかそっか。なら努力して、この学園に入ってほしいな」

 

「はい!キタちゃん、一緒に入ろうね!」

 

「ダイヤちゃん、そうだね!約束だよ!」




二人が小学五年生なのは独自設定です。
この小説で言うなら三年目位で本格登場させる予定ですので今暫くお待ち下さい。
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