ST10.Tears Like Unstoppable Rain
いや知らないし、というのがまず私の口から出た言葉だった。
大前提として私と夏凜とで、雪姫を中心にした情報共有は行われていないのだ。この一言で状況を整理する時間くらいは稼げるだろう。実際その判断は正しかったらしく、夏凜は数秒思案してくれた。
もっともその後、食い入るように私の目に向けて自分の目を近づけてきたのだが。距離感近いの止めろ! ヘンな動悸がするわ。
「知らない、とは? 雪姫様から何も聞いていないとはどうい―――」
「近い近い近い近い近いから! 身じろぎしたらデコにチューしちゃう距離だから!」
「あら、これは失礼」
「……って、雪姫って、いやカーちゃんの話だったのか? 話しぶりからしてさっきのオーナーって…‥。全然知らないんですけど夏凜ちゃんさん」
「夏凜ちゃんさんは止めなさい、近衛刀太。それにしても、母ちゃん……?」
「えっと、俺、一応二年間、雪姫の養子だし」
「詳しく聞かせてもらいますよ、近衛刀太……隙を見て逃げようとしない! というより何故偽名を!?」
言いながら私の顔面を両手でロックして覗き込んでくるこの威圧感。無表情に渦巻いている内心が全く読めない。好感度というかがどれくらい今
一応さっきの忍との途中会話から、私が二年前の記憶を失っていることも把握はなんとなくしたらしく、その後についておおまかに。どのあたりまで話すべきか迷いながらだが、おおまかにこれまでの経緯をざっくばらんにと伝えた。……偽名については知らない人相手に咄嗟の判断だったとしたが、実際鳩尾一発した負い目があるのか追及はされなかった。
「ふむ、つまり……、その九郎丸という
「いや、九郎丸という
「いえ、なんとなく口ぶりからそんな感じがしたのだけれど、気のせいだったかしら……?」
ひょっとしてそれってば、カンの良さ的なのじゃなく私の九郎丸に対する表現にガバがあった的な話かこれは? まぁ良いわと流してくれたので追及はされまいが。その間ずっと瞬きせずに私の目を見つめてるんだか睨んでるんだか数分経過し(怖い)、ようやく頭を上げた夏凜である。
「ど、どうしました?」
「…………あー、デッドロックです。頭がぐわんぐわんします」
「はい?」
「怒りというか、悲しみというか、喜びというか、色々な感情がカクテルされて、珍しく私の心が溺れています。どう判断を下したものか。
それに…………」
こちらをちらりと一瞥し、何やら思案する夏凜。無表情が解けて少し気が抜けてるように見えるが、口調が完全に丁寧語一本で警戒度自体は上がっているのだろうか……。まぁキリヱとは別ベクトルだけど貴女けっこうクソ雑魚メンタルなところあると思いますよ? と。思いはしたが何も言わない。
がスパーン! と上からデコピンを一発かまされた。
痛いんスけど!?
「失礼、何かぶしつけな視線を感じたもので。
…………こういう時は、雪姫様にならいましょうか。いわゆる」
「ならいましょうとは」
「ケジメというやつです」
私の肩をもって起こし、対面に向かい合い。
「一つのケジメとして、これまで私たちの間に培ってきた感情や、私や貴方がそれぞれ抱いていた感情を全部整理します。つまり―――― 一度殺し合いましょう。それで今までの関係はリセット、新しい関係を構築します」
「あの、俺にあまりにもメリットないんスけど……」
一体全体どんな話を教えた結果こうなったんですかねぇ伝説の吸血鬼さんよぉ?(現実逃避)
※ ※ ※
「なんでそんな穏やかじゃない話に……」
「詳細は省きますが、私はあの方の組織の一員…………、これでも不死身の身の上です」
「そりゃ、話の展開的に予想は付いてましたけどさぁ」
雪姫様の眷属ならそのくらい余裕でしょう、と当然のように言ってくる夏凜の圧に負けた訳ではないが、買わせてもらった木刀を背中から降ろして構える私。一方の夏凜はといえば、原作でもよく見た例の小さく長いハンマーを収納アプリから取り出して、軽く構えている。
場所は星空が海に映る砂浜。すっかり時刻は夜と来てる。瞬動術がわずかなりとも使い辛いだろう状況なのは相手のハンデなのだろうか。それを見れば多少は手加減してくれてるのだろう。もっとも手加減以前に殺し合いに至る発想がそもそもおかしいことにツッコミを入れるべきだろうか。
と、こちらの様子を見て夏凜は首を傾げた。
「不満そうですね、近衛刀太」
「不満というかついちょっと前まで面倒見てもらってたお姉さん相手に、そういう殴り合え的な感情向けろって言うのはちょっと難しいというか……」
「安心しなさい、私も似たようなものよ」
「なら何でそんな非文明人みたいな結論に至ったんスか!?」
「貴方を可愛がってた感情と貴方をズタズタにして殺したい感情が正面から殴り合ってるからよ。だから一度、実際に縊り殺し殺された方が楽なのです」
「それ夏凜ちゃんさんのストレス解消に付き合えって話なんじゃ……って、あーつまり自分じゃ自分は殴れないから、罪悪感を消すためにお互いドンパチしてくれ、と」
「実際無理強いはしてる自覚はありますけど、貴方、やっぱり付き合いは良いみたいですからね。……本当に死んでしまうようなら付き合うどころではないでしょうから。そういう所は、嘘をついていた訳じゃないみたいで」
そうやって無表情ながら口元だけ少し微笑むのは可愛らしいが、嫌な汗が止まらないことに変わりはないのだが。と、私から視線を逸らし「どうしてもというのでしたら」と視線を合わせず……、気のせいでなければちょっと照れてるように、彼女はこう続けた。
「勝った方の言うことを負けた方は何でも聞く――――みたいな条件を付けた方が、モチベーションが上がりますか?」
「女の子がそんなこと
マジレスだ。秒でマジレスである。ほぼ脊椎反射のようなマジレスであった。
武器を構えたまま、何か不満なのですか? みたいな風に首を傾げる夏凜を見るに、ひょっとすると以前そういう迫られ方でもしたことがあるのだろうか。絶対圧勝してカツアゲでもし返してる絵面しか思い浮かばないくらいには頼もしいのだが、とはいえ無防備なのは良くない。
「女の子という程の年でもないつもりですが……」
「夏凜ちゃんさん、雪姫相手にそういうこと言う奴いたらどうする?」
「消し炭にします。…………なるほど、貴方から見ればそう大差ない感情と」
「そこまで過激にはならないっスけど、まー、綺麗で頼りになるお姉さんって感じだったんで。夏凜ちゃんさん」
「ちゃんさんは止めなさい。しかし、そうですか。ふむ……」
顎に手を当てて、こちらに背を向けて何やら考え込んでいる様子の夏凜である。どうにも殺し合い自体は回避できないようなので、この隙間時間を使って自分にできることが何かを思い起こす。血の卍型巨大ブーメラン風の
そんな無理筋な希望を打ち砕く、夏凜の無表情である。こちらを向くと、私の目を見据えて言った。
「では、えっちなのは要相談で」
「初めからそういうの言うつもりないんスけど、なんで相談次第で応じる姿勢なんッスか……」
「貴方の中のえっちラインと私の中のえっちラインが異なる可能性もありますので。そのあたりは考えておいてください」
「それで応じるとは言った覚えないんスけど…………、逆に夏凜ちゃんさんが、それで俺に命令したいことでもあるんスかね?」
原作通りなら雪姫様の下から去れとか平然と言い放ちそうなこの時点(コミックス1、2巻前後)の夏凜であるが、一週間くらい共同生活して無駄に甘やかされた結果、既に未知の領域に突入している。今だって無表情に怒りの感情を浮かべるわけでもなく、かといって面倒を見てもらっていた時のような慈愛も感じられない。本当に無というか、内心で感情同士が相殺し合ってストレスだけ溜まってる状態なのだろうか。
「ええ。ありますとも。キクチヨ君。いえ、近衛刀太。貴方が――――」
と、私の言葉に。夏凜は人差し指を立てて、こちらに突き付けて言い放った。
「――――貴方が『雪姫様にすら』隠してることを、私は知りたい」
瞬間、時が止まったような錯覚を起こした。彼女が何を言ってるか、理解できなかった。隠し事って何だよと言えば、確信を持っているのか夏凜は一歩一歩、こちらに近づきながら続ける。
「先ほど話を聞いていて、そして今までの貴方を見ていて、思ったことがあります。貴方の言葉は、どうにも食い違っている」
「いや、食い違ってるって……」
「貴方は、子供です。例え今が何歳であれ、その身の時点で不死身となったのなら、基本的に子供でしかないはずなのです。それにしては、妙に一線を引いている。まるで、自分に踏み込ませないように」
「大人っぽいってこと? でもそういうのって、大人しい子供とかなら……」
「というより、聞き分けの良い子供『ではない』。
もっと何か大きなものを抱えて、誰にも明かせず誰にも話せず自分一人で押しつぶされそうになって、それでも今を誤魔化しながら生きている、そういう目です」
「…………」
それは……、ある種、正鵠を射ているのかもしれない。確かに私には、そういうものが確実にある。そもそも
だが、こんなものは話せない。話せたものではない。当事者が聞けば眉唾であり狂人の戯言であり、また真実を痛感してしまったものなら間違いなく正気が消し飛ぶ。この人のメンタル的な脆弱さだと間違いなく今の人格が崩壊しかねないレベルの情報のはずだ。前向きに開き直れればそれで良いのだろうが、生憎私の人格に、そういった強い
……そもそも原作主人公そのものではないからこういう悩みが発生するという前提はあるのだが、それは置いておいて。
「…………そんなこと言われて、話すと思ってるっスか?」
「ほら、今、否定はしなかった」
「反応しちゃったから今更否定できるものじゃないっていうか……」
「それでも誤魔化すことは出来たけど、明確に、貴方は一線を引いたということ。それはつまり、知られることが貴方にとって『致命的なこと』かもしれない」
「――――――――そんなことを知ってどうするというのだ?」
思わず素が出てしまった。それに一瞬驚いたのかきょとんとした顔の夏凜。彼女は目を閉じて、手を胸元に当て、ぐー、ぱー、と繰り返し、見開く。何かを決心したようなその目に、私は少し気圧された。
「どう、したいのでしょうかね。でも、知らないでいるのは、良くないと思いました。
貴方は本当は、そんな顔をするべき人間ではないと。そんな気がするから」
「…………」
「ただの我儘と思ってください。それでも、私は貴方に勝ちましょう。近衛刀太」
徹頭徹尾、こちらを気遣った言葉だった。いたまし気な目だった。無理に、断るのが難しい目だった。表情が歪む自覚がある。生存本能とは別なところで、私の中の何かが一歩動き出す感覚があった。これは大した話ではない。しかし――――。
守るための戦いだ。
何を? 彼女の心をだ――――。
木刀を構え直し、左手を袴のポケット的な所へ。変な構えである自覚はあるが、頭の中は
じり、じりと一歩ずつ詰める夏凜。その間、じわじわと意識して足の裏側に血を通わせる私――――、瞬間、夏凜が動いた。猛烈な砂ぼこりが立つのを認識した瞬間、木刀を斜めに構える。と、そこに夏凜が左の拳を握ってボディブローしてきた。ハンマー使わないのか!
ぎりぎり木刀の柄で受けたものの、持ち手全体に亀裂が入る。威力に驚いている暇はない、すぐさま
「痛いのは嫌なのだが!」
「これでも手加減してるわ!」
「だとは思うがなぁ! 思うだけだそれは!」
左手に木刀を持ち換えて、右手を心臓の傷跡に当て、血風のための血液を右手に蓄える。ハンマーを投げ捨てると、夏凜は両手をボクシングスタイルに構えてこちらに接近。その後は右左を不均一に使い胴体や顔めがけて殴る。
速い……、速いが、これくらいはギリギリ躱せる。目で追える速度でなくとも、雪姫に何度か「殺された」経験のせいか、致命傷に関しては嫌な感覚が分かるため、木刀で受け流すことができていた。
もっともそれとて完ぺきではない、付け焼刃とは言わないがプロには及ばない剣術ではこの程度といわんばかりに、べきべきと木目が裂け粉砕されていった。
「『
言ってるそばから神聖魔法らしきものを全身にまとった夏凜である。明らかに物理法則に違反してそうな速度で後退するこちらに追いつき、あまつさえオーラ付きの拳で――――熱い!?
手元が「じゅわ」っと音を立てて焦げる。瞬間、木刀から手を引き右手を前に。
「『
「ッ!」
眼前でバリアのごとく展開された回転する卍型のそれを、夏凜は輝く拳で殴りつける――――と、そこを起点に私は体感的に「死んだ」。
体感的に死ぬ、という表現は著しくおかしいが、他に形容のしようがない。もともと血風の基点になるのが心臓とは言え、そこから投げつけるまでは胸部の傷から腕に沿って、血の脈のようなものが出来ている。つまり投げつけるまで、血風と私の身体とは繋がっている、体外に出てこそいるがあれもまぎれもなく私の「体内の」血ということだ――――。
だから、その血を介して人体が内側から「蒸発させられる」錯覚を覚えた。
「――――た! 大丈夫、刀太!?」
「――――!?」
ホワイトアウトした視界が回復するさ中、夏凜の驚いた顔が見える。そんなことするつもりはなかったと言わんばかりの目だが、こちらだってこんなことになるとは思っていなかった。
痛みが全身に及び、内臓は完全にグズグズになっている。腕もまだまともに動かないが、脚部はかろうじて免れた。どういう理屈だこれは……、ともかく全力で、生命の危機にストッパーが外れた腕力で砂浜を殴り飛ばし、砂煙を立て後方に猛烈に後退した。
「はぁ……、はぁ……」
「……無理をせず、負けを認めてもいいんですよ?」
「そしたらさっきの話、全部撤回してもらわないと無理だ。こっち一発も入れてない以上、負け扱いは確定だろうに」
「それは……」
「雪姫に育てられたから、実力高く見てもらってるのだろうが。生憎、こちらも少し前までは人間の範疇を逸脱はしていなかったのだ。私とて、今の自分の力は持て余してるし、使い慣れていない。事故は十分起こり得るのだ」
「『私』、ですか……。それが貴方の素ですか? 近衛刀太」
「おっと……、悪いッスね。ちょっと余裕なくて、頭の中直に外に出てましたわ」
「…………別に、良いじゃないですか。その程度話しても。だって貴方、『痛いのは嫌』なのでしょう? さっきも言ってましたし……、ずっと、寝てる時に言っていたもの。怖いって、痛いって。『一人にしないで』って。
覚えてはいなくても、事故に遭った時の記憶が、貴方には残ってるのだと思って……。だから、そんなに痛いことになるとは思ってなくって、でも……。
…………私が、謝るのもおかしいですね。私がそもそもこんな話をしたせいなのに。すみません、私も、ちょっといつもの自分じゃない気がします」
「――――――――」
情緒がぐちゃぐちゃになってる夏凜にすら言われるほどひどいのか私は。
それよりひょっとして、気が付くと夏凜が添い寝していたりしたのは、彼女が言ってたそれが理由か? 確かに痛いのは嫌いだ。だが夢にまで見るほどだったろうか…………。いや夢には見ていたかもしれない。なにせ命の危機を自分で自分に煽っただけで「金星の黒」を引き出せてしまうのだ。原作の修行後ほど死に慣れている訳でもないのにそれが出来るということは、普段からよほどその恐怖を意識して、緊張しているということに違いないだろう。原因のいくらかに夏凜と一緒にいたせいもあるだろうが、それでも。
それでも、九郎丸の剣に貫かれた時の言いようのない気持ち悪さは、今でも生々しく胸に「残っている」。結果的に感謝することになっているとはいえ、怖い事実に違いはなく。
痛いのは、嫌なのだ。
「…………でも、それでも言いたくないッスよ。言ったら、夏凜ちゃんさんの方が落ち込みそうで」
「だったらなおさら、それを貴方一人で抱えるのはおかしいでしょう? 私はそんなに、頼りないお姉ちゃんでしたか? 貴方と一緒に旅した、この一週間」
「……あー、そうじゃなくってですね」
寂しそうな顔をする夏凜に、言葉を選ぶ私。下手に言うと気恥ずかしいし、変な意味にとられかねないが故の話ではあるが。それでも。ある程度は本心を交えないと、彼女はこちらの嘘というか、心を隠した表情を見抜いてしまうかもしれない。だから…………。
手元に何かが集まっている感覚がある。血風ではない、それこそ持ち手のようなものが形成されている感覚が…………、あと少しで何かがつかめそうな、そんな感覚が。
「夏凜ちゃんさん、子供は無邪気に笑ってるのが幸せっていったじゃないですか」
「言いましたが、何か?」
「それ話してる時の夏凜ちゃんさん、すげー、綺麗だったっていうか。だから俺も、夏凜ちゃんさんには笑ってて欲しいんスよ。そのためなら、少しくらいは気張りますって。だから話さない。
夏凜ちゃんさんだって、絶対、笑顔で居た方が幸せだと思うから」
「―――――――――――――――」
呆然としたように、夏凜は手を下ろしてその場に立ち尽くした。
…………おや? 何だその反応は。何か言葉を間違えたか? 決して嘘を言ったわけではないのだが。
夢追い人の仲間四人も、忍も、九郎丸も、夏凜も、それだけじゃない、雪姫含めて誰だって笑っている方が良いのだ。こんな場外からマウントとってぶん殴ってくるような立場の人間の暴露話を聞いて、いちいち曇ったり一喜一憂するような必要はない。
そしてそれを、出来れば近いような遠いようなところから、それとなく話をしながら見聞きする――――それが、一番良い。そういうものに、私はなりたい。
だからあくまで生存戦略として、ちょっとだけ本心の吐露であったのだが。
呆然としたまま、夏凜は突然両手で顔を隠す。……だから先ほどから何だというのだそのリアクションは、まるで照れた乙女が自分の顔を隠すような仕草だが。乙女という年ではないと自分でも言っていたくせに(語弊)いちいちその可愛いリアクションは一体こちらの情緒をどうしようというのだ?(逆ギレ)
やはり面倒くさい(語弊)。
と、目を見開いて手を顔から離し、夏凜は猛烈な速度で私を庇った。
上空から何かが降ってきて、先ほど彼女が居た場所めがけて振り下ろされていた。
砂煙が開けると、そこには長ラン風の学生服の少年か少女。長い髪を後ろに束ね、片方の目が隠れている。その目は私を見据えた上で、夏凜を睨んだ。
九郎丸である、時坂九郎丸である。
「彼から、離れろ!」
「不死殺し……? いけません、刀太。貴方は私が守ります」
私を背後にかばう夏凜と、そんな夏凜から私を取り戻そうとする九郎丸という、原作を知るものが見れば二度見不可避、当人頭痛で頭が割れる事案が発生していた。
…………いきなり訳の分からない修羅場止めろ! というか雪姫、九郎丸の向こう側で絶対事情おおまかに把握してるだろうその薄ら笑い、いいから動けない私に代わって割って入れ! 夏凜も夏凜で雪姫を目に入れないくらい九郎丸警戒してるのは何だ一体!
何が悲しくて野郎をめぐった女子による争奪戦(殺傷兵器アリ)みたいな構造が発生しているんだ! 特にそういうフラグを立てた覚えはないぞ! 絶対私のせいじゃないだろ!
私のせいじゃ…………、ない……、だろ?(疑心暗鬼)
(確信犯じゃないのでコレっていうのは業が深いねぇ・・・、とりあえず痛い死亡訓練の追加は確定っと)