光る風を超えて   作:黒兎可

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毎度ご好評あざますナ!
今回、番外編・・・と言いつつ実質本編ですかね汗 キリヱ番外編の時よりも本編軸の量が多いのでご注意汗
 
>1-1. ネギま時代にネギに稽古を付けていたような感じで、チャン刀と雪姫の稽古


ST154.血花、血光、血雨(リク番外編)

ST154.Unforgivable Life

 

 

 

 

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック――――――――」

「――――死天化壮、アンド逃走ゥ!」

 

 いつかの別荘、ゾンビ事件……、まあ原作に併せてゾンビ事件としよう。ゾンビ事件の終結後に雪姫のはからいで招待された、例のダイオラマ魔法球な別荘である。フィールドはわざわざ夏場のアレであるところも踏まえると、色々とネギぼーずとの修行編を意識したのかもしれないが、はっきり言って放たれる魔法の類はその限りではない。

 そもそも外の演習場やら龍宮神社やらでない時点で、我らがエヴァちゃんこと雪姫(カアちゃん)の本気具合が伺える。曰く「この場所は私の魔力が満ち満ちているから、外部のように能力を制限されないのでな」とのこと。この段階で、私を相手にするエヴァちゃんの本気度というか、マジギレ度は半端ではなかった。

 

「――――魔法の射手(サギタ・マギカ)! 連弾(セリエス)闇の29矢(オブスクーリー)

 継いで解放(エーミッタム)!!  闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!!

 さらに 解放(エーミッタム)!!! 雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)!!! 」

「き、近・中・遠、全部の距離をいきなり封じて来る奴があるか馬鹿!? バカアちゃん!? 少しは加減しろっての!!? 大人げねーぞッ!!?!?」

「何がバカアちゃんだ煩いわッ!

 少しは反省しろこのバカ息子がッ!」

 

 闇の魔法弾に追尾されるわ猛吹雪で接近は阻まれるわ少しでも距離を変えようものなら雷もついでに襲い掛かってくるわ、完全に攻撃方法が殺しにかかってきている。というか魔法アプリで遅延を準備して連撃で解き放つとか、熟練の経験者がさらに最新の道具を備えた最終形態味すらある。光と闇が合わさり最強に見えるようなわけではないが、どちらにしろ何から何まで容赦がない。

 チュウベェの使用は雪姫を前にした瞬間、まるで「あっ、俺ちゃんちょっと用事思い出しましたわ……、サヨナラッ!」と言わんばかりに姿を消していることもあり、もはや何をどう突っ込めばよいやら……。どうでも良い所でばっかり疾風迅雷させる頻度が多くいざと言う時に逃げ惑ってるの、お前いったい何のために水無瀬小夜子から私の方に乗り換えたお前……。

 

 空中に舞い砲撃するように連続で魔法を撃ち出す雪姫相手に、私が出来ることはそう多くない。とりあえず血風創天が使用できない以上、大血風を投げて魔法効果の範囲を一瞬牽制、その隙間を縫うように飛行する――――接近してくる闇の魔法弾はギリギリ折れた黒棒でも撃ち落とせるので、雷撃と吹雪がこちらを襲うよりも先に、雪姫へと接近――――。

 それを当然のように読んでいた彼女は、無詠唱で処刑者の剣(エクスキューショナーソード)を生成して折れた黒棒と打ち合う。

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラ――――ッ!」

「いや言わせねぇから!」

 

 ただ剣戟が飛び交う中でも当然のように呪文詠唱は止めないので、思わず小血風を左の指先から放ち、その綺麗な頭部を「消し飛ばした」。魔法障壁もなんのその、このあたりは当然のように突破している。

 だが、それで簡単に倒れるようなら、そもそも彼女は六百年も生き延びて来た闇の魔法使い足り得ない…………。

 

 当たり前のように欠損した頭部から噴き出した血で自らの肉体を後方に再構成し、眼前で未だ剣戟している自らの肉体を盾代わりとして、呪文詠唱やら諸々の準備を終えた。

 雪姫というよりエヴァちゃんの姿――――何故か黒くてフリフリした水着姿は、ゲーム版で見覚えがあるような無いような格好だが、やってることは完全にその時代の初期「ネギま!」を逸脱していた。

 

「――――術式固定(スタグネット)千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)!」

 

 ガチで本気じゃねーか!? いっそ、そのまま掌握してこちらに「闇の魔法(マギア・エレベア)」による術式兵装の神髄を見せてくれそうなものだったが、しかし、邪魔が入った。

 

 

 

「――――『紅焔の左(アザー・メタトロニオス)』、『疑似・火星の白(パラ・アルバム)』!」

(コンプ)――――ッ、くそ厄介な」

 

 

 

 頭上に現れた両腕完全装備のカトラスにより、その左側の光で術式が掻き消された。舌打ちと共に指を弾いて茶々丸と同型に見える(おそらく機械でなくマリオネット形式)人形を呼び出し、数体特攻させる。それに悲鳴を上げながら空中を走って逃げるカトラスは、やがて「顎から上のない」雪姫の影と繋がっている胴体の側と斬り合ってる私の方まで来て。

 

「ちゃんと捕まえとけって、お兄ちゃん!」

『ふみゅー!? みゅー!?』

「おうフッ!」

 

 その右手側に「闇の魔法(マギア・エレベア)」の黒い魔力で形成された球状のものに囚われていたチュウベェを、死天化壮な私の胸、傷の上を覆うクロス状の部分目掛けて叩き込んだ。

 

 瞬間、世界の速度が「切り離される」――――同じ闇の魔法(マギア・エレベア)由来の技であるせいか、すんなりとその球は私の体内へと取り込まれ、死天化壮(デスクラッド)疾風迅雷(サンダーボルト)の状態となった。

 だがこの状態においてすら、なおエヴァちゃんの側から「嫌な感覚」が抜けない。接近したらそれはそれで、何か致命的なことをされる感覚……。咄嗟にその加速状態のまま、少し涙目になり始めているカトラスをお姫様抱っこし、急加速でその場から退散した。

 

 まぁ退散したところで、このフィールドからは魔法球の術式の関係上「24時間」脱出できないのだが。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 早々に何故カアちゃんに対してカトラスと一緒にタッグマッチを挑んでいるかと言えば、案外語ることは少ない。

 

「あーそれから、カトラスだったか? 妹のザジが『娘』といって話だけは聞いているポヨが。こちら側では手を出さないよう色々触れ回ったポヨから、気にするべきは『完全なる世界』だけで良いはずポヨ」

 

 ポヨ・レイニーデイ共々、かなり急いでサリーを半殺しにしかけていた月詠を止めて。ほぼ眼前に振り下ろされかかった両刀に我を失って取り乱していたサリーをあやしながら、ポヨはそんな話を私に言って姿を消した。

 その後、月詠には「交換条件である」ことを念頭に話をしたが、どうやら途中で止められたことが不満だったらしい。もっともそれはそうと仕事はちゃんとするのか、源五郎の組連中に加わって、なんだかんだと会場やらの片づけや関係者の「話し合い」に向かって行ったりしていた。

 

 さて、それはそうと。「僕が運んだら後で何を言われるかわかったものではないからね」と言われていた夏凜やら、普通に熟睡させられてしまった九郎丸だが。源五郎の事務所の一室にて彼女たちが目を覚ました時点で、これまた夏凜から想定外の一言を言われてしまった。

 

「それで? カトラスちゃん――――テナちゃんへの伝言を貴方に託すように言われたのだけど、話してくれますよね? 刀太」

「あー、それは…………」

「話しなさい。話さない理由もあるにはあるのでしょうが、それ以上に私は『貴方が心配』なんです――――」

「ちょ、夏凜先輩!? だったら僕も――――」

 

 そう言って、夏凜は完全にキャラ崩壊したレベルの悲しそうな表情を浮かべて、私に口づけした。もはや躊躇いすらしないマウストゥマウスである。突然の行動に呆然とした私にも九郎丸も何かしたようだが、そのあたりの記憶はさっぱりないので何も起きていなかったはずだ。誰が何と言おうと何も起きていなかったはずだ。

 翌朝なんかキリヱも居たが、別に何も起きていなかったはずだ。というか全員ちゃんと服を着ていたので、本当に何もないのだ。何もないったら(震え声)。

 

 さて、そんな言い訳めいた話は置いておくとして。諸事情あってカトラスの所在は隠していると夏凜に言うと、それ以上の追及こそなかったが。しかしその連絡は当然のように雪姫には回る。

 

 結果的に数日後、雪姫から呼び出しを受ける流れになるのだった。

 カトラスやアフロ含めたチーム全体として。

 到着早々に例の「別荘」へと引き込まれ、ビーチだというのに全員秋から冬場の服装のままである。

 

 大人バージョンの雪姫に対して、アフロは「これが母ちゃん、だと……?」と驚愕の表情を浮かべ、さらに夏凜を前に少し悲鳴を上げていた。そちらはそちらで何か繋がりがあったのか? と思ったが、千景が「ちょっと前に戦ってあっさりボコボコに負けてたからね」と苦笑いしていた。

 なお雪姫は雪姫で、様子が色々膨大に変化したカトラスやら、車椅子で少し困ったような表情の千景に眉をひそめていたが、細かく何かを言ったりはしなかった。

 

 むしろ文句は、主に私に対して集中していた。

 雪姫状態とはいえど表情が嗜虐的な笑みである。なんだか若干エヴァちゃん時代、元祖「ネギま!」でネギぼーずを痛めつけていた時の印象のある表情だ。そのまま両手を腰に当てて、私の顔を覗き込んでくる雪姫は、なんというかこう、間近で見ると顔は本当に綺麗なんだよな……。

 

 なお、そんなカアちゃんの後方で九郎丸がやきもきしたように、三太は状況がわかっていない顔で、キリヱは「やっぱりこうなったわね……」とため息をついていた。夏凜は夏凜で雪姫直々に「外で誰も侵入してこないように見張っていろ」と命令を受けたため、当然のように受諾していたりする。

 

「まほら武道会に出ないと言っていたのに、裏では色々やっているようじゃないか、ん?

 出ないなら出ないで、予選の登録を消す必要もないかとタカをくくっていた私の裏をかいてきたことは褒めてやろう。

 むろん、悪い意味でな」

「あー、まぁ積極的に出るつもりは元々なかったっつーか……」

「言い訳は聞かん。

 そこの、えっと…………、カトラスとか言ったか? お前をこの刀太が、ホルダーで引き受けるということをするつもりがないのは、正直そこは『どうでも良い』。

 この間お前が連行してきた魔人は、確かにいろいろ問題がある能力を持ってはいたが、そっちはこっちで対処するからそこの問題はない。

 問題なのは――――やっぱりお前がアレに参加するってことの方なんだよ」

 

 わかるか? と。私に睨みを利かす雪姫に、失笑しそうになりながら視線を逸らす。

 言わんとしている所は判らないではない。原作刀太の本来のスペックとして「金星の黒」も「火星の白」も、最終到達地点としては万全に使用できることを考えれば。おまけに星月の言っていることが正しければ、下手すると「造物主の鍵(コード・オブ・ライフメイカー)」すら内蔵されている可能性すらある。

 ありとあらゆる側面から敵の手のうちにわたるには相当なレベルで危険であり、もっと言えば手駒として必要というものもあるだろう。

 

 さらに言えば…………、あんまり自意識過剰になりたくないので言いたくはないが。

 少なからず、彼女と過ごしてきた二年間での「親子の感情」があることも、私は理解しているつもりだ。

 

 だが、それゆえのバツの悪さに対して、雪姫はどうも気に入らないらしい。ため息をつき、少し距離を取り。 

 

「訓練というか、試練と言うか……。

 実力を見てやろう、全員でかかってこい。

 ハンデはつけてやるが、今までよりはかなり『少ない』と思えよ、刀太。

 それで私を『倒せれば』、まあ参加してもそう大事にはならないだろうからなぁ」

 

 その一言と共にキリヱ大明神は九郎丸たちの手を引き退避を始め。無詠唱で放たれた凍結系の術により、アフロと千景は早々にダウンした。

 容赦が……、容赦が欠片も無ぇ……!(震え声)

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「いや、いくら何でも問答無用でいきなり実戦とか、あのカアちゃん頭大丈夫か……? いや頭大丈夫だったら闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)とか嬉々として自ら名乗らないか。メンタル大分やられてんだな、元々……」

「何、意味わかんないこと言ってるんだ、兄サン……? っていうか、降ろせっていうか、降ろして……」

 

 超速軌道が切れるまでで引き離せた距離はおおよそ1キロには到達していまいが(ここの全体面積的に)、それでも海上だろうが何だろうがお構いなしに氷の矢なり何なりがぶち込まれてくるようになったので、こちらももはや一刻の猶予もない。後方を振り返る余裕すらなく、カトラスをそのまま放してやる暇もないので、結果お姫様だっこのままエヴァちゃんの猛攻を受けきるしかない。

 

 というか、この状態で逃げてから「…………死ね」とか無言で何かこう、妙にイライラしたセリフをぶつけられているような気がするのは気のせいですかね…………? いや別に、カアちゃんの目の前で知らない女の子を抱っこして運ぶくらい何がどうという話なのだが、何にぶち切れてるのかはさっぱりというか。

 基本そこまで鈍くないはずなので、雪姫をカアちゃんと呼んでいる現状からして「その類の感情」を向けられてはいないはずなのだが。

 

 そして遠方ながら「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック――――」と呪文詠唱が聞こえ、氷の連撃が一瞬止まったこのタイミングを見計らい、再び疾風迅雷の超加速を始める――――。

 

 その場でターン、出入り口の柱付近へとカトラスを軽く置いて、その足で活歩(?)を蹴り接近する――――空中でこちらに指を構えているエヴァちゃんは、その周囲に渦巻く魔力からしてやはりそれなりに大掛かりな術を使用しようとしているのだろう。既にその周囲、下方向含めて吹雪が渦巻いており、正体は不明なまでも猛烈に嫌な予感を感じる。

 なのでその詠唱を止めさせるため…………、しかしエヴァちゃん状態の彼女を切り裂いたりするのは「何故か」躊躇われ。拳を握り、胴体へと速度を活かして一発――――。

 

 ――――加速が解除、したと同時に。私は相手の方が上手であることを思い知らされた。

 

 

 

『――――ククク、やはりな。

 そう来ると思っていたぞ? トータ』

「……! じ、人工精霊!? ってことは――――」

 

 

 私が一撃を加えた相手は、私を護るために雪姫が仕込んだはずの人工精霊のエヴァちゃんであり。はっとした私は、未だに継続して嫌な予感が抜けない下方へと視線を向け――――。

 

 

 

「――――術式固定(スタグネット)閉ざされし氷城(スクラギメノ・カスト・パゴゥ)…………、掌握(コンプレクシオー)!」

 

 

 

 超加速中、私がほぼ周囲の音をまともに認識できないことを逆手に取ったのか。そのあたりはネギぼーずとの戦闘経験で察していたのかは定かではないが。そのまま彼女は見たこともないタイプの術式兵装を発動し――――いつかのように、周囲一帯が「雪の国」へと(とざ)された。

 

 ゆらゆらよろめいた人工精霊はその姿を消すと、エヴァちゃんは「不意に目の前に現れた」。と同時に嫌な予感を前方から感じ、その頃には既に彼女の蹴りに屠られている私である痛い! いや普通の打撃なせいもあってか痛いというか…………。

 死天化壮状態ゆえに座標固定が若干働くので、その勢いに対して「気を緩めなければ」後方に飛ばされて相殺されるまでに衝撃を蓄積してしまうのだが。まるでそれを見越したように、一瞬のうちに四方八方いたるところに現れて蹴るわ殴るわ大盤振る舞いである。身体強化もされているのか一発一発が十分に痛く、そして「内出血レベル」に「あえて」調整されているのか、的確にその痛さでこっちの心折りに来てるんですが止めろください痛い!(懇願)

 

 おそらくこちらの情けない感想が口から洩れたのだろう、痛い痛いとちょっと泣き始めてしまった私に対して、しかしエヴァちゃんは何故か無表情。瞬間、超加速に入ろうとしたこちらの動きを悟ってか、私の胸に「手を突っ込み」、そこからチュウベェを「引きずり出した」。

 

 わー、心臓の肉とか血管とか、魔術的でないグロいパーツが大量に…………。

 

 痛覚がキャパを超えたのだろう、麻痺したこともありむしろ冷静に、その状態から私は後退することが出来た。

 

 

 

 距離を空けた状態で改めてエヴァちゃんを見る。……格好としては「氷の女王(クリュスタリネー・バシレイア)」の原作仕様が露出の高い女王であるとするなら、こちらはむしろ氷の花嫁衣裳とでも言わんばかりの恰好だ。まあ当然のように十歳の外見で、おまけにパンツ的な部分は丸見えになるように調整されてる謎仕様なのだが、こうも堂々とされると厭らしさより威圧感を感じる。

 

 

 

 当たり前のように知らない技使うのやめてくれませんかねぇ(困惑)。……それはそうと、その恰好が趣味だとするとやっぱり夏凜が言った雪姫様は痴女です発言が色々と真実味を帯び――――。

 

「あうチッ!? な、何で脈絡なくいきなり殴ったし」

「いや、何かお前がこの『冬の巫女(シビュラ・ヒモナス)』に文句ありそうな顔をしていたから…………」

 

 いやそもそもその技、何? という話なのだが…………。いまいち正体のつかめない相手だと勝負にならないと言うと、「まぁこれもハンデか」と彼女は苦笑い。

 

「この技、和訳するなら冬の巫女だが――――お前の視界一帯にあるこの『雪の世界』、その全ての雪が私と等しい存在であるとする術式兵装だ」

「…………えっと、つまり? いや、なんか超、高速移動できるってのは判るんだけど」

「そこまで判ってるなら話が早いな。

 事実はもっと雑なんだが……。

 この技の発動中は『降り注いでいる雪』と『私』の今いる座標を自由自在に入れ替えることが出来る。

 もともとお前の祖父の超高速移動系の術に、私が高校生になった頃から負け越し始めたからな。師匠として恰好が付かないと作った、まぁ戯れだ」

「いや、カアちゃんが祖父さんの師匠やってたって話すら多分初耳なんスけど…………」

 

 というよりも、その発言が正しければ。まず間違いなく成長期にあったネギぼーずの「雷天大壮(電気化加速)」ないし「雷天双壮(超・電気化加速)」に対応するために制作した術式兵装である、ということになるのだが。

 そっか、ネギぼーずってば所謂幻の「高校生篇」において、エヴァちゃんに勝ち越せるようになってたのか、そっかぁ…………。それでおそらく、その雷速で瞬動してくるネギぼーずを容易に迎撃できるようにと作った術なのだろうが、そっかー、この技って、それくらいを想定して作ったのか、そっかー……。

 

 無理ゲーでは?(白目)

 

 とりあえず斬りかかる私の目の前から消え、同時に私の頬を「ぺちり」と横から叩くエヴァちゃん。……叩かれてから「嫌な予感」が来ていることからして、この彼女の瞬間移動なのか座標移動なのかって、どう考えても人間の思考速度を超えているものである。ひょっとしたら、それこそネギぼーずもこのレベルで襲い掛かってくるかもと考えると、恐怖以外の何物でもないのだが…………。

 怯え始めた私を見てくつくつ笑うと、次の瞬間には「背後に回り込み」、そのまま私の頭を自分の胸に抱き寄せるエヴァちゃん。今の所、殺気なのか何なのかというものは感じないが、状況としては一発で御陀仏確定のゼロ距離ときていて、こちらとしては震える他ない。

 

「…………お前が心配だ、と。

 そうストレートに言ったところで、今更お前は信じないかもしれないがな。

 それでも『お前が大事だから』、無茶をして欲しくないんだよ」

「……いや、別にそこは疑っちゃいねーけど」

「無理にそう言わなくても良いよ。

 私だって、お前に隠してることはそれこそ山のようにあるからな………………。

 だが、これだけは言える。

 今の状態の私にすら勝てないで、おそらく大会に出場してくるネギ・スプリングフィールドを倒すことなど、夢のまた夢だ」

 

 だから今は眠れ、と――――首に熱とわずかな痛みを覚え、私はなんとなく眠くなり。

 

 

 

「…………全く、因果なものだよ」

 

 

 

 薄れゆく意識の中で、ほんのりと唇に冷たい感触が下りて来たのだけは、理解できた。

 

 

 

 

 




活報の[光風超:設定&質問コーナー的なアレ] 、そろそろ締切ですのでふと気になる事とか、ちょっと忘れそうな設定まわりなどありましたら是非コメントくださいですナ!
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