とは言いつつもマチタン成分強めですが。
(R5.07.07追記)
皆様、大変申し訳ありません。
このアホ作者、何を思ったかトマトの植え付け作業を2回やるというトンデモ農園経営をやらかしていたので、今後の作業に問題が無いように修正しました。
ご迷惑をお掛けして申し訳ないです。
今日の作業の時間が近付いてきた。
一昨日雨が降ったため、野菜達は心なしか生き生きしてるように見える。
普通に水やりした時はそんなでも無いのに、雨が降った後の方が元気になるのは何か理由があるのかね?
まあそんな事は横に置いといて、今日はようやく種蒔きした苗が植え替えできる大きさになったため、その作業をしようと思っている。
なので今日来るウマ娘二人を今日ようやく来た太田と共に待っているのだが……。
「遅いな」
「どうしたんだろうか」
集合時刻から既に10分経過。流石にもう少し待つが、それでも来なかった場合は二人で作業することになる。
過去にそういった事が無かった訳では無いが……。
お、来た来た。
「おはようございます~」
「ぜぇ、ぜぇ、お、おはよう……」
「タンホイザ、ターボ、おはよう。遅かったが、どうしたんだ?」
そこには、既に満身創痍といった様子のツインターボと、それに肩を貸すマチカネタンホイザの姿があった。
「実は……」
「マチタン、おはよう!」
「おはよう、ターボ。今日は鬼頭さんの農園の手伝いだけど、忘れ物は無い?」
「大丈夫!手袋と、長靴と、帽子と、水筒!持ったよ!」
「うんうん。じゃあ行こうか」
「うおぉぉぉぉ!ターボが一番乗りぃ!」
「あ、待ってターボ!そんなことしたら……」
「ぜぇ、ぜぇ、まだ、まだ走れる……」
「やっぱり……」
「成る程ね。そこから肩を貸して歩いてきたから遅れたのか」
「す、すみません~」
「いや大丈夫。今日は作業内容は多く無かったし、そんなに時間に厳しくしなきゃいけない訳じゃなかったからさ」
「ありがとうございますぅ」
さて、二人の格好を見る。
タンホイザは上下一体型の白い作業着で、いつものキャスケット帽を被っている。手袋と長靴は青で、どことなく可愛らしさがあった。
ターボの服装は特徴的で、作業着こそ上下分割型の白いものだが、手袋は右側が蛍光ピンク、左側が蛍光グリーンというアシンメトリーなものであった。そして帽子は青、長靴は黄色で、他のウマ娘の服装と比べてもカラフルである。
しかし……
「ターボ、よく長靴で走ってきたな」
「長靴で走るの、疲れる……」
「だと思うよ。ほら、水飲みな」
俺はターボに水分補給を促し、周りを見回す。
「さて、今日の作業だが、レタスの苗が大きくなったからそれの植え付けと、植えたトマトが大きくなってきたから、支柱と紐で結ぶ作業をやる」
「わかった」
「はーい」
「うん……」
「じゃあ軽トラに苗と道具を積み込もうか。タンホイザと太田はこっち来て。ターボは休んでて良いよ」
「おう」
「はーい」
「うん……」
「鬼頭、苗はこのケースごと積み込めばいいのか?」
「そうだな。一つずつはバラバラになるし、面倒だ」
「鬼頭さん、後は何を積み込めば良いですか?」
「トマトの支柱に結ぶ紐の束がそこらへんにあるはずだな」
「これですか?」
「そうそれ。荷台の端の方に並べといて」
「わかりました~」
「ターボ、落ち着いたか?」
「うん!ターボ、ふっかーつ!」
「あまりテンション上げすぎるとまたさっきみたいになるから、気を付けような」
「うん!」
「よし、じゃあ軽トラに乗って貰うけど、誰か二人に荷台に乗って貰うかな」
「ターボ、荷台に乗りたい!」
「私は助手席でお願いします~」
「じゃあ俺が荷台に乗ろう」
「決まりだな。じゃあ行こうか」
「そういえば、ターボとタンホイザって何か植物とかは育てた事ある?」
「私は無いですね~」
「ターボはあるよ!小学生の時に、プチトマト育てた!」
「良いね。今日はトマトもやるから、思い出しながらやれたら良いな」
「実はターボ、プチトマト育ててる間に枯らしちゃって……」
「そ、そうか……」
という雑談をしながら走ること数分……
「よし、じゃあまずはレタスの植え付けからやろうか」
「おう」
「はーい」
「わかった!」
「まずは俺がやるから、やり方見ててな」
とは言いつつも、いつもの植え付け手順と一緒だ。
ビール瓶等で土に穴を開け、ポリポットから土を優しく取り出したら穴の中に入れ、周りから土をかけて、上から少し圧をかける。最後に、上からたっぷりと水をやって終わりだ。
そうしたら30cm程あけて、同じ作業を繰り返す。
「工程はこんな感じかな。何か質問はある?」
「大丈夫だ」
「ないですよ」
「ないよ!」
「よし、じゃあ作業開始!時々水飲んで休憩しながらな!」
「わっかりました~!えい、えい、むん!」
「え、なにその掛け声」
「ひゃあ!く、クモだぁ!」
「ん?タンホイザ、大丈夫か?」
「クモです!クモは駄目なんですぅ」
「まぁ苦手な人は多いよなぁ」
「鬼頭さんは何で大丈夫なんですか?」
「畑やってるとどうしてもクモは見るからな。慣れかな」
「うぅ……辛い……でも野菜作りはやりたい……」
「きつかったら今日は上がっても良いぞ」
「いっいえ!頑張ってみます!」
「無理はしないでな」
「あ、ミミズだ!」
「お、ターボはミミズ大丈夫か」
「うん!大丈夫!」
「よし、レタスは終わり!」
「はぅ~、精神的に疲れました~」
「ターボはまだまだいけるよ!」
「まぁ、ツインターボはそうだろうな」
太田は本名で呼ぶのか。
「タンホイザ、休憩するか?」
「だ、大丈夫です!」
「よし、次はトマトだ!」
「おう、早いとこ終わらせようぜ!マチカネタンホイザの精神が尽きる前に」
「そうだね!」
「じゃあ、先にやり方見せるから」
トマトが植わっている場所に近づき、まずは支柱に紐を結ぶ。次に、トマトの茎をあまり締め付けないようにしながら結ぶ。大体支柱と茎が2cm程開けばOKだ。
「やり方はこんな感じだ。できるだけ茎の上の方に結ぶ事と、茎側は2cm位空間を開ける事を意識してくれ。何か質問はあるか?」
「大丈夫!」
「大丈夫です」
「俺も大丈夫だ」
「よし、じゃあ作業開始!」
「ひゃうっ!く、クモさんだぁ……」
「あーちょっと待ってて……ほい。どかしたから、大丈夫だよ」
「ありがとうございますぅ。でも、どうして畑にはクモさんが多いんですかね?」
「んー……俺の予想でしかないけど、畑には虫が多いからかな」
「あー確かに。エサになりますもんね」
「よし、ターボのそれで最後かな」
「うん!結んじゃうね!」
「おう。……ん?ターボ、頭にゴミが付いてるぞ」
「え?ホント?鬼頭さん、取って?」
「おう、良いよ」
俺は手袋を取ると、ターボの髪に触れ、ゴミを取る。
俺はその時、ターボの耳がよく動いているのを見つけた。
「ターボ、頭触られるの、気持ちいいか?」
「うん!鬼頭さんの手、おっきくてあったかい!」
「そっか。……撫でても良いか?」
「うん!」
了承が出たので俺はターボの帽子を取ると、その頭を撫で回す。
ターボは気持ち良さそうだ。
「あ~良いなぁ」
「お、タンホイザもやるか?」
「良いんですか?」
「勿論」
俺はターボに帽子を返すと、タンホイザの元に近付く。しかし、ただ撫でるだけというのも芸が無いな……そうだ。
「タンホイザ、ちょっと失礼」
「ふぇ?わぶっ」
俺はタンホイザの正面から首筋に手を通し、後頭部や側頭部を撫でる。
タンホイザも最初は驚いていたが、段々と気持ち良さそうになっていった。
「よし、今日の作業は終わり!皆、おつかれさん!」
「おつかれさまでしたー!ばいばーい!」
「お疲れ様でした~」
「鬼頭、お疲れ」
「おう太田、今日はどうだった?」
「また来ても良いかもな」
「仕事だから毎回来るんだよ」
「牛舎ができたらそんな事も言ってられなくなるぜ」
「牛舎か……。どれぐらいの規模になるのかな」
「理事長は小規模だって言っていたが……理事長の小規模だからな……」
俺達は遠い目をしながら、後々できる牛舎に思いを馳せ、今日の作業は終わりを告げるのであった。
植える野菜の種類が少ないのは作中時間との兼ね合いもありますが、既に次の年を見据えているという要素もあったり。