ちょっと鰤の二次で新作アイデアが出てしまったので、そちらに浮気してました・・・汗
ついにちょっと「あのお方」と対面遭遇・・・、あとエ□女注意ネ!(by超)
ST153.The Teacher of The Prince of the Parthia Is a WITCH
…………酷い夢見だったわ。
まさか「かつての私」、一度も「そういうこと」になったことのない夫だったはずの人や、それこそ「神になってしまった」先生のかつての姿と対面することが出来た。出来たのは良いのだけれど、それで心が満たされるかというと、不思議とそうではなかった。
何かが頭の片隅に引っ掛かっていた私は、それを「思い出せなく」ても、今いる「かつての時代」が―――他の使徒の連中と共に、ああでもないこうでもないと口喧嘩したり、大雑把な先生やアイツの金遣いをとがめて隠し貯金から崩して補填したりといった、それこそ嗚呼、幸せの一つだったかもしれない時代を夢見て。
とはいえ、それはそれで幸せで、心が折れてしまいそうだった。先生はかつて言っていた、誰かは誰かの代わりにはできないのだと。だからこそ、私にとって失ったその人への感情っていうものは、その人でしか代わることができないということなのでしょう。
『――――おや、これは大変ですね。自らの能力で「幻灯のサーカス」を引き延ばしかねませんか』
そう、あの日の夜……、私が先生の為を想って「から回らなかった」夜。ほうほうと明かりのもと、一人で金勘定と貯蓄分を振り分けている時。その認識のまま、私は彼女の姿を視界にとらえた。
目の前に現れたのはこう…………、ちょっと、いえ、結構えっちな悪魔さんみたいな恰好ね。道化師風ではあるけれど、その分肌の見せ方に凄いえっちさを感じるわ。これ考えた人は中々えっちなんじゃないかしら。(???「夏凜先輩!?」「まぁアンタからしたら、お前が言うなって話だろうねぇ……」)
「貴女は……? えっと、面識はない方のようですけど」
『フフ……? 今この時点において、私の恰好に色々と思う所があったようですが、それは水に流しましょう。どちらにせよ、刹那さんのエッチ具合に比べれば大分マシなはずですし』
木乃香さんも言っていたけど、そんなにその、色々アレな方なのかしら刹那さん。こちらも「先生の力」が散らされたこともあって、色々思う所はある相手なのだけれども――――。
ふむ?
頭を押える私に、微笑む目の前のえっちな恰好をした悪魔さん。数秒の混乱の後、私はぼんやりと忘却していた「本来の私」を取り戻した。
「…………そうですか。これが『幸福の轍』ですか」
本日、つい直前までのことを思い出して、私は深くため息をつきました。
私や九郎丸のような「まほら武道会」方面から情報を集めていたメンバーと異なり、真壁源五郎を中心として所謂ヤクザの徒党が、大会の裏側から情報を集めていたのは知っている。そのカチコミ、もとい関係者や肝心の魔法薬物の確保作戦が行われると聞いていた私は、しかし特に準備はしていない。佐々木三太が声をかけられはしたけれど、こちらにはオーダーがなかった以上、それなりに意味があったのでしょう。
それはともかくとして、個人的には刀太が心配で心配で仕方ありませんでしたが……。
そんなことを考えながら、まほら武道会予選。頭がこう、マリモというか大きなアフロというか、そんな魔法アプリ使いを倒してポイントを獲得していた時。夕方より少し前だったかしら、キリヱが大慌てで私に向かって走ってきました。
彼女はそのまま場所と時間、状況だけを説明すると、一足飛びでまた何処かへ……。以前本人から聞いていた「時間遡行能力」を思えば、まだまだ他にも何か準備をしていたのでしょうが。教えられたこととは別に、頼まれた一言が私をすぐさま動かしました。
『――――このままだと刀太、例のディーヴァだか何だかってのに浚われちゃうから! 助けて夏凜ちゃん!』
そして会場に向かい、九郎丸たちと合流。話を聞き、刀太の血が「中途半端に」途切れて残っている場所に立ち止まりました。おそらく「デスクラッド」と言いましたか、その残滓というより名残なのでしょうが。この周辺を起点として異空間へ閉じ込められたのだとすれば、それに介入する「結界破り」の神聖魔法を使うまで。
「――――“
土地と土地とを隔てる海という境界を割き道を作った故事に由来するこの技で、空間を「こじ開けて」みれば。当然のように刀太が拘束されている姿に、磔にされた先生を思い出してしまって――――。
後はもう、色々と私も我慢が効かなかった。
「…………それで、結界の外に出て数秒で落とされてしまいましたか。我ながら情けないわね……」
『いえいえ。ネギ先生――かの『
そう言ってくすくす微笑む彼女は、自らをザジ・レイニーデイと紹介した。
『かつてエヴァンジェリンさんの傘下、ネギ先生の仕切っていた「
「ぼる……、サムライセブンのことですか?」
『はい。呼び方は、ネギ先生はあまり好んでいらっしゃらなかったので、私を含め何名かはこちらを使用しています』
それは置いておいて、と。そう言いながら彼女は私に背を向けて、ばっと両腕を広げた。……そこに猛烈な勢いで出現し投影されるのは、刀太の顔という顔――――えっちょっと待ってください? 彼をキクチヨと呼んでいた時、雪姫様から離された彼との「あの日の夜」の映像まで流すのはちょっと止め、止めてー!? ちょっとどうしてそんな映像があるんですか、プライバシーの侵害ですッ!
『えっこれは……、うわぁ…………。えっと、えぇ……?(困惑)
これは、いけませんね。近衛刀太に責任をとってもわないと色々釣り合いがとれないのではないでしょうか結城夏凜。
なるほど、だからずっと大攻勢なんですねぇ……、ウチの
「な、何の話ですか! それにもう、その話はあの日に口頭でですが『決着がついています』からッ!」
『なるほど「予約済」ですか。…………なら安心ですね、でもそれはそうとして大変エッチなご様子で。ひとえに彼ばかりの責任とも言いがたい部分もあるかと思います。錯乱した彼を落ち着けるために、躊躇なく口づけするのは……。
まあこれでも刹那さんの方が圧勝なのは、業が深いというところなんでしょうが』
ごちそうさまです、と悪戯っぽい笑みを浮かべて舌を出すザジ・レイニーデイ。ですがそれより、刹那さんに対する発言が色々と気になりすぎているというか……。
いえ「あの日」は刀太というより
「い、いいえ! そんな話ではなくてですね! ここが私の視ている夢だというのは理解しましたが、何故貴女がこのような場所にいるのですかッ!」
『そういった能力ですので。もっと言うと私と姉――――「循環」ザジ・レイニーデイである双子の私たちは、共通する仮契約カードと
「幻灯の……?」
『ええ。「この」夢であるのなら、私と姉は何ら問題なく「夢を渡れる」ということです』
つまりこの術式の「大本」になった
『私は現在「3-A」、旧麻帆良学園における友人たちを護るために活動していますが。姉は魔族側、金星側の立場に立って動いています。そこに善悪という考え方は持ち込まれていません。しいて言えば「どちらがより生存できるか」「どちらがより共存できるか」といったところでしょう』
「…………ええと、いきなりその話を出されて困っているのですけど? 私は」
『ああスミマセン。つまり、ここから出してあげましょう! ということです』
言いながら彼女は仮契約カードを2枚取り出し……、2枚? 絵柄は同じだけれど、もう一つはブルーというより宇宙みたいな背景をしている。あれは、ネオパクティオーカードだったかしら……?
『なので、出すにあたって一つだけお願いを聞いていただけませんか? そう難しいことではありませんので』
「…………内容次第ですが、一応聞きましょう」
私の言葉に、彼女は少しだけ困ったような、照れたような、微妙な表情になり。それでも、すぐ先ほどまでの軽い微笑みの表情に戻った。
「近衛刀太へ、というよりテナちゃんへの伝言になります。私からいくとどすていも拗れてしまうので」
「どすてい?」
「噛みました。どうしても、ですね。
初対面が悪かったんですかね、我ながら。必要ではあったのですけれども……」
「こう言うと角が立つかもしれませんが、話題がフワフワしすぎています。
私に、刀太へ何を伝えろと?」
「えっと…………、『テナちゃんがまほら武道会へ参加するのは問題ありませんが、本当に生活に困窮したら、連中に捕まる前に帰っていらっしゃい?』です。
なんなら私も家出中みたいなものですし、と。そんなことを言った後、彼女は両手に持ったカードを構えて、腕を交差させた。
『――――
広がる魔法光と三つのカードが彼女の周囲で回転し――――視界に一瞬、シルクハットにタキシード風なザジ・レイニーデイの姿が映ったかと思えば、私の感覚は「もとに戻った」。
ふと目を開ければ、刀太と向かい合っている、あれは…………ザジ・レイニーデイ?
「――――で、どうするかポヨ? 少なくとも今回、UQホルダーおよび『白き翼』は『夜明けの会』が触れ回っている薬物とその流通ルートを押さえるのが目的のはずポヨ。
わざわざオティウスを拉致する必要などないと考えれば、そう悪い取引ではないはずポヨが」
別人ね。口調が全然違うし表情がもっとニヒルな雰囲気だわ。
そういえば「双子」とか「姉」とか言っていたかしら……。それにしてはいくら何でも「何から何までそっくりすぎる」気がしますが、それはまぁ良いでしょう。
その後、オティウスというらしい魔族だけは返すつもりのない刀太のようですが……。
「――――そうか、
「あの、後も先も前後左右全方位で怖い発言するのマジで止めてくださいお願いします………………、いやマジで多方面に」
「ふむ…………」
思わず声がしまいましたが、不可抗力よね。
しかしやはり胸でしたか。忍や九郎丸はともかくキリヱは……、何か手段を考えましょう。
私の声に反応した刀太が振り返ると予想は付いたので、目を閉じて眠ったふり。数秒してくつくつ笑うザジ・レイニーデイの姉の声に併せ、うっすら目を開けてみる。刀太が前方を向いたのを確認して、私は普通に目を開けた。
「ポィヨ…………。なら、どうするべきか。そもそもなぜ、オティウスに限ってるポヨ?」
「…………直感っていうか、アイツ見た時に何かヤバイ感じがしたっていうか。放っておくとよくない展開になりそうっていうか」
「むぅ、人格的には普通の『人間上がり』のでしかないのだが……」
「だからそういう情報ポンポン投げるの止めてください、止めてください…………(震え声)」
「そう平身低頭されても、ちょっと困るポヨ…………」
どうしてかは判らないけれど、刀太も色々限界みたいね。ふむ……、これはそろそろ「一線を越えた」方が、彼の慰めになるかしら?
「どうも個人的な感覚を優先しているのなら、私から代案を提案も難しいピヨ?」
「いや何で語尾変わったし」
「…………………………なら、どうするべきかザジ?」
「さっき自分でややこしくなるからポヨって名乗ってなかったかアンタ」
「…………どうするべきかボヨン?」
「そこまで行くと原形が無ぇ……、って言いながら胸を持ち上げるな自分で揉むな口から『ポヨポヨポヨン』とか擬音垂れ流すなアンタ!? 何だポヨンってそういう意味かよッ!」
漫符じゃねーか! と刀太が全力で叫んでいるのは少し微笑ましいわね。ちょっと照れてるみたいだし。ただ雪姫様と共に戦っていた、という彼女の妹の証言からして、流石に彼女も「引き込む」のは少し問題があるかしら。
まあ、その足りない分は「こちらで」「何とか」しましょう。
背後に出現していた形容しがたい怪物の姿を消すと、彼女は両手で自分の胸をマッサージするようにしながら思案しました。
「別におっぱい揉ませた程度で話が丸く収まるなら、私も涙を呑んで犠牲になるポヨが」
「いや、ならねーからッ! そこもうちょっとシリアスに! シリアスに!」
「即答とは悲しいポヨ…………、ポヨヨヨヨン…………」
「っていうかさっきから! 話進んでねーからッ! 大体『
「デュナミスとは知らぬ仲ではないからなぁポヨ。そのくらいして貸しを作っておくのも悪くはないか、という考え方ポヨ。
まあそれはそうとして…………」
そう言いながら彼女が胸の谷間から取り出したのは……、刀太が目をそらしてるわね、ふむ。雪姫様も「あの姿」のときはやっているし、参考にしてみようかしら…………。
取り出したのは、鷲のオブジェのような手のひらサイズの天秤。見覚えがある気がするので、何かしらの魔法発動媒体には違いないでしょう。けれど生憎、ここ百年近く見た覚えがないわね。どういう道具だったかしら…………。
私はともかく、刀太はそれを見て「アレか……」と嫌そうな表情。気のせいでなければ、少しだけ素の「彼」が出ているわね。
私は私で今、この状況。刀太が「素」に近い状態で話している今の状況で、おそらく「場を最低限おさめる」作戦を持っているだろうと考えています。だからあえて口出しもしていませんし、寝たふりをしたまま危険がないかと警戒をしているのだけれど……。
「ポィヨ? どうやら知っているようだなポヨ。強制契約執行――――ただし『魔族版』だがな」
「魔族版?」
「そうだポヨ。ある種の悪魔契約であるポヨ。
お互いに規定した約束事をベースとした契約において、『その場に魔族の召喚を確定すること』、および『契約内容が履行できなければ成立しないこと』。我々よりも高位の魔人が担当するから、そのあたりの公平性は安心して良いポヨ」
「履行できない内容なら破棄される、ってことか。そういう意味では安全ではあるのか……」
「というわけで、交渉ポヨ。
オティウスも含めて『魔族および使徒の全員をこの場で見逃す』代わりに、『最新最速の同胞』であるお前が懸念している事項が起こった際、私が全力でそれを阻止しよう」
そういう契約ならどうポヨ? と。差し出されたものを見て、刀太は嫌そうな表情を浮かべました。
「…………もし仮に、それで契約履行不可能ってなって、なら仕方ないってすぐさま戦闘に移られないなら、ちょっとは考えるッス」
「フフフ…………、そこは安心するポヨ。今回『召喚された』のはあくまで回収目的でしかない。あんまり戦闘すると回収する暇もなく魔力切れとなるポヨ。
だからその場合は痛み分け、ということポヨ。オティウスについては諦めるが、この場の全員については仕方ないポヨ」
そう言うと、彼女は天秤の片方に自らの指先を「刃のように伸びた爪」で引っ掻き、血を垂らす。刀太にも血を乗せろと言ったのを受けて、彼もその血装術のコートを少し千切り、皿に垂らしました。
途端、天秤が釣り合って暗雲が「室内に」立ち込める――――――――。
暗雲の隙間から、幻影のような誰かが投映された。女性、髪は黒く長くて、目つきは鋭い。唇が色っぽくて、毛皮風の
彼女も、魔族…………? 脚を組んで寛ぐように、しかし色っぽい彼女。ワイングラスを傾けて飲み干した後、そんな彼女は刀太たちを見ました。
『…………あら、こんな夜遅くに「未来の時代」からわざわざアタシを指名しての依頼とはねぇ。さしずめ「その時代のアタシ」がサボってるってところか』
「さぁ、『背教』タローマティ。契約内容の精査、審議を頼むポヨ?」
「――――――――」
刀太が視線を逸らして、引きつった表情になりました。口が何か動いているようね。最近はよく彼のことを見ているので、それだけで何を言っているか読唇できる自信があるわ。
し、し、ぉ、お、じゃ、ね、え、あ……?
ししぉお……、ししぉー、師匠?
師匠じゃねーか、ということかしら。…………師匠? 一体なんで師匠なのかしら? 私はあのタローマティと呼ばれた女性に面識がないのだけれど、雪姫様なら何か知ってるかしら。
そんな疑問を頭の片隅に追いやって、状況を観察します。タローマティと呼ばれた彼女はパラパラと「どこからか」出て来た紙を何度か捲り…………、深いため息をつきました。
『…………あぁ、これは無理だね、「循環」の所の姉王女。その時代なら「ポヨ」ってところかい? 契約無効、不成立ってヤツだ』
「ポィヨ……?」
彼女の言葉に、訝し気なポヨと呼ばれたザジ・レイニーデイの姉。逆に刀太はほっとした様子で、良かったわね……、後でまたいっぱいハグしてあげましょう。きっと喜んでくれるはずです。
「……むぅ、やはりわからぬポヨ。そう難しい契約ではないと思っているがポヨ?」
『アンタは「魔法使い」基準で考えれば十分に強いし色々出来ることもあるが、「固有能力」相手にまで全て通用する訳でもないってことだよ。
ましてやその相手が相手だし、下手すると『周辺の連続時空帯』『その全てを巻き込んで』世界線がぶち切れて酷いことになるからねぇ……。
ねぇ?
「アッハイ…………」
『随分硬いじゃないかい、アンタとアタシの仲だっていうのに――――』
「いやそもそも初対面ッスよね一応!? 過去の人物でしょあなた、過去の人物!
『別にアタシにとっちゃ、今いる時代や背格好なんてのは大した問題じゃないんだよ。今でさえ二千年代初頭の恰好しちゃいるが、時代としては西暦226年だし、アタシも王子の教育係とかしてるからねぇ』
「なんでそんな具体的な数字を…………」
「というより『背教』が教育とかだいぶカオスなことをポヨ……」
『何だいアンタら煩いねぇ。そもそも宗教改革起こした国の王子に教えてるんだから、アタシの
ま、とりあえずもう用事は終わりなら失礼するが――――アンタは、色々『覚悟しておくこと』だねぇ。沢山溜まってるよ、ガバが』
「え゛っ」
タローマティと呼ばれた彼女はそう言って姿を消し……。鷲の天秤はヒビが入って壊れました。
刀太としばらく何とも言えない顔で見つめ合ってから、ポヨと呼ばれた彼女は。
「…………とりあえず回収するから、ちょっと手伝って欲しいポヨ」
「………………まぁ、こっちの不利益になるようなことしねーんなら」
「それは、流石に空気を読むポヨ」
あら、この調子だとまだ暫く、私も寝たふりを続けないといけないのかしら?
というよりも、刀太も何を普通に彼女の手伝いをするつもりなのかしら。……おっぱい? やはりおっぱいに釣られたのでしょうか。
あれだけ私のおっぱいを好き勝手にしたくせに。…………その、色々、あんなこと許したのは彼が初めてだったというのに。
……まあ、あの夜の彼は色々と「まともな」意識ではなかったでしょうし、覚えてはいないのも判りますが。
あと背後で「で~~~ち~~~!」って悲鳴が聞こえてるけど、そこはスルーしていいの……?
※詳細はそのうち
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