タイトル通り、100話突破時のアレのネタです。チャン刀の胃を護るため(?)、今回は仙境館のお話ですナ
・女性陣チャン刀好意ランキング5項目
ST117.Slap! Big Ass
どうやら世界が滅びかけた、らしい。
らしいというのは、僕自身がその案件にはノータッチだったからだ。なんというか、上手い事そのあたりは「滅亡しない程度に」おさまったらしいと聞いている。ただ向こうから送られてきた詳細報告を読むと、それはそれで新事実が発覚したり、色々と謎な部分が湧いてきたりといったところだ。
まあ、細かくは刀太たちが帰ってきてから、直接聞くとしよう。
僕は僕で、仕事が忙しいのだ。
バサゴとほぼ二人で仕切って旅館を回すのは相変わらず、甚兵衛さんはフェイマ(※コンビニ)を適当に管理しているし、最近占い屋みたいなことをはじめた良く知らない和尚は和尚で、客商売に不向きな威圧感を持っている。
だから僕も「お掃除ヤクザキックモード」ミニゲームスタイルを起動して、周囲に散らばっていたゴミを「雑魚ヤクザ」に仕立てて蹴り飛ばしかき集めていたところ。視界の端にゲームのログか何かのようなウィンドウで、稲妻模様な黄色い枠が表示された。
『ふみゅー! ふみゅー……、ちゅー、ぴ、ぴか?』
[――――ヘイヘイヘイィ! ここが
セリフの声は可愛らしいのに表示されている
こう「外部の」視点を持つものとしては、色々と放置しておいて良い存在では無い気がする。その声の主を探そうと、「タッチ&タッチ探偵モード」ミニゲームスタイルを起動して、視界全域に映るもの(映像)をすべからく「認識の上で」タッチしていく――――見つけた。コンビニの電子広告に、その相手はいた。……虫取り棒を片手に持った和尚が、何やらコンビニの上の看板に漂っているその生き物を捕獲しようとしているようだが、いかんせん「視えて」いないせいだろうか、全然当たる気配がない。
「なんとなく見えてきましたぞ……、拙僧も捕獲していースかな? ソレ! ソレ!」
『ふみゅー! ぴぴぴちゅぴちゅらいらい!』
[ワッザ! 全然当たらないのに直向きに立ち向かう姿、俺チャンには一番真面目に見えるぜぃ!]
なんというか、見ているだけで世界観を破壊されそうな感覚に襲われる。
思わず消音機を取り付けた小型拳銃を引き抜こうかと迷っている時に、和尚の方が僕に気付いた。…………なんというか、構成員の黒スーツを借りて着ているのだが顔やら体格やらの威圧感だけで充分にヤクザの幹部でも通じそうな威圧感を持っている。もっとも頭にかぶった傘とか首に下げた数珠のお陰で、随分とイメージは違うのだけれど。
「むふぅ? お主、何やら女難値が増えているぞ? 一体どうした」
「女難値……、生憎『そういうことは』ないはずなんだけれどね」
「なぜ? バグか……」
そういうことは無いだろうけれど、少なくとも僕のステータス表示で、その類のものは確認できない。そもそもこの人が何も知らないはずなのに「バグか」などと言いだすこと自体が世界のバグのような感覚があるため、何と言うか色々と冷汗が流れる。
そんなこちらに「むふぅ」とやはり何度か唸りながら、彼はしげしげと僕の顔を覗き込んだ。
「直感ではないが、そうではない。大事なのは、どう視えたかだ」
「そう言われましてもね、和尚さん。ところで貴方は一体何を?」
「おぉ、そうであった。拙僧、さきほど妙に最もピュアな妖怪変化だ! と気配を感じ、ワクワクしかしねー! と童心に帰ったものの、未だ心眼が足りぬと見える。気配を探る暇もなく実体を非実体とされてしまっては、拙僧えげつなく感じるものの、やっとらしくなってきたと勿論気合を込めた。なんとなく話が見えて来たかな?」
「むしろ遠回りしすぎていらっしゃいますね、和尚……」
「半分は当たっている。耳に――――コソコソ何をやっているッ!」
妙に遠回り過ぎて結局何が言いたいのかわかり辛い話題の展開中、突如として虫取り網を投げた。恐ろしいことに「視えていない」にもかかわらず、さきほど僕が発見した妖魔の身体に直撃していた。
もっとも「ふみゅー!」と叫びながら非実体となり回避こそされていたけれど。和尚はそれで何かを悟ったのか「話が違う!」と謎の一喝をしていた。
「見えたか……『神聖なる者』の気を帯びて……おられたか。拙僧ごときがどうこうするまでもない、とはいえこの世界に絶対はない。ゆめゆめ気を抜かれるなよ? ――――例え小僧、刀太と『前世から』のような縁があるのだとしても、だ」
「前世からの縁ねぇ……」
それだけ言って虫取り棒を回収した後、和尚は立ち去っていった。一体何がしたかったのだろうか。いまいち理解していないが、とりあえず僕はその妖魔相手に拳銃を抜いて突き付けた――――。
『ふみゅー!?』(※以下、鳴き声は省略)
[アイエエエエエエ!? 銃火器、銃火器ナンデ! 俺チャンこんなに可愛いマスコットなのに……、頑張れば世界で二番目とれちゃうかも? こう、名探偵な映画とかでさぁ!]
「いまいち正体が分からないけれど、最低限張られている簡易結界を余裕で通過してくる妖魔、かつ人型でないとなると、野良で逸れて来たとは考えづらい。逆説的に誰かしらのトラップで送り込まれたか、それとも害意をもって来訪して来たか。……どちらにせよ、少し『お話』しようか」
[それゼッタイお話じゃないからー! O☆HA☆NA☆SHIって奴だからー! 俺チャン暴力反対ッ! ついでにシベリア奢って? カステラとヨーカンのやつ]
「図々しい妖魔だね……、というか一体、君は何なんだい?」
そもそもどうやって、という話をすると、
「雷獣……、確かに学園都市側から報告にはあったね。確か刀太の契約従魔になったとか」
[おぅ! 俺チャン、刀太のビッグブラザァに「チュウベェ」って名前つけてもらってまさァ!]
「チュウベェ…………」
どうしてそんな素っ頓狂な名前なのかと聞けば、どうやら刀太のネーミングセンスでは、どうあがいても格好良いものになってしまうから嫌だったということらしい。
まぁ、確かにこのキャラクターで迫られたら、僕だってまともに格好良い名前を付けようという気は起きないだろうけれど。
というかフリーダムすぎる割に妙に疲れた中年みたいな雰囲気がにじみ出ているのは何なのだろうか。アレかな? よくサラリーマンのお父さんとかが飲み会帰りにハイになってるあのテンション、それをずっと継続でもしているんだろうか。
コンビニの前から移り、仕事をしながら彼に話を聞く僕。といっても、とりあえず本当に外敵ではないのかを探る目的もかねて、いつでも戦闘態勢に移れるよう浜辺の方に来てだけれど。ついでに砂地の整備がてら、ならしておく。
[ところでビッグブラザァの人間関係とか教えてくれない? 知ってたらでいいんだけど]
「何でそんな話を知りたがるんだい? それも、主である彼が未だに帰ってきていないここで。そもそも僕って、彼とはゲームで少し遊んだことがあるくらいだけれど」
[そりゃ
「というか君も僕のことをパイセンと呼ぶのか…………。彼と言い君と言い、一体どうしてなんだんだろうか」
[なんとなくッス!
それでそれで、人間関係知って、地雷を把握して、その上でビッグブラザーの関係に気を遣うって奴だぜ! 俺チャン、出来る従魔!]
本当に出来る従魔はそういうことは自分では言わないだろうというツッコミを一応は入れておく。
しかしだから僕は詳しくはないと…………、いや、まぁ「調べよう」と思えば調べられなくもないけれど(例えば夏凜の本名)、どうやら彼のプロフィールにおける過去には一部「プロテクト」がかけられているらしい。たまにその当人の運命に関わる第三者が強力な魔法使いだったりすると、その過去そのものに妙なノイズが入りアクセスが妨害されることがある。刀太もその類なのだろうと判断しているので、わざわざ「ハッキング」して解除するつもりもなかった。
そんな話をしていたせいだろうか。
「――――――――つまり、女性関係ですね。大変オイシイお話とお見受けしました」
「おっとッ」
[アイエエエエエエ! 光の御子! 光の御子ナンデ!?]
咄嗟に聖剣エクスカリバール(只のバール)を取り出して構えた僕と、変なポーズで飛び退くチュウベェ。もっともその相手の顔を見て、おずおずとバールを地面に取り落とした。
「…………唐突に帰ってくるのは止めてください、
「
うやうやしくチュウベェに頭を下げる、長髪長身の男性。服装はどことなくミュージカル風に見えなくもないけれど、場違いでもなく普通に似合っているあたり、色々ズルい気がする。まぁ僕が着用したところで馬子にも衣裳にならず、着られるばかりなのだろうけど。文字通り「光の速さで」何処かから現れた彼は、どこからかいつの間にか取り出した魔法アプリを展開し、近衛刀太の写真を見ていた。
そんな彼は現在、
[副首領……? エヴァちゃんの次に偉いッ!]
「君、
「フフフ、まぁこのあたりの態度の大きさは、生まれてからの年月よりも人間との関係性に左右されるものですから。よほど甘やかされたのでしょうかねぇ、ずいぶん愛玩動物のようなメンタルとなっていらっしゃいます」
しかし女性関係ですか、とニコニコ微笑みながらも実際に何を考えているかまでは表情で判断がつかない。その妙なポーカーフェイスっぷりは、以前某所に
というより…………、こういうタイプの人間は男性女性問わず苦手だ。以前戦った月詠さんだったり、僕にとって一番大切「だった」あの
「ふむふむ、なるほどコレはコレは…………」
「それで、何を
雰囲気からしてただただ写真を観察している訳ではなく、何かしらの能力を以って「本来なら視覚から得られない情報」を引き出しているのだと推測。まぁ、当たらずとも遠からずといったところだった。
「いえ、『光魔法』に通じております故に、オコジョ妖精などが使うタイプの『好意を測る魔法』を使用して、色々と目視しているのです。もっとも私の存在が存在なので、より細かく、どういったエピソード交じりでなのかなど、ある程度把握した上で確認できるのですが、これはこれは……、中々興味深いことになっていらっしゃられるようで」
「好意を見る? …………何だろう、ギャルゲとかエロゲとかの好意度みたいなものだろうか。というか一体何なんだそのオコジョ妖精とやら……」
[俺チャン、番外編だからってエロゲを伏字にしないのどうかって思うッス。少年雑誌ィー]
番外編? いや、僕も「こっちに来るまで」その手のゲームは、妹とかの目が怖かったのでやっていなかったのだけど(教育に悪いし)。
「何と言うか、中々面白い結果になっていると思いますよ?
とりあえず現状『この時代に生きている』方々を対象としましたので、おそらく名前を知らない方が何名かいらっしゃると思われますが、周囲の女性から近衛刀太様へ向けられた好意の5項目評価、どうぞ」
言いながら空中に投影されたそれは、こう、どういう顔をしたら良いのだろうか……。
【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル】
┗友:08 親:10 恋:08 愛:10 色:07 計:43
「なんというか、馬鹿な息子だよ。…………、これ以上は金とるぞナナオ」
【朝倉 清恵】
┗友:10 親:08 恋:09 愛:06 色:09 計:42
「熊本民、クラスメイト! ……う、うん、クラスメイト。ハハハ……、なんか照れるわ」
【時坂九郎丸】
┗友:09 親:09 恋:09 愛:07 色:09 計:43
「親友って言ってもいいのかな……、も、もうちょっと深く想ってくれてると嬉しいけど」
【イシュト=カリン・オーテ】
┗友:10 親:10 恋:07 愛:10 色:04 計:41
「気が付いたらどこかに消えてしまいそうで放っておけないヒトかしらね……」
【結城 忍】
┗友:07 親:07 恋:07 愛:07 色:08 計:36
「生まれて初めて、正面から努力を努力として見てくれた感じです。憧れです……ッ」
【桜雨 キリヱ】
┗友:05 親:09 恋:10 愛:09 色:09 計:42
「べ、別にコイツのことなんて、世界が何度滅んだって全然好きじゃないんだからねッ!」
【テナ・ヴィタ】
┗友:09 親:05 恋:07 愛:05 色:10 計:36
「なんていうか、まともに接してくれた異性が兄サンくらいしかいねーんだよなぁ……」
【伊達マコト】
┗友:04 親:06 恋:10 愛:07 色:09 計:36
「恋はラブハリケーンッスらしいッスよ!」
【豪徳寺 春可】
┗友:06 親:04 恋:07 愛:06 色:07 計:30
「時坂君よりは好み。あと服装センスがこう、
【近衛 帆乃香】
┗友:09 親:09 恋:04 愛:03 色:03 計:28
「お兄さま大好きえ!」
【近衛 勇魚】
┗友:04 親:08 恋:09 愛:06 色:09 計:36
「………………」
[マジで知らない名前があるとか予想外なんだよな俺チャン……]
「というより妹かな? の片方の『色』が高すぎるのが絶対アウトだと思うのだけれど……」
というより、桜雨キリヱがなんというか典型的なツンデレ発言なコメントだったりと色々ツッコミを入れて良いのか悪いのか……。というよりも好感度の後に表示されている一言コメントみたいなものは?
「それぞれの潜在意識に向けて語り掛けた際にエコーのように返ってきた一言ですね」
「とはいえ
「大雑把には当たっているでしょうし、大枠はこれで地雷回避くらいは出来るかと。参考になりましたか? チュウベェ様」
[俺チャン的に一番びっくりなの、あのエロいシスターじゃないシスターの色がスゲー低いってことなんッスよー、これマ?]
「マジです、はい」
イシュト=カリン…………、夏凜のことだろうか。思えば妙に刀太にベタベタしていた夏凜だったけれど、そこに色欲はないと本人は言い張っていたが、ひょっとして本気も本気だったのだろうか。何かしらの方法で数値を改ざんしているのではと個人的には疑ってしまいたいが、残念ながら七尾が表示しているそれを更に「別なゲームモードで」解析することは出来なかった。
[じゃ! ここでイッチョ、ビッグブラザァ側から女性陣側への好意とかも出してクレメンス!]
「ええ。構いませんとも――――、おや? 源五郎様、どうなさいましたか?」
いや、流石にそれはちょっと待てと。思わず七尾の手を掴んで制止をかける僕だった。
「それは、良くない。只でさえこういう人間関係を覗き見るようなことはある種のフラグだというのに、それを双方向で確認でもしてみたら、いつ空から僕らを蹴るために馬が降ってくるかわかったものじゃない。
擬人化して美少女にでもされた馬ならまだしも、それこそ殺意満点で襲い掛かってくる可能性だってあるわけだ」
「晴れ時々馬…………、中々究極的な状況を想定なさいますね」
[そうは言っても、ビッグブラザァ側からの地雷も知っとかないと色々まずいしィ……]
馬とは言ったが、あくまで比喩だ。つまりこういう変なフラグは、事故的に踏んでしまったものでも危険だということだ。僕自身「こちらに」来た時に散々そういったフラグのお陰で痛い目を見た経験があるので、よくわかる。
それに相手は中学生だ。中学生にとってそういう風な内容ではやし立てられるのは完全に陰口ないし嫌味ないしいじめの類だ(※成人でも変わらない)。UQホルダーはホワイト労務……という訳でもないけれど、せめて心の安らぎくらいは確保してあげるべきだろう、先輩としては。
結局そこのところだけは深く追及せずに話を終わらせた。チュウベェは「つまんねーの!」などと言いながら姿を消し、七尾も任務に戻ると言っていたのだけれど。
「では、私から一つだけご忠告を」
「?」
「―――――――――どなたとは言いませんが、大変な女難の相が出ておられます。精々、島の外を出歩く際はご注意くださいませ」
またそれか、と。和尚の言葉を思い出して苦笑いを浮かべようとし…………不意に脳裏を過った、月詠さんと言うらしい彼女の「しな」を作ったポーズが、何故か悪寒を感じさせた。
感想1000件突破記念ということで、今回は試験的に「番外編の内容募集」と化してみようかと思います。
しばらく期限は設けないので、活報より[光風超:感想1000件(大体)突破記念募集]にお願いしますナ!
※過疎ってたらいつものノリで番外編アンケします(保険)