トレセン学園の農園で土にまみれる日々   作:タカハン

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カフェの口調をよくわからないまま書いているので、違うところがあったら教えてください。


タキオンとカフェとアイスプラントと雑草取り

今日は先日種を蒔いた苗が植え替えできる大きさになっていたため、俺はとあるウマ娘に声を掛けるため学園内を歩いていた。

 

とは言っても、ついでに農園の作業も手伝って貰えないかという算段もあるのだが。

 

そんな事を考えながら歩いていると、とある部屋の前に到着する。

その部屋の前に書かれていた文字は……

 

『理科準備室』

 

「邪魔するぞ、タキオン」

 

俺は(なし崩し的にそうなったであろう事は想像に難くない)部屋の主に声を掛けながら入室する。

 

部屋の明かりは保たれているがどこか薄暗い雰囲気が漂うこの部屋の奥で、彼女を発見する。

 

「ん……?ああ、鬼頭クンじゃあないか。どうしたんだい?」

 

「タキオン、先日種を蒔いたアイスプラントが植え替えできる状態になったから、次の休日に農園に来れないか?」

 

「ああ、あの興味深い植物だね。行きたいのは山々なんだが、研究が一段落付き次第と言ったところだねぇ」

 

「自分でやると言ったからには責任を持つんだ。植物は数日ほったらかしただけで駄目になるぞ」

 

「わかっているさ」

 

「あとついでに、農園の作業も手伝って貰う。これまで手伝わなかった分働いて貰うよ」

 

「うーん、気が進まないねぇ」

 

 

 

「タキオンさん、行ってあげて下さい……」

 

「おや、その声はカフェじゃあないか」

 

「ん、マンハッタンカフェか」

 

「アナタは、確か……え?農園の……?そうなんだ」

 

「そうだね。農園の管理者やってる鬼頭ってモンだ」

 

彼女はマンハッタンカフェ。

我々の目には見えない何かと対話する、変わり者揃いのトレセン学園でも一際異彩を放つウマ娘である。

 

「カフェ、行ってあげてとはどういう事だい?」

 

「私の周りの方々の中に、農業に詳しい方がいます。彼が言うには、アナタ……鬼頭さんの言い分が正しいと……」

 

「成る程ねぇ……そうだ、カフェ、私の作業を手伝ってくれないかい?」

 

「なんで、私が……」

 

「あーそれなら、農園の方ならどうだ?無理にとは言わないが」

 

「確か、カフェテリアでの食料供給のための農園でしたよね……どうしよう、え?うん……」

 

「お?」

 

「わかりました。次の休日、鬼頭さんの農園を手伝います」

 

「これはこれは。幾分が私の作業も楽になると言うものだ」

 

「タキオンさんの方は……手伝いません……」

 

「えーーーっ!?」

 

 

 

時は過ぎて、休日。

二人の男性と二人のウマ娘が農園に集まっていた。

 

「ようやく来る気になったんだな、五十嵐」

 

「理事長にあそこまで言われて、できませんとは言えませんよ」

 

「鬼頭さん、そちらの方は……?」

 

「ああ、こいつは俺と同じ農園等を管理する用務員の五十嵐。今まで仕事をサボっていた奴」

 

「人聞きの悪い……」

 

「事実だろ?」

 

そんな会話をしつつ、彼女等二人の服装を見る。

 

タキオンは前回と同じく上下分割型の作業着で、帽子、手袋、長靴全てを白で統一している。

 

カフェは逆に上下一体型の作業着で、黒で統一した帽子、手袋、長靴を装着している。

 

「さて、今日はプランターで育てるアイスプラントの苗ができたから、それの植え替え作業と、農園の雑草取りをしようと思う」

 

「「わかりました」」

「わかったよ」

 

「まずは植え替え作業からだな。まずは俺のやり方を見てくれ」

 

プランターに8分目まで土を入れ、土に苗を入れる穴を開ける。今回は横長のプランターだから、左右2箇所に穴あけをする。

そして、ポリポットから優しく苗を取り出し、穴の中に苗を植える。苗の周りに土をかけ、土の上から少し圧をかけ、最後に水をかけて完了だ。

 

「これが一連の流れだ。何か質問はある?」

 

「じゃあ、私から……」

 

「ん、カフェ。何だい?」

 

「プランターに土を満タンまで入れないのは何か理由があるんですか……?」

 

「ああ、それね。『ウォータースペース』と言って、水をやった時に水が溢れないようにするためだね」

 

「成る程……ありがとうございます」

 

「うん。後は?」

 

「私は大丈夫ですよ」

 

「私も無いよ」

 

「よし、じゃあ作業開始!」

 

 

 

「この葉っぱ、表面に水滴みたいなのが付いてて不思議ですねぇ」

 

「おう、そこに塩分を貯めるんだ。その水滴が氷みたいに見えるから『アイスプラント』っていうらしいな」

 

「それより少しこの植物について調べたんだが、重金属も吸い取る性質があるのは本当かい?」

 

その言葉に、全員の作業の手が止まる。

 

「本当だよ。ただ、食べ続けない限り問題は無いよ」

 

「そうだとしても……」

 

「タキオン、他に重金属を吸い取る性質がある生物を知っているかい?」

 

「確か……貝類がそうだった筈だな」

 

「そう。アサリやハマグリなど貝類もその性質上重金属をその身に溜める生物だ。それらは普通に食べるだろ?」

 

「まあ、確かに……」

 

「つまり、常軌を逸した量を食べなければ問題はないという事だ」

 

「…………」

 

「不服か?」

 

「……いや、確かにその通りだ。毎日食べる量は作らないんだろう?」

 

「成長速度から見て、週一が限界だね。それも夏場だけ」

 

「なら問題はなさそうだね。作業の手を止めさせて悪かったよ」

 

 

 

「鬼頭さん、アイスプラントってどうやって塩味にさせるんですか?」

 

「食べられる大きさまでは普通の野菜と同じように育てて、食べ頃になったら週一で塩水を与える感じだな」

 

「塩水なんですね。私てっきり葉っぱに塩をかけるものだと思っていました」

 

「ははっ、流石にそれは葉っぱが傷みそうだな」

 

 

 

「よし、終わりだ!」

 

「結局カフェも手伝ったんだねぇ」

「あくまで、農園の手伝いです」

 

「次は雑草取りでしたっけ」

 

「そうだけど、休憩は要る?」

 

「私は大丈夫です」

「カフェに同じく」

 

「私も大丈夫ですよ」

 

「うん。じゃあ畑に行こうか。あ」

 

「鬼頭さん、どうかしましたか?」

 

「今日は四人だろ?でも軽トラは定員二人だ」

 

「ああ成る程。いつもはどうしていました?」

 

「俺が運転するのは良いとして、一人が助手席、一人が荷台に乗っていたな」

 

「じゃあ大丈夫ですよ。ここは私有地なので、二人が荷台に乗れば良いんですよ」

 

「あー確かにそうか。じゃあどうしようか」

 

「なら今日は私が運転しましょう」

 

「え、良いのか?マニュアル車だぞ?」

 

「養鶏やってるとこの人間ですよ?取らされましたよ」

 

「じゃあ大丈夫か。さて、カフェ、タキオン。どちらが後ろに乗る?」

 

「私はどちらでも構わないよ」

 

「私も、大丈夫です」

 

「そうか。さてどうしようか」

 

「では三人で荷台へどうぞ」

 

「へ?」

 

 

 

「五十嵐は結構有無を言わせない所あるよな」

 

「確かにそうですね」

 

「どことなく親近感を感じるよ」

 

「そうかい」

 

そうやって三人で風に当たりながら揺られること数分……

 

 

 

「さて、作業開始しますか」

 

「ふぅン、すぐにやってしまおう」

 

「同感、です」

 

「今日はどこまでやるんですか?」

 

「今日はスナップエンドウの畑と、とうもろこしの畑かな」

 

「そこまで多くなさそうですね。良かった」

 

「あ、時間が余れば次植えるとこの畑もやるから」

 

「うぇっ、鬼頭クン、冗談がきついんだが?」

 

「冗談では、なさそうですね」

 

「大丈夫だ。やれば終わる」

 

「それはそうでしょうが……」

 

「ぐずぐず言うな。さ、作業開始!スナップエンドウととうもろこしは抜くなよ!」

 

 

 

「カフェ、疲れてないか?」

 

「大丈夫です」

 

「そういえば、君の周りにいる方々の中に、農業に詳しい方が居るんだったな。どんな人なんだ?」

 

「えっと……え?……そう。生前、長芋の農家をやっていたみたいです」

 

「長芋か!難しいらしいが、反収が良いって聞くからなぁ」

 

「たん……しゅう?」

 

「そうだな……そのスペース当たりで、どれぐらいの収入が見込めるか、という数値だな」

 

「成る程……」

 

 

 

「よし、これぐらいにしておくか」

 

「流石に疲れたねぇ……」

 

「私も、少し疲れました」

 

「流石に大変な作業ですね……」

 

「今日の作業はこれで終わりだから、とりあえず軽トラに乗ろう。五十嵐、運転は俺がやるよ」

 

「そちらの方がありがたいですねぇ……」

 

 

 

「よし、今日はお疲れ様!解散!」

 

「今日は早めにお風呂に入りたいですね……」

 

「同感です……」

 

「あ、鬼頭クン、最後に手伝ってくれないかい?」

 

「ん?タキオン、どうした?」

 

「どうしたもこうしたもあるか!私の畑にアイスプラントを運ぶんだ!」

 

「ああ、忘れてたよ。何個欲しい?」

 

「う、あまり多いと運ぶ量が増えるな……五個で」

 

「わかった。一輪車持ってくるからちょっと待ってて」

 

「なんだい、一輪車あるのか」

 

「一台で四個しか運べないから五個が限界だよ」

 

「え?あと一個は?」

 

「勿論タキオンが運ぶんだよ?」

 

「えー」

 

「手伝うのやめようかな」

 

「わかった!わかったから手伝ってくれ!」

 

タキオンの叫びが農園に響いた。




絶対に安全な食べ物は無いと思っています。
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