光る風を超えて   作:黒兎可

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毎度ご好評あざますナ
少しこのガバ振り返りの塩梅とか描写調整とかが難しく、ちょっと遅れておりますスミマセン汗


ST164.心の鍵は…その2

ST164.Frequently Asked Questions: side Kirie Sakurame

 

 

 

 

 

 快適。

 快適だ。

 快適なのだ。

 快適なのである。

 快適さがひたすらに天元突破していた。

 

「……あの、相棒?」

 

 まず第一にBLEAC○(オサレ)を読めるこの環境が一体何年渇望したものか。原作漫画については「私」にとって前の彼女に勝手に売り払われて以降、ちょっとした所有物に関するトラウマになっており中々手を出すことも出来ず数年といったところだったが。ようやくと手を伸ばして読めるこの展開の何と心地よい事か。ついでにアニメ版を眺めながら寝落ちしたりじっと適当に漫画とアニメの描写の違い(夕方電波に乗せられないちょっとえっちな描写)を見ていたり、である。割と原作初期でル〇ア(実は完現術者疑惑)〇護(我らがチャンイチ)とに噂されてた内容がだいぶエグいものがあったりで、思っていた以上にガッツリと容赦がないのだ。まぁそれを言い出したらバンビエ〇タ(容姿S級感性Z級美少女)とか連載後期でも当然のように色々放り込んできているし、このあたりは仕方ないというか、おそらくOSR師匠(オサレ最高神)の趣味なのだろう(偏見)。

 

「えっと…………、そろそろ時間だからちゃんと着替えないと、ほら」

 

 それに元祖「ネギま!」も「UQ HOLDER!」もどっちも良いと言えば良い。アニメには色々言いたいことはあるが、見てて安心感がある。ついでに棚の奥をあさったら「ラブひな」まで発掘されたので、流石にちょっと笑ってしまった。何だろう、この時空の忍やら成瀬川ちづやらそれっぽい名前もあるし、やはり関係しているというのだろうか。……なんとなく背景事情を聞きだすとハーレムルートというか、業の深さが尋常じゃないことになりそうでいまいち踏み出すつもりはないのだが、まぁこのあたりは他人事として見ておこう(白目)。映像で流れるOPの年代とぶっとび具合に色々と正気を取り戻すことが出来るので、私としては万事オッケイだ。

 

「…………私、脱ごうか? 相棒――――」

「――――大河内アキラの恰好のまま何をしようとしている貴様ァ!(正当ギレ)」

 

 現実逃避に全力だった私に向けて、いつの間にやら実体化していた星月は苦笑いを浮かべていた。その姿はいつかのように長身ポニーテールな大河内アキラの姿であり、白黒ローブの下はビキニタイプの水着である。デザインのスタイリッシュさは「ネギま!」ではなく「ネギま!?」らしさを感じさせてこれはこれで懐かしいが、それはそうとして発言と普通に胸元の下に指を入れて普通に途中まで持ち上げちゃってる構図はどう考えてもアウトだった。

 お前それ自分の本当の姿とかじゃないのだとしても、ちょっとは容赦しろ!? いい加減こっちも限界なんだからどうにかしろください!(懇願)

 

「でも、見たいよね相棒も。……私、一応『本物を』トレースしてるから、相棒が知らないところも実際本人だから――――」

「ますます拙いから止めろ(震え声)」

「じゃあ、これに懲りたらちゃんと着替えてくれる?」

「………………」

「相棒……?」

「あ、あしたからほんきだす」

「どれだけ時坂九郎丸でダメージ負っちゃったんだ…………」

 

 困ったような顔の星月にはどう文句を言ったものか。いやまぁ、昨晩の食事は何故か彼女が出て来てしれっと作ってくれたものを食べたのだが……、この部屋の中にキッチンも冷蔵庫もお風呂も色々完備されているせいなのだが…………、意外と美味しかったので(焼き肉のたれのレバニラ炒め)それはそれで良いのだが………………。

 

 

 

 

「――――まぁそんなこと関係なくアタシは来るわけだがねぇ。きっと来るって判ってるんだから、腹括っときなトータ」

 

 

 

 ひぃ!? と思わず声を上げて星月の脚に抱き着いてしまった。「ちょっと、ガバ心配するならこれも洒落にならないから……」と言いつつ顔を赤くする星月の姿は魔法世界で「私にも失礼だよ?」とネギぼーずに迫った大河内さん味あって中身の正体はともかく大変ごちそうさまであるのだが(末期)、そんな私と星月を「指を開く」動きで「引きはがし」、星月はその場で姿を消した……というか「空間に渦が出来て」「沈み込んで」消えたように見えた。また何やら目の錯覚か何かとか言い出しかねない言動であるが、流石に怖くて聞けなかった。

 震える私をつまみあげ、師匠はどこからか取り出した座椅子(四肢をロックして逃げ出せないようにする手錠めいた機構つき)に固定する。

 

「まあビデオは途中で止めておきな。どうせまだまだ時間はたっぷりあるんだ。今見逃したところで夜また見ればいいしねぇ。

 それはそうと寝巻のままはいけないよ寝巻のままは。明日はちゃんと着替えるんだよ、今日はもう放置するが」

「あ、あの……、済みませんもう何日か延期することは出来ないものか」

「伸ばしても熟成されるものはないからねぇ。それにアンタ、ある意味ではそれはあの娘達の気持ちから目をそらして逃げてるってことだよ? 男女平等が進みすぎて国力衰退したからそれを取り戻すためにまーた逆転しようとして既得権益に振り回されて迷走しつつあるアンタの時代に言う話じゃないだろうが、男を見せな! 勇気を出すんだよ」

「……………………」

 

 そう言われてしまっては、私も流石に逃げる訳には行かず。

 九郎丸の時と同様に画面へと映された「桜雨キリヱ編」の白文字に、一度深呼吸をして。

 

 …………やっぱりちょっと、恐怖から涙が出そうだった。

 

 

 


 

【桜雨 キリヱ】

 ┣友:05 ・・・もっと親しくなれるはず! って思ってる

 ┣親:09 ・・・私がしっかりしなきゃ……って思ってる

 ┣恋:15 ・・・世界を超えても何も変わらないし変えるつもりもない

 ┣愛:08 ・・・結局自分のせいで振り回しちゃってるし……と罪悪感

 ┗色:08 ・・・九郎丸より変態じゃないと思いたいらしい

  → 計:45

 


  

 

 

「いやだから高いといっているだろうにッ!?」

「まぁ自業自得だよ、甘んじて受けな」

 

 やっぱり泣いていいかな、これさぁ…………(血涙)。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「――――に゛ゃん!? ちょ、ちょっと、何よ一体……って、ここ何処?」

 

 何かよくわからない黒い手みたいなのにいっぱい転がされて(真〇の扉?)、投げ出された先はなんだかよくわからない場所。思わずマナフォンを起動して通話アプリを立ち上げたけど、連絡先のどこにもつながる気配はない。電波だけは綺麗に3本立っているのに、どうしたのかしらこれ。

 っていうか、まあそもそも? あの師匠さんっていうより魔女さんに無理やり連れ込まれた場所なんだし、そんな連絡手段なんて存在しないと考えるべきかしら。

 

 なんか南国みたいな場所に出たわね。森も亜熱帯な感じだし。島というには陸地が広いし奥がなんか凄い大自然! って感じだから、無人島とかではないんでしょーけど。

 

「って、こんな所に投げ出されて一人にされても、私何もできないわヨ? どーしろってのよ」

 

 とりあえず仕方ないので、「リトライ&リベンジャーズ(リトライ可能な仇討ち)」を発動させるために手を合わせて「タイトルバック」と呟いて念を込める。

 

 ………………………………。

 あ、あれ?

 

「発動しないわね……、どういうことヨ?」

 

 

 

「――――『未来の』アタシ都合で修業させてるってのに、この時空そのものを破壊しにかかる訳がないだろうに、桜雨キリヱ」

 

 

 

 に゛ゃん!? とまた、思わず汚い声を上げちゃったけどどーしてくれるのヨッ!?

 声には聞き覚えがないけど話し方はそのまま魔女ダーナさんのっぽかったから、そういう抗議の意思を込めて振り返ってみると。そこにはなんだか、全然違うビジュアルをした彼女がいた。

 頭もドレッドヘアーじゃなくてウェーブがかってる感じだけど、適当に後ろにまとめて垂らしてて、目つきも化粧も薄味で、唯一同じ所があると言ったら頭にかぶってる帽子くらいで、黒いワンピースみたいなドレスにコート纏ってて…………。

 

「って、誰ヨ!? 誰よあんた!」

「誰と問われれば――――あー、アンタの時代なら? ダーナ・アナンガ・ジャガンナータが本名になるかね。

 今、アンタは過去に送られてるんだよ。そしてここにいるアタシは過去のアタシってことさ」

「か、過去…………? えっ? そんなことしたら時空がどうにかなっちゃうんじゃないの? 超さんにそう言われたような……」

「アタシクラスになれば、そのあたりのロジック付けはどうにかなるからねぇ。まあ細かい事を気にするより、アンタは自分の身を心配しな。

 なにせ過去に送り込んだってことは、未来のアタシ直々にアンタは『一番時間がかかる』って見込まれたってことだからねぇ」

「え゛っ」

 

 ついておいで、ってその若いダーナさんらしい超美人(おっぱいも凄い大きいわね)は私に先行する。しばらく進むと、なんか結構最近できたみたいな石造りの建物に案内された。

 中はこう…………、図書館? みたいっていったらいいのかしら。何か物凄い大きいテレビとかも置いてあったけど、見た感じはそのまま図書館ね。 

 

 その中央の机の、既にいくつか本が置かれてる席に彼女は私を誘導した。

 

「これからアンタには、ここで色々お勉強してもらおうってことだ。

 アンタは不死者以前に基礎の身体能力はカスもカス、下積みですらない底辺以下が良い所だけど、それ以外の分が色々ぶっ壊れてるからねぇ? 修行方針は、そこを重点的にしていこうと思ってるよ。

 まず第一に、アンタ自身の能力を『正しく』捉え直して本当に使いこなすこと。

 第二に、その結果アンタの『失われた』能力を引き出すこと。

 そして最終的に、ネギ・スプリングフィールドとまではいかないにしても『偉大なる魔法使い(マギステル・マギ)』資格に最低限合格できるくらいには、一流魔法使いになってもらおうってところかねぇ」

「は、はァ!? ちょっと意味わからないわヨ、何で魔法ッ!!?」

 

 基本的に能力で食いつないできた私が今更魔法かと思ったんだけど、その私の抗議に魔女さんは「全く堪え性のない、これだから年増は……」とか言ってきた。

 

「ちょ、ちょっと!? 何でアタシが年増なのヨ、戸籍上でも最低二十き――――」

「それだって周回分は頑なにスルーしてるからだろ? アタシの手にかかれば周回総数で実時間におけば何日分何年分かを集計することなんてあっという間なんだよ。情報量が多くて記憶が擦り切れて摩耗した程度で、アタシの目を誤魔化すことが出来るとは思わないことだ。

 それを合計したアンタの精神的な実年齢は、実に三十五ま――――」

「――――があああああ! うがあああああああッ! がう! がうッ!」

 

 乙女として、恋する乙女として絶対に聞いてはいけないこと言われかけた。当然全力抗議ヨ! 当たり前じゃない当たり前! あーたーりーまーえッ!

 私のその思いが伝わったのか、魔女さんはため息をついて肩をすくめた。何よその呆れたみたいな仕草…………?

 

「まぁ、魔法についてはアンタの直接的な戦う力の問題だ。いくら能力がピーキーに過ぎるからといって、何一つ戦えないんじゃ不死者の名折れじゃないか。

 でも第一と第二、これは何があっても必須だ。いい加減アンタによってこの時空の形状がイビツに膨れ上がり続けるのも、だいぶ見ててグロテスクになっているからねぇ。フォアグラの養殖方法って知ってるかい? 無理やりエサを食わせて腹を――――」

「その話知ってるけど、今聞きたくないんですけど!? って、えっと……、えっ? うそでしょ、私のこのレベル2ってそんなにひどいの?」

「酷いなんてもんじゃないよ!? アタシが気づいた時点で既に時空崩壊一歩手前までどういうルートを辿っても確定していたからね。いくら『アンタが作った訳じゃない』能力で『アンタ自身のせいではない』にせよ、思わず丁度『体良く』使い捨てできそうな超を使って適当に止めに行かせたくらいには」

 

 超さんそんな適当な扱われ方してるの、えっ? そっちもちょっと気になるんですけど……?

 

「そもそもそうなってしまう理由は、アンタが自分の能力に関してレベル1の段階からまだまだ未熟だったから、と未来のアタシは結論付けた。だからアンタにその力の真価を『理論面から』理解させるため、まずその能力を封じる形で過去に送ったってことだねぇ」

「封じる形…………」

「アンタ自身気付いているかわからないが、そのレベル2の能力もレベル1の能力も、普通発生しないが弱点として『自分が死ぬ以前の時間には戻れない』っていうのがあるんだよ。アンタの能力はアンタが栄養失調と熱中症で餓死した四歳の時が基点となっているから、あの時間以降に『習得した』っていう値が存在しているからね。それ以前のアンタには、能力はあるが使用不能ってことさ」

 

 ま、まぁ弱点についてはちょっとわかった。普通は無いって言う以上は普段は心配しないでも良いってことなんでしょーけれど。それはそれとして。

 

「それでどうやって能力について学ぶっていうのヨ? えっ、実際に能力使えないのよね」

「そこは安心しておきな。教材については古今東西ありとあらゆるものを『取り寄せている』から」

 

 そう言って彼女が取り出したのは……、何? あれ、映画の記録媒体とか、ハードカバーの古典SF本? どさどさと山のように積み上げてから、彼女は肩をすくめる。

 

「まず最低でも超くらいには、世界線というものについて理解をしてもらおうかねぇ。それが出来れば自分の能力がいかにヤバいか、その上でどういう理屈で動いているかに多少は推測がつけられるだろうからね」

「の、能力をパワーアップさせることに繋がるの? それ」

 

「――――むしろパワーダウンに繋がるよ。『適切なレベルで』パワーダウンして使えるようにもなる、が正しいが」

 

 ちょっと何言ってるかわからないわね、と。そんな私に「まずはこれを見ようじゃないか」といって、20世紀後半の古い車をタイムマシンに改造する映画を、魔女さんは上映し始めた。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「あの…………、ひたすら無言でキリヱ視点のゾンビ事件見せられたんスけど、一体何を言いたいのかって言うのが」

「気づかなかったかい? あの時の描写というか、状況で明らかにおかしい部分があったのを。いまだに説明されていない箇所について」

「説明されていない箇所…………?」

 

 アンタ自身が疑問に思っていないだけかもしれないがねぇ、と師匠はそう言いながら画面を切り替える。「死を祓え!」と題されたその英題のタイトルのそれは、文字通りキリヱ視点から前回のゾンビ事件(ダイダラボッチ事件?)を振り返る物であった。おおよそ私が知りうる範囲の話と、キリヱの部分的な回想…………、擦り切れた映像とかの回想映像などがメインであったが、それはそうとして最後の温泉はちょっと修正してください師匠さんや、夏凜が自分の水着に指かけたときのやつ「見えちゃった」んですが先っぽォ!?(震え声)

 

「そんなもの今さらだろうに。大体それを言い出したら、隠れてリクエストすれば仕事の時間でなければ自由に見せたり触らせたり――――」

「言わせないからな!? 誰が何と言おうと、本人から白状されるまではノーカン! ノーカンなのだッ!」

「今更手遅れだと思うがねぇ……。まぁあまり時間をかけるのもアレだが、ヒントは…………、最終決戦時、どう考えても前触れや伏線なく桜雨キリヱが起こした現象があったろう? トータ」

「………………アレだろうか、ディーヴァに先んじて私が地下空間まで『転移』のようなことをされたこと」

 

 かつてディーヴァ・アーウェルンクスに追い詰められていた時の話だが。彼女が「水無瀬小夜子」が封印されている世界樹地下の祭壇(ヽヽ)まで、自らが魔法具(アーティファクト)で連続転移していた時の話だ。あの時に自力で追うことができなかった私を、キリヱは地下空間で釘宮と共に出迎えた。

 あの時のそれは、確かにキリヱ本人が何かしらやったことなのだろう、ただこちらに能力を明かしていないだけで、と軽く考えていたのだが。わざわざそれをこの場で言及するということは、また何か違った理由があると言う事か。

 

「おおむね正解、だねぇ。まぁこれもきっかけに過ぎないんだが…………、そこで思考を止めずに、色々アタシの言うことを聞いて考えてみな。

 あの時、桜雨キリヱは別にアンタに教えていなかった能力を使ったわけじゃない。もちろん、新しい能力に目覚めたという訳でもない。本人も使い慣れている風だったろう?」

「伊達や酔狂でホルダーやってない、みたいなことは言っていた覚えがあるが……」

「じゃあ何が違うかと言うとだね――――あれは瞬間的にタイトルバックして、すぐ元に戻したってだけなんだよ」

「…………えーっと」

「嗚呼、忘れてるかい? タイトルバックは、桜雨キリヱが『メニュー画面に』戻る時のキーワードさ。つまりあの瞬間、アンタと桜雨キリヱは一瞬……、というかゲームみたいに言えば『数値上』あの『はじまりの場所』へといって、そこからすぐにあの場所に戻ったということさ。一瞬だけセーブポイントを作ったってことだよ」

 

 それは……、いや、おかしくないだろうか? いかにレベルアップすれど、基本的な仕様はキリヱのレベル1に依存しているはずである。つまりキリヱによる能力の巻き込みは、最低限彼女の周囲にいることが必須条件になっているはずだ。

 

「それにも関わらず、キリヱが私を巻き込めるとは…………、それは――――」

「居るじゃないか。居た(ヽヽ)じゃないか。あの時までずぅっと、桜雨キリヱと共にアンタは一緒にいたじゃないか」

「――――――――、一周目の私の、魂?」

 

 師匠は肯定も否定もしなかったが、この場合それは肯定となんら意味が変わらない。

 つまり、である。あの時キリヱによってあの場所に……あえてリスポーンとでも言おうか、する際に。キリヱは私の魂そのものといって良いものを持っていたからこそ、同じ判定となるこの私もその場に引きずり出すことに成功していた、ということか。

 

「そう、だから今のあの娘はもうアンタを自在に呼び出すことは出来ないんだよ。それはアンタ自身、あの子が折れずに五万回も繰り返せてしまったことに、思う所があるのと一緒さ。

 そんなあの子から、結果的にアンタだったものは失われた。…………それが『安全弁』にはなったんだが、同時にあの子の心のさらなる不安定さにはつながってるんだ。

 その視点の映像で散々『思ってること』は収録してあったんだから、気持ちについちゃ今更、時坂九郎丸の時のように振り返りはしないけどねぇ。十分わかってるだろう? その重圧というかは。

 だったらアタシから言えるのは、もうちょっと気にかけてやりなってことだ。たとえキティと同じように『そのテの欲を抱くのが難しい』相手であるのだとしても」

「………………」

 

 何も言葉を返せなくなっている私に、師匠はため息を一つ。九郎丸の時ほど厳しくなかったものの、これで本日の授業はお開きとなった。

 なったのだが…………。これはこれで嵐の前の静けさのような気がしてならないのは、私の錯覚か何かだろうか。

 

『もっと気にすることがある気もするんだけど……。

 それはそうと、エヴァンジェリンやカトラスちゃんも、あと相棒が一番怖がっている夏凜さんもいるからね。たぶん間違ってないと思うよ』

 

 疲れた声の星月の言葉を胸に刻みつつ、遠い目をしながら私は〇LEACH(オサレ)第一作目の映画冒頭のいちゃいちゃした〇護(チャンイチ)達を見直していた。

 

 

 

 

 

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