真面目に色々ネタを仕込んだり拾ったりすると話が長引いていくガバガバ和数管理システムです・・・というわけでその2
ST119.Bride Ability Championship!(2)
『これも愛……、というには状況が混沌としすぎていますね。肝心の刀太くんはアレのようですし…………、あっ、でもこっちは視えてるみたいですね。手を振り返してくれますし可愛い! 凄い可愛いじゃないですか刀太くん、実体がないのがあまりに惜しい抱き上げて頬擦りしてぐるぐる周りたいですッ!』
「ばいばい! ばいばい!」
「何をやってるんだお前は……」
『さぁやってまいりました、『第一回ドキドキ? 女だらけの嫁力選手権~イチゴ味』! MCはこの僕、『永遠の十三歳』飴屋一空お兄さんがお送りします!
さて、本日いらっしゃってるゲストはこの方々ッ!』
「実況の絡繰茶々丸です。大丈夫、こういうお仕事は慣れています」
「アイヤー、茶々丸に呼ばれて遊びに来たネ! 特に縁もゆかりもないから冷静な分析が出来るだろうて期待されてる、解説アルバイトの
サーサー、そんな私たちのお隣の二人もついでネ、自己紹介、自己紹介!」
「…………いや、それこそ何で審査員として俺達を呼んだんだ。というか嫁力選手権とか言っていたが何なんだそれ、絶対後で近衛が頭抱えるだろう。
少しは彼の羞恥心を考えてやるべきだと思うけれど。特に腐れ縁とはいえ知り合い相手にこういう悪乗りをするのは――――」
「ま、まーまーまー……(ひ、久々にダイゴくんの隣の席……!)
えーっと、審査員その1とその2! 釘宮大伍と、成瀬川ちづでーす! そして!」
「あ、その、三太ッス。一応元凶くさいんスけどあんまり責められてないんで、まー、出来る限り平等に審査するッス」
『ありがとうねー三太君! 大丈夫、無理しなくても何とかなるものだよ、こーゆーの。
ではここで、特別審査員のお二人をご紹介、どうぞ!』
「どうぞと言われてもなぁお前ら……、というか私を巻き込むな。
リアル『カアちゃん』だぞ? 私。リアル『カアちゃん』。
変な遊びに変な状況になった子供を巻き込むなって」
「イヤでもそういう血筋ネ、女難というか」
「…………というか超、お前なんでこの時代に――――」
「アーアーアー! 別に問題はないていうのは『あの時』彼に話した通りネ! というか学園長から聞いてないカ?」
『はいはい、そこの話はなんかツッコミを入れるのが怖いので置いておいて、雪姫様のお膝の上のちびっ子刀太君! 今日の意気込みをどうぞ!』
「え、え? え? あ、あの、ね? ………………ぼくのね、おうち、どこ?」
「…………」
『おぉっとこれはコメントに困る一言が来てしまった! 迷子のような少し泣き出しそうな発言だけれど、残念ながら君のホームはここだァ! 諦めてお昼ご飯を召し上がれッ!』
断言するけど一空のテンションがぶっ壊れてるわね。やけくそでもないのに、酔っぱらってるみたいなテンションじゃない。何なのその無駄な力の入れよう。ちょっと驚いて泣きそうな刀太を、雪姫が頭撫でたりして落ち着かせてるのは、こっちもこっちで少し手馴れてる感じじゃない。
あと大人モードの雪姫が超さん相手に悪態をついてる……。あれ? ひょっとして知り合い? いえ、なんというか場所が遠くてツッコミを入れるに入れられないんだけど。まあそもそも超さん相手に周囲のほとんどが「誰?」って顔してるから、あんまり関係ないと言えば関係ないけど。というか、釘宮ってあのイヌメガネよね、イヌメガネ。今日はニット帽してるから一見すると普通っぽく視えちゃうけど。隣の女の子は、なんっていうか……、うん、セーフね! 大丈夫、もう「惚れてる」相手がいるタイプはあんまり刀太相手とは相性よくないのかあんまり絆さない(絆しても友達レベル?)だから、とりあえずは大丈夫っぽいわね。
私たちは、なんていうかこの間、茶々丸さんに案内された別荘の前に来てた。別荘っていってもプレハブっぽいところで、茶々丸さん曰く昔雪姫が住んでたところらしい。そこの手前、長方形の長い方を開いて簡易ステージにしたみたいなコンテナに、ガスとか水道とかちゃんと動いてるキッチンが六つ設置されてたわ。
……ん、六つ?
なんか端っこのコンテナに、全身黒ローブを纏った子がいるわね。顔も何もかも判らないけど、身長、私くらいの大きさ…………、って、へ? い、勇魚ちゃんは、呼んでないから来てないはずだし、帆乃香ちゃんの姿も見えないから大丈夫、大丈夫……、よね? ちょっと疑心暗鬼だわ。
『はいでは、特設会場の皆さんの紹介に入りましょう、せっかくですから場を盛り上げる感じで!』
「アイヤー、程々にしてあげるネ!」
『ではではまずエントリーナンバー1番! エプロン姿は君の為、僕は僕に出来ることを――――女子率平均7割強! 時坂九郎丸ちゃん!』
「何ですかその紹介ッ!?」
驚きながら、制服の上からピンクのフリフリエプロンな九郎丸は手を下に握ってお尻突き出すみたいな感じでちょっと前傾姿勢で叫んでる。……ふーん、可愛いじゃない。でもなんか自前の包丁なのか何本か機材じゃないやつが置いてあって、これは強敵ねっ。
『エントリーナンバー2番! 夢のためにゴーイングマイウェイ! ありとあらゆる障害を、知恵と勇気とレーシングマシーンで蹴散らします――――テクニカル&キュート! 結城忍ちゃん!』
「きゅ、きゅーとッ!? が、頑張りますっ!」
なんていうか、正統派妹系? 後輩系? な女の子って感じね。健気さとやる気に満ち溢れてて、小動物的な可愛らしさがあるわ。でもそれはいいとして、どーしてツナギの上からエプロン着用してるのかしらあの子、こっちに来てた時は私服っぽいパーカーとスパッツっぽい恰好だったのに……。
『エントリーナンバー3番! 大概のそういった事なら大体こなしてきているので、特に問題はないと判断します――――姉を名乗る不審者! 結城夏凜ちゃん!』
「絞め殺しますよ、飴屋一空」
『ちょッ!? 魔法纏うの反則じゃないかなーッ!』
聖属性を帯びた白い光が立ち上る右手の夏凜ちゃん。無表情に一空を睨んでるけど、下の拳から照射されてる光でホラー映画とかでありがちな不気味な照明の当たり方みたいになってて怖いわね……。っていうか、エプロンでも強調されてるおっぱい何なの? そのハート型の新婚さんみたいなエプロンはッ!?
『エントリーナンバー4番! 経験値を超えた古式ゆかしさは素直になれない女の子の花道――――ツンデレ予知能力者! 桜雨キリヱちゃん!』
「誰がツンデレよ誰がッ!」
とりあえず適当なエプロンの紐を締めながら思わず叫んじゃったけど、これじゃますます本当に私がツンデレみたいじゃない! 私、そーゆーテンプレートに当てはまるタイプの好意の表し方するタイプじゃないし、アイツのことなんて別に……って、何言ってもデレてるみたいに聞こえるじゃない一空のやつッ!
『エントリーナンバー5番! デートすらまだなのに何でこんなことに……、お嬢様女子力舐めんじゃないッスよ!―――― 一般生徒だけど恋さえしてれば関係ないよね! 伊達マコトちゃん!」
「プライバシーとか無いんスかこの内輪イベント!?」
夏凜ちゃんに匹敵しかねないおっぱいと身長な、マコトだっけ……? なジャージの人。素直に照れてるのがこう、普通にこっちも可愛い感じ。っていうか忍もだけどわざわざ服を着替えてきてるわね、こう、刀太の妹たちみたいなお嬢様風な制服って言ったらいいのかしら。ひょっとして先輩?
『そしてトリを飾るエントリーナンバー6番! ――――絶対匿名希望、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル(
『様をつけろ、様を。
というか絶対匿名希望で参戦させろって言っただろうが貴様ァ! わざわざ隠していた意味がないだろうがッ!』
そう大声を上げながらマントを脱ぎ棄てたのは、なんかこう、白いゴシックロリータな恰好してる、雪姫子供バージョンだった。
……は?
「雪姫様が、二人ッ!?」
「超美少女じゃないッスか! 髪さらっさらじゃないッスか!」
「え゛? えっと、特別審査員の席に雪姫いるじゃない、何よコイツ!」
「や、やっぱり可愛い……って、あれ? そ、そうだね、どうして二人――――」
「あ、あの…………(雪姫『先生』も参戦したかったのかな?)」
私たち各々の反応を見て、その小さい雪姫は鼻で笑った後に剣呑な凄みのある笑顔をしてきた。可愛いけど怖いじゃない、っていうか明らかに普段の雪姫よりもドSっぽい顔してる。
さてはあの女、こっちが素ね!
『コイツとは随分な口を利くなぁ、サクラメ・キリエ。
その身を永遠なる氷の彫像としたいとみえる――――』
「や、止めなさいヨ、せめて一思いにそこは殺しときなさいっ」※戻れるし。
「いや、止めておけお前も。
ウチの組織的にキリヱがいないと真面目に困るぞ……」
『フン、本体がいくら困ろうが、私には関係ない話なのでな。
大体「ぼーや」の姿もないし、いじめ甲斐がないにも程があるぞ。
とはいえお遊びで出て来てやったんだ、精々私を楽しませろ?』
「昔の雪姫様のようですね、振る舞いが……」
「あ、悪の親玉っぽいッス」
『そりゃ「そんなもの」だからなぁ、ハハハハハ♡
いいぞいいぞ、もっと畏れろ一般人♡』
「でも可愛いッス」
『は、はァ!? や、止めろ頭撫でて来るな!
『うらやましい……』
『……あー、で、ちなみに彼女は一体誰なのかと、皆さん困惑してますけど?』
「懐かしいですね、マスター」
「ま、そうだな。
簡単に言えば、相当昔に私が作った『人工精霊』だ。
当時の私をモデルとして記憶とかもちゃんと継承させてある。
今回は、ソイツの回収もかねてこっちに来たところはあるんだが……、いい加減に暇してると文句を言ってきたからな、たまには遊ばせてやろうというハラだ」
「かわいい……」
「ん? お、そうかそうか♡
ヨシヨシ、良い子だ♡ フフ♪」
あ、あざとい……! ちょっとご機嫌になって頭撫でてる雪姫、あざといじゃないっ! 自分の分身とはいえ小さい自分の姿を褒められて悪い気がしないっていうのはわかるんだけどっ。っていうか、「息子」相手に褒められてそんなに気分良くなるものな訳?
ていうか、ぼーやって誰のことよッ!
『フン、まぁ良い。せいぜい私を楽しませろ。
…………って、カリンお前、こういうお遊びに参加するようなタイプだったか?』
「まぁ、私も『解放されてから』色々あったのです」
『そういうものか。……そういうものか。
私の本体ですら「色々あって」「浮かれて」丸くなってるみたいだしなぁ』
「「「浮かれて?」」」
「おい、その話は止せ!
というかお前だってそういう意味では浮かれてるだろう今絶対ッ」
『まぁ、な?
…………ま、そんなことはどうでも良い。オイ司会、とっとと進めろ』
『りょ、了解でーす。
ではでは、第一回戦のお題は…………、もう皆さんお分かり、料理対決!
審査員の皆さんは刀太君以外、選手全員の料理の手際、完成度、味などなど色々な観点で、十点満点でご投票お願いします!
満点は五十点。ちびっこ刀太君の点数などは、雪姫様、サポートお願いします』
「まぁ、構わんよ」
『では、お題の料理というわけではないけど、刀太君? 君、好きな食べ物は何かな?』
「たべもの?」
頭を傾げたちびっこ刀太だったけど、少し逡巡してから「えっとね」って話始める。
「おくすり、きらいだからね。ほかのなら、だいじょうぶ」
「………………」
おくすり? って周りが疑問に思ってる中、九郎丸と三太、雪姫だけが何とも言えない表情になってる。って、どういうことヨ? とりあえず隣の隣なコンテナの九郎丸に聞いてみた。
「えっと、刀太君も小さい頃、僕みたいに身体が弱かったらしいので、たぶんそういう話なんだと思う」
「それはどこの情報ですか? 九郎丸」
「どこっていうか、帆乃香ちゃん達の情報だから……」
「私、それ全然聞いてないんスけど…………、後輩なのにあの子たち……」
もっと言うと刀太君の「産みのお母様」情報だと思う、って続ける九郎丸。そう言われても何、どんな話なのよ……。っていうか、なんでその雪姫じゃない方の母親とかも普通に割れててあの姉妹もいるっていうのに、刀太の扱いがいまいちよくわかんないままなのとか、色々ヘンなところあるわよね、アイツの周り。なんとなく記憶の奥底で、髪の長い京都弁なんだか関西弁なんだかわかんない言い回ししながら刀太を可愛がってた人が居たのはなんとなく覚えてるけど、ひょっとしてその人かしら。まあ顔もほとんど思い出せないから、あんまり意味のない記憶ではあるんだけど。
「薬か……、薬は不味いよなぁ……」
そしてなんでか、押し黙っちゃった雪姫の代わりに三太がちびっこ刀太に話しかけてた。刀太も刀太で「おにいさん、おかっぱ!」って指さして、なんかちょっと私たちに対してより少し人見知りが薄いような気がする。…………三太も割と人見知りだし、同族意識?
「えっとね、…………おにいさんも?」
「胃薬と睡眠薬は、ちょっとだけお世話になったことあったかな。まー、あんまり効果なかったんだけど(日に日に暴力とかエスカレートしていって心労濃くなってったし)」
「?」
「ワリぃワリぃ。で、それはそうとして、食べてて何か美味かったものとかあるか?
今からあのお姉ちゃんたちが作ってくれるらしいから、料理の名前とか挙げてやって?」
「おりょうり?」
刀太は、うんうん唸ってる。何、そのリアクション。そんな、料理とか全然食べてなかったの? そんなに病状悪かったのかしら、点滴とか流動食とかでどうにかしないといけないレベルだったわけ?
周回知識ふまえて、刀太の過去について色々知ってそうな雪姫が黙ってるものだから、邪推しようと思えばいくらでも出来てしまう。でもそんな最中、刀太が言った名称が色々とこう、コイツちびっこになっても何考えてるのヨって感じだった。
「えっとね…………、しまらっきょう」
『………………………………………………………………………………』
一同、沈黙。
いや何でそれ? っていうか料理じゃないじゃないそれ、仮に酢漬けとか考えたとしてもすぐに造れるようなモノじゃないでしょ!? なんていうか、変にセオリーとか守らない子ね。……考えたら普段のアイツもそーゆー所はあったから、ひょっとしたら三つ子の魂なんとやらって話なのかしら。
「料理……、料理?」
「な、なんでそれなんだい? 君」
あっ、イヌメガネと隣の女の子が聞いてるわ。勇者よ、勇者。
「じんてつさんが、たべてたの、もらった。こりこりしてて、おいしかった」
「じん……? い、いや、そうか。……あー、でも他の料理にした方が、あそこで待機してるお姉さんたちも助かるんじゃないかな」
「? ほかの…………、あっ! しおから、おいしかった。
…………だめなの?」
「あー……」
「だ、ダイゴくん、ここは私が。えーっと、刀太くんだっけ? その、もっと他にも色々あるんじゃない? 美味しかったもの。全部言ってみて?」
「うん! えっとね…………、たら、ちーず、じゃーきー、ちょりそー、いかのサクサクしてるの、えっと、あと――――」
「…………(あの強面男、さてはおやつ代わりに自分用に買ってあった酒のツマミか何かをこっそり食べさせていたな……?)」
雪姫がボソボソ言ってるのは聞こえないけど、いや、だから何でそーゆーチョイスなのよ。聞く限りにおいて、じんてつさん? って人、ロクでもない人に聞こえるんだけど……。
「あー、そうだな…………。刀太、カレーは好きか?」
「カレー? …………うん、そのね、ちょっとからいの」
「そうか。…………フフ、少し大人の舌だな」
「それね、『おかあさん』いってた」
っていうか今更だけど、魔法アプリで幼少期に戻ったせいなのかしら。刀太の口から語られる情報って、明らかに普段のアイツが覚えていないタイプの情報が多いわよね。あと出て来る情報が大体なんか家庭環境とか色々複雑そうっていうか…………。
夏凜ちゃんとか「ふむ…………、なるほど大体わかりました」とかなんか色々本当は大体わかってなさそうなこと言ってるけど、あんまり下手に話させない方がいいのかしら。
ただとりあえず、雪姫がカレー味の何かっていう定義までテーマを決めてくれた。
ちなみにその経緯だけど。
「えっとね、カレーはたべるとだめだから、カレーのあじならいいの」
「嗚呼、そういえばお前の消化器系ってこの頃は…………、いや、まあそうだな。『懐かしい味』という意味では、悪い話ではないのか」
「?」
いやだから、その、そういう話されて私たちどんな顔してこれから料理したらいいってのよ…………。というか一空、こういうお遊びするなら普段の刀太相手にやった方が良かったかなーとか、今更後悔してるんじゃないわよッ。
まぁ作るけど…………。ポっと出の一般人に負けるとか? こう、お、女としての沽券っていうか、不死者としての面子にかかわるしッ!
活報の[光風超:感想1000件(大体)突破記念募集] の方で、まだまだ内容募集中ですナ!
ぜひぜひ