光る風を超えて   作:黒兎可

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感想、誤字報告、ここ好き、アンケ企画などなど毎度ご好評あざますナ! とはいえ深夜の魔の手・・・
 
割と気付いてはいけない事実に気付かせてしまったかもしれないガバ(ちゃんさん)


ST130.衝撃の事実

ST130.And Mary Iscariot Unintentionally Realized...

 

 

 

 

 

 超星仔(チャウ・シンチャイ)はかつてスラム編で戦ったPMSCS(民間軍事警備会社)の隊員であり、少なくとも瓦礫屋より上位の傭兵の一人である。単純な実力で言えば原作後半においてフェイトが刀太の実力を測るのに用いる程度には戦闘力が高いと推測できるかもしれない。

 闇の精霊を操る古式ゆかしい「魔法アプリに頼らない」魔術師にして、近接戦でもそれなりに手練れである。スラムにおいてはいわゆる「人形」の操作は彼が行っており、その後原作刀太ですら序盤に出会ったときはその自在な戦い方(および逃げ方)で翻弄され、キリヱを六回(六周)ほど殺されるのを許してしまう。まあアレは刀太本人にも色々と問題や隙があったということで単純比較はできないが。直接的な暴力ならある程度は当時から圧倒していたので、つまりは近接戦は「人間レベル」で高いと言えるのだろう(神鳴流などは人間レベルに含まない、アレは変態(語弊)の剣術である)。

 まとめると、「直接戦闘では弱いが搦め手でならそれなりに強い相手」といえる。

 

 ……なお、そんなこととは関係なく原作夏凜あたりからは蛇蝎のごとく嫌われていたりする。「この時間軸」というか世界線と言えば良いか、少なくとも私の居る「ここ」の夏凜ちゃんさんもそれは同様で、正確に言うと嫌っているというより気持ち悪がられているが正しいかもしれない。

 何故なら。

 

「ところで君たち二人、外見はともかく能力だけなら今回の依頼人からの情報にあった二人だと思うから聞くけど、今日って夏凜ちゃんは来ていないのかい? 君たち、夏凜ちゃんの後輩なんでしょ~? いいな~、あのおっぱい横からいつでも見られるの。

 で、僕のこと何か聞いてないかな? 僕のことさ、イケメンだったとか『刺し方』がアツアツだったとかさ。……あっ、じゃなければ連絡先教えてくれるだけでもいいんだけどね。愛しの夏凜ちゃんにいつでもコールをかけられると思うだけでもう両手いっぱいのナイフを投擲してあげたいくらいに――――あべしッ!」

「アウト!」

 

 私がツッコミを入れる前に、勝四郎(ビューティー九郎丸)が先に殴った。どうやら乙女側に寄っているその精神性から、彼の物言いが生理的に受け入れられなかったらしい。殴った後に源五郎の所の若い衆からもらったポケットティッシュで何度も自分の手をふいて、完全に得体の知れないばい菌を見る目である。とはいえそんな目で見られても興奮せず、起き上がりながら「つまり夏凜ちゃんがいいのさ!」とか言い出している辺りは一途と言えば一途なのかもしれないが、その内容の方向性がだいぶ酷く私も九郎丸とそう大差ない目だろう。

 いやリアルで見るとせっちゃんなどカワイイものである(むしろエッチか)。

 

「何故そんな外道なことになっているんだお前さんの頭の中……。もうちょっとマシだったら夏凜ちゃん先輩もまともに話くらいは聞いてくれるだろうに。私から見ても『そう』なのだから、自覚はあるだろ。何故少しは猫を被ろうとしない」

「――――あーハハハハハ、初対面の時に嬉しくなっちゃって、つい殺っちゃったんだー。アレは愉しかったし興奮したし、何より綺麗だったなー」

「変態って言うか猟奇だな。いや、意図的にシャワーしてるところを狙うあたりは変態に違いはねーが……」

「というより僕のことはどうだって良いんだよ。君たちに残された選択肢は二つに一つ、楽しい話と詰まらない話だ。夏凜ちゃんの連絡先を教えるか、普通に仕事の話をするかさ」

「菊千代君……」

「どっちが楽しくてどっちが詰まらないのか色々問いただしたいところはあるが、何故よりにもよってフェイトもこんなのを投げてよこしたのか……」

 

 まだ灰斗の方が子供好きだし、今回の仕事に共感は出来そうだと思ったのだが。そんな呟きを耳にした星仔が(超だと「ちゃお~ん☆」と被るのでこちらで統一する)「今は難しいだろうからね」と肩をすくめた。

 

「今、彼は来年の『まほら武道祭』に出場するため、一般予選に挑戦している所だ。ウチの広報部と結託しての仕事ということになっているから、そう簡単には呼ぶことは出来ないね。……というより、あのバトルジャンキーに触りたくもない。絶対嫌な絡まれ方する……」

「本当に? えっ、いや確かに本職『格闘家』とか言っていたから出ても不思議じゃねーのか」

「…………って、それならなおのこと仕事を依頼してもらった方がいいかもね、刀太君」

 

 名前名前、と半眼でニヤリと笑って顎をしゃくると、はっとして少し照れた後「菊千代君」と言い直す九郎丸である。いまいち偽名呼びに慣れていない様子だが、まー「私」としてはむしろ本名な(しっくりくる)ので、これはこれで変な感動が有ったりなかったりである。

 

 

 

 さて前置きの様な会話が長くなったが、現在の状況を言うなら「取り調べ中」である。時刻は夜半を回り、襲撃を仕掛けた屋敷にあったタコ部屋のような場所に組の頭を始めとした連中をバラバラに入れ、それぞれに自白剤……、というより「思っていることを口に出してしまう魔法」が掛かったドリンクを呑ませていく。源五郎いわく雪姫の私物から出してもらったものらしく、使用制限は時間以外は存在しない。なんとなく後数巻した時(ラブコメ編)あたりでまた遭遇しそうな物品な気もしないではないが、今はそのところはスルーしておこう。

 それを使って直に源五郎が聞き込みをしている。まあおそらく彼がやる以上はゲームのステータス画面のような形で言葉の真偽が判定出来てしまうのだろうから、拷問も何もなく彼がするのが的確と言えば的確ではあるのだろう。そしてその手前で若い衆は周囲の警戒、私と九郎丸とこのド変態は少し休憩していた。

 

 いや、このド変態についてはどうやらフェイトから「UQホルダーと協力して薬物のルートを探す」という依頼を受けているらしいのだが。いまいちその挙措から信用が置けないため、こうして雑談を「させながら」相手の「戦意を散らしている」ところである。

 そしてその当人も、自分が我々に警戒されていることを自覚しているのか、アレ以降は余計な真似はしていない。私に殴られた後は逃げようとしていた連中を「影」で縛ったり、逃げ道を塞いだりとある意味八面六臂の活躍だ。

 

 と、和風の屋敷に不釣り合いな「鉄のドア」が開き、源五郎が出て来た。なんとなく甘いチョコレートのような匂いが漂ってきているのは気のせいではないだろうが、その正体について追及するのはなんとなくガバの気配を感じるのでさておき。

 

「概ね予想通り、予想の範疇は出ていなかったかな。ただここの組が古風なヤクザ稼業(クラシック)だったお陰で手がかりがそもそも存在しなかったというオチになるかと思ったけど、そこは意外と運が良いのかもしれない」

「クラシック?」

「ああ。今回の薬物をバラまいているその大前提になってる相手――――裏火星発の宗教団体『素晴らしき夜明けと明日』なのだけれど、連中は基本的に全員が魔法関係者。魔法アプリに頼らないような、古風なタイプの魔法使いが大半を占めているらしい。

 お陰で大体の組において、売りさばく商品の配送など何から何まで魔法、しかも複数拠点をランダムめいて組織だって点々と使っているものだから、最終的にどこに配送されたかとかを論じるのがそもそもバカバカしい話になるんだ」

 

 ミステリー小説とかで謎の畳み方に困った作者が安易に暴力団とか謎の組織を登場させたがるようにね、とどこの業界にケンカを売っているのか微妙な源五郎の発言はともかく。その宗教組織の名前がなんとなく原作を前提に考えると、思いっきり敵の正体に予測が付いてしまう程度の微妙なものなので、大人姿のままの私は表情が引きつった。どう考えても「新たなる夜明け(ゼロ・ドーン)」、ラスボス候補の一人だった相手が作ったテロ組織の前身組織だろう。さらに言えば、今後のことを考えるとヨルダ並かそれ以上に最優先で潰さなければならない組織である。

 

 なにせほぼ、この組織が原因で多くの命が「取り返しのつかない形で」奪われるのだ――――それこそ、私というより「近衛刀太」熊本時代の友人たちの命も。件のデュナミスから技術提供を受けたのかは定かではないが、どちらにせよゾンビウィルステロに使われるはずだったウィルスをベースに、さらにひどい改造を施した結果が「それ」に繋がる。

 対峙するまでにどういう展開を辿るにしても、そこだけは絶対に譲ってはいけない。

 

「この組に関しては、むしろ魔法関係のそれを極力使わないようにしていた……というより毛嫌いしていたらしいからね。UQホルダーこと仙境富士組にいいようにやられたのがよっぽど堪えていたらしい」

「あー、で結局割れたんスか?」

「割れたと言えば割れたのだけれど……、とりあえず大掛かりな取引は週末に行われるらしい。それまでは都内を見回ったり、スラムを見回ったりして新しい流通経路がないか虱潰しに探すことになる。

 なんていったって調査を含めて、人間がやることだ。僕も『直に見ないと』そういうのを確実に判別することはできないから、人海戦術はどうしても必要になるさ」

「あー、承知したッス」

「今日はもう終わりってことですか? 源五郎先輩」

「おぉ、なら君たちさぁ。僕を学園まで案内してくれよ。関係者ってことならあの厳重な警備もそう酷いことはしないだろうし、早い所愛しの夏凜ちゃんにさぁ……ジュル、おっといけない、とにかく僕は出来れば早く再会したくて――――あべしッ!?」

「「却下ッ!」」 

 

 とりあえずこれからの予定を聞く前に、段々と話していて涎が垂れそうになっている変態を、勝四郎(ビューティー九郎丸)と一緒に成敗した。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「…………まぁそんな流れで、前に夏凜ちゃんさんの報告書にあったヘンタイさんと遭遇した感じッス」

「――――――――」

「いや、そんなあからさまに嫌そうな顔して俺の頭を撫でられましても」

 

 翌日の放課後である。九郎丸はアマノミハシラ市内で「まほら武道会」一般予選(参加予定者での総当たりによるポイント制の戦い)に興じることになり、私は私で手持無沙汰となってしまった。源五郎は「済まないが今日は急用が出来た」とこちらに仕事に来いとは言わず、事務所も事務所で「カチコミ」以降、着替えに戻った際など例のスキンヘッドの若い衆を始めとした面々が妙に戦々恐々としており、その空気は一日経過程度で収まらずどうやら今も継続しているらしい(というよりもあからさまに避けて来ていた?)。

 そのため、あちらで仕事の状況やら何やらと話を聞くことも難しく、となれば現状とれる手段は限られてきている。都内の見回りか、スラム周辺の見回りか。前者についてはほぼ九郎丸預かりの範囲に相当するだろうと考え、なんなら久々にルキたちのいるスラムの方に回ろうと考えていたのだが。

 

『――――で、何でフツーに居るんスか夏凜ちゃんさん?』

『学園内ならいざ知らず、こちらではちゃんと先輩と呼びなさい刀太』

『おー! おひさー、チャン刀クン!』

『どうもッス』

 

 死天化壮やら何やらを使って放課後マッハで向かった先、教会で炊き出しを手伝う制服姿の夏凜とシスター・ミカンこと春日美柑の姿がそこにあった。教会内に、他のシスターはおらず、彼女たち二人で色々やっていた。

 そしてとりあえずそのまま何もせず見ているだけというのもシックリ来ないため、彼女たちを手伝いながら(シチューの具材を切ったり炒めたりしながら)色々と事情を話したり話されたりという流れである。私からはまず昨日の仕事というか締め上げの下りについて説明し(途中偽名の下りで夏凜の視線が鋭くなったが何故?)、その際に思い出した名前を挙げた流れである。

 なお聞いた夏凜本人は不機嫌そうな表情ながら無言で私の頭を優し気に撫で続ける謎挙動である。普段と違い私自身特にダメージを受けているとか、その分のケアというわけではないのだろうが、一体どうしたというのか。そしてそんな私たちを見て、春日美柑が若い頃の彼女の祖母そっくりなネコ目じみたニヤニヤ笑いを浮かべていた。

 

「いやー、夏凜ちゃんも青春って感じなのかな……、せい、しゅん? あれ? 夏凜ちゃんの御歳ってお祖母ちゃんが言ってたのが正しかったら今年で最低でも二せ――――」

「殴りますよミカン」

「――――ちょ! じょ、ジョークジョーク、イッツジーザスジョークッ!」

 

 そして夏凜を年齢ネタでいじろうとして、これまた彼女の祖母がシスター・シャークティ(※元上司)にお説教されたような軽い流れで封殺される。もっともヤベーヤベーと猫のような目になりながらテキトーにぶつぶつ言っているので全く凝りていないのは誰が見ても明白、このあたりは見た目通りと言うべきか、祖母そっくりに適当な性格をしているらしい(知ってる)。

 

「で、どうして夏凜ちゃんさんはこっちに?」

「『キリヱから指示された』のよ。どうも刀太、貴方は自分が色々と危ない立場にいることを理解していないと。真壁源五郎の下で仕事が出来ない日があるならばそのまま帰宅して佐々木三太とゲームでもして遊んでいれば良い所を、わざわざ仕事を探して出歩く必要がないときまで出歩いているんじゃないわよッ! とのことです」

「お、おぅ……」

「ついでに言えば、貴方が危険に遭遇『する』と断言されてしまっては、私も適当にまほら武道会の予選だとかどうとか言っている暇もありませんから」

 

 不思議そうに頭を傾げてる春日美柑に「予知能力者のようなものです」と軽く説明する夏凜だが。どうやら知らぬ間に、キリヱ大明神によるチャート修正が働いたらしい(奉納)。キリヱ本人が来ていないところを見るに、おそらくレベル2(リトライ)の方を使用した結果なのだろうが、事情を知らない人間が聞いても本当に「予知であると錯覚する」程度に調整した説明になるこの流れよ。明らかに夏凜自身、こういう微妙な誤魔化しというか、そういうのに慣れていることが察せられる。

 まぁ彼女の正体から逆算して、どう考えてもかつて氏素性をそのまま名乗って生活していた訳ではないだろうし、そういう微妙な社会性とも言い難いスキルも育まれたという事なのだろうか。

 

「あー、そーいえばルキとか他の面子はどうなんスか? 姿、見かけねーッスけど」

「スクラップからなんか掘り出し物探してるか、あとは最近発掘した魔法アプリ教材とかで遊んでるんじゃないかな? シスターみゃおとかも張り切ってたし。あの人一応『裏火星』出身だから、そういうアプリ系とか意外と得意だからねー。見た目はゴリラだけど」

「人の外見をそうディスるものではありませんっ。そういう保護者の悪い所ばかり見て育つから、未だに浮いた話の一つもないのでは?」

「そそ、そういうプライベートかつセンシティブな話は止めないッ!? だ、大丈夫、まだここだと出会いがないってだけだから……、私まだ若いからっ!」

 

 明らかに震え声である。そしてブツブツと「ババアもスペックが高いんだか低いんだかよくわかんねー相手ばっか紹介してくるし……」とか愚痴ともいえない愚痴を零しているのだが、ここはそっとしておくべきだろう。「私」の経験値からいっても、こういう社会通念的な婚期(もの)に追われた人間ほど煽られると下手を打つものだ(経験談)。

 

 そして後は煮込むだけとなると「とりあえず人、呼んできてくんないかな?」と肩をすくめながら言う春日美柑。どうやらずっと鍋に張り付いて焦げないよう混ぜたりするのが嫌らしい。それを私たちに依頼するのは「お金払ってるわけじゃないし、拘束時間長いからそこまでさせるのもねー」と案外良識的なことを言ってきたので、そう言われては仕方ない。

 なお鍋の中身と面倒くさそうにらめっこしながらな彼女だが、熱くなってきたのか帽子をとると、デコの広いショートカットな髪型だった。受ける印象としてはどこかココネを想起させるが、まあ春日美空と一緒に居るココネなのだから当然孫娘とも面識の類はあってしかるべきということなのだろう。

 

 そして表に出ると、夏凜がふと私の手に指を絡ませて引く。夕暮れ時、橙に染まる彼女の横顔は相変わらず綺麗な無表情で、しかし不思議と以前ほど圧を感じない自分がいた。これは彼女が変わったというより、私が大分慣らされてきたということだろうか…………。

 

「……っていや、何ッスか? 今日は別に落ち込んだりしてないッスから、慰めたりはしなくても――――」

「いえ、そうではありません」

 

 と、瓦礫の山――――人の気配が少なくなった場所で、夏凜は私に向き直る。澄んだ瞳の色。こちらの背が伸びたこともあって、その視線は以前よりも近い位置でこちらを見据えていた。

 夏凜はそのまま、すっと私の右目の上、瞼の付近を優しく撫でる。

 

「変装の際に眼帯をしていたのはこちら、と言っていましたか」

「へ? あー、えっと…………」

 

 

 

「……事情は知りませんが、何か大事な思い出でもあるのでしょうか」

 

 

 

 そしてこう、相変わらずクリティカルめいたことを私からして何ら伏線なくいきなり看破してくる夏凜であった。

 いや、確かに「私」からしたらそれは大事な話である。なにせそれは「私」にとっては「親の形見の一つ」なのだ。正確には親代わりの女性ではあるが、彼女から受け取ったもの、教わったものは大きく、そしてその「最期」を想えば、私にとって眼帯をするというのは少しだけセンチメンタルな意味合いを持つことに違いはない。

 

「…………」

 

 違いはないからこそ、そんなことを目の前で見せた訳でもないのにどうして言い当ててくるのかこの女は相変わらず――――――――。

 

 彼女に「私」の素性やら何やらが漏れていると言うことは決してあるまい。いくらか飛躍が見られるが、彼女の言動はあくまでも私を見た上で判断しているという説明をギリギリつけられる。

 だが、それはそうとして…………。いい加減、少しだけ確認しなければならないだろう。流石にこれ以上理由も説明もなく唐突に「私」に迫られるのは、こちらの精神衛生上良くない。これもまた何かしらのトリガーか旗立てだが、引いても引かなくてもそれはそれでお互いに別種の問題が発生する類のそれだろう。

 

 ならば――――恐れを胸に抱え、それでも踏み込むのが、今を生きる人間としての振る舞いだ。

 

「……だいぶ自意識過剰っぽいこと聞きますけど、良いッスか?」

「あら? 別に『素』の貴方でも構わないわよ。それを見越して人気のない場所まで来たわけですので」

「…………」

 

 少しだけ深呼吸して、私は彼女の目を見つめ直す。

 

 

 

「それほど、いっそ異様な程に貴女は『私』を洞察しようとするが。一体どういった感情の発露なのだ、それは。

 有体に言って、こう、『好き』とか、人間的な好意一つで説明がつかないレベルの情念を向けられているような気がしているのだが」

 

 

 

 そう問うと、夏凜はきょとんとした表情をして……、いや何だお前さんその顔。そんな表情原作でも1回有ったか無かったかというレベルだろう。何だその完全に想定外なことを言われたみたいな間の抜けた顔は可愛い(条件反射)。

 ただ、返された一言はこちらにとっても困惑必至であった。

 

「…………えっ? えっと、貴方の側からそう見えているということは……。私は、その、貴方に対して、その、『性的に』好意を向けているということなのかしら……?」

 

 そんなの私が知りたいくらいなのだが。

 いや本当は知るべきではないのだろうが。そもそも自覚すらなかったということなのか? えっ本当に? あのレベルで? あの異様なレベルのスキンシップに何ら「そういった」自覚がないと? 肉体的な接触になんら距離感や違和感や性差を感じていなかったと? 本当に「そういう」感情ゼロだったと?

 

 

 

 ……色々とえっちが過ぎるのでは?(オブラート)(???「ようこそ地獄の一丁目へ。まぁ天国の一丁目かもしれんがねぇ」)

 

 

 

 

 




活報の[光風超:感想1000件(大体)突破記念募集] の方もまだまだ内容募集中ですナ!
期限決まりましたので、ご注意くださいっ!
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